「上田流麹造り研究会」@神戸酒心館に参加してきました。
上田護国先生は、高松国税局鑑定官室室長をご退官された後、
上田酒類総合研究所およびセンターの技術顧問として、
兵庫県のみならず全国各地の酒蔵の技術指導をされています
「上田流」とはひとことで言うと、麹の蒸米の水分管理を徹底的におこなう製麹法です。
なんとプラスチックのたらいを用いるのが特徴
麹菌が実にさまざまな酵素を作り出すのはご存知のとおり。
その中で、吟醸を造るにあたって特に着目されるのが、
グルコアミラーゼ、α-アミラーゼの2つおよびそのバランスです。
ところが、この2つの至適温度(生成するのに適した温度帯)が同じであるため、
各々の温度帯での水分調節を上田先生の方法でしっかり行って、
相対的な生成量のバランスをとるのです。
3年ほど前に、龍力(本田商店)さんで実践されているのを
日をまたいで見学させていただいたことがあります。
突き破精で良く乾いた本当に素晴らしい麹が出来ていました
先生に伺うと、杜氏の後継者不足が懸念されはじめた
平成7年頃(20年以上も前!)から行っているとのこと。
理論とデータに基づいているので、
誰でも何度でも(←ここが大切)再現が可能です。
吟醸だけでなく、普通酒の麹にも応用できます。
大黒正宗では、前杜氏(醸造部長)引退後、
大吟醸の造りは特に!まだまだ確立されていないので
ぜひ試してみたい方法
あー、今季の造り終わったばっかりなのに
なんかもう酒造りしたくなってきた
会場となった、今をときめく神戸酒心館(福寿)さんの
蔵見学もさせていただきました
酒心館さんはまだまだ造りの真っ最中です。
大黒蔵があった時はすぐお隣さんだったので
何かとお世話になったものでした。
きれいな蔵、立派な設備、いつも今でも酒心館さんがうらやましい
造っている最中の見学は
作業をし易くするちょっとした工夫も見ることができるので大変貴重
ナイスアイデア早速いただきです(特にブロアの先:空調が効いている)
上田先生はじめ兵庫県工業技術センター、神戸酒心館、各蔵の皆様、
本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます