2015年01月

2015年01月31日

チーム・バチスタFINAL/ケルベロスの肖像 ['14]

【監督】星野和成
【出演】伊藤淳史
    仲村トオル
    桐谷美玲

 東城医大では、Ai(死亡時画像診断)センターオープンまで1週間を切っていた。同じ頃、ある別荘の地下室で10人もの男性が不審死するという事件が起きる。1人だけ奇跡的に命が助かり唯一の生き証人になるが、意識不明。白鳥は、10人が地下室に居る時に、度重なる”偶然”が起きていた事で、事故ではないと怪しむ。”偶然”も3つ以上重なれば”必然”となるのが常。

 Aiに躍起なアメリカ帰りの東堂は、Aiがこれからの日本医療を変えると必死で、友人が変死を遂げてもAiが優先で何も気にしない。そして、このAiによって、不審死の原因が「大量の重水摂取」に拠る物だと判明する。そこで白鳥は、犯人が重水飲み過ぎで神経に支障を来すと言う事などを知っている医療に詳しい者の仕業だと分析。そこで最初は東堂を疑う。誰かを殺してAiに掛ければ、Aiの優秀さをアピールする事が出来るというモノ。まぁ自分を犯人にされても余裕の表情を見せていた東堂なので、東堂の犯人説は消滅(白鳥の中では消えていないが)。

 田口はAiのセレモニーに、すみれが来ていた事で、新聞記者の葉子に捜して貰い、田口の元にも脅迫状が届く。でも消印からあっさり誰が出したか見破ってしまう田口。すみれは、弁護士の南雲と共に過去に医療ミスを犯した白鳥への復讐を誓っている。田口は田口で何のアポもなく南雲と話をしに行ったモノだから、最初は南雲は居なかったり・・・。まぁ一応会えるけど・・・。

 白鳥は、不審死の被害者が、皆”ケルトミン”と言う新薬に携わった者ばかりと解明。この”ケルトミン”は、神経性の新薬で、治る人も居るのだが、一部の者は副作用で神経が麻痺し、寝たきりなどの重体になる者も。新薬認知と言うのは諸刃の剣で、治る人も居れば激しい副作用が出て余計に酷くなる人も居て難しい。でも、生き証人の榊は、幹部でも何でもない普通の内科医だった事で、何故彼も狙われたのかそれが分からない白鳥。榊自身は、脳の障害で人の顔を覚える事が出来ず、そこは自責の念に駆られている。

 しかし、白鳥は何にでも食ってかかって疑う主義なので、東堂を疑った後も初めて会うような人は皆疑う。しかし、白鳥はある人物の母親もケルトミン被害者だと知った事で容疑者を知る。そして、榊の容体が悪化し、その手術を容疑者とも知り合いである滝沢が手掛ける事で、手術を利用して殺人を犯すんじゃないかと白鳥は疑うが、滝沢は純粋に手術で榊を助けたいだけ。

 ただ、容疑者が1人殺し損ねた榊の命を未だ狙っているのも事実で、容疑者はコンピュータウィルスを使って病院内のコンピュータを全てシャットダウンさせる荒技を使ってくる。でも、榊1人を狙うのに他の病人まで巻き添えにしようとするのは、テロと大して変わらない訳で全く同情は出来ない。

 白鳥は、Aiに付いての講演で、南雲とすみれに過去の手術ミスを明らかにされるが、その時の白鳥はまだ研修医だった事、手術ミスではなく、その手術が正式に行われていれば逆に患者は数日で死んでいた事なども明かされる。これも当時まだ研修医だった白鳥に逆ギレするのは筋違いというモノで、こちらもすみれに同情できず。と言うか、すみれと南雲の存在がウザかった気も否めない。もっと9人も変死させた容疑者との対決に重点を置いて欲しかった。まぁ、すみれはあくまで産婦人科医という医師なので、その後田口に唆されて医者として協力しているけど。

 容疑者が何の変哲もない榊を狙ったのは、母親に問題の薬を投与したのが榊だったから。久々に母の顔を見せても榊が何も覚えていなかったショックもあるそうだが、榊は薬に副作用がある事など知らなかったし、母の顔が覚えていないのも、そう言う病気だったから。まぁ何でも知らぬ存ぜぬじゃ通用しないが、榊自身はずっと後悔している。

 Aiと言う装置が、コンピューターウィルスで全て駄目になってしまう脆さも如何なモノか。結局、病院の機能も直らないまま終わるので、容疑者も逮捕前に機能直せよ!と突っ込みたい事請け合い。

あと、田口がお人好しすぎ。容疑者が判明した時も「あの子がそんな事するはずない」と白鳥に対して拒絶するが、何故そう言い切れるのか。ドラマ版は未見だけど、もう少し医者らしくして欲しいなとは思った。

   ≪キャッチコピー≫
真実を診ろ。








d777m at 15:28コメント(0)トラックバック(0)ミステリーサスペンス 

2015年01月29日

エリジウム ['13 米]

Elysium

【原題】Elysium
【監督】ニール・ブロムカンプ
【出演】マット・デイモン
    ジョディ・フォスター
    シャールト・コプリー

 大気汚染が酷くなり、二極化された地球。地球では人口過剰となり、富裕層は宇宙にある「エリジウム」に居住。「エリジウム」の見た目は宇宙ステーションと言う感じだが、中ではしっかり街になっていて、女防衛長官のデラコートが主任を務めている。

 地球でロボット製造を行っているマックスは、ある時の事故で高濃度の放射線を浴びて余命5日を宣告される。「エリジウム」にはどんな不治の病でさえも一瞬で治せる医療ポッドがあり、それを求めて地球から不法侵犯を犯す者も多く、闇の輸送飛行をスパイダーと言う男が率いている。

 「エリジウム」も防衛に抜かりなく、地球上にクルーガーという男を配置し、クルーガーは長官の命令で地球からミサイルを発射して不法侵犯船を撃墜するという荒技を見せる。ただ、元々クルーガーは何十もの犯罪を重ねていた荒くれ者。

 マックスは、放射線を浴びた体を治す為に、エリジウムに行く決意。しかし、エリジウムに行く為にはそれなりの苦労がある為に、スパイダーやフリオと協力して、エリジウムにも行けるように、向こうの人間と判別してくれる体を造って貰う。そして、エリジウム関係者の脳を解析する為に、地球の会社でCEOをしているエリジウムの住人:カーライルを襲撃。しかし、解析は上手く行かず、そればかりかクルーガーが襲撃。

 マックスの幼馴染み:フレイには娘が居るが、父親は不明。そしてその娘は不治の白血病に悩まされている。クルーガーはマックスの脳にカーライルの情報が入っているとして追跡していたけど、マックス自身がエリジウムに行く事を目的に、態と敢えて捕まる。フレイと娘も捕らわれているが、彼女も娘を治す為に丁度良いかもしれない。

 エリジウム内の機内でちょっとした争いが起き、艦船はエリジウムで墜落。クルーガーも手榴弾の爆風を受けて重傷を負うが、仲間が医療ポッドに入れた事で回復し、クルーガーはデラコートとその部下達を皆殺しにして、エリジウム総統になろうと暗躍。でも、クルーガーもその仲間も何時も偉そうだった割に大して強くなかった。

 そしてマックス自身も常に満身創痍の状態。マックスの脳内を解析すると、エリジウムと地球の隔たりがなくなり、地球の者にもエリジウムの医療ポッドなどが使えるようにはなるけど、それはマックスの命と引き換え。と言うか、医療ポッドが余りにも万能過ぎる。不治の病まで治っちゃったら「不治」でも何でもないし、医療研究が全て無駄になりそうである・・・。

 そして、エリジウムの人間が皆人間型の動物のようで、良心的な人間が1人たりとも居ないのは如何なモノか。そして、デラコートを折角ジョディ・フォスターが演じていたのに、非常に影が薄い。逆に、デラコートを可成り非道にクルーガーと同じような扱いにして、クルーガーを排除すべきだった気も否めない。クルーガーの存在は、「何か悪を造りたい」って所から生まれた”序で”に感じた。

   ≪キャッチコピー≫
彼の余命は、あと5日―。








d777m at 10:14コメント(0)トラックバック(0)SFアクション 

2015年01月28日

ウォールフラワー ['12 米]

The Perks of Being A Wallflower

【原題】The Perks of Being A Wallflower
【監督】スティーヴン・チョボスキー
【出演】ローガン・ラーマン
    エマ・ワトソン
    エズラ・ミラー

 家族以外とは話さず小説家を目指しているチャーリーは、高校入学を控え高校生活にも不満を持っている。入学後もしばらくは無口続きではあったが、他のクラスメイトが分かっていなかった問題の答えをさり気なくノートに書き記すなど、何気ない頭の良さを見せている。

 アメフトの試合を観に行った際に先輩のパトリック&サムと仲良くなる。恋人同士のように仲の良い2人だが、恋人ではなく義兄妹。サムにはクリスという恋人が居るが、パトリックはアメフトのエースであるブラッドが恋人。つまり同性愛者。でもチャーリーにとっては、パトリックとサムと言う友人が出来た事が幸せな事で、チャーリーにも数年前まではマイケルという友人が居たが、原因不明の自殺を遂げてそれ以来友達を作っていない。

 新人歓迎会やプロム等パーティーを色々催すので、そこで流れるBGMが軽快。そして引き籠もりのように暗かったチャーリーも徐々に明るくなっていく。しかし、チャーリーは少年時代に叔母から性的虐待を受けていた過去も持ち、叔母が事故死したのも自分の所為だと未だに自責の念に駆られている事もあり、過去の記憶のフラッシュバックを起こし幻覚に悩まされている。

 サムとも音楽の趣味が同じで良い関係になっていく2人・・・ではあるが、サムには恋人が居るので、相手の幸せを優先するチャーリーにとっては付き合いも中途半端。そしてチャーリーにも、メアリーと言う恋人が出来るのだが、メアリーの方が本気でもチャーリーの方が本気ではなく、別れ話を持ち掛ける事も出来ず、結局あるゲームに便乗してメアリーをフルという最悪な別れ方をして周りに引かれる・・・。

 パトリックとブラッドの関係もブラッドの父にバレてしまい、構内の食堂でパトリックとブラッドは大喧嘩。更にアメフトの仲間がブラッドに加担するも、チャーリーが1人でパトリックを助け出した事で、パトリック&サムとの関係が修復。でもチャーリーに記憶はない。

 そしてパトリック&サム共に大学に合格し、今居る土地を去る事になるが、それはチャーリーの友人が再度居なくなるって事も指し、叔母との記憶もあって神経衰弱に陥る。姉に死にたい旨を事前に電話で伝えていたのが功を奏し、気絶して精神病院に運び込まれるチャーリー。親さえも知らなかった叔母の性的虐待被害をも正直に担当医師に話した事で少しはスッキリしたようだけど。

 ただ、日本で言うと、チャーリーとパトリック&サムの関係は、言わば中3と高3と言う間柄になるので、もう少し年齢差を強調させても良かった気は否めない。凄い対等な扱いなので、パトリックとサムが先輩である事を忘れる事が多い。チャーリーなんかは受験勉強のサムに勉強を教えたりするし・・・。

   ≪キャッチコピー≫
さよなら、壁際の僕。








d777m at 15:49コメント(0)トラックバック(0)青春 

2015年01月27日

ハンナ・アーレント ['12 独・ルクセンブルク・仏]

Hannah Arendt

【原題】Hannah Arendt
【監督】マルガレーテ・フォン・トロッタ
【出演】バルバラ・スコヴァ
    アクセル・ミルベルク
    ジャネット・マクティア

 ホロコーストを生き延びたユダヤ人哲学者のハンナが、ある日ユダヤ人収容所移送を指揮したアイヒマンがイスラエルで裁判に掛けられる事になり、その傍聴に赴く。ハンナの夫であるハインリヒはハンナの良き理解者で、ハンナが態々イスラエルまで裁判の傍聴に行く事も不安視している。

 肝心のアイヒマンの裁判は、防護の為にアイヒマン自身はガラス板の檻に入れられている。そしてアイヒマン自身は自ら望んでやった事ではないとユダヤ人強制収容所移送を否定。ナチスではヒトラーが絶対的ルールであり法律で、逆らう事で自身が処刑される。そんな証言があった事で、ハンナはアイヒマンを「命令に従っただけの凡庸な役人」と評して、更にユダヤ人の各地の指導者がナチスに協力していた事を言及。指導者が居た事で、ユダヤ人の困窮などは防げていたモノの、指導者が居た所為で死者が増えていたのも事実・・・。

 その事をレポートとして雑誌に記すハンナ。しかし、その記事はユダヤ系を中心に世界的に大バッシングを受ける事となる・・・。ユダヤ系からすれば「ナチス」と言う言葉を聞いただけで腸煮えくり返る思いだろう。言ってみれば、”ナチス”=”怪物の巣窟”と言う先入観があるので、少しでもナチスの者を擁護していると、まともに全てのハンナの記事を読んだ訳でもないのに、100ページある内の10ページ程度で怒り出す。

 ただ、ハンナ自身もアイヒマンに死刑判決が下っても「それも当然」と言う考え方も持っているので、別にナチスを擁護している訳でもユダヤ系を批判している訳でもない。そしてバッシングする側も、ハンナに対して「過ちを認めろ」とか言う癖に、じゃ何処が過ちなのかそれは誰も言わない。何も知らない癖に政治批判する者とやっている事は同じ。ナチスに蔑ろにされたユダヤ系の真実とナチス側の真実を伝えたいハンナと、現実逃避をしたいユダヤ系・・・と言う風に見て取れた。

 ユダヤ系とは言っても家族がホロコーストの被害に遭っても自身は世代的に何も影響はなく、話で聞いただけという者も居る訳で、ホロコーストを生き延びたハンナならではの説得力もあった。アイヒマンという人物とユダヤ人の関係を知っておかないと、少々内容は難しいかも知れない。

アドルフ・アイヒマン

ハンナ・アーレント

   ≪キャッチコピー≫
彼女は世界に真実を伝えた―








d777m at 11:57コメント(0)トラックバック(0)伝記ドラマ 

2015年01月26日

遺体/明日への十日間 ['12]

【監督】君塚良一
【出演】西田敏行
    緒形直人
    勝地涼

 シニア向けの卓球指導をしている民生委員の相葉。釜石市の職員、及川と松田、優子、平賀は客の対応に追われ、歯科医師の正木と助手の孝江、医師の下泉は診察中。何事もない岩手県・釜石市に、ある日の午後”東日本大震災”が起こる。被災者の心情を配慮して、津浪シーンと壊滅した街並みは一切映されず。

 下泉は既に遺体の検視に出されていて、正木と孝江も身元確認の歯の検査の為に遺体安置所に出向に出される。そして、相葉は廃校となった中学校の体育館が臨時遺体安置所になり、そこに担ぎ込まれる遺体の数に驚愕する・・・。数年前まで葬儀社に勤めていた相葉は、市長の山口に頼み込み、ボランティアとして遺体安置所で働く事に。因みに、市長の山口はここの数分だけの登場で存在感が全くなかった。佐野史郎が演じてただけに勿体ない扱い。

 遺体が次々に運び込まれるモノの、自衛隊の遺体の扱い方が可成り荒く杜撰。運び込んでいる際も、一旦落としてしまったり、曲げすぎて骨が折れたり・・・。及川、平賀、優子も遺体安置所に配属されるが何をすれば良いのか分からず突っ立っているだけ。そして、及川は同期の友人が行方不明で気が気では無い。

 相葉は葬儀社に勤めていた知識を、遺体安置所で存分に発揮。遺体には丁寧に話し掛け、遺族にもそれなりの対応を見せる。でも四六時中泣いている感じなので、遺族の気持ちを代弁しているのは分かるけど、その所為で台詞が聞き辛い時もしばしば見受けられた。

 自分は助かったのに、娘だけ亡くした母親は娘の遺体から四六時中離れず・・・。遺体に対しても丁寧な相葉は、各々の遺族に頼まれて遺体を綺麗にする事などを頼まれ、率先して実施。そして、職員や隊員達も徐々に相葉に感化されていく。

 大震災が起こる前のシーンが余りにも短く、半分以上は遺体安置所でのシーンなので、正木の知り合いや、孝江の知り合いが担ぎ込まれて来ても、何時何処でどんな感じで知り合っていたのかのシーンが全くない訳で、この辺は事前に回想シーンでも入れておくべきだった気は否めない。そして、及川の同期の友人も結局は見つかったのか定かではないまま。

   ≪キャッチコピー≫
彼等には、悲しむ時間さえ無かった








d777m at 11:29コメント(0)トラックバック(0)人間ドラマ 

2015年01月25日

トリック劇場版/ラストステージ ['13]

【監督】堤幸彦
【出演】仲間由紀恵
    阿部寛
    生瀬勝久
【ゲスト】東山紀之
    北村一輝
    水原希子

 レアアースの採掘権を得た村上商事(会長を村上ショージが務めるw)。しかし、原住民が呪術師を信じ切ってどんな良い条件を出しても立ち退いてくれない事で、村上商事の加賀美は、上田に呪術師の謎を暴いて原住民の目を覚まして欲しいと要求。村上商事は経費削減で、従業員に机と椅子がなかったり、部長の部屋もアッケラカンとしている。しかし、部長の有田は加賀美と上田の目の前で呪術師の呪いに掛けられて死亡(死因は心臓発作)。

 その頃の奈緒子には50万のマジックの仕事が舞い込むけど、実はそれはどっきりテレビで全国に恥を晒していたりする。家賃だって滞納中。家主のハルとかジャーミーは1シーンのみの登場だったけど、滞納中の奈緒子を探し出す時に、ジャーミーが「貧乳撲滅だ」と呟いて探すのは少し笑った。

 そんな奈緒子を助手として雇う上田。向かう先は”ムッシュムー・ラ村”。初めての海外と言う事で奈緒子も戸惑い。現地では、医師の谷岡や川島と合流。村上商事の現地での支社長を務める山本は、異常に呪術師を怖がり、怖がっている割に声だけは大きくてやかましい。

 そして、有田の殺害を調べる為に、矢部と秋葉のお馴染み刑事コンビも態々海外まで来ている。そして奈緒子は、この村に来てから村が大爆発するという夢に毎夜悩まされる。そしてある時、上田&奈緒子と共に来た者が死んでしまう案件が起き、奈緒子は単身呪術師に会いに行く事に。しかし、呪術師が傷を治すという呪文のような言葉が、ある時偶然聞いた言葉と全く同じだった事で、一連の殺人のトリックを見破る奈緒子。

 今までだと、占い師や呪術師などのトリックを暴いて、信じていた者の前で事実を晒して上げるのがメインだったが、今作では逆で、呪術師を”利用した”殺人のようなモノ。そしてその呪術師を利用して殺人を行っていた者を暴くと言う形式。そして、殺害された者はこの現地で原住民を奴隷のように扱ったりとロクな事をしていなかった人たち。

 しかし、呪術師も被害者に撃たれており、同じ爆発の夢を見ていた奈緒子が跡を継ぐ事に。そして、奈緒子は原住民が何故呪術師を信じていたのかそれを見極める。それは「爆発の際の犠牲者」になる事。奈緒子が来なければ呪術師がやっていただろうこの役目。ただ、「何でも信じる代わりに村の為に犠牲になって欲しい」現地人の欲望がある訳で、他人に犠牲になって貰って、自らは決して村を守ろうとは思っていない所は納得できず。そして、村を守る為に自ら犠牲になる決意を示す奈緒子。

 1年後、上田の前にマジックを披露する奈緒子が貞子のように長髪を垂らして登場するけど、それが「記憶を無くした奈緒子」なのか、「奈緒子そっくりの女優:仲間由紀恵」なのかそれが分からず・・・。

 呪術師は誰が来るのか予知できていたそうだが、その割には背後から撃たれる事は予知できてなかったり、ある者が殺された時、集団のコウモリなど野生動物に襲われただけなのに、何故片腕だけ無くなるのか、そしてそれを誰がどのように呪術師の元へ持って来ていたのか、そう言う疑問点も残されたまま。殺人の動機や犯人は判明したけど、呪術師側のトリックが余り解けていなかった・・・。

 現地では「ダチョウ倶楽部」が慕われていたり、パロディ的な看板が幾つもあるなど、シリアスな部分にも笑いを持って来るのは相変わらず。ただ、お陰で”呪いを掛けられる”とか”誰かが殺された”シーンでも緊張感が何もないんだけど・・・。

   ≪キャッチコピー≫
本当に最後です!








d777m at 13:55コメント(0)トラックバック(0)ミステリーコメディ 

2015年01月24日

新・ヤンママトラッカー/涙街道:爆走かぐや姫! ['02]

【監督】光石冨士朗
【出演】坂上香織
    曽根英樹
    崎山凛

 伝説のトラッカー”流れ星”の峠越えの記録を破りたいと願っているケイ。ケイには娘のアイコが居るが、アイコが小さい頃からトラッカーの仕事ばかりで殆ど一緒に居る事がなかった為に、今のアイコは14歳ながら荒れに荒れてグレ、喧嘩に明け暮れる毎日を送っている。

 ケイとアイコの親子喧嘩にも周りの皆は慣れていて、喧嘩していても誰も止めようとはせずに放置。しかし、ケイの父はアイコの荒れように参っている。そんな中、ケイはアイコの骨を親子喧嘩で折らしてしまい、一緒に自分も検査して貰うと、悪性の癌の腫瘍が見つかる。ただ、娘は勿論誰にも言う事は出来ない。

 余命幾ばくもない事を知ったケイは、アイコの為にと愛車である「かぐや姫」を売りに出す決意。ただ、ケイのライバルであるリョウコは、ケイの様子が何時もと違う事に少しばかり気付いているが、肝心の娘のアイコとは相変わらず喧嘩ばかり。アイコは喧嘩ばかりなので、警察には5回も補導され、何とか鑑別所送りだけは免れている状態。

 ケイはケイで相手には分からないように想い出作りしたりするんだけど、アイコに優しく接したり、知人に丁寧語を使って対応したりするので逆に違和感。

 しかし、ある時再びアイコと喧嘩してアイコが去った後その場に倒れ、リョウコや知人には自らの病気が知れ渡る事になる・・・。しかし相変わらず強情を張ってアイコには秘密。そして相変わらずアイコは補導・・・。アイコの喧嘩シーンは殆どないが、腕っ節が強いのは分かる感じ。

 ケイは一応アイコの事は愛しているし、アイコの為に何かを残したいとも模索しているが、昔から愛情表現が下手なので、どうしても手が先に出てしまう・・・。知人がアイコに母のケイの事を結局はバラすんだけど、アイコ自身は信じない。

 そしてリョウコが伝説の峠越えに失敗して骨折。ケイは最期の想い出に峠越えを決意。リョウコの「立つ鳥跡を濁さず」の言葉に感化されて、アイコがケイを見送るシーンは少し感動的。

 峠越えが成功したか否かが何もないままケイの葬式シーンに入っているので、そこは中途半端。まぁアイコの事だから、不良トラッカーの跡を継ぎそうだけど・・・。

   ≪キャッチコピー≫
賭命伝説!これが最後の大勝負!!






d777m at 16:01コメント(0)トラックバック(0)人間ドラマ 

2015年01月22日

難波金融伝ミナミの帝王/トイチの萬田銀次郎 ['92]

【監督】萩庭貞明
【出演】竹内力
    柳沢慎吾
    竹井みどり
【ゲスト出演】横山やすし
        杉原光輪子

 60作ある同シリーズの記念すべき1作目。この頃の銀次郎はまだ部下がいない。しかし、一切私情は挟まず借りた金は何があっても返して貰うを貫く銀次郎に、チンピラだった竜一が惚れて舎弟入り。竜一が舎弟入りしてからの初めての仕事は、夜逃げしたホステスから借りた金を返して貰う事。でも竜一は当たり前ではあるが、金貸し業界に慣れていないので、強引に金を返して貰った者が今後自殺しないかとか不安に駆られている。

 そして、まだ「萬田金融」と言うテナントもないので、仕事はマンションの中の一部屋で行っている。ある時、徳永という男が500万を借りたいと言い出し、借りていくモノの、返済期限になっても金はないの知らぬ存ぜず。銀次郎自身もまだ若いので、まだチンピラ扱いされている。そして、徳永の下にはヤクザ金融:花園組の成田の存在も。

 徳永は博打に嵌まっていて、銀次郎は博打代金で成田に徳永が脅されている事を察知。徳永ではどうしようもないので、徳永の娘に逢いに行くが、娘も徳永の借金を肩代わりしている始末。しかも竜一は徳永の娘に惚れる。徳永が娘まで巻き込んでいる事で、竜一は娘だけは助けたいと思っていて、夜逃げまでは行かないが実家に帰す事を手伝う竜一。

 徳永から借金を返して貰う方法を伝授するのは、銀次郎の師匠でもある金蔵。横山やすしは同役で次回作も登場しているが、今作と次回作が彼の遺作にもなっている。

 成田の下には破産宣告書が届き、成田は偽造手形で銀次郎に反撃。銀次郎が珍しく偽造手形に引っ掛かるという所もまだ若いという事だろう。騙されただけで終わらないのは当たり前。今度は成田を騙し返す策。金蔵が不動産屋社長に扮し、即効で会社も作り上げて、偽の不動産で成田から騙された額以上の額をさり気なく貪り騙し返す事に成功。

 ただ、騙した時点で終わってしまい、成田が自分が騙された事に気付くシーンなどがないので、成田を騙したという説得力に欠けていたのが欠点。まだ1作目だけに作りに色々と甘さが見られた。





d777m at 15:32コメント(0)トラックバック(0)人間ドラマ 

2015年01月21日

バンディット 前編/義賊ヤノシークの誕生 ['09 ポーランド・スロヴァキア・チェコ]

Prawdziwa Historia

【原題】Janosik.Prawdziwa Historia
【監督】アグニェシュカ・ホランド
【出演】ヴァーツラフ・イラチェック
    イヴァン・マルティンカ
    ミハウ・ジェブロフスキー

 オープニングから、反乱軍と皇帝軍の戦い。反乱軍の1人だったヤノシークは、その場で捕まるモノの、現在は皇帝軍側の重要犯罪監房の巡回兵をしている。しかし、そこで盗賊だったトマーシュと意気投合して脱獄させ、巡回兵からも解放されるヤノシーク。でも、その間に元恋人は既に婚約していたりする。

 しばらくは牧童をしていたヤノシークだが、トマーシュの盗賊の仕事を手伝う。ヤノシークは皇帝軍に在籍していただけあって、皇帝軍から色々教わっている。銃もその1つで銃の腕も、トマーシュ盗賊団では群を抜く。そしてある時、トマーシュが盗賊から足を洗う宣言。そして、トマーシュは盗賊団の次期頭目にヤノシークを挙げる・・・。

 盗賊の仕事も顔は決して隠さず、相手を脅す事はあっても殺める事は一切しないのがヤノシーク流。まぁ全てトマーシュから継続されている事。ただ、私情を挟むのが欠点で、襲った馬車に知り合いが乗っていたりすれば、金品を全て返還してそのまま逃したりしてしまう。

 盗賊の仕事をしない間は、宴ばかりしていて何だか常にハイテンション。官軍などが追跡しているが、まだこの頃のヤノシーク盗賊団は、危険度的には高くなく官軍からもそんなに注目されてはいない。人を殺めない所も影響しているかも知れないけど。

 空を飛んだり、水の上を歩くなどSFチックなシーンも垣間見られる。前・後編に分かれていて、盗賊団一味の1人に彼女が出来て、その人も足を洗う決意を示して後編へと続く・・・。1番の難点は、殆どのキャストの区別が付かない事。殆どの人が同じに思えてしまった・・・。





d777m at 16:51コメント(0)トラックバック(0)歴史劇アクション 

2015年01月19日

グランド・ブダペスト・ホテル ['13 英・独]

The Grand Budapest Hotel

【原題】The Grand Budapest Hotel
【監督】ウェス・アンダーソン
【出演】レイフ・ファインズ
    F・マーレイ・エイブラハム
    エドワード・ノートン

 今は亡くなり彫像になっている作家が若い頃、昔は伝説のホテルだった「グランド・ブダペスト・ホテル」を訪ね、そこで伝説のコンシェルジェの相棒をしていたゼロと言う老人に出会う。そこで作家はゼロから伝説のコンシェルジェの話を聞くことに・・・。作家の若い頃の話から、更にゼロの若い頃の話へと過去の過去へと飛び、そこが話の主体。

 当時のホテルのコンシェルジェだったグスタヴ・H。ある時、富豪の常連客:マダムDが殺害され、しかも遺産の名画を譲り受けるという事で、何故か殺害容疑の嫌疑が掛けられるグスタヴ・H。グスタヴ・Hへの対応も良くしてくれたセルジュ・Xが通報者のようだが、グスタヴ・Hは、セルジュ・Xが誰かに脅されて仕方なく自らを嫌疑にしたと読んでいて、ヘンケルス率いる警察部隊に追われながら真犯人を見つける事に。そして、偶然とは言え、グスタヴ・Hの相棒になったのが、当時は移民でベルボーイ見習いだったゼロ。

 マダムDは富豪だっただけあり、遺産の話ともなると、何処からともなく遠縁や親縁など、少しでも縁さえあれば寄って集ってやって来る始末。その中の1人、息子のドミトリーは遺産の証書など認めず、ジョプリングと言う殺し屋を雇って、遺産証明の弁護士を始末させ、グスタヴ・Hの命も狙っている。ウィレム・デフォーがジョプリングを演じていて、「殆ど喋らない殺し屋」と言う点では存在感があった。

 1度はヘンケルスに捕まるグスタヴ・H。しかし、同房のルートヴィヒと共に脱獄作戦を行って成功。ゼロの協力もあるが、この頃のゼロはアガサという恋人が出来ている。そして、目前でセルジュ・Xが殺害され、殺害犯のジョプリングを追跡。ジョプリングのスキーと、グスタヴ・H&ゼロのソリでのチェイスは変な違和感が残るけど、迫力はあった。

 グスタヴ・Hは流石伝説のコンシェルジェだけあって、世界のホテルにコンシェルジェの連絡網を持っている。その内に1人、アイヴァンはコンシェルジェの輪を使ってグスタヴ・Hとゼロを、ドミトリーやヘンケルスの手が及ばない所に逃亡させる事に成功させる。

 さて、肝心のマダムDの殺害犯なのだが、これの詳細が良く分からない。ドミトリーが遺産目的でジョプリングを使って殺害した・・・ようにも思えるが、マダムDが毒殺であった事などジョプリングの手口ではないのが気掛かり。ドミトリー本人が犯人としても、遠縁などが続々出て来る当たりこれも良く分からない。

 最終的にはホテルなんてどうでも良くなっていたけど。ほんの数分しか出番がない役でもキャストだけは豪華。でもグスタヴ・Hとゼロ以外、殆ど個性出せずに終わっている。

   ≪キャッチコピー≫
”伝説のコンシェルジェ”が究極のおもてなしとミステリーで皆様をお待ちしております。








d777m at 12:17コメント(0)トラックバック(0)ミステリーコメディ 
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