476 ハリケーン、坑道ニ突入ス478 孫が雪辱を果たす

2012年09月09日

477 2ってあんの?

某所でお怒りの声も聞かれますが、BI2ってあるのでしょうか。
普通MMOの続編は前作が終わる前に開始されますね。
リネ2始まってもリネは終わる気配さえなかったし。つーか、今でも続いてる。
FF11もFF14と平行して、やっぱり「今もサービス中」。

当然ですね。
ユーザーデータを移行するわけでもない、同じ名を持つだけの「別のゲーム」なのだから、一方を「止める」意味は無い。
それにお怒りの方も触れていますが、「引越し」したユーザーがそっちに定着したら、戻ってきません。
引越し先が「2」になるようにするのが「当たり前」なわけです。

そう考えると、「無い」というのが自然な判断ですが、問題を複雑にしているのはBIの運営と開発。

BIの運営中、ベクターのMMO(除くブラウザゲーム)の課金基盤は「gamespace24」「ベルアイル独自システム」の2系統ありました。
もし、2を作るなら、当然 gamespace24 ベースにするでしょう。
というか、独自システムを維持し続けるのが難しいという判断をしたはずです。
gamespace24は最新セキュリティを継続開発しても、独自システムは放置という可能性があります。
同じ「対策」を全く互換性の無い2つのシステム(しかも一方は他人制作の可能性が…)に入れ続けるのは負担が大きく、その隙を突かれたのが先般の「事件」だったのかもしれません。
実際、gamespace24側はワンタイムパスワードや倉庫のロック機能といった他社のゲーム同様の防御システムが実装されています。
つまり、システム統合を目指す「2」の計画があったとしても、事件の影響(不評と過疎化加速)と、注目を浴びたために対策費用(各種防御機能の新規開発)が発生する事などを考えて、2登場前に「早期終了」させるという判断を下す可能性があるわけです。

開発の問題は、「あの会社ってそんなに『開発力』あんのか?」です。
まー開発力が低く見えるのは、単にお上のくれる予算だけの問題で、マンパワーはちゃんとあるのかもしれませんが、印象としては「開発力なさげ」ですね。
大型アップデートの頻度の低さ(間隔の長さ)がその印象の原因ですが。
つまり、BIのバグ対処や小規模アップデート、さらには大規模アップデートをしながら、2を開発するという「余力」があるように見えないということです。
BIを終了させて、全リソースを2に振り向けるという判断をしたとしても、不思議ではない。
まー普通は(最初に書いたとおり)そんな判断はしないのですけどね。
結局はお上が用意する予算次第な訳ですが。


なお、ゲーム業界の開発速度とスケジュール見積もりを考えると、「1年後のクローズドテスト」の予定が現時点で確定していることは「ありえません」
ディレクターの手元にあるスケジュール表には書いてあるかもしれませんが、そこに書いてある日付が現実になるケースなんて「聞いたことありません」
開発は「遅れるのが当たり前」ですし、アルファ版の内部評価の段階で「大幅てこ入れ」や「ちゃぶ台返し」でスケジュールを半年延ばすとかも「珍しくない」話です。

#スケジュールをちゃんと守れるディレクターというかプロジェクトは少数派。
#単にシナリオ入れ替えだけの「定番商品」を作ってるなら話は別ですがね。
#あ、未完成のバグ品を出荷とかサービスインさせちゃう間抜けは除いての話ですよ。
#FF14以来あちこちで目立つ「アルファ版をベータ版と強弁し、しかも数日後には正式サービス開始=ちゃんと動かないアルファ版で正式サービスと言ってるのと変わらん」というのは困りモノですな。
#「どうせアプデするからバグだらけでも気にすんな」というユーザーをなめた思想を持つ運営が多いと言うことで、嘆かわしい限りです。
#パッケージソフトのような「大バグ出したら始末書&降格モノ」という緊張感が無いため、腑抜けたプロジェクトが多いのかもね。

※ありえないものを「予告」することは出来ませんね。
 これは某発言が「2の予告という解釈は誤り」または「現時点で出来る精一杯の不正確な告知」のいずれかという事になります。


(「聞いたことありません」なんて書いておいてなんですが、自分がスケジュールをコントロールしたプロジェクトは全部スケジュールどおりにちゃんと完成してますけどね。自分を除いては「聞いたことありません」が正しい話。昔は「なぜ他の人はスケジュールを守れないのだろう?」と思った事もありますが、事の良し悪しとは関係なく世の中多数派が「標準」なのです。)


というわけで、もし1年後、2のクローズテストが告知されたら、
 あぁ、事件が無ければ「併走」してたのになぁ
と思えば良いのではないでしょうか。
皆やめたくてやめたわけでは無かったのだと。
(1年前に前作が終わったのは、運営が間抜けだったのではなく、止むに止まれぬ事情のため…と。)


なお、「2があるとしたらどうなる?」は別記事を起こすことにします。


■余談1 イギリス海軍
英海軍には現在空母がありません。
最後の空母イラストリアスはかろうじて現役ですが、搭載機のハリアーは全機退役。
ただのヘリ空母と化しています。しかもまもなくイラストリアス自体が「繰上げ」退役します。
後継のクイーンエリザベス級空母はその時点でも「建造中」。
途中に穴が開いて「空母なし時代」が出来てしまったわけです。
(BI2があるなら)正にBIと同じ大ボケ状態。

この空白は軍事上の要請でないのはもちろん、政治上のものでもないでしょう。
(空母をなくせばアルゼンチンがまた侵攻してきて、海軍と空母の重要性が再認識される
−1980年ごろのインビンシブル級の売却計画などの海軍軍縮計画はアルゼンチンの侵攻によって始まったフォークランド紛争でキャンセルになった−
の再来を目論んでいる。というのは陰謀論。まぁたしかに最近アルゼンチンが不穏な動きをはじめてますけどね。)

単にハリアーの維持やインビンシブル級の維持自体が「イギリスの財政難」で無理になっただけのお話。
ちなみに退役したハリアーとその補修部品は全部アメリカが買い取って、海兵隊のハリアーの部品取りに使われるようです。

もしBI2があるなら、ベクターの経営状態はイギリスの経済状態と似たようなものと思えばOK。
(Win8時代が来ると、ベクターの収益の柱の1本が崩れる。(ソフト流通をMSに持っていかれる)。別の柱をなんとかせねばと焦るベクターは現在あまり余裕は無いはず。)
まぁ栄光あるイギリス海軍とベクターの違いは「事件」がきっかけであるか否かですかね。
ハリアー退役は別に老朽化で墜落事故が続発したからではないし、インビンシブル級が1隻になっちゃっているのも事故が起きたからではない。
ベクターは、事件が起きるまで放置していた点は責められるべき。
「このまま何事も無く2013年の終わりまで持ってくれれば…」とか思ってたんでないのかねぇ。
(BI2があると仮定しての話。無いなら終わりの予定自体無くて、「使える限り使うか」といった感覚でないかな。)


■余談2 テスト仕様書
意味のある「テスト仕様書」を書ける人は自分も含めて見たこと無いですねぇ。
というか、仕様書にした時点で「テストは終わっている」し。
だって実際に動作させながら作るのだから、出来た時点でテストは終わっている。
そんなモノでいったい何をすると言うのだ?
(元の機能仕様書だけ見て作ったら、現実とはかけ離れた&あまりにざっくりしすぎなテスト仕様書になるので、現在動作しているモノをベースに作る。)
お役所仕事的に「テストやりました」の証明書として以上の価値などありません。

そして本来テストすべき点はテスト仕様書なんぞに現れるようなモノではない。
アタマの中で考えたテスト項目なんぞよりも、実際にテスト運用しながら気づく点のほうが重要であり、そこをどれだけ効率よく的確に必要な項目を網羅できるかは、経験と天性の才能、そしてテスト時間の多さによって決まる。
どうせ○しか書かないテスト仕様書作成なんぞに無駄な時間を使っている暇があるなら、テスターに片っ端から「あんたは**の限界を探れ」「君は**の制限でコレをクリアしろ」と指示して回ったほうが余程良い結果に繋がる。
(テスターにはアルバイト・パートも多いが、彼らはプロである。おっさんが頭ひねって使えない仕様書を書くよりも、余程隙を突くテストをしてくれる。ちゃんとした指示さえ出せばね。ちゃんとした指示がないと全員がボールを追いかける小学生のサッカーになっちゃうけどな。(皆同じことをやっていて、意味のあるテストにならん))

大体バグは「仕様想定外」の動作をさせたときに出るもの。
機能仕様書に従った動きをテストするテスト仕様書なんぞ、デバッグでは何の役にも立たん。
限界チェックだって仕様書作成時に「終わっちゃう」しな。
(バグ出ても、仕様書完成時には「修正項目」に入った後。)
そんなの「有名私立大学出身です」という新人と同じくらい役立たず。
暗記しか能が無く、学生時代はゲーム三昧で無駄にプライドだけ高い奴より、聞いたこと無い3流大卒でも「他」業界でアマチュアとして実績を上げていた奴のほうが余程役に立つ。

まぁ、近年のMMOだと「機能仕様書に従った動き」すら出来ていない事があるようだがな。
そういう意味では意味の無い「テスト仕様書」を作るレベルにすら達していない、ぐだぐだプロジェクトなのかもしれず、そんな相手なら「テスト仕様書を作れ」という指示は意味があるのかもね。
そうすれば5流開発チームも3流くらいにはなれるかもな。少なくとも4流には昇格できるだろう。
(だが1流のチームにはそんなもの不要なのである。いや2流でも使わん。)

■余談3 烈風
第二次大戦中、日本海軍の主力戦闘機は「ゼロ戦」と呼ばれた機体でした。
ところが、そのゼロ戦が旧式化しても、後継機は一向に現れません。
それは後継機の開発を担当していた三菱がゼロに続いて作っていた雷電の開発にてこずり、さらにゼロ戦の改良要請も次々と飛び込んできて後継機たる烈風の開発にかける時間・リソースが不足してしまったため。
結局烈風は戦争に間に合いませんでした。
アレもコレもという海軍の姿勢が、結果として失敗を招いたと言えるでしょう。

限られたリソースをどう配分するかは重要であり、BIの運営・開発がBIの安全性を高めて維持することより2の開発を優先する決断を下したとすれば、「その点を」責めることは出来ないと思います。
ま、2があったならの話ですが、無かったとしても改善しないまま継続するのは、企業の姿勢としては問題とされたでしょう。



BEL at 16:09│Comments(4)TrackBack(0) 考察・希望 

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この記事へのコメント

1. Posted by ろっくさん   2012年09月17日 21:57
お久しぶりです!
無事に期間げんてーブログも終わりまして(削除済み)、FC2もちょっとは盛り上がったんじゃないのかな?と思ってたりしまっすよ。
ベルアイル2の話も書こうと思ったんですけどねw
結論から行くと『無い』かなと考えてます。

スキル制は長く出来ますよね、これは実感しました。
どのMOもMMOも面白みがあまり無いのが実情、ストーリー性がどうも薄っぺらくて『非日常的空間』を味わえないのが残念。

あのシステムで『ベル2』は果たしてできるか?難しいでしょうね。
可及的に売り上げるならMOとかの方がイイでしょうし、ガチャ実ありきでしょうしね。
『マビノギ』は上手く昇華しているから同じスキル制としても成り立ってますし。。。

しかし、最近はクローズもオープンも見切り発車が多くてその時点で萎えちゃいます。
2. Posted by BEL   2012年09月18日 23:01
ろっくさん、期間げんてーブログお疲れ様でした。
(紹介記事でも次の余談に入れようかと思っていたら消えていたというw せめて「終わりました」ページだけ残っているとかだと…)

2の妄想話はそのうち書きます。
まぁ、アイテムそのものを実から出したのがマチガイなので、そこを変更すれば良いと考えています。
そこの変更は同時に収入基盤の変更という話にもなるかと。
まー、実際に試した訳ではないので、ちゃんと採算取れるかどうかは不透明ですが。

「非日常的空間」
私的には日常できる事を、そこでも出来るという所に注目して、それが出来る範囲・自由度が広いほど「非日常的空間」が楽しめるという何かが逆のような話になっています。
要は生活系こそ「非日常的空間」という。
戦闘だけだと「非日常的空間」というより、ただの「戦場」で、ストーリーの縛りがきついと「遊び」ではなく「作業」に感じてしまうもので。
(なので「1本道ジャパニーズRPG」は苦手)

マビノギはグラ厳しいですねぇ。MoEが先進的に見えてしまうw
とはいえ英雄伝は戦闘しかなくてどの辺りがマビ?な感じですが。
(モノを拾って投げるのは面白い機能と感じましたが)
英雄伝の(よりは多少BIのようにアニメ的に調整した)グラで2を出したりしないものですかねぇ。
(調整しないと、時々やるタイアップは不可能になりそうだし)

見切り発車、ですよね〜。ちゃんとしてから公開してよ。ですね。
3. Posted by ろっくさん   2012年09月20日 00:36
oh...それは申し訳なかったです…
今回のコンセプトは、「最後だから盛り上げようぜ!」だったので、役目は果たしたので消しちゃいました。
どうもフワフワとブログだけが残っているのが個人的に苦手なんですよね。。。
SCBや一片は、長くやっていた事もありしばらくは残してましたが、今回は単発ゲリラ的なブログだったのでそこいらは察してやってください;

マビ英雄伝、FSO2もやりましたがMOは僕にはどうやら向いて無かったです。
MOEをちょいと始めましたが面白いですね!自分なりに納得いくタイトルがあればまたブログでもやりたいと思います!
4. Posted by BEL   2012年09月20日 22:45
ろっくさん、毎度です。
お気になさらずw

再びろっくさんのblogが楽しめるときをお待ちしております。

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