三重県伊勢市の伊勢神宮への参拝者が急増している。

 内宮(ないくう)、外宮(げくう)を合わせ、昨年は800万人に迫った。今年も4月までで424万人に上り、統計が残る1896年以降で最多だった1973年の859万人を上回る勢いだ。雑誌やインターネットなどで「パワースポット」として紹介されるようになり、女性や若者の参拝者が増えたとみられる。神宮司庁も「最近の増加ぶりには驚いている」と話している。

 ◆式年遷宮PR効果も◆

 伊勢神宮の参拝者は、20年に1度の式年遷宮(せんぐう)の年とその翌年に急増しており、過去最多の73年も遷宮の年だった。それ以外の年は500万~600万人台にとどまっていたが、遷宮の6年前の07年に700万人を超えると、08年は750万、昨年は798万人とうなぎ登りだ。その勢いは今年になっても全く衰えない。

 伊勢市や市観光協会などによると、3、4年ほど前から、女性誌などが「パワースポット」を特集するようになって、伊勢神宮でも女性や若いカップルが目立つようになり、観光案内所にも参拝の方法や手順を尋ねる若者が増えているという。

 パワースポットは、「元気をもらえる場所」「癒やされる場所」などとされている。たくさんの巨木がある伊勢神宮は、東京の明治神宮や宮崎県の高千穂神社などと並んで、多くの雑誌やネットのサイトで、「日本有数のパワースポット」として取り上げられている。

 大型連休に訪れた東京都目黒区の松本香子さん(39)は、「ファッション雑誌のパワースポットをテーマにした特集に心が動かされ、パワーをもらおうと思って、約20年ぶりに来ました」と話し、夫と子ども2人と一緒に参拝した。

 神宮司庁は「遷宮に向けて、東京や大阪などの大都市を中心にPRに力を入れており、様々なメディアで取り上げられる機会が増えたからでは」としているが、「それでも、このところの増え方にはびっくりしている」と驚きを隠さない。

 ただ、パワースポットとして取り上げられていることについては、「全国の神社にパワースポットという目が向けられているが、神宮は今も昔も変わらない。古来から続く神宮の姿に触れてもらえれば何よりだ」と話している。

 ◆式年遷宮=20年に1度、伊勢神宮の内宮、外宮の正殿や別宮など、60以上の社殿と神宝などをつくり替え、ご神体をうつす神事・祭事で、約1300年前に始まった。次回の第62回遷宮は2013年10月に、ご神体がうつる「遷御(せんぎょ)」が執り行われる。

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