Poyonの映画批評

管理人の個人的映画批評です。映画館には行かないので旧作メインです。ネタバレには注意を。

シャーロック・ホームズ/緑の女 ['45 米]

The Woman in Green

【原題】The Woman in Green
【監督】ロイ・ウィリアム・ニール
【出演】ベイジル・ラスボーン
    ナイジェル・ブルース
    ヒラリー・ブルック

 『切り裂きジャック』以来という残虐な連続殺人事件が起きているが、犯人の見当が付かずマスコミには叩かれて戸惑い状態のロンドン警視庁。そして切羽詰まった刑事が、犯人像割り当ての為に頼って尋ねるのがホームズ。

 殺されるのは若い女性ばかりで、犯人は女性の指を切り落として持ち帰っている事から、ホームズは”直ぐに逃げずに指を切り落としている”点に着目。そして被害者が住んでいる地域も地区も全く異なる事から、『切り裂きジャック』以上の犯人の腹黒さを感じている。捜査中にも殺人事件。しかし、殺人事件近くの安宿に泊まっていたジョージ卿が、何故この場所に居てどうやって行ったのか覚えていないと言う。

 ホームズの相棒であるワトソンはマイペース。そしてホームズの下には最近父であるジョージの様子が可笑しいと娘が訪問。どうやらジョージは人間の指を隠し持っていたらしいけど、ジョージには全く記憶がないのだが、そのジョージも口封じで何者かに射殺され更に事件は複雑になり、ホームズの下には宿敵と言わしめるモリアーティ教授が訪問。彼も今回の件から手を引いて欲しいと脅迫するが、でもその事が逆に事件の動機を推理される要因に。

 そしてホームズも命を狙われるが、ある女性の催眠術に拠る犯罪である事が分かり、ジョージも催眠術で犯罪を犯していて、指の切断は催眠術に掛かった者への脅迫の為。催眠術を一切信じずに馬鹿にするワトソンが簡単に催眠術に引っ掛かる様が笑ってしまった。

 モリアーティ教授の失敗は、容疑者である女性が事前にジョージと会っている所をホームズに見られている事。女性側は同じ店にホームズが居た事に気付いていなかったので、自分の姿を見られていないと思い込み、簡単にモリアーティの所へ連れて行けると思い込んでいるんだけど、ホームズの方から声を掛けてモリアーティの所まで誘導させるので、女性からすれば、誘導しているように見えてさせられている感じ。その為、ホームズも催眠術に掛けられる危険性を事前に分かった上でなので、全然知らずに行くのとは全く異なる。誘い出すはずが誘い出されると言う展開が面白い。

 でも別に指を殺害して脅迫するなら女性じゃなくても良い気がするが、どのように被害者が選ばれるのか、どのように催眠術を掛ける相手を選ぶのか、そして態々そこまでの脅迫殺人をする動機は何なのか何も解決していないし、加害者の女性を逮捕した所で証拠が何もない気がする。モリアーティは一体こんな事件起こして何したかったんだよ!?。



THE FORGER/天才贋作画家 最後のミッション ['14 米]

The Forger

【原題】The Forger
【監督】フィリップ・マーティン
【出演】ジョン・トラヴォルタ
    クリストファー・プラマー
    タイ・シェリダン

 組織のボスであるキーガンに手を回してもらい、早めの出所となる贋作画家のレイ。でも父であるジョセフはレイの余りにも早い出所で、出所する為に何か怪しい事をしたんではないかと直感。勿論キーガンも組織(何の?)ボスであるが故に、ただでレイを出所させる訳はなく、レイにモネの贋作を作らせ本物を盗むという計画を交換条件に出してくる。期限は本物が展示されるまでの3週間。

 息子のウィルが居るが、ウィルももう10代中盤ぐらいの青年なので、父が無理して出所してきたんじゃないかと思って仲も余り宜しくない。でもウィルは手術も難しい癌に罹っているらしく、レイの出所理由もそこらしい。何処から息子の病気の情報を得たのかは分からないけど、そういう事もあって、ウィルはほぼ毎日病院通い。入院した方が安心できる気がしないでもない。

 レイにとっては、キーガンに頼まれた贋作作りの仕事よりかは、息子のウィルの方が深刻な訳で気が気ではないが、ウィルは強気で振る舞っているので余り癌って感じがしない。でもずっと刑務所に居たレイからすれば、今の一緒に居る間にウィルの為に何でもやってあげたい一心もあって、息子の為に大いに振る舞っている。でも息子からすればちょっとウザくて傍迷惑なんだけど。でも息子の願いが「癌になりたくなんか無い」と言うのはちょっと切ない。確かに何でも叶うんだったら癌を取り除いて欲しいよね・・・。

 キーガン経営の店で売人が殺害される事件が起き、警察も直前にキーガンに会っていたレイをマーク。仮釈放者が重犯罪者に会っているという点で何かあると踏んでいる。ウィルは、自分と一緒の時間を過ごすために父が組織に借金してまで出所してきた事を知って、少しずつ父に対して理解を示す。

 そしてキーガン側も麻薬を横流しされて、可成り大金の借金を抱えている身。その男:カルロスは絵画コレクターだが、可成りの悪党として警察も目をつけているので、警察はレイがキーガンとカルロスに脅されて詐欺の片棒を担いでいるんじゃないかと予測。そして僅か3週間の期限でのレイの贋作作りが始まる・・・。

 レイの元妻であるキムと、ウィルの会話は何だか辿々しくお互い嘘御託を並べているだけの会話。レイの方は彼の幼馴染であるカールも味方について作戦立案し、絵を盗むための警備状況などを調査するのも彼の役目。レイがキーガンの為と息子の為にしている事は、仮釈放の身では違反な事ばかりなのだが、それはレイも分かっているし、泳がせている警察もどうする事も出来ない。

 ウィルの願いにレイの仕事を手伝わせて欲しいと言われて戸惑うレイ。息子を巻き込みたくないというのもあるけど、ウィルは癌なので言わば常に満身創痍の状態なので、そこが不安という所もある。それでも渋々息子の絵画窃盗(及び贋作づくり)の手伝いを承諾する事になり、レイ、ウィル、ジョセフの親子3世代とカールに拠る犯罪チーム(?)が誕生する事になる・・・。レイの手伝いをするウィルは何だか楽しそうなので、ウィルの父に対する自分への想いが理解できたって事だろう。

 頼んだキーガンの方もカルロスへの借金があるので可成り必至。そしてそれぞれの役割を実行して絵画の入れ替え作戦を敢行。その場にはレイとキーガン、カルロスの事件の担当刑事であるキャサリンも見回りにやって来る。キーガンも調子に乗ってレイにもう1つ仕事を頼もうとするが、レイもこのまま終わるはずはなく、ちゃっかりキーガンを嵌める作戦を練っている。

 腕前の良いレイお薦めの絵画鑑定士にジョセフが扮して、盗んだ絵画を敢えて無価値の質の悪い贋作と評価させて、キーガンは殺されるけど、結局カルロスの方はどうなったか分からない。更に言えば、最後はウィルの癌の事がどうでも良くなっていたし、息子の為に出所して仕事もして来たのだから、最後は息子を癌で死なせてお涙頂戴に持っていっても良かった気がしないでもない。

   ≪キャッチコピー≫
ボストン美術館を狙え!




ナタリー ['11 仏]

La Delicatesse

【原題】La Delicatesse
【監督】フェンキノス兄弟
【出演】オドレイ・トトゥ
    フランソワ・ダミアン
    ブリュノ・トデスキーニ

 喫茶店で出逢っただけのフランソワという男と結婚したナタリー。フィンランド系列会社の社長秘書にもなって、幸せな生活(?)を送っていたが、ある日フランソワが交通事故で他界。暫くは悲しみに暮れて平凡な日々を過ごすけど、家族もナタリーが落ち込んでいると分かっている筈なのだから、暫く独りにしてあげれば良いのに、母が訪ねてきたりして、傍迷惑になっている。

 秘書業に復帰しても、今度は周りが気遣うのが困るナタリー。彼女からすれば今までと同じようにしてくれた方が有り難い。社長だけセクハラじみてるし・・・。でも親友でされ彼女に気遣いながら話している。まだナタリーが恋人亡くした直後という事もあって、昔の話とかフランソワの話などが出来ない訳で、気を遣わないように接するのも難しい。社長にもちゃっかり誘われるけど、不倫にもなるので冷たくお断り。

 そんなある日、仕事の案件を訪ねてきた冴えないマーカスに、何の躊躇もなくキスをした事で、その日以来マーカスもナタリーが気になってしょうがない。でもナタリーも全然記憶にないのが面白い。確かにマーカスの何が良いのか良く分からないけど。そしてマーカスは存在感も薄く同僚も大して覚えていないという有様。たまたま訪ねてきていたのがマーカス以外で社長とかであっても上の空でキスしていたのか!?。

 どちらかと言えばマーカスの方が非常にナタリーを気にしているけど、夕食に誘ったり舞台に誘ったりと関係は良好になってはいるが、ナタリーからすれば”友人”で済ます気で恋人にまでなる気はない。でもマーカスの方もこのままナタリーと居ると恋に落ちそうだとして、ナタリーの方を見ないようにしたりもしていて、マーカスも一体どうしたいのか分からない。

 でも社長もナタリーに恋するマーカスに嫉妬して、彼の異動届を出そうとするなど、妻も居て振られたのだから好い加減諦めろよと言いたい事請け合い。そして3ヶ月も懸案していた企画をドタキャンしてまでも祖母の家へ赴くナタリーとマーカス。でもナタリーが惚れ込むほどのマーカスの魅力って何処だったのだろうか・・・!?。まぁ企画のドタキャンなども全て嫉妬してきた社長の責任なんだろうけど・・・。

 確かに夫が亡くなっても前を向いて生きなければいけないのも事実だけど、あんなに夫の死で落ち込んでいたナタリーが、いきなり訳もなく存在の薄いマーカスに上の空でキスをして、そのまま付き合い始める展開が良く分からない。結局この2人もどうしたいんだ!?。

   ≪キャッチコピー≫
それは突然のキスから始まった。




X-MEN:アポカリプス ['16 米] 

X-Men  Apocalypse

【原題】X-Men : Apocalypse
【監督】ブライアン・シンガー
【出演】ジェームズ・マカヴォイ
    マイケル・ファスベンダー
    オスカー・アイザック

 人類史上初のミュータントであるエン・サバ・ヌールこと”アポカリプス”が人類を支配する為に新たな肉体へ転移しようとしたその時に反乱に遭い、封印されたアポカリプス。

 それから数年後、ミュータントの体で困っている者たちが、”プロフェッサーX”ことチャールズが率いる学園に集結。その内の1人:スコットは後に”サイクロップス”と言われる男だが、目を開けると強力なビームが出続ける為に制御が効かずに苦労している。そんな中、長年封印されていたアポカリプスが現代世界に復活。でも復活させる側も彼に一体何を求めて復活させたのか分からないけど、ここの展開は『ハムナプトラ』っぽい。このアポカリプス復活で、学園でも予知能力を持つジーンが苦しみ出す。ジーンは世界の終わりを予知し、アポカリプスの姿も夢で見ている。学園の子たちは皆ミュータントだが、皆が皆その力を制御できていない。つまり、全員が制御できればそれこそ最強にだって成り得る面子が揃っている。

 常にチャールズの傍にいる”ビースト”ことハンクも普段は制御して力を出さずにチャールズのサポートをしている。金属を操れる”マグニートー”ことエリックは、一旦は丸くなって大人しくなっていたが、自らの正体がバレて娘が殺された事で能力が再び開花。チャールズの昔の知り合いで今はCIAのモイラは、アポカリプスを慕うカルト教団を追跡。まぁチャールズの能力で、昔の知り合いだった部分の記憶は消しているけど。

 アポカリプスは体を乗り移れる能力を持ち、ミュータントに乗り移る事で、その能力を蓄積できるので、死ぬ直前に乗り移れば別の体でまた生き長らえる事が可能で、必ず4人の騎士たる能力者を引き連れている。そして長年封印されて蘇ったので、テレビなどで現代社会を学習。そして弱者が兵器などで世界を支配している事を知って、アポカリプスは世界征服を宣言。世界征服を企む割に兵器は嫌がるんですね・・・。

 学園にはエリックの元知り合いだった”ミスティーク”ことレイブンが、”ナイトクローラー”ことカートを引き連れて戻ってくる。そして、アポカリプスは騎士として、こそ泥で生計を立てていた”ストーム”ことオロロ、サイロック、エンジェルなどを能力を増大して勧誘。あ、因みに残り1人は現代世界に嫌気が差したエリック。アポカリプス側は四騎士含め僅か5人のミュータントではあるが、アポカリプスの能力でミュータント力を増大させているので、可成りの精鋭たちと言う事になる。四騎士はマグニートーこそ最強のミュータントであると実感している。エリックは元々金属を操る力が半端ないので、地中の見えない金属さえも操れば地球を掌握できる力を持つとアポカリプスも実感。ただ、元々マグニートーは殺人鬼として指名手配され、エリックも名前を変えて生きてきたので、正体がバレて能力を再開花した今、マグニートーの復活としても世界中で大騒動に。

 ”クイックシルバー”ことピーターは、そのマグニートーを追おうと決意するが、1人では危険なので、チャールズの下を訪ねている。そのピーターが爆発する学園から、その能力で助け出す様は、スローモーションなども使って中々爽快。でも1番爆発の近くに居たスコットの兄のアレックスだけ救えなかったけど。しかし1点だけで大爆発を起こす学園というのも問題。でもアレックスからすればスコットに全てを託した最期で、スコットが本気出せば世界も救えると思っている。

 一部の能力者がストライカー率いる兵士に拉致されるけど、そこで人間改造兵器として存在した”ウェポンX”。まぁつまりローガンなんだけど、ちゃんとヒュー・ジャックマンが演じてるんですね・・・。アポカリプスがチャールズの体に転移して世界中の人々まで操作しようとしている事に気付き、レイブン、ハンク、ピーター、カート、スコットがX-MEN側に。パワーというよりもX-MEN側はスピードタイプという感じで、ピーターとカートが瞬足タイプ。

 アポカリプスの最大の欠点は引き入れる仲間を間違えた事だろう。オロロはレイブンに憧れていた存在だし、エリックはレイブンの説得で、自分にも大切な仲間が居た事に気付くなど、アポカリプスの四騎士に彼を裏切る者が出て来るが、アポカリプスも本領を発揮するので、エリックがチャールズ側に着いてからが本当の勝負。何も恐れずに本当の力を発揮したジーンが半端なく凄かったけど、四騎士の内サイロック以外を仲間に取り入れてしまうX-MEN側も凄かったけど、説得力か!?。ストームが最初は悪役側だったと言う所が何だか新鮮だったけど。

 最後のミュータント同士の対決は迫力はあったんだけど、出来としては観ていてどっと疲れる感じ。街を破壊しまくっていた癖に、急に仲間想いになるエリックが都合良すぎ。今作は多分『X-MEN 0』と言う位置付けで、これから『X-MEN』へと続く感じなのだろう・・・。

   ≪キャッチコピー≫
最後の敵は、神。




ヒトラーの審判/アイヒマン、最期の告白 ['07 英・ハンガリー]

Eichmann

【原題】Eichmann
【監督】ロバート・ヤング
【出演】トーマス・クレッチマン
    トロイ・ギャリティ
    フランカ・ポテンテ

 ヒトラーの命令で、600万人ものユダヤ人を虐殺したと言われるアイヒマンが潜伏先で捕まり起訴される所から物語は始まる・・・。ずっと逃げていた戦犯がようやく捕まった事で大喜びのユダヤ系たち。

 軍事裁判へ向けたアイヒマンへの尋問役に専任されるレス。勿論牢獄に入っているアイヒマンも、ヒトラーの下で何年も伊達に居た訳ではないので堂々としている。国民はアイヒマンの裁判に反対。裁判は無駄に時間を費やすし、残虐人をずっと生かしてしまう。でも何時アイヒマンの命が狙われるか分からないので、刑務所は厳重。こう言う所も税金の無駄遣いとか思うのかも知れない。でもレスの方も極秘でアイヒマンの尋問をしなければいけないので大変。でも極秘の割には結構あっさり妻にバレていたけど、何でだ!?。

 アイヒマンは「ユダヤ人」と言う言葉は使わず、「帝国の敵」と表現。ヒトラー指揮下時の回想も描写(ヒトラー登場しないけど)。一応アイヒマンの尋問に合わせて、その回想がある感じ。刑務所では釈放デモで暴徒化。アイヒマンを助けたい騒動ではなく、釈放させて暗殺したい面々が集まっているので、警備が一層厳重に。

 そんな中、レスの父親もアイヒマンにガス室に送られていいた事が判明。ガス室に送られた父の息子が、当事者の尋問をしていると知られると大事。それでもレスを尋問役から外す意向もないので、マスコミにバレるまでの制限。と言うか、秘密裏じゃなかったのかよ!?。でも何かもう色々裏切り者扱いされていてレスも大変。でも尋問するだけで裏切り者扱いされるって言う事は、周りも何か色々勘違いしているって事じゃないのか!?。

 アイヒマンはユダヤ人移送係であって、その後ユダヤ人がどうなるかは知らぬ存ぜぬを貫き、殺害にもその指示にも一切関わっていない事も貫き、証言が得られない。常に平静のアイヒマンだが、裏切り者と家族で揶揄されているのに、レスも冷静。でもヒトラーに忠誠を誓って彼の命令は絶対だと従った事は証言するけど、それが虐殺だとは限らない。

 虐殺は別にユダヤ人だけの問題ではないのだが、どちらかと言えばアイヒマンよりも、尋問するレスの方の苦悩の方が上回っていた気がするが、個人では何も出来なくとも組織化すれば何でも出来てしまう事実、ヒトラーがドイツ国民に支持されていたのも紛れもない事実で、じゃヒトラーやナチスが敗北したからと言って、ナチス支持者を虐殺する訳でもない。で、結局レスとアイヒマンの尋問が主で、アイヒマンの裁判などは全て省かれていたのも如何なものかと。レスの尋問終了後にあっさり終わってしまうのが物足りない。

 アイヒマン自身は子供や家族を愛していたのに、虐殺した子供は「ユダヤ人だから」と言う理由だけなのは同情の余地はないが、命令は絶対という時代背景は巧く描かれている。

   ≪キャッチコピー≫
その男は良き夫、良き父。そして600万人を虐殺した怪物。




レミーのおいしいレストラン ['07 米]

Ratatouille

【原題】Ratatouille
【監督】ブラッド・バード
【声の出演】パットン・オズワルト
       ブライアン・デネヒー
       ブラッド・ギャレット

 世界一の料理人と言わしめられているグストー。”食べる死神”という別名を持つ辛口料理評論家のイーゴは、グストーが名料理人なんて言われている事に大反対。まぁ多分誰がなっても反対しているんだろうけど。毎日がサバイバルな生活を送っているネズミのレミーは、嗅覚と味覚が異常に発達し、食べ物の匂いだけで隠し味など全てを分析し、ネズミの為に人間が仕掛ける殺鼠剤の混入をも見抜く。でもその所為で、鼻が肥えて食べ物も残飯は受け付けなかったりする。つまりネズミらしい生活が難しい(食物的に)。何気にネズミと家主との冒頭近くのバトルが面白いけど。グストーはレミーの憧れだったが、イーゴの悪評もあって三ツ星に転落して他界。

 家主との騒動で、家族と仲間と逸れてしまったレミー。そんなレミーがやって来るのが、毎日混雑するほどのグストー経営の人気レストラン。グストー他界後も人気は衰えず、同じ時期にリングイニという青年が見習い兼雑用係としてやって来ていた・・・。そんなリングイニがたまたま失敗した激まずスープを、機転で絶品にして見せるレミー。ここで、料理は下手だけでなるべく長くシェフとして働きたいリングイニと、料理上手なレミーの凸凹コンビが誕生する事になる。でもリングイニとは全て自分の腕の所為だと勘違いする傾向が見られるけど。

 グストーのレストランでは、余りにも絶品なスープをレミーが作ってしまった所為で、スープで再注目されるほどに。でもリングイニの言葉は通じてもレミーの言葉は通じないので、髪を使ってレミーがリングイニを操る感じなので、何だか操り人形っぽい。グストーに代わって新たにシェフになった男は、グストーの料理人としての有名さを悪用して色々企て、グストーの伝統などを壊そうとしている。でも元々このシェフが料理をするシーンなどがないので、本当に料理が巧いかどうかも謎。

 厨房の紅一点であるコレットがリングイニの教育係に。コレットも男社会の厨房でずっとやって来ているので、調理の腕などに関しては厳しい。でもコレットはグストーの伝統を人1番守り抜いている。レミーのお陰もあって、リングイニの料理は次々と大好評になっていく。どんな料理もリングイニを利用して絶品にして見せちゃうレミーも凄く器用。

 シェフはレストランの1番の店長候補になりつつあるリングイニを如何にしてトップの座から落とそうか必至。レミーは離れ離れになっていた家族や仲間と再会。家族たちも同じような場所に流れ着いていたんだな。でも現実的なレミーの父は、ネズミが人間と仲良くなんてやっていける訳がないと警告。でもレミーはリングイニと暫く居た所為もあって、父が嫌っている人間のイメージを変えようとしている。そしてリングイニがグストーの息子である事を知る。

 でも父がグストーだとリングイニも気付かなかった事だが、これに拠りグストーレストランの正式オーナーとなり、色々企んでいたシェフは追放される。でも元シェフはネズミなどを題材に出してまだまだ諦めていない。でも1度追放された身なのに一体どうしたいのか分からない。

 レミーが人間と仲良くしている事を知って、レミーが居るレストランに食べ物を強請りに来る仲間たち。ネズミなんだから自分たちでどうにかしろと言いたい事請け合い。リングイニは厨房の仲間に全てを告白するけど、料理が好きなレミーは現実的だった父をも動かし、ネズミ仲間がレミーの指示の下動き回るのが面白い。でも料理とネズミというギャップがあるけど。一応コレットも戻ってくるけど、ネズミと一緒の仕事じゃそりゃ嫌だよな・・・。

 イーゴにも全て告白し認められるけど、「ネズミが料理が巧い」というのと、料理を食べる人のちょっと気持ち悪い肌質の色などもあって、余り料理が美味しそうに見えない。あと、リングイニが自分は料理出来ず全てレミーのお陰だと誰にでも喋ってしまうのも問題。名シェフだと思われるのが嫌なのは分かるけど、せめてコレット辺りで止めるべきであって、イーゴにまで喋ってしまっているので、リングイニが口が軽くて意外と危険である事は分かった。

   ≪キャッチコピー≫
その出会いは”美味しい”奇跡の始まり・・・。




ゴーストバスターズ ['84 米]

Ghostbusters

【原題】Ghostbusters
【監督】アイヴァン・ライトマン
【出演】ビル・マーレイ
    ダン・エイクロイド
    ハロルド・ライミス

 超常現象の研究をしているピーターは美人に弱いが、幽霊の専門家で、他にもスタンツとスペングラーが仲間として存在するが、ピーターだけ1番やる気が出ていない。そんな時、ある図書館で幽霊騒動。幽霊というより”お化け”だけど。スペングラーは特殊機械で幽霊を見つけ出すスペシャリスト。しかし真っ昼間からお化けも出るんですね・・・。でもこの時はまだ幽霊退治の道具も何もないので、幽霊見つけてもどうする事も出来ない。

 超常現象研究の資金が打ち切られたピーターは、新たな事業を立ち上げる事をスタンツとスペングラーに提案。それが「幽霊退治」。幽霊退治の道具は造れるが、資金が掛かると言う事でスタンツの実家など、色々なものを担保に出して、幽霊退治業者『ゴーストバスターズ』を設立。そんな矢先、ダナと言う女性の下では怪奇現象が発生。そのダナがゴーストバスターズ最初の客でもある(怪奇現象専門なので殆ど誰も来ないのも現実)。

 ダナがピーターを見た目で、「科学者らしくなくテレビのコメディアンみたい」と言うのは笑ってしまった。でもピーターはさほど頼り甲斐がないので、どうせ頼るならスタンツかスペングラーの方を頼った方がマシなのも確か。元々ピーターは女誑しで幽霊退治の仕事はやる気なかったし。でもダナ以外からの宴会場の仕事が舞い込むが、武器が未完成だし、皆扱いに慣れていないというのもあって、捕獲は出来たけど逆に宴会場がバラバラに。でもこれを機にゴーストバスターズの仕事も激増。逆に幽霊騒動が増えている要因もゴーストバスターズって気もしないでもない。

 その人気に便乗して、ゴーストバスターズには新たにウィンストンが加入し4人体制に。そしてダナのもとにも一瞬現れたズールが現代に復活し門の神がダナに憑依。ダナに憑依した門の神。でも何故憑依するのに選ばれたのがダナなのか。そして門の神を守る役目を担う狛犬(元は彫像)がダナと同じ階に住むルイスに憑依。これも何故ルイスなのか分からない。ダナが門の神、ルイスが鍵の神、つまり2人が出逢ってしまうと魔の扉が開く事になる。

 環境保護庁のペックの所為で、ゴーストバスターズが今まで捕まえてきた幽霊たちが総出で大脱走しNYが大騒動に。そしてその騒動に乗じてダナとルイスが逢い、魔の扉が開放。元々ダナとルイスが住んでいるビルが霊界と現代を結ぶ拠点で霊の集合地点。魔の扉が開放され、市長の頼みもあって世界を救うためにゴーストバスターズが本格始動。でも声援に答える暇あったらさっさと行けよ!と思ったけども。

 可成りの俊敏さと運動神経を持ち合わせ何にでも化けられるゴーストバスターズの最終ボス的な相手となるゴーザ。魔の扉が開放されて現れたのもコレ。そんなゴーザが化け、スタンツが一瞬頭に浮かんだ姿として立ち塞がるのが「マシュマロ・マン」。見た目巨大雪だるまだけど、何だか可愛い。見た目に騙されるなって事だろうけど。でも結局危険と言われたビーム交差法で魔の扉ごと破壊してマシュマロ・マンを退治するので、マシュマロ・マンの出番が数分で終わって、最後があっさりだったのがちょっと物哀しい。巨大なマシュマロが爆破されて、地上もゴーストバスターズの面々も甘そうなマシュマロだらけになるのが面白いけど。



アイム・ノット・ゼア ['07 米]

I'm Not There

【原題】I'm Not There
【監督】トッド・ヘインズ
【出演】クリスチャン・ベイル
    ケイト・ブランシェット
    マーカス・カール・フランクリン

 有名な詩人だったが、毎回同じ事の繰り返しになるとして若い内に辞めたアルチュール。フォークソングで一世を風靡しながら、人気絶頂期に突如引退したジャック。ジャックは”告発歌”と言わしめる歌詞で人気を得ている。言いたい事を歌って表現する感じ。そう言う意味では歌詞がちょっと訳分からないけど。皆聞き惚れていたけど、正直聞き惚れるほどの歌でもなかった・・・(歌詞的にも)。

 米国のちょっと昔の音楽業界などを知っておかないと、理解しにくいシーンもある。でも結構豪華な俳優が、ジャックがどんな人物だったかのインタビュー映像だけで登場するなんて事もあったりする。ウディという11歳の黒人少年がギターを持って放浪の旅をしていると言うシーンも時折映し出される。

 俳優:ロビーのシーンでは、”ケネディの埋葬”とか”ベトナム戦争終結”など政治関連の話がちょくちょく登場。ロビーが、ケネディ埋葬直後の日に恋人に出逢って、ベトナム戦争終結と同時に別れると言う所を描写。でも彼女がロビーを嫌になったのは、ロビーが浮気したから(若干あるかもだが)とかではなく、出演作品が青春モノばかりだったので、彼女のロビーに対する理想がかけ離れていった事。

 ウディはある事情で川で溺れいた所をピーコックという女性に助けられるが、直ぐに又放浪の旅へ。ウディは少年鑑別所から脱走したらしく、放浪の旅というより逃亡の旅という感じもする。当時のアメリカの出来事を映した映像なども無音で描写して、其の時代がどんな時代か少し分かるようになっている。無音部分が冗長なシーンも多々見受けられるけど。

 ジュードはフォークソングと決別している事から、ライブする毎にブーイングが凄まじい。でも、それブーイングする方もちゃっかり聴いているよね!?。でもブーイングするのはフォークソング好きな者であって、今ではフォークでもロックでもない新たな音楽に挑戦していて人気を得ているので、場所が変われば人気者に変わりはない。でも現実的なので、歌1つで世の中が変えられるとも思っていない。確かに歌で世の中変わったら皆歌い出しますね・・・。そんなジュードは自分の歌にもそこまで関心は示さない。

 ビリーだけ西部開拓史風。多分「ビリー・ザ・キッド」から来ているんだろうけど、何の突拍子もなくロビーのシーンに飛んだりするので困惑する。中盤以降になると黒人少年のシーンが殆どなくなる。

 アルチュールもジャックもロビーもジュードも皆1人のボブ・ディランであって、ボブ・ディランの半生と経歴を各人物が演じるという作品だが、結局どの時代を中心にしたいのか分からないし、ボブ・ディランを知るというよりも、ボブ・ディランのファンに過去に彼はこういう事をして来たって所を見せる作品であるが故に、ディランのファンでも何でもないという人からすれば訳が分からなくなる事請け合い。つまり、数人の俳優にボブ・ディランと言う1人を様々な役名で演じてもらってはいるが、一貫性がなく、オムニバスのような作りでもないので、ジャック、ロビー、ジュードの話に移っていて、再度ジャックに戻り、またジュードに戻りと複雑にポンポン飛ぶのが頂けない。折角ボブ・ディランを数人の俳優が演じ分けるという面白い試みをしているのだから、オムニバス形式にして区別した方が良かっただけに勿体無い。

 時間軸もバラバラで、元々歴史も時代もポンポン飛ぶ中に、更にシーンに合わせてモノクロ調になったり、ビリー・ザ・キッドの時代に飛んだりと追い打ちをかけるようにややこしくさせている。しかもモノクロのシーンも例えばジュードの所がカラーになったりモノクロになったりするので、一体どうしたいのか分からない。統一しろっての・・・。そして、ビリーのシーンって必要だったのか!?。あれも一体何をしたいのか分からなかった。ビリーのシーンが何だか画面が1番明るいし。

 唯一褒めるべき点は、ジュードを演じた紅一点のブランシェットの演技力。ロビーの妻役のシャルロット・ゲンズブールが、ちょっとずつ老けていくのが観ていて痛々しい。

   ≪キャッチコピー≫
詩人・無法者・映画スター・革命家・放浪者・ロックスター 全てボブ・ディラン 6人の豪華キャストが演じる、生ける伝説




ア・フュー・グッドメン ['92 米]

A Few Good Men

【原題】A Few Good Men
【監督】ロブ・ライナー
【出演】トム・クルーズ
    ジャック・ニコルソン
    デミ・ムーア

 キューバの海軍基地で暴行殺人事件が発生し、海軍の暴力的制裁”コードR”が絡む事になる。女性監察部のジョアンは自らが2人の被告を弁護したいと名乗り出るが、経験が浅いとして上官が拒否。そして上官に弁護人として指名されるのが法務官だが、仕事よりは野球好きのキャフィ。一応キャフィは仕事が早い事で有名で、同僚のワインバーグが補助弁護人に。

 被害者の家族に会う為にキューバへ赴く事になるが、そこで会うのは国家安全保障会議メンバーになるという腕利きの司令官:ジェセップ。相手は優秀海兵ばかりなので、気を引き締めるべきだとジョアンは警告。キャフィは既に来週に控える野球の試合の事しか頭にないので、今回の件を早く終わらせたい・・・。元々早とちりな面はあるようだけど。

  被害者の海兵が基地のやり方に耐えかねず転属届を各地に出している事を知ったジェセップと、被害者が所属する部隊の小隊長であるケンドリック、副司令官のマーキンソンが話し合われる回想シーンも入り、体力のない海兵には遠慮しない基地の非情さを浮き彫りにしている。ケンドリックはジェセップの言いなりなのは致し方ないが、マーキンソンは副司令官である分、一応司令官であるジェセップに対しては自分の意見を言って反対意見を述べたりもしている。軍の規律を重んじるジェセップと、所属海兵の気持ちも考えたいマーキンソンと言う考え方でも意見は可成り食い違う為、上下関係の激しい軍からすれば、どう足掻いてもジェセップには逆らえない。

 ジョアンは、キャフィが直ぐに野球に熱中するので、仕事に集中できる男ではないと信用していない。まぁ数分でも暇あれば野球の練習しているしね・・・。キャフィが「弁護」と言うように、今回の案件は加害者を責めて有罪にするのではなく、加害者が自らの意志ではなかった事を証明して、加害者に指示した黒幕を有罪に持っていくのがキャフィの仕事であり、被害者の無念を晴らす役目。勿論離れた基地での出来事なので、被害者にはキャフィも会った事はないけど、被害者は各基地に対してSOSの手紙を出していたのも事実。

 キューバの海軍基地の規律の遵守”コードR”を被害者にも実行していたが、被害者が死亡してしまった事で大問題になっている訳で、キューバの海軍基地そのものの印象が早くも落ちている。でもまだマスコミなど世間にはバレていないので、海軍からすれば世間に広まる前に如何に騒動にならないように抑えるかに必至。

 加害者でキャフィが弁護する事になるダウニーとドーソンは、キャフィからすれば下位に当たるので、上下関係でキャフィの質問には大体正直に何でも話すのが逆に面白い。でもキャフィーは彼らに上官と同じように話されるのを嫌っている。まぁキャフィからすれば、早く終わって野球がやりたいだけなんだけども。

 キューバにはジョアンも同行。キャフィは、海軍なのに飛行機と船嫌い。ジェセップは今回の案件に関するキャフィやジョアンの質問を尽く否定し強気に出ている。でも強気に出る奴程大した事はないので、ジェセップが何かを隠している事は視聴者にはバレバレ。でもジョアンは自分が担当弁護士になれなかった腹いせか、誰の許可もなく被告やその親族に会って、勝手に弁護士の仕事をしようとしていてウザい。キャフィにちゃんと報告しているのが救いかも知れないが。

 被告側弁護士がキャフィなら、ジェセップやマーキンソン、ケンドリックなどの事件が起こった基地の上官側の検察官にはロスが着任している。でもロスが3人の事を調査するシーンなどは完全に省かれている。

 ダウニーは罪を認める事を拒否。そもそも何故逮捕されたのかも分かっていない。誰かの命令だったのだから仕方ないかも知れないけど、逆に言えば軍規に因われている。キャフィは罪を認めればそれだけ罪が軽くなると弁護士らしく説得。どっちにしろ除隊は免れないんだけど、そこも被告は納得が出来ない。有罪を認めて欲しいキャフィと、軍隊の誇りに賭けてでも絶対嫌だと言うダウニーは対立。でもダウニーも知らぬ内に、キャフィに対しても自らの意見を反発しながら言えるようになっている。彼の”何を言われても譲れない誇り”は立派。でもキャフィは裁判に負けるのが怖いのか、最初は弁護士を代わるとまで断言していたが、結局ジョアンの説得で取り止め。

 最初はただのキャフィの補助だったワインバーグは、調査や被告への質問の巧さをキャフィにも認められて、只の補助ではなくなっている。裁判で相手が有利だという所を態度で見せない為に練習したりもする。まぁ相変わらず勝てるとは思っていないので自信はないけど。

 そして始まる軍事裁判。加害者の犯罪が、被告が何かを告発しようとした恨みとしての”殺人”と見做したい検察と、”命令されただけ”であると主張する弁護士側。でも証人に「お前誰だよ!?」と言う人物が数名出て来たのが納得出来ない。せめて裁判以外の調査中のシーンなどに盛り込んでくれないと困る。検察であるロンと、弁護士のキャフィが同僚というのもあって、裁判でも激しい対立弁舌になるほどではない。 

 命令で殺人を犯したとは言っても、上官が命令を下したという証拠がなければ結局意味はない。しかしある時、ずっと行方不明だった副司令官のマーキンソンが現れ、上官のジェセップがキャフィに言った事が嘘であると証言。でもジェセップは将校に値するので、何の証拠もなく将校を告訴すると、告訴した側が罪に問われる。でも何かを隠したがるジェセップは、自らの立場を利用(悪用?)して証拠隠滅を図り、改竄なども行っている。

 マーキンソンは全ての事実を知りながらも、止められなかった事に自責の念を感じ、証言に立つ前夜に自殺。相変わらずジョアンは勝手に被告に質問とかしているけど、実際誰がジョアンを弁護士と認めたんだ!?。マーキンソンの自殺で、本当に絶望的となった弁護側。しかし、最後の望みの綱となるのが大佐であるジェセップ自身の証人喚問。コードRに対しても、1番最初に命令を下すのは1番の司令官であるジェセップの筈で、上下関係が激しいからこそ、ジェセップの命令がなければ、コードRなんて起きなかった筈。でもキャフィは弁舌は巧いんだけど、いざとなると途端に度胸がなくなると言う情けなさも持つので、弁護士としてはそこが不安。でもワインバーグの励ましで自信を取り戻す。

 弁護側は勝つ為の最後の砦は、ジェセップに自分が命令を出したと言わせる事。自分が1番の上官で、自分が1番上の立場だと思っている事を逆利用する戦略(?)。と言うか、ジェセップ自身はちゃんと裁判に来るんですね・・・、隠し通すから逃げるかと思ったけど。

 終盤の軍事裁判に拠るジェセップと弁護士の対決が見どころ。軍事裁判を巡る話なので、裁判映画にあるような妨害が何もないのでそこは安心できる。事前に調査して、ジェセップの最初に言う事が全て嘘だと分かっているので、嘘の証言を徹底的に喋らせた後に、全てが嘘だった証拠を次々に突き付けるのは爽快。彼を興奮させて、コードRの発令をした事を証言させる事に成功。ただ、被告の2人は不名誉除隊処分に。”国民を守る”を言い訳に軍を守りたかったジェセップの気持ちも分かるが、上司の命令は絶対だと殺人にも手を出す被告も問題な訳で。”軍規を守るのでなく、弱者を守るのが軍隊”である事を思い知らされるダウニー。

 軍の上下関係も良く分かるが、人を殺めてしまえば立場は関係ない。でも最後のキャフィの弁舌は格好良いんだけど、ジェセップのような常に上から目線のキレた相手にしか通じない気もする。今回は海軍が主なだけに、海軍の”正義”とは如何なるものなのかを思い知らされる。



ラスト・トリック ['10 米]

Last Will

【原題】Last Will
【監督】ブレント・ハフ
【出演】トム・ベレンジャー
    テイタム・オニール
    ジェームズ・ブローリン

 富豪のエメリー家の一員となり、フランクと結婚したヘイデン。そしてフランクが留守中に訪ねて来るケレム牧師は、フランクの弟たちが管理しているアパートが大問題だと注意喚起してくる。安く買い取っては取り壊し、タワーマンションを建設しようとしているが、アパート近くの住民は引越し費用すら出せない貧困層。でも、管理を全て阿呆で不真面目な弟に全て任せて自分は何もしようとしないフランクにも問題はある。フランクは医者なのでオペと患者で多忙なのだが、それは只の言い訳であって理由にはならない。

 でもフランクは父の遺産を父がお気に入りだったと言う理由で、弟たちを差し置いて全額受け継いだ格好になったので、そんなフランクの後ろめたい気持ちで、財産の管理を全て弟に任せている。絶対着服されるタイプだろって思っていたら、ちゃっかり市職員を買収して帳簿を誤魔化していた。やっぱり弟たちはただの守銭奴な阿呆だった・・・。

 フランクは興奮すると持病?が発症するのか苦しみだす所があるが、エメリー財団の筆頭株主でもあるフランクは、不正がバレてそれが自分の弟の仕業となると財団の印象も落ちるので、不正だけは許さない。再開発計画も、弟の不正をいの1番に見抜いたヘイデンに任す事になり、弟たちも渋々了承。再開発は傍から見れば良い計画なのだが、そこに住んでいる住人からすれば、強引に追い出される訳で、追い出される住人を先にどうにかしないと再開発どころではない。

 フランクは死を覚悟していて、遺言書までヘイデンに預ける始末。弟は元々碌でもない育ち方をして来たので、軽犯罪ぐらいは何度でもして来たが、その都度コネで釈放されているそうで、そう考えるとエメリー家には碌な奴が居ない。そんな中、フランクが患者の手術中に脳卒中で倒れる。頼り甲斐のない医者だな・・・。命拾いはしたが、右半身不随となったフランク。

 弟たちの得意の賄賂術で、フランクへの接近禁止令が出されるヘイデン。でもエメリー家が大富豪というのは分かるが、何をして財を成して来たのかが分からないので、エメリー家の凄さが分からない。財産を受け継いでいない弟たちが何をして稼いできたのかも不明だし。でもフランクの方はそれからエメリーには殆ど逢えずに他界。

 弟2人は、ヘイデンをフランク殺害犯に仕立て上げ、自分たちは遺産を山分けする算段を取り、判事や弁護士を買収するが、ヘイデンの無実を信じる味方も居る。再開発を中止して追い出される事がなくなったその地区の住人もヘイデンの味方。弁護士などの味方と違って、何が出来ると言う訳でもなく裁判の傍聴ぐらいだけど。

 弟たちからすれば、ネチネチした感じでヘイデンを責め遺産を物にしたい。でもヘイデンも隠しマイクでも着けておけば絶対弟たちはボロが出るだろうに、そういうのをしないので、完全に弟有利な状況。でも弟の方もやり過ぎるとボロが出るのも確実。ずっと弟有利な状況ではあるが、決して諦めないヘイデン。でも弟を打ち崩すには、エメリー家とその権力そのものをどうにかして崩すしか手はない。

 しかしヘイデンさえも気付かなかった自らが撮った写真に、判事の姿が写っていた事で、弟と判事がグルである事が発覚し形勢逆転。写真に収められると賄賂は通じない。判事の自業自得ではあるが、これに拠って判事が自殺。でも結局最終的にフランク殺しの犯人とかは裁判必要なかったけど、暴力沙汰を起こしたカジノディーラーとか、もう1人の兄弟が何のお咎めもなく蔑ろにされていたのは気になった。

 何の回想シーンもないので、エメリー家の凄さも全く分からず、権力が強いとか言われても説得力が皆無だったのも如何なものかと。

   ≪キャッチコピー≫
遺産を巡る究極のゲーム


Archives
Recent Comments
ランキング登録
人気ブログランキング
ランキング登録2
ブログランキング【くつろぐ】
クリック募金
訪問者数

  • ライブドアブログ