2011年03月11日

絶対@金子龍仁

祈り

世界が祈ってくれている、日本のために祈ってくれている
メジャーリーガーがテニスプレイヤーがそしてフットボーラーが
世界のあらゆる場所で日本への祈りを捧げ支援を訴えてくれている

かつてかくも多くの人が日本のために祈ってくれたことがあっただろうか
祈りは無力、そんなことはなかった
自分たちのことを気に留めてくれている人たちがこんなにもいる
そう思えることがどれほど心強いことなのか

だから思い出しておきたい
ハイチでのスマトラでの大災害に対し、私たちはいささか冷淡に過ぎやしなかったか
だから覚えておきたい、もし再び無慈悲な天災に襲われる人たちがいたら
そこが日本からどれほど離れた場所であっても
私たちは祈りを捧げよう、支援を訴えよう

世界は称賛してくれている
悲惨な状況下にあっても、冷静さと秩序を失わない日本人を称賛してくれている
これ程の甚大な被害を受けていながら、集団的な略奪事件は起きていない
もしくは伝わってこないことが、世界中で大きな驚きをもって受け止めらている

凍てつくような寒さの中、食糧を毛布を譲り合い必死になって
耐えている人たちの姿が静かな感動をよんでいる
世界第2位の経済大国になった時でも得られなかった圧倒的な尊敬の念が、
もしかすると歴史上初めてこの国に向けられている
世界は信じてくれている、これ程までに打ちのめされてもなお日本は甦ると信じてくれている

BBCを見るCNNを見る、ハイチの時、スマトラの時とは何かが違う
もうダメなのではないか・・・この国は滅んでしまうのではないか
あの時は感じられた伝える側の絶望感が、今回の報道に関してはない
酷い惨状、世界的歴史的にみてもすさまじい被害を目の当たりにしてもなお
伝える側の姿勢には、それでもこの国は立ち上がる、甦るに違いないと
信じてくれている気配がある

祈りに感謝しよう、称賛を受け止めよう、信頼に応えよう
世の中に絶対はない、ほぼ間違いなくない
スポーツの世界に生きるものとして、十分に分かっていたはずのことを
今回の原発事故では改めて思い知らされた
だが、だからこそあえて絶対という言葉を叫びたい

私たちは、日本人はこの災害から立ち上がる、復活する、甦ってみせる
絶対




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2010年04月29日

repeat

saiai















あなたが秋に聴いていた曲を
わたしは春に聴いた
その時間差に気付かされた今、瞳が曇る
その意味を読み解こうとrepeat&repeat

答えを出したくない
答えを出してほしくない
答えを出すのがこわい
答えを出されるのがこわい

だから今日もまたrepeat&repeat

あなたの平穏を一番に考えるわたしでいたい
わたしの思いを一番に考える道を行きたい
どっちが本当の自分なのか分からなくてまたrepeat&repeat

今日もまた たった一言が言えないまま繰り返される


daidai197302 at 00:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!恋愛 | 生き方

2010年01月20日

フォーカス

フォーカス







モノクロな都会の風景
人が行き交う交差点

全てにピントが合っているフォトグラフ
心に響かないフォトグラフ

全てにピントが合っていて
どこを見てるか分からない
どこを見ていいか分からない

漠然と切ったシャッターは無意味に過ぎ去る

全部見えなくていい
全部見なくていい

ひとつだけ焦点が合っていればそれでいい





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2010年01月10日

自分を探さないことにしてみる

BlogPaint














人知れず自分を探してみる
  あの頃の自分
  ちか頃の自分
 隠している自分 気付いている自分
 隠されてる自分 気付いてない自分

自分で作った自分がいる?
誰かに作ってもらった自分だけ?

こんなコト考えるのは止めてしまおう
答えなんて見つからない

砂の城確立しようなんてしなくていい
脱ぎ捨てて、捨て去って、残ったものだけ大切にしよう
それが本当の自分

バカ笑いしてる
素直にアリガトと言ってる
ツーレツに愛しく思う
ドップリ落ち込む
それだけが本当の自分 大切な自分

ただそれだけでOK

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2009年01月01日

牛(@高村 光太郎)



牛はのろのろと歩く

牛は野でも山でも道でも川でも

自分の行きたいところへは

まつすぐに行く

牛はただでは飛ばない、ただでは踊らない

がちり、がちりと

牛は砂を掘り土を掘り石をはねとばし

やつぱり牛はのろのろと歩く

牛は急ぐ事をしない

牛は力一ぱいに地面を頼つて行く

自分を載せてゐる自然の力を信じきつて行く

ひと足、ひと足、牛は自分の道を味はつて行く

ふみ出す足は必然だ

是でも非でも

出さないではゐられない足を出す

牛だ

出したが最後

牛は後へはかへらない

足が地面へめり込んでもかへならい

そしてやつぱり牛はのろのろと歩く

牛はがむしやらではない

けれどもかなりがむしやらだ

邪魔なものは二本の角にひつかける

牛は非道をしない

牛はただ為たい事をする

自然に為たくなる事をする

牛は判断をしない

けれども牛は正直だ

牛は為たくなつて為た事に後悔をしない

牛の為た事は牛の自信を強くする

それでもやつぱり牛はのろのろと歩く

何処までも歩く

自然を信じきつて

自然に身を任して

がちり、がちりと自然につつみ込み喰ひ込んで

遅れても、先になつても

自分の道を自分で行く

雲にものらない

雨をも呼ばない

水の上をも泳がない

堅い大地に蹄をつけて

牛は平凡な大地を行く

やくざな架空の地面にだまされない

ひとをうらやましいとも思わない

牛は自分の孤独をちやんと知つてゐる

牛は食べたものを又食べながら

ぢつと淋しさをふんたごへ

さらに深く、されに大きい孤独の中にはいつて行く

牛はもうと啼いて

その時自然によびかける

自然はやつぱりもうとこたへる

牛はそれにあやされる

そしてやつぱり牛はのろのろと歩く

牛は馬鹿に大まかで、かなり無器用だ

思ひ立つてもやるまでが大変だ

やりはじめてもきびきびとは行かない

けれども牛は馬鹿に敏感だ

三里さきのけだものの声をききわける

最善良美を直覚する

未来を明らかに予感する

見よ

牛の眼は叡智にかがやく

その眼は自然の形と魂とを一緒に見ぬく

形のおもちやを喜ばない

魂の影に魅せられない

うるほひのあるやさしい牛の眼

まつ毛の長い黒眼がちの牛の眼

永遠を日常によび生かす牛の眼

牛の眼は聖者の眼だ

牛は自然をその通りにぢつと見る

見つめる

きよろきよろときよろつかない

眼に角も立てない

牛が自然を見る事は牛が自分を見る事だ

外を見ると一緒に内が見え

内を見ると一緒に外が見える

これは牛にとつての努力ぢやない

牛にとつての当然だ

そしてやつぱり牛はのろのろと歩く

牛は随分強情だ

けれどもむやみと争はない

争はなければならない時しか争はない

ふだんはすべてをただ聞いてゐる

そして自分の仕事をしてゐる

生命をくだいて力を出す

牛の力は強い

しかし牛の力は潜力だ

ばねではない

ねぢだ

坂に車を引き上げるねぢの力だ

牛が邪魔者をつつかけてはねとばす時には

きれ離れのいい手際だが

牛の力はねばりつこい

邪悪な闘牛者の卑劣な刃にかかる時でも

十本二十本の槍を総身に立てられて

よろけながらもつつかける

つつかける

牛の力はかうも悲壮だ

牛の力はかうも偉大だ

それでもやつぱり牛はのろのろと歩く

何処までも歩く

歩きながら草を食ふ

大地から生えてゐる草を食ふ

そして大きな体を肥す

利口でやさしい眼と

なつこい舌と

かたい爪と

厳粛な二本の角と

愛情に満ちた啼き声と

すばらしい筋肉と

正直な涎を持つ大きな牛

牛はのろのろと歩く

牛は大地をふみしめて歩く

牛は平凡な大地を歩く



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2008年08月02日

祝婚歌(@吉野 弘)

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難する資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけるものだと
気付いているほうがいい

立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら
生きていることのむつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい

そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい




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2008年04月13日

人生の祝福                                〜ニューヨーク大学リハビリテーション研究所の壁より〜     @J・ロジャー・ルーシー神父



大きなことを為し遂げるため
力を与えて欲しいと神に求めたのに
謙虚を学ぶようにと、弱さを授かった。

偉大なことが出来るようにと
健康を求めたのに
より良きことをするようにと
病気を賜った。

幸せになろうとして
富を求めたのに
賢明であるようにと
貧困を授かった。

世の人々の賞賛を得ようとして
成功を求めたのに
得意にならないようにと、
失敗を授かった。

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いは 全て聞き届けられた
神の意に添わぬものであるにも関わらず
心の中の言い表されない祈りは 
全てかなえられた。

私は最も豊かに祝福されたのだ。




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2008年03月17日

なすび


でこぼこに黒光りしたなすび

土を掘り 水を撒き 草を毟り
そうして育った ささやかななすび

陽を当て 肥を撒き 見守った
そうして育った でこぼこななすび

大きく育てと願いつつ
育つことだけ願いつつ
やっと育った小さななすび

簡単な生き方などどこにもなかった
楽な仕事などどこにもなかった
土にまみれた地味な所作だけが深い根を張り
実を結ぶ

わたしはおそるおそるその実を手にとると
ずしりと重いではないか
なでれば存外あたたかいではないか

わたしの掌に小さななすび
幾度も紫を重ね塗った油絵のごとく
深く深く光彩を閉じ込めている



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2008年03月14日

Eことあるサ(@米米クラブ)


また 一つの過ちから
また 一つ 覚えたよ

何かを なくしたその時
何かを 拾うものサ

かたくなに 心を閉ざし
とどかない この声さえも

沈んでいるだけじゃ 始まらない……今日あたり
Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと!!

終わったことを 悔やむより
次を 夢見ることサ

その人のためと 思うなら
それは「逃げる」事じゃない

いつの日か そんな心が
伝わると 信じているよ

夜空の向こうには 光がある……かならず
Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと!!

なぜに 君に近づけない
なぜに 心を許さない

どんな時でも Because I love you.
I say love you.

Oh! My love 君だけに

愛さえも 薄れてく
そんな時 思い出して

あなたのすぐ側で 見つめてる………その人と
あなたのすぐ側で 見つめてる………その人と

Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと あるサ Eこと!!


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2008年03月07日

墨絵


風とおしよく遠く俯瞰で眺めれば
過去におきた出来事の一つだった

そっとしておけば
じっと見ていれば
傷つかず美しくもなっただろうに

なぜかそのかさぶたをつついていた
ぢんわり悲しみがにじみだして
元に戻るのにまた数日、数年

なぜかそれをべたべたにしていた
余計な油をぬりたくってしまう
元の色もわからない
元の形もわからない

見なければならない本質を
自ら望むように、自ら遠ざけるように
見えなくしていた

この筆 棄ててしまおう
思い切って棄ててしまおう
手を触れることなく
ただただじっと見ているだけにしてみよう

いつか油がすっかり流れ落ちて
美しい墨絵のような想い出に変わるまで



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