「G1・第60回オールスター競輪」開催中のいわき平競輪できょう(15日)、最終日の6Rが「周回通告誤り」のため競走不成立となった。担当係員が周回板をめくり忘れ、残り周回を「1」と表示するところを、誤って「2」と表示。このレースの売り上げ2億2130万2400円はすべて返還された(本紙HPに記事あり)。

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レースは残り2周を知らせる赤板まで正常だったが、この直後に堤洋(徳島)が落車。救護に当たった係員はいたものの、堤を走路内から退避させるのに時間がかかったためか、周回板を担当する係員はめくり忘れてしまい、赤板のまま、レースは残り1周を迎えてしまった。この時点で競技規則第73条により競走不成立。最終バックあたりから警笛が鳴らされて、レース中の選手に競走中止が知らされた。


だが、落車した以外の選手は懸命に走り続け新山響平(青森)と大槻寛徳(宮城)がほぼ同体でゴール。どちらか1着か微妙だったが、競走不成立のため、着順は発表されなかった。


残り1周で先頭を走っていた野原雅也(福井)は「(残り1周で)赤板が見えたけど、この時点で脚がいっぱいだったので…」と振り返った。まくり切った新山は「(残り1周では)前の浜田(浩司)さんしか見ていなかった。(まくり切って2着までに入ったことが)記録に残らないが、収穫になったと思う」と前を向いたが、大槻は「(自分から車券が)売れてたし、決められたと思ったけど、何か悔しいですね」と納得のいかない表情を浮かべていた。

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6R終了後の場内では、「ご迷惑をおかけしましたことをお詫びします」と放送が何度も流されたが、大きな騒ぎはなかった。


競技規則第73条による競走不成立は、KEIRINグランプリやG1などのビッグレースで初めての事例。競輪を統括する公益財団法人JKAの笹部俊雄会長は「今後このようなことが起きないように再発防止策を講じて参ります」と謝罪した。