daiGOGO さがら大悟の活動報告

加古川市議会議員さがら大悟のこれまでの実績及び活動報告です。 ごゆっくりご覧下さい。

2011年05月

「巨大地震で問われる自治体の防災・危機管理」 講師:山村武彦氏(防災システム研究所所長)

 播磨地方拠点都市地域市町議会講演会に防災システム研究所所長の山村武彦氏を迎え、「巨大地震で問われる自治体の防災・危機管理」についての講演がありました。大要次の通りです。

日時:H23/5/31(火)13:30~15:00 姫路キャッスルホテル

 山村氏の略歴:地震、津波、噴火、土砂災害、テロ、事故などの災害現地調査は150カ所以上。阪神・淡路大震災発生時は、2時間後に現地入りし救助活動や調査活動にあたった。1995年に科学技術庁長官賞受賞。防災・危機管理講演は1400回を超え、マスコミ出演、執筆など防災意識啓発に活躍中。
 
yamamura

●2011年3月11日14時46分「何が起きたのか」

・震源地:牡鹿半島東南東約130㎞、震源の深さ:約24㎞。
・地震のエネルギーの大きさ:M9.0
・3連動地震:3ブロック連続破壊(波形で見る揺れの長さ)
・破壊断層:長さ約400㎞×幅約200㎞、最大滑り量約20㍍
・牡鹿半島:最大5.3㍍東南東に移動、1.2㍍沈下
・津波(金華山の場合):地震発生約26分後第一波、33分後引き波、50分後第二波襲来

●地震緊急速報

・10数秒の間に、閉じ込められないようにする。閉じ込められたらガス漏れなどで助からない。学校の避難訓練のマニュアルに机の下に入るとあるが、誤り。大地震の場合、吹っ飛んでしまう、つぶれてしまう。閉じ込められないように廊下に出る。
 ※机の下に入る件は、5/23講演の斎藤氏の見解と異なる。趣旨は理解できるが、10数秒の間に約40人の児童が廊下に移動できるのか、率直に疑問に感じた。

●東日本大震災の特徴

・大津波、火災、爆発、原発事故、ガソリン、モノ不足・・・「広域複合大災害」

・被害の大部分は津波によるもの・・・死因の約95%が水死。阪神は90%圧死。

・津波ハザードマップと津波避難ビル・・・想定外、見直す必要が有る(海岸から5㎞先の小学校が津波にのまれ、多くの児童の命が奪われた。津波は川をさかのぼってきて、避難しようとした方向から押し寄せた。避難先でない近くの山に登ったものだけが助かった。)

●防災はモラル

・怖いのはパニックではない、パニックを恐れる人たちが起こす情報隠し(モラル喪失) ・・・「被害者にならず・加害者にならず・傍観者にならず」

●巨大地震で問われる自治体の防災・危機管理

・新潟県中越沖地震
 ○地元企業が見せた「地域貢献」・・・企業Aは、工場の建て直しを優先することなく、お菓子と水を避難所に全て提供した。一方、企業Bの電気を止めると車の生産が止まるから工場を優先して一般家庭が停電した。

・当時の総理が被災地に行って「がんばってください」と声をかけた。「がんばるのはそっちだ」といわれた。天皇陛下は「一緒にがんばりましょう」と言って涙を誘った。

・防災の優先順位・・・「すべては知らせることから始まる」例えば、火災の場合、発生すると慌てふためくだろうが、まず「火事だあ!」と周囲に知らせることが大事。その次に消火にあたる。3番目に助ける。4番目が逃げる。

・逃げる防災から戦う防災・・・避難訓練:みんな逃げたら誰が火を消す、人を助ける。

・向こう三軒両隣「防災安否確認チーム」・・・煩わしさがあるかも知れないが身近なつきあいの中でお互いを守ることができる。「自助」「公助」「共助」と合わせて「近助(近所)」である。

 ○「隣組」の3番目の歌詞。
 ♪ とんとん とんからりと 隣組 ♪ 地震やかみなり 火事どろぼう ♪
  ♪ 互いに役立つ 用心棒 ♪ 助けられたり 助けたり ♪
  
▼防災システム研究所のHPはこちら→ http://www.bo-sai.co.jp/index.html

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「気象災害と地震防災」 講師:斎藤義雄氏(気象予報士)

 東播懇話会5月例会に、気象予報士の斎藤義雄氏を迎え、「気象災害と地震防災」についての講演がありました。大要次の通りです。

日時:H23/5/23(月)12:30~14:00 加古川プラザホテル
saito

●地震直後の注意点

・緊急地震速報・・・10数秒でできること。1.上を見て物のないところへ移動 2.棚から離れる 3.机があれば入る        

・家屋倒壊・・・阪神淡路大震災時、亡くなった6000人のうち9割以上が圧迫による窒息死。そのうち5割が大の字。生き残った5割が横向き・うずくまってる。

・津波対策・・・テレビで海岸からなるべく離れて高いところへ、という指示が。高いところは合っているが、海岸から離れる指示は津波のスピードを考えると誤り。到達時間に差。奥尻島は5分。今回1時間。来ないから家に戻ってのまれた例多数。
 海岸近くにいるときは、避難できる高いところを見つけておく。

・どんな消火器がいい?・・・一般に普及している消火器だと置き場所によって緊急時に対応できない場合がある。スプレー式の消化器が有効。

・災害伝言ダイアル・・・震災直後の電話、メール、Twitterなどつながらなくても災害伝言ダイアルはつながった。

●事前に考えておくべき地震防災対策

・防災グッズの順位・・・携帯トイレ(約2,700円)。水・食料は1~2日我慢できるがトイレは我慢できない。自治体が用意していない物を準備。自家発電用のラジオなど。

・停電対策・・・○エレベーターは閉じ込められる。最寄りの階に停まって開かない。○自動扉の場所(ATM、駐車場) ※もし電気が切れたらどうなるか想定することが大事。

・帰宅困難者・・・20㎞を超える距離はやめた方がよい。2次災害が起こる。東日本大震災時、東京で経験を通して実感。道筋を考える。公共施設や企業などで避難所として提供されるので、大きい道路を通るようにした方がよい。

・ボランティア活動・・・○炊き出しに優劣がある。豚汁は飽きられる。喜ばれるのは、カレー。○支援物資の箱は、1箱につき1種類と決めて表面に明示すること。ごちゃごちゃになって仕分けに苦労する。

●地震防災についての知識

・震度とマグニチュード・・・マグニチュードはエネルギーの面積×高さ。震度はマグニチュードに対する強さ。近いほど強くなる。  

・通電火災・・・電気が戻ったときに起こる火災。地震後ブレーカーを落とすことが大事。自動的にブレーカーをおとす機械がある。

・プレートや活断層・・・東海・東南海・南海地震は必ず起こる。予言とか予知ではなく確率の問題。だから備えが必要。

・乾電池の作り替え・・・単3を単1に変える方法。1円玉を8枚重ねる。紙や綿で太くし、表面を段ボールで難くする。電気料は少ないがこれで使える。

・水の節約・・・1日3リットル必要である。水が不足しているときは、500mlのふたに錐で穴を開ける。ペットボトルを押すと必要な分だけ出る。

・バイアスとは・・・偏った考え方。○正常性バイアス(自分の安全性を過大評価。助かることを前提。自分は平気。自分のところには来ないと思う。)○多数派同調バイアス(自分以外に大勢の人がいると、取りあえず周りに合わせようとする心理状態。大惨事となった韓国ソウルの地下鉄火災が典型的な例で、ビデオに残った映像では、煙が出ているのにみんな動かない。このことが逃げ遅れた最大の原因となった。)

●地球温暖化について

・温暖化の原理・・・学説によると100年で6℃上がると言われている。低い学者で1℃。1℃上がるということは、平均気温が33℃で3日に1度36℃になるということ。6℃上がるということはとんでもない数字。

●避雷の心得

・金属類は?・・・雷は金属を狙っているわけではない。出っ張っているものに落ちる。ゴルフ場で危ないのは周りに何もないからで、雷が鳴ったら即座に避難すること。木の下は絶対だめ。

・木の下での注意点・・・側撃が危ない。木から4m離れないと危ない。

・室内でも安全でないところが・・・部屋の中でも電話線やコンセントを通じて入ってくる。コンセントから離れること。

●都市型水害の特徴

・水の浸入はどこから?・・・コンクリート化による内水害。風呂場、洗濯機の排水口から逆流。対策:ガムテープを貼る。ビニール袋に水を入れて重しにする。

・道路は安全か?・・・浸水時、マンホールのふたが開いている場合がある。はまればまず助からない。傘を杖代わりに確認する。

・コンセントの防御・・・ビニールで巻く。

・エレベーターは?・・・閉じ込められる。

・降水・雷・竜巻ナウキャストを見よう・・・1番当たる。1時間以内の図面を見られる。

▼斎藤義雄氏のプロフィールはこちら→ http://www.weathermap.co.jp/casters/saito.php

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