カテゴリ: 桜の樹の下

登場人物の1人、川名さんについて


現在、75才で生活保護を受けながら市営住宅で一人暮らしをしている。
ドラマや演劇が好きで、自身も20年あまりを演劇に身を投じてきた人である。
演劇に熱中するばかり、家族を蔑ろにし、離婚。
元奥さん、子供と連絡はとっていないという。
(演劇時代の名前は垣内)

彼の演劇人生は、俳優座の『桜の園』を観に行ったことから始まる。
それから興味をもち、千田是也を師事し、ブレヒトの作品を研究する。その後、当時勤めていた三井金属の社内で『演劇集団ぶどう』を立ちあげる。
また大橋喜一とも出会い、彼の脚本作品をやらせてもらうことがあった。
私が川名さんの家で借りた『銀河鉄道の恋人たち』というシナリオが特に面白かった。

最近の劇作家で注目している人がいるか聞くと、
「あの人はいいねぇ、宮藤官九郎!」
と返ってきて驚いた。
まさかのクドカン!?

川名さんは労働者演劇といわれる、社会問題や反組織的な訴えを演劇によって伝えるといった作品が多かった。
その中で、宮藤官九郎が出てくるとは思いもよらず、驚かされた。

「あれがいいと思ったんだよ、池袋・・・パーク??」
再び驚いた。
数ある中で『池袋ウエストゲートパーク』!?

私も好きでよく観ていたが、当時は中学生で窪塚くんがかっこいいとか、その人が死ぬの!?と
ハラハラした記憶しかない。

今観ると違うのだろう。


撮影を始めた頃、川名さんは団地自治会の副会長で、
共産党の支部長でもあった。
『国民のために』活動することも『住人のために』活動することも同じと言っていた。

現在は二度目の脳梗塞で入院中である。
早く良くなって、自治会の活動をしたいと、
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お見舞いに行くと、元気一杯で安心した。
リハビリも順調そうだ。

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今年は暖冬と言われていますが、今日はとても寒いですね。
はじめてブログを始めました。田中です。

3月に私の初監督作品「桜の樹の下」の上映がポレポレ東中野にて決まりました!
それに向け、作品の裏話なんかを書いていこうと思います。



桜の樹の下にオレンジ色の団地があった。
高級住宅街の中にぽつんと穴を空けたような場所にあるこの団地に
始めて訪れたときから、何か惹き付けられるものを感じた。

私には故郷らしいものはないけど、どこかとても懐かった。

この団地の妙な魅力は何だろう。
そう思い、この企画がスタートした。

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