大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)に不要な支出をさせて損害を与えたとして、商法違反(特別背任)に問われた元社長、荒木民生被告(73)の控訴審判決で、東京高裁は10日、無罪とした1審・東京地裁判決(09年10月)を支持し、検察側の控訴を棄却した。矢村宏裁判長は「関連会社の赤字を回避するための支出で、著しく不合理とは言えない」と述べた。

 検察側は控訴審で「関連会社は経営支援の必要がなく、支出は実質的に荒木被告個人への利益供与だった」と主張したが、矢村裁判長は「被告はPCIの親会社の社長として、関連会社の赤字決算を回避するために完全子会社であるPCIに経営支援を指示しており、合理的な経営判断だった」と退けた。

 公判が分離されていた元社長で当時の副社長、森田祥太被告(68)については「荒木被告の指示に従い関連会社を支援しただけで、任務に背いた行為とは言えない」と述べ、特別背任罪は無罪、法人税法違反で懲役1年、執行猶予2年とした1審判決を支持、検察側、弁護側双方の控訴を棄却した。

 検察側は、森田被告が荒木被告の指示に基づき、04~05年に国から委託された遺棄化学兵器処理事業のコンサルタント業務を下請けに再委託する際、関連会社を仲介させてPCIに約1億2000万円を余分に支出させ損害を与えたとして2人を起訴していた。

 PCIを巡っては、ベトナム・ホーチミン市高官に贈賄工作した不正競争防止法違反などで元幹部7人と法人としての同社の有罪が確定している。【伊藤直孝】

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