旧日本海軍幹部ら47人が太平洋戦争などについて語った証言集「提督達の遺稿」を、旧海軍OBらでつくる「水交会」(本部東京)が刊行した。日米開戦に至る経緯での内部批判や、戦争に突き進んだ政府中枢、陸軍への不満などが率直に述べられている。
 証言は1956~61年ごろ、水交会の要請で小柳冨次元中将が聞き取り、全44冊、原稿用紙約4000枚にまとめられた。「小柳資料」として保管されていたが、今後に役立ててほしいと同会メンバーが約2年がかりでパソコンに打ち込み、16日に刊行した。
 47人は海軍省や作戦を統括する軍令部の幹部、各部隊指揮官の経験者ら。第1次大戦後の軍縮会議や対米交渉、太平洋戦争などへのかかわりを証言した。
 戦後、多くを語らず「沈黙の提督」と呼ばれた井上成美元大将は、軍令部の権限強化や日独伊三国同盟に反対した経緯を詳述。「英米と戦はしないという鉄則を堅持すべきだった」と振り返った。
 山本五十六連合艦隊司令長官が対米戦の見込みについて「半年か1年は暴れてご覧に入れるが、2年3年となれば確信は持てぬ」と首相に答えたことに、「実戦部隊の最高責任者が自信ないなら、職を賭しても反対すべきだった」と批判。及川古志郎海相が開戦判断を首相一任としたのも「だらしない。日米戦争となれば海軍が主導的立場に立つのは当然。総理は海軍が戦を欲しないと言ってもらいたいのに、理解に苦しむ」と述べた。 

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