あれから10年

IMG_7996開業8周年記念イベントを開催しました。これまでは平日夜に実施していたのですが、今年はご家族でお越し頂けるよう、初めての週末開催にチャレンジ。東京は35度を超える猛暑の中、約150名のお客様にお越し頂きました。特設された託児所には30名のお子様が集まり、イベント中も何度となくお子様関連のアナウンスが流れるその様子は、さながら遊園地のよう。プログラムは前半にISAK代表理事・小林りんさんとの対談、後半はライフネット生命経営陣による近況報告とQ&Aという構成で、あっという間に3時間が過ぎ去りました。

対談では、軽井沢にインターナショナルスクールを開校し、文科省の教育再生実行会議の委員も務める小林さんとともに、キャリア論、グローバル社会に対応する教育のあり方、テクノロジーが進化する中で教育がどのように変わるか、そして金融教育についてどう考えるかなどについて話し合いました。

創業時から「子育て世代を応援したい」という想いを持っている当社ですが、今回のイベントを通じてお子さんの教育については皆さん関心が高いことを改めて感じました。アンケートで頂いた声を一部抜粋:

・子供の教育について不安なことが多かったのですがグローバルの視点に立った教育論のお話を聞けてとても参考になりました
・「子供にはあえて失敗させる」というコメントが参考になりました。実践してみたいと思います。
・子供への金融教育の視点が新しく、また聞いてみたいと思いました。

後半では6月からリニューアルした就業不能保険や、3月から開始した給付金のペーパーレス請求、その他ダイバーシティに関する取り組みなどを説明した後に、1時間近くQ&Aタイム。質問が止むことはなく、熱気に包まれる中、出口と私を中心として、生命保険の考え方、ライフネット生命の未来、そのほか多岐にわたる内容について討議をしました。

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イベントの司会を務めたのが、4月に入社した新入社員の二人。毎年の開業記念イベントでは新人に司会進行を任せるのがいつからか恒例となっていますが、当社の新人はいつも物怖じせず、この大役を落ち着いてこなしてくれます。選考基準には明確に書かれていないのですが、どこか無意識のうちにそういったコミュニケーション能力、いや、度胸みたいなものでしょうか、それを見て選んでいるのかもしれません。

そして、今年も新卒採用を始めています。特設サイトがオープンしていますので、ぜひ開いてみてください。

会長の出口に言われるまで気がつかなかったのですが、二人で仕事を始めたのが2006年7月3日。つまり、昨日はちょうどライフネット生命立ち上げプロジェクトがはじまった10周年だったそうです。当時思い描いていた10年後のイメージには到底届いておらず、歯がゆい思いでいっぱいなのですが、見方によっては、何もなかった10年前、出口の頭の片隅に構想(妄想?) しかなかった時から比べると、随分と遠くまで来たものです。

今日から11年目ということで、気持ちを新たに頑張っていきたいと思います。

改めまして、貴重な週末、イベントにお越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。 IMG_0386
 

病気やケガで長期間、働けなくなったら、生活費はどうしますか

Facebook で目が離せなくなる映像を見つけました。「境を超えて」という3分の作品で、ALS(筋萎縮性則側索硬化症)の患者の方の日々の生活をカメラに収めたもの。ご本人と支える周囲の方々の日常を通じて、この難病に関する理解を深めることができます。

私がこの病気を初めて知ったのは、米国に留学中だった10年前。同級生に初期のALSのイスラエル人がいたのです。Facebook 経由で伝え聞く彼は、闘病しつつも、患者のためのNPOを設立し、結婚して二人の子供にも恵まれ、とてもエネルギッシュに過ごしています。

ライフネット生命が発売している「就業不能保険」のご契約者さまにも、40代でALSを発症された方がいます。毎月の給付金でご自宅にヘルパーさんに来てもらいながらの生活。「保険のおかげで、自宅で自分のペースで生活できるから助かっている」と話されていたのが印象的でした。

病気やケガが原因で長期にわたって仕事ができなくなったとき、途絶える収入をどうやってカバーするか
。この心配に備える保険商品が「ディサビリティ(long-term disability)」と呼ばれる「就業不能保険」。欧米を中心とした先進国では広く普及しており、およそ働く人であれば当然のように加入している保険です。そういえば、私が新卒で入社した外資系企業でも会社が加入してくれていたように記憶している。

しかし、日本ではまだまだ、普及はこれから。普及率は1%に満たない。ちなみに、名前が似た商品で「収入保障保険」というものがありますが、こちらは死亡した際の保険金を年金払いにして分割に支払う保険で、別物です。

戦後長らく、わが国における生命保険の主力商品は死亡保障でした。すなわち「自分に万が一のことがあったときに、残された家族にお金を残す保険」です。

しかし、医療技術が高度化し、あるいは社会の晩婚化などのトレンドが進むならば、これからは自分が生きていくための保険が大切になってくるのではないか。業界のオピニオンリーダーであった、元ニッセイ基礎研究所の明田裕氏は、早くも2004年に「ディサビリティこそ生保・共済事業のフロンティア」という論文を書かれていた。

日本では公的保障も比較的手厚く、民間医療保険に入っている人も多いので、収入さえ入ってくれば、医療費は何とか支払える。本当に困るのは病気やケガに伴う医療費そのものよりも、働けなくなって、収入が途絶えてしまうこと。そういった趣旨の話を、複数の医療関係者から聞いた。

そこで、ライフネット生命は2010年2月に「働く人への保険」の発売を開始した。当時、商品開発部長も兼務していたので、自分も約款を書き、金融庁との認可折衝も行った。2008年5月の開業後、初めての新商品だったこともあり、特に想い入れがある商品でもある。このときに準備した資料をベースに、担当した同僚が書いた論文が「わが国におけるディサビリティ市場の発展と課題」である(生命保険経営のサイトで読めます)。

「働く人への保険」はすべての働く人に入って欲しい自信作であるが、いままで日本でも前例がほとんどなかったこともあり、ネット経由での販売はまだ大きく伸びてはいない。人は自分が見慣れたものはネットで買えるが、まだ知らないものはなかなかネットでは買えない。

この商品はむしろ、対面での説明の方が馴染むのではないか。そう考え、2014年夏ごろ、数社の乗合代理店に、この商品の取扱いに興味がないか、聞きに行った。当社から代理店側にお支払いする手数料は必ずしも高くないが、これから伸びる新しい分野に戦略的に着目し、協業を快諾してくれたのが、ほけんの窓口グループだった。それから急ピッチで準備を進め、同年12月からほけんの窓口での販売がはじまった。

あれから1年半。販売開始してから約6年の支払い実績などもベースに、何度も募集人の皆さん向けの説明会を実施した。多くのお客様に販売して頂いた。同時に、「もっとこうしたらお客様のニーズに応えられるのに」というフィードバックも、たくさん頂いた。

発売から6年。これまでのお客様からのフィードバックを活かして、初めて就業不能保険のリニューアルを実施し、2016年6月1日より「働く人への保険2」を発売開始します。詳しい商品スペックなどはリリースをご参照頂きたいが、改定の特徴としては、①多様なお客様のニーズに対応できるよう免責期間、保険期間などの選択肢を増やしたことと、②最大1年6ヶ月は給与が補填される「傷病手当金制度」があることを前提に、この期間は給付金を半額にして保険料を節約することができる「ハーフタイプ」を導入したこと、③さらには「就業不能状態」の定義をより明確にし、「入院または医師の指示による在宅療養」をこの状態と一義的に定義したことがあります。

ライフネット生命が自信をもって、すべての働く人へお薦めします。
特設サイトも用意しましたので、皆さまもぜひご覧ください。



通信と金融の融合

2014年2月某日。大企業の人事担当者を対象としたパネルディスカッションの登壇を終えて、僕らは神楽坂で打ち上げをしていた。パネリストは主催者であるビズリーチの南壮一郎社長と、Facebook Japan 副代表から KDDI の新規事業担当部長として移籍していた森岡康一氏。1976年生まれの3人は同じネット業界で旧知の仲。話題は新しいネットサービスへ積極的な投資を始めていた森岡氏の近況から、何気ないプライベート談義を経て、自然と通信と金融の未来について移っていた。

それから1年後、2015年4月。ライフネット生命はKDDI 社と資本業務提携を結び、同社が15%超の筆頭株主となるとともに、通信と金融を融合させた新しいサービスの構築に取り組む旨を発表していた。居酒屋の個室で始まった何気ない会話が、新しいパートナーシップとして結実したわけだ。

生命保険と通信、そして電気やガスは似ているところが少なくない。安心して暮らしていくために毎月払うコストであり、必要以上に払うべきではない経費である。自動的に引き落とされ、日常では意識しない。業者とは長期にわたる契約関係に入る。継続率が長期的な顧客のライフタイムバリュー(生涯価値)に影響を及ぼす。英語ではこれら通信・電気・ガスなどのサービスはユーティリティサービスといい、一括りにされることが多い。

通信事業と金融サービスは親和性が高く、協業することで新しい価値を顧客に提供できるのではないか。ずっとそのように考えていた。スマートフォンの普及によって通信サービスが多岐にわたって生活に寄り添うようになったいま、その融合が新しい境地に入る。

ライフネット生命にとって、大きな顧客ベースを持つ企業と提携を通じて成長を志向するのは創業時からの戦略でもある。僕らは三井物産、セブンイレブン、新生銀行、リクルートなど、いくつもの消費者向けビジネスを抱える大企業を戦略株主として開業した。今回のパートナーシップもその一環だ。

KDDI 社との提携がこれまでの大株主と異なるのは、同社が15%超の資本参加+取締役派遣をした結果、保険業法上の「保険主要株主」となったことである。金融庁の認可も受け、長期にわたってライフネットの成長を支える意思を示していただけたと考えている。これまでの資本構成では、最大の株主でも15%未満となるようなバランスを取ることで、一社の影響力が強くなりすぎることを避けていたが、一歩踏み込んだ強いパートナーシップを志向したわけだ。

この新しいパートナーシップが明日、2016年4月5日に、ついにサービスインすることになった。ライフネットが引き受ける保険商品を 「au の生命ほけん」として、同社の金融サービスと合わせて提供していく。スマホ経由、店頭でのチラシとコールセンター経由、そして店頭での案内もしていく(常設店舗はまずは au SHINJUKU のみ)。当社の評価が高い商品を、auブランドを活用して、より多くのお客さまに広めたい。専用の申込アプリも開発した。まずは既存商品を便利に、かつお得な形で提供するが、将来的には専用商品を含めて、このチャネルに合った新しい商品サービスを開発していきたいと考えている。

通信と金融が融合する未来はどんな世界になっているのだろうか。これからが楽しみだ。そして、この未来を一緒に創っていく仲間を募集しています。スマホ企画、商品開発、代理店、事務企画、コールセンター、幅広い職種で新しい仲間を募集していますので、我こそはと思われる方は、ご応募ください!


入社1年目の教科書

桜4月1日、入社式を終えた後、2名の新卒と5名の中途入社組を対象に、「入社1年目の教科書」をテキストとした研修を行いました。彼らに話した内容は以下の通りです。

 同書の冒頭にある3つのテーマに沿ってお話しします。

1. 頼まれたことは必ずやり切る
2. 50点でもいいから早く出せ
3. つまらない仕事はない

1. 頼まれたことは必ずやり切る

 ここで伝えたかったのは「同僚から信頼される人材になれ」ということです。信頼される人には仕事が多く回ってきて、成長の機会が増える。さらに信頼を獲得することになる。だからこそ、組織に新しく加わったひとはまず周囲からの信頼を勝ち取ることが不可欠なのです。

それでは「信頼される人材」とはどういう人でしょうか?

皆さん、これまでの経験で「あの人は信頼できる」と思った人がどんな特徴を持っていたか、思い出してください。
「嘘をつかない」「誰に対してもフェア」「約束を守る」「必死に努力する」「きっちりしている」「利己的でない」「人の悪口を言わない」などなど

一つの正解があるわけではないですし、「頼まれたことは必ずやり切る」というのはその一つの例に過ぎないので、自分がなりたい「信頼される人材像」を考えてみるのが大切だと思います。

新卒であれ中途であれ、新たに組織に加わった人のことは皆よく見ているし、評判は瞬く間に社内外に伝播します。職業人としての「信頼」はビジネスパーソンとしてもっとも大切な資産であり、それを構築していくことがキャリアを積んでいくことと同義なのです。

2. 50点でもいいから早く出せ

大学を出て最初に就職した会社で鬼マネージャーで有名な人がいました。仕事はよくできるがロジカルに詰めてきて怖いので、皆は避けがちだったのです。その 人にこう言われました。「岩瀬さんほど頻繁に僕に相談に来る人は初めて」。次の職場では上司に次のように言われました。「大企業の若手は上司に花丸100 点をつけてもらいたがるが、岩瀬はレポートを真っ赤っかにして返すと喜んで持って帰っていた」。

ここで共通するのは「上司に褒められるためではなく、お客様にいいものを届けるために仕事をする」という姿勢と、「いいアウトプットを出すために、上司の力を上手く引き出す」ということです。

仕事は一人でやるものではあり ません。人の力を上手に借りることは職業人として重要なスキルです。学校の試験で人の力を借りたらカンニングになりますが、ビジネスの現場ではお客様が喜べば誰に助けてもらってもいいわけです。

もっとも、「人の力を借りる」というのは決して簡単なことではありません。「助けてあげよう」と思ってもらえる人間関係を日頃から構築できていること。自分でできることはやり尽くしてから相談すること。自分に何ができて何ができないかを知ること。周囲の人の得意・不得意をよく理解すること。これらが備わって、初めて多くの人に助けてもらっていい仕事ができるわけです。

3. つまらない仕事はない

スポーツ競技のように身体能力を競うものであっても、メンタル面が結果に与える影響は極めて大きい。それでは、頭を使って成果を出す仕事をしている我々にとってはもっと大きいのではないか。そうであれば、自分がいいパフォーマンスを出せるよう、心と身体の状態を整えて仕事に臨むことが、極めて大切になります。

色々な仕事を経験してきて、また色々な人を見てきて思うのですが、「楽しい仕事」「つまらない仕事」があるわけではありません。そこには「仕事を楽しくできる自分がいるかどうか」です。有名なレストランを経営する友人が僕の文章を読んで言ったこと。「俺たちなんかずっとジャガイモの皮をむいてばっかりだよ!

以上の3点をまずは気をつけながら、成果を出し、成長を続けられるプロフェショナルになってください。

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新入社員へのメッセージ

新年度が始まりました。本日、二人の新卒社員がライフネット生命に入社しました。彼らに向けて話した内容をシェアさせてください。

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IMG_9535入社おめでとうございます。お二人がライフネットの仲間に加わってくれたことを、とても嬉しく思っています。面接をお洒落な私服で受けに来た外交的な平口君と、大学の保険ゼミでリーダーを務めた熟慮型で保険オタクの日置君。奇しくも同じ大学出身でありながら、タイプが対照的な二人が入社したことも、多様性を重視する当社にとっては嬉しいことです。今日は二人ともダークスーツに緑ネクタイですね。

 

ライフネット生命は今から10年前に、出口さんと僕の二人が「手作り」で作った会社です。正確に言うと、出口さんと初めて赤坂の雑居ビルで会ったのが、確か418日だったので、10年前にはまだこの世に存在していませんでした。出口さんの「生命保険入門」の中でその誕生を予言していた以外は、頭の中に、いわば「想像」としてあっただけです。それが10年をかけて、社名は日本中で一応は知られ、13万人の契約者の皆さんの安心をお預かりする会社になりました。何もないところからも、熱い思いがあり、それが世の中で本当に求められているものであれば、人とお金は集まってきて、人とお金があれば、何でも創ることはできるのです。生命保険会社のような金融機関であっても。皆さんも、これから、世の中に新しい価値を生み出す人材に育って欲しいと思います。

 

創業当時はお金も人もなかったので、すべて自分たちでやりました。パソコンの発注はデルコンピューターのサイトから、投資家向け資料の印刷はミーティングのたびに溜池山王のキンコーズに行ってコピーをしました。会社の定款も、金融庁向け説明資料も、出口さんが人差し指一本でパソコンをタイプして打ちました。会社の登記は二人で麻布十番の港区法務局に行って、出口さんが胸ポケットから現金30万円を出して立て替えてやりました。今はそれなりに会社らしくなっていますが、僕らの原点がそういった「手作り」にあることを、お二人には知っておいてもらいたいし、ずっと大切にしてもらいたいと思います。

 

ライフネット生命の「マニフェスト」も、出口さんと二人で「こんな会社を創りたい」という想いを、それぞれたくさん書きだしてみたものを文章にまとめたものです。僕らの出発点は、「現状の生保業界、現状の日本社会を変えたい」、そんな青臭い想い、理念から始まっています。24項目あるうちに、僕が一番気に入っているのが1(3)です。「私たちは、自分たちの友人や家族に自信をもってすすめられる商品しか作らない、売らない。」お二人がこれから仕事をされていく上でも、自分たちの同世代の仲間や、大切な人たちに向けて届けたいものを創っていくのだ、そんな気持ちで臨んでください。

 

ゼロから新しい価値を生み出す。手作りで。大切な友人に届ける気持ちで。これらを大切にしながら、ライフネットの仲間として成長していってください。

 

最後に。ライフネットをゼロから産み落とした出口さんと僕にとって、すべての社員は大切な仲間であり、家族のような存在ですが、その中でも新卒の皆さんは、特別な存在です。皆さんが、ライフネットの理念や企業風土を受け継ぐDNAであり、それを進化させていく存在です。社員の皆が二人のことを温かい眼差しと、大きな期待を持って、成長を見守っています。会議では若者ならではの新鮮な視点で、積極的に質問し、意見を述べることが皆さんに期待されている役割ですので、ものおじせずに、「すべての会議で最低一回は発言する!」というつもりで臨んでください。全社イベントにも積極的に参加し、手伝い、自分たちらしい形で先輩たちに価値を提供するようにしてください。

 

職業人としてのスキル面については、午後1時から予定されている研修「プロフェッショナル論」でお話させてもらいますね。改めまして、入社おめでとう。

 

岩瀬大輔

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