こんにちは、リーヌです。(このブログは毎週水曜定期更新です。)

毎年恒例の法人税申告の時期がやってまいりました。
恒例、と言っても法人によって時期は異なるのですが、うちの会社(もちろん不動産用の自分の会社のこと)の決算は9月末なので、書類が届くのは10月末ころです。

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はい、今年も来たよ~、あとよろしく。

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おっけ~。

1回目、2回目はまだ慣れがなかったのでバタバタしてしまいましたが、もう3回目なのと、Excel上で事前の準備が全て完了しているのでいつでも来い、という状態でした。何と言っても、去年のこの時期に、申告作業をマニュアルにまとめておいたのが大きいです。マニュアルって何の話かというと、去年の12月7日のこのブログの記事です。このブログの元々の目的は私の作業の記録用なので、本来の使い方ですね。こんな記事、需要あるのかよ?と思っていましたが、需要者は確実に一人ここにいます。

さて、詳細は去年書いたので、今回は全体のダイジェストと、去年書ききれなかった補足を記録していきます。
必要書類は一度に届くわけではないので、5つの封筒が届くのを待ってから作業開始します。まず年末調整の書類2つが届き、次に地方税2つ、そこから一週間くらい後に法人税申告の書類が届きます。法人税申告書の封筒は「締め切り月の1日」に発送するそうで、うちの場合は11月2日に届きました。これが最後になるはずなので、決算日の1ヶ月+2日後になっても届かない書類がある場合は関係役所にお問い合わせください。

さて、全部揃ったので、まず開けるのはこれ。
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最初は法定調書合計表です。これは法人税ではなく個人の所得税に係る書類なので来年1月に送るものです。不動産を個人から買ったり(ボロ戸建て、ボロ区分ではありがち)、個人事業主の不動産仲介業者(これはかなりレア)や個人事業主の司法書士(これは結構いる)に仕事をお願いすると、その分提出書類が増えますのでそのような行為を行った場合は注意して説明を読んで下さい。本体と控えの2枚に返信用封筒をあわせて送ります。送り先は送られてきた書類に書いてあります。
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次の給与支払報告書は毎年全く同じ内容なのでコピペすれば終了です。とは言え、これだけは控えがないので一度作ったらコピーをとっておくか写真をとっておくと良いでしょう。天引きする普通の住民税支払いが「特別徴収」で、現金で別途収める特殊な方法が「普通徴収」と呼ぶのでとてもわかりにくいです。「普通徴収」にするために毎年申請がいります。
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この2つは去年は最後に作っていましたが、法人の決算書とは独立しているため、先に仕上げて身軽になりましょう。

次に開けるのはこれ。
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法人税申告書の作業に入りましょう。その中から、最初は法人事業概況説明書に取り掛かります。必要書類を埋めたら各種内訳書の出力。これは初年度にExcelで作ってしまったものがあるので、数字を入れ直して印刷すればOKです。
前回特別に強調しなかったので補足しますが、法人の場合、減価償却の計算が自由にできる反面、詳細な記述が要求されます。具体的には法人税申告書の薄い紙束の中の「1.旧定額法または定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 別表十六(一)」という紙を見てほしいのですが、この紙の項目を埋めることを考えながら、資産の簿価と減価償却費を途中計算するようにしてください。土地は含まれません。個人の青色申告では「土地・建物」として一括されてしまいますが、法人税の計算では土地と建物は完全に分けて計算します。私は初年度の決算で個人事業主と同じようなやり方で土地込みで計算していたらこの書類の記入で詰まり、最初から計算し直しになった経験があります。初年度や物件が増えた年には要注意です。
また、今年は決算日を跨ぐ期日での家賃の入金遅れがあったので、未収入金が新たに発生しています。どういう意味かというと、家賃が実際に入金されたか否かに関わらず、会計上は毎月必ず売上として発生しています。仕分けの細かい説明は省きますが、現金が入らない場合は債権として「未収金」が発生します。そのため、実際の現金の動きとは無関係に年間の家賃収入としては、1年間12ヶ月分が確定します。11ヶ月分の家賃しか受け取っていなくても、12ヶ月分の売上として申告します。すなわち収益として税金がかかります。
今回の例は単に入居者様がズボラなだけで、督促してすぐに入金が有りますので、来年の決算では「未収金」がそのまま「現金」に代わり、その翌年に合計13ヶ月分の入金があっても、あくまで売上は12ヶ月分のみです。
滞納したまま夜逃げした場合などの処理は、なかなか複雑なので専門書を読んでほしいのですが、一旦売上として計上することには違いありません。要するに税金がかかります。関連する話としては、敷金は売上ではなく、預り金という債務なので、通帳にお金は入りますが、税金はかかりません。当然、返還時には費用には出来ません。一方で、礼金は家賃と同じ、仲介手数料と広告費は経費と同じ扱いが出来ます。
話が横道にそれましたが、法人事業概況説明書と内訳書が完成しました。下の写真の右側半分です。
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最後に法人税申告書の作業に戻ってきて、全部埋めれば終わりです。なお、「事業年度分の適用額明細書」は該当項目がないので使用しません。「勘定科目内訳明細書」も決算書を提出していれば内容的には同じことなので、本明細書は提出不要となります。Excel上で全部終わっているので本当にただ転記していくだけです。
申告する利益額が確定したので、税金を計算して、納付書を記入します。納付より先に申告書を郵送してしまって構いません。上の写真の上の方に置いた2枚になります。イベントの参加費や受験料などと違って、控えを送るようなことは不要です。勝手に金融機関と税務署でやり取りしてもらえます。
法人税の書類が終わったら、次は住民税と県民税と事業税です。ここまで来れればあと少し。電卓叩いて数字を埋めれば完成です。事業税の説明が多くて圧倒されますが、賃貸業には要するに「所得割」しか存在しません。「付加価値割」や「資本割」はゼロ円として計算します。税率はいろいろ注記が多いですが、一番小さい税率が適用されます。事業税に関してこの2つさえ読み取れれば対応可能です。市民税や県民税の均等割は、概念としては法人化を実施した人にとって常識の範囲だと思うので、きちんと読めば計算式も理解できるでしょう。
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計算の基準となる法人税がもともと少ないので、住民税関係も均等割7万円に多少おまけが付く程度です。結局、今年の税金は総額で117,800円です。利益の額より税金のほうが多いのが不思議ですが、これも住民税均等割のためです。
初年度の利益はわずか4900円、2年目は3万円、3年目である本年度は10万円です。決して赤字にはせず、かと言って税金も極力支払わないばかりでなく、書類上は増収増益という形になっています。
帳簿上の利益は10万円ですが、個人名義含めて現実に400万円以上の家賃収入があり、自宅の住宅ローン以外の借金はゼロ、税金の支払いも最小限、すべての物件が築古再生なのでバランスシートが毀損するどころか含み益ばかり、という状況です。儲けに対して物件数も借入金も極端に少ないので、超低リスクで運営もめちゃくちゃ楽です。
ボロ物件セリフォ投資は最初こそ地味ですが、数年頑張れば容易に「お金の自動増殖モード」に入っていきます。1軒直して、入居付をして、「これは行けそうだ。」と思ったなら、2軒目に行く前のタイミングで早々に法人を設立することをおすすめします。役員給与、出張手当、物件取得費用の損金処理、マイカーの社有車化、自宅の社宅化、などなど法人にしか使えない技が目白押しです。
制御には知識と経験が必要ですが、個人事業主と違って法人だとこのあたりを「自分に都合よく」計算することが出来ます。法人を作ると、完全DIY設立でも諸費用20万円前後、また毎年住民税均等割7万円の負担が発生しますが、それを負担してもなおメリットのほうが大きいです。
法人設立時より、ちょっと変わった借入スキームを考えていて、そのためにも赤字にはしないで3年間しっかりボロ物件を蓄えてきました。たかだか10万円では赤字でも黒字でも税金など殆ど変わらないので、僅かな黒字にピッタリと着地させます。
私は税理士を雇っていませんが、これはDIYで費用を節約するという主目的の他、上記のようなコントロールを完全に自分主導で行うという目的もあります。
セリフォ限定はないですが、ボロ戸建て&ボロ区分の投資は資産・利益・キャッシュフローの増加がリニアなのが特徴で、大型RCに有りがちな「苦しい時期」「高リスクな時期」「ボロ儲け時期」の波のような往復がありません。せせらぎのように安定して儲かります。そのまま利益額を増やして800万円以下の税率ゆるゆるゾーンに安定させるのが一番手取り収入が増えます。家賃収入だと1500万円から2000万円ほどで純資産は1億円、個人法人を合わせた可処分所得はおよそ1000万円になります。借入金返済も無いので給与所得はもはや必要ありませんが、物件数も30室前後なので本当にする仕事がありません。これ以上の規模を目指そうと大型物件に手を出して頑張っても、増えた家賃は全て銀行への返済と税金の支払いに消えてしまう上に物件数も増えて忙しくなるばかりです。この領域まではあと20年程かかりそうですが、大型RC物件1億円を20年返済するより遥かに低リスク(破綻に限って言えばゼロリスク)で楽ちん運営だと思うのですがどうでしょうか?


それではまた~。
 
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以下、自分用メモをまとめます。来年以降はこれ読めば一撃で作業完了です。

  • 決算を閉じる際は土地と建物を分けて計算しておく。「固定資産の内訳書」においてのみ、物件ごとに土地建物の総額で書くので、あとから容易に足し算できるようにしておく。建物に関してはその年の減価償却前と減価償却後をそれぞれ記載する必要があるので、これらの数字も用意しておくこと。
  • 5つの封筒が届いたら作業開始。法人税申告の封筒は11月1日(申告締め切り月の初日)に発送するらしい。
  • 給与支払報告書と法定調書合計表の作業を始める。住民税を天引きしないのが「普通徴収」。給与支払報告書の普通徴収切替は毎年提出を行う。初年度に「切替」したからと言って翌年以降通知不要になるわけではない。社長は給与500万円以下なので3枚綴りの紙を使用し、上2枚を提出する。下一枚は個人の確定申告で使用するので取っておく(103万円以下に調整している限りは、実際は使用しない)。
  • 給与支払報告書は発送用の封筒が入っているので、新たに用意する必要はない。返送書類もないので給与支払報告書はこのままで完成。
  • 法人税申告の封筒を開けて、法人事業概況説明書を書きはじめる。減価償却の計算も決算書の内容も、既に法人税申告に合わせてあるので、一気に書き上げてしまう。
  • 「同族会社等の判定に関する明細書(別表二)」の帳票類の束は右下のマークを参考にして2分割し、それぞれ「交際費等の損金算入に関する明細書(別表十五)」まで使うのでそれより先は破棄。「旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書」以降はPCで別途作成したものを使用する。これらはまとめて法人税申告書とセットにする。
  • 「預貯金等の内訳書」などのバラ紙は全てPCから出力するので紙は破棄してよい。これらは法人事業概況説明書とセットにする。
  • 法人税申告書の上の部分を記入する。右上の事業年度などの部分は(※税務署処理欄)なので書き込まないこと。
  • 法人税申告書の「法人税額の計算」の(1)を記入する。ここに(別表四「47の(1)」)と書いてあるが、これは「所得の金額の計算に関する明細書(別表四)」の左上の(1)である。要するに当期利益額(自分で作った決算書の当期利益そのまま)のこと。
  • 「法人税額の計算(別表一(一)次葉」を計算して記入する。
  • 税額が確定したので法人税申告書の(2)以降を記入していく。これで法人税申告書が完成。
  • 法人税申告書を閉じる順番は、上から「申告書二枚」「(自前の)決算書」「法人税額の計算」「同族会社等の判定に関する明細書、の書類束」「PCから印刷した、定額法または~、の帳票」「法人事業概況説明書」「預貯金等の内訳書」「借入金及び支払利子の内訳書」「役員報酬手当及び人件費の内訳書」「固定資産の内訳書」となる。
  • 市民税の封筒を開けて書きはじめる。まずは左右の切り取り線で申告書と払込用紙を分割する。基本的な考え方としては「法人税割+均等割」であり、利益に対してではなく収める法人税に対して税率が計算される。「法人税額の規定によって計算した法人税額(1)」は上で作った法人税申告書の「確定法人税額(15)」の数字をそのまま入れる(「確定地方法人税(42)」は以降も使用しない)。この欄の上の段は(使途秘匿金税額等)なので誤ってここに書かないこと。以降の計算に用いる税率は封筒の中に入っている。
  • 県民税の封筒を開けて書きはじめる。これも最初に左右の切り取り線で分割する。事業税、地方法人特別税、都道府県民税、と3つ項目があるが、全て都道府県の管轄なので、知りたいことは都道府県のWebサイトなどで調べること。
  • 最初に事業税を計算する。資本金1億円以下の法人事業税は「所得割」のみであり、利益額に対して直接税率がかかる。計算に用いる税率は同封の冊子の所得割欄に書いてあるが、400万円を境に税率が変わるので要注意。
  • 地方法人特別税は事業税に対して税率がかかる。43.2%(H28年度)と高税率だが、税金に対する税金なので大したことはない。これの税率も同封冊子に記載。
  • 道府県民税は市民税同様に「法人税割+均等割」なので、市民税同様に「法人税額の規定によって計算した法人税額(1)」は上で作った法人税申告書の「確定法人税額(15)」の数字をそのまま入れる。全体的な流れは市民税と同じ。
  • 必要な切手は82円切手7枚と250円切手1枚と140円切手1枚。給与支払い報告書、法定調書合計表、同返送用、市民税申告書、同返送用、県民税申告書、同返送用、これらはすべて定形外25g以下で82円。
  • 法人税申告書は250円の切手を貼って送る(実測143gだったので205円でも行けるけど、ちょっと怖い)。返信用は定形外140円(100gまでの料金。実測は80gだった)。