約1万9000羽-。これは都内の平成21年度のカラスの生息数だ。13年度には、「カラスの鳴かぬ日はあれど…」ということわざが死語と思えるほどの約3万6000羽もいたが、地道な駆除が功を奏し、ほぼ半減した。だが都の目標は昭和60年の生息数である約7000羽。都は今年度、都内のカラスの大規模営巣地36カ所で巣の一斉撤去に乗り出す方針を打ち出し、一気に片をつける意向だ。(立田健)

 カラスは電柱に巣をつくって停電の原因になったり、ごみを荒らしたりする厄介者。都が本格的な駆除に乗り出したのは平成13年度のことだった。

 この当時、都民から都に寄せられる苦情件数は年間3700件を超え、石原慎太郎知事の号令で全庁的なプロジェクトチームを結成。公園や神社などカラスの集まる場所に捕獲用のワナを仕掛けるほか、ごみ置き場にネットを整備して“兵糧攻め”にするなどの対策を取ってきた。

 年間1万羽以上捕獲し続け、生息数は13年度の約3万6千羽から18年度には1万7千羽にまで減少。都に寄せられる苦情件数もピーク時の85%減となる548件になった。

 ところが、19、20年度は、老朽化したワナを撤去したため2万1千羽まで増え、カラス対策は一瞬たりとも気を抜けないことを如実に表した。まき直しを図った21年度は前年度比4割増の1万7千羽を捕獲したが、生息数は前年度比約2千羽減にとどまった。

 長引くカラスとの戦いに終止符を打とうと、都は今年度から、ワナを増やすだけでなく、代々木公園(渋谷区)や水元公園(葛飾区)、多摩動物公園(日野市)などの大規模営巣地36カ所で巣の一掃を図る方針を打ち出した。

 春から夏にかけた繁殖期に狙いを定め、2回にわたり巣の撤去作業を行うという。

 一方、都のこうした強硬手段に、カラスの生態に詳しい宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授は「今は被害件数が減っている。カラスがかわいそう」とし、「人とカラスが共存できるレベルをしっかり検証すべきだ」と警鐘をならす。

 都会に住む同士である人間とカラス。今回の対策で、互いが共存できる社会に近づくのか、模索は今後も続きそうだ。

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