「がん保険のカラクリ」から5年

 「入院中の差し入れで一番嬉しかったのは、味が薄い病院食に合う佃煮の類。逆にもらって困ったのが、お花。手入れは大変だし、大部屋だと花の匂いがNGの患者さんがいたりする」

 「治療で具合が悪いのに子どもの世話もしなければならなくて、家がどんどん汚くなっていくのが辛かった。家事代行を頼もうと調べてみたけど、どこがいいのか分からなかった。ここがいいよ、と教えてもらえるだけでも助かる」

 「入院して一番困ったことは、ダサいパジャマしかなかったこと。
たくさん友人がお見舞いに来てくれるのに、自分がお洒落でないのが本当に嫌だった。重たい病気を患いながらなんてくだらない悩みなんだろうと自分で思いながらも、美容の仕事をしている私にはそれが途轍もなく辛かった。将来の夢は、がん患者向けにお洒落な入院服を作るアパレルブランドを立ち上げること」
表参道のベイカリー、汐留の喫茶店。恵比寿のホテル、有楽町のデパート内のレストラン。外苑前のタイ料理屋。がんを経験された同世代の方々と何度も膝を詰めて話を聞いた。当事者にしかわからない体験談。これらをつなげたら、いまの時代に合った、本当に役に立つがん保険ができると確信した。

就業不能保険のパイオニアとして
ライフネット生命は2010年2月に国内生保として初めて個人向け長期就業不能保険「働く人への保険」を発売した。病気やケガなどで長期にわたって仕事ができなくなったときに、お給料代わりに毎月給付金を受け取れる保険である。諸外国では当たり前のように加入されているこの商品だが、我が国ではこれまでこの領域の保障の必要性が浸透せずに、普及が進んでこなかった。

新しい市場の開拓に挑戦してから早7年。
大手生命保険会社の参入もあり、ようやく「働けなくなるリスク」に関する認知や関心も高まった。お支払いの実績も重ねてきた。今後もこの分野のパイオニアとしての役割を担っていきたいと考えている。

なかにはALS(筋萎縮性側索硬化症)のような難病を発症され、
就業不能保険の給付金を毎月受け取って生活されているお客さまもいらっしゃる。3大疾病や5大疾病など、病名を限定して給付条件とする保険では支払事由に該当しないが、「就業不能の原因となった疾病を問わない」当社の保険はお支払いできており、本当に困ったお客さまのお役に立つことができていると自負している。

病気やケガで長期にわたって働けなくなると、
治療費などの支出が増えるだけでなく、収入が減少することで、いわば二重で負担が増す。特に住宅ローンを組んでいる方、一人暮らしの方などは、加入をお勧めしたい。

がん経験者の声から作られた保険
さて、この就業不能保険だが、支払事由の6割を占めるのが悪性新生物。いわゆるがんである。がんに罹患され、治療に専念するためお仕事を辞めざるを得ないお客さまもいる。この点において、就業不能保険は「病気やケガで働けない状態」を前提としているため、治療を続けながら就業され、時短勤務などで制限的に働いている方々は給付対象とならない。

そこで、今回は「働きながらがん治療することをサポートする」保険を開発することにした。
がんに罹患しても仕事を辞めないで良いように企業や政府がサポートしていこうという「がんと就労」なる世の中の大きな流れに沿ったものである。

しかし、世の中にはがん保険があふれている。
経営学の用語でいうと競争が厳しい「レッドオーシャン」。そういったなかで、後追いで特長のある商品を提供するにはどうすればいいか。真の意味で「ライフネットらしい」がん保険を提供するには、どうしたらいいのか。

答えは、冒頭で紹介したように、
がんを実際に経験された方々の話を徹底的に聞くこと。そこから浮き上がってきた、ポイントがいくつかある。

まず、治療費だけではなく、
働けなくなったことによる収入減少をサポートすること具体的には、「がん収入サポート給付金」を、がんと診断されてがん診断一時金が支払われた翌年から、毎年1回、生存されていた場合に、がん診断一時金の50%の金額を最大5回までお支払いする。例えば、がん診断一時金100万円のタイプを選んだ場合、翌年から50万円の給付金を最大5回まで、がん診断一時金を含めて総額350万円を受け取ることができる計算だ。

次に、安心して治療に専念できるよう、「治療サポート給付金」
は治療が続く限り毎月10万円を回数無制限でお支払いする通常のがんであれば5年生存が一つの目安となっているが、例えば乳がんのホルモン治療などでは10年間継続することもあるそうだ。この場合は、通算して1200万円の給付を受け取ることができる。

給付事由も極力シンプルにした。当社の場合、①
がんと診断された時点で支払われる「がん診断一時金」、②治療を受けた月ごとに支払われる「治療サポート給付金」、③がんと診断されてから2年目以降に生存していれば最大5回まで支払われる「がん収入サポート給付金」の3つである。

さらに、給付金のお支払いで終わらず、
例えば体調が優れないときの家事代行のように、受け取ったお金を使って本当に必要な生活をサポートするサービスを受けることができるようにしたそこで他社と業務提携をして「サバイバーシップ支援サービス」を用意する。

私たちは家族や友人に自信をもってすすめられる商品しか作らない、売らない」。開業前に記した「生命保険マニフェスト」での私が大好きな一節である。今回の新しいがん保険「ダブルエール」では、このマニフェストを体現できたと自信を持っている。この想いを、一人でも多くの方に届けたい。

新社会人へのメッセージ

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今年も新年度がやってきましたね。ライフネット生命にも8名の社員(新卒・中途)が新たに仲間に加わりました。

さて、学生生活を卒業し、新たに社会人としての生活をはじめる皆さんへ。応援メッセージとして、明日から三つのことを心がけてみて欲しいと思います。

1. 人の意見を鵜呑みにしない
2. すべてを一旦「自分のせい」と考えてみる
3. 親から経済的に独立する

1. 人の意見を鵜呑みにしない


情報過多な時代。ネット上に飛び交う様々な情報や、友人や家族とのメッセージのやり取り。何が真実なのか、何が本当の自分の意見なのか。情報の海に溺れ、くらくらして、分からなくなってしまいそうです。

しかし、これからの人生は、自分でキャンバスに描くもの。判断の前提となる情報収集については、ネットやテレビで得られる情報を鵜呑みにせずに、自分で一次情報を調べるクセをつけよう。情報の出所に直接当ってみたり、大きな論争になっていることは、必ず反対意見にも目を通すようにしよう。

キャリアや私生活において、大切な意思決定をする際には、友人や先輩、両親の意見もありがたく受け止めたうえで、一晩置こう。本当にそれが自分が求めていることなのか、静かに自分に問い直してみよう。紙にメリット・デメリットを書き出してみよう。自分の内なる声に耳を傾けてみよう。

もう、人には流されない。社会人として、自分の運命は自分で切り拓いていこう。
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共同作品

315日、2012年のマザーズ上場からちょうど5年。ライフネット生命は出口治明(会長)と中田華寿子(常務取締役)が6月の定時株主総会をもって退任する旨を発表しました。後任として30代の執行役員2名が取締役に昇格し、当社のお客さまと同世代の経営チームで会社を引っ張っていきたいと考えています

出口・中田共に、開業前から苦楽を共にしてきた同志です。ライフネット生命の経営理念、企業風土、ブランド、お客さまと向き合う姿勢。そのすべては3人の手作りの共同作品と言ってもいいかもしれません。

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2人と出会った頃のことは、いまでも鮮明に覚えています。

20064月、ランディック赤坂ビルの会議室。ホワイトボードを前に、チェックのシャツとダボダボのチノパン姿の出口は次のように想いを語りました。

生命保険はいつの時代も、健全な市民社会を支える役割を担ってきた。それがいつのまにか、保険金不払い問題などの影響で、社会からの信頼を失ってしまっている。この状況が、残念でたまらない。

自分は、ゼロから新しい生命保険会社を立ち上げたい。

いつの時代も、革新は異質なものとの競争によって生まれてきた。小さいかもしれないけど、とびっきりいい生命保険会社を創って、生命保険業界に競争をしかけたい。そうすれば、業界は活性化し、必ずよくなる。

そうすることが、自分を育ててくれた生命保険業界、大好きだった生命保険業界に対する恩返しになる。

中田と初めて会ったのは20069月。スターバックス、英会話GABAの広報・マーケティング担当役員として腕をふるった見識を頼り、ライフネット生命のマーケティングを教わりに行ったときのこと。3ヶ月に一回くらい、中目黒のカフェで会うと、いつも優しい微笑みで迎えてくれたことが印象的だった。

開業を数ヶ月後に控えていた20081月。会社を辞めると聞いて、ライフネットの初代マーケティング部長としての参画を打診したところ、次のように言われた。

次の仕事?まだ決めていません。ベンチャー2社を経験して、随分と疲れたので、しばらくはのんびりしようと思っています。

ただ、ひとつだけ決めていることがあるんです。スターバックスもGABAも、本当に大好きな会社だったので、次の会社もロゴがグリーンの会社で働こうと。

岩瀬さんに初めて会ったときから、いつかこの人と仕事をするんだろうな、という予感がしていました。光栄なお誘いなのですが、重責なので、少し考えさせてもらっていいですか?

れから、10年。

30歳でTシャツ・ジーパン、リュックに自転車で通勤、ベンチャー気取りで副社長として仕事をはじめた私も、いつしか白髪交じりでお腹周りが気になる、一介の40代経営者になりました。

出会った頃はまだ50代で才気走っていた出口も、この4月で69歳。すでに昨夏頃から、執筆や講演を通じた広報活動や、社内の「出口塾」を通じた若手育成などの後方支援に、軸足をシフトしつつありました。

立ち上げ当時に思い描いた理想には届いていませんが、ライフネット生命は絶えず生命保険の常識に挑戦し、問題提起を続けたことで、業界の革新を加速させるべく、一定の役割を担ったように思えます。この点で、出口の想いはある程度は実現したのかもしれません。

開業時はゼロだったご契約者さまも、15万人を超えました。生命保険会社としては小ぶりですが、東京ドームの収容人数が約5万人、その3倍のお客様が、私たちにご自身やご家族の安心を託してくださっていることを考えると、改めて身が引き締まる思いです。

開業時にはスマートフォンもFacebookも、LINEもありませんでした。社会や技術環境も、この10年で随分と変わりました。インターネットがより身近で手軽になり、今後もネット生保への期待が高まると信じています。

今後も、15万人のご契約者さまに安心を提供しつつ、一人でも多くの方にライフネット生命の輪に加わって頂き、保障をお届けするために、邁進していきたいと思います。引き続き、ライフネット生命を応援していただきますよう、よろしくお願いいたします。

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あれから10年

IMG_7996開業8周年記念イベントを開催しました。これまでは平日夜に実施していたのですが、今年はご家族でお越し頂けるよう、初めての週末開催にチャレンジ。東京は35度を超える猛暑の中、約150名のお客様にお越し頂きました。特設された託児所には30名のお子様が集まり、イベント中も何度となくお子様関連のアナウンスが流れるその様子は、さながら遊園地のよう。プログラムは前半にISAK代表理事・小林りんさんとの対談、後半はライフネット生命経営陣による近況報告とQ&Aという構成で、あっという間に3時間が過ぎ去りました。

対談では、軽井沢にインターナショナルスクールを開校し、文科省の教育再生実行会議の委員も務める小林さんとともに、キャリア論、グローバル社会に対応する教育のあり方、テクノロジーが進化する中で教育がどのように変わるか、そして金融教育についてどう考えるかなどについて話し合いました。

創業時から「子育て世代を応援したい」という想いを持っている当社ですが、今回のイベントを通じてお子さんの教育については皆さん関心が高いことを改めて感じました。アンケートで頂いた声を一部抜粋:

・子供の教育について不安なことが多かったのですがグローバルの視点に立った教育論のお話を聞けてとても参考になりました
・「子供にはあえて失敗させる」というコメントが参考になりました。実践してみたいと思います。
・子供への金融教育の視点が新しく、また聞いてみたいと思いました。

後半では6月からリニューアルした就業不能保険や、3月から開始した給付金のペーパーレス請求、その他ダイバーシティに関する取り組みなどを説明した後に、1時間近くQ&Aタイム。質問が止むことはなく、熱気に包まれる中、出口と私を中心として、生命保険の考え方、ライフネット生命の未来、そのほか多岐にわたる内容について討議をしました。

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イベントの司会を務めたのが、4月に入社した新入社員の二人。毎年の開業記念イベントでは新人に司会進行を任せるのがいつからか恒例となっていますが、当社の新人はいつも物怖じせず、この大役を落ち着いてこなしてくれます。選考基準には明確に書かれていないのですが、どこか無意識のうちにそういったコミュニケーション能力、いや、度胸みたいなものでしょうか、それを見て選んでいるのかもしれません。

そして、今年も新卒採用を始めています。特設サイトがオープンしていますので、ぜひ開いてみてください。

会長の出口に言われるまで気がつかなかったのですが、二人で仕事を始めたのが2006年7月3日。つまり、昨日はちょうどライフネット生命立ち上げプロジェクトがはじまった10周年だったそうです。当時思い描いていた10年後のイメージには到底届いておらず、歯がゆい思いでいっぱいなのですが、見方によっては、何もなかった10年前、出口の頭の片隅に構想(妄想?) しかなかった時から比べると、随分と遠くまで来たものです。

今日から11年目ということで、気持ちを新たに頑張っていきたいと思います。

改めまして、貴重な週末、イベントにお越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。 IMG_0386
 

病気やケガで長期間、働けなくなったら、生活費はどうしますか

Facebook で目が離せなくなる映像を見つけました。「境を超えて」という3分の作品で、ALS(筋萎縮性則側索硬化症)の患者の方の日々の生活をカメラに収めたもの。ご本人と支える周囲の方々の日常を通じて、この難病に関する理解を深めることができます。

私がこの病気を初めて知ったのは、米国に留学中だった10年前。同級生に初期のALSのイスラエル人がいたのです。Facebook 経由で伝え聞く彼は、闘病しつつも、患者のためのNPOを設立し、結婚して二人の子供にも恵まれ、とてもエネルギッシュに過ごしています。

ライフネット生命が発売している「就業不能保険」のご契約者さまにも、40代でALSを発症された方がいます。毎月の給付金でご自宅にヘルパーさんに来てもらいながらの生活。「保険のおかげで、自宅で自分のペースで生活できるから助かっている」と話されていたのが印象的でした。

病気やケガが原因で長期にわたって仕事ができなくなったとき、途絶える収入をどうやってカバーするか
。この心配に備える保険商品が「ディサビリティ(long-term disability)」と呼ばれる「就業不能保険」。欧米を中心とした先進国では広く普及しており、およそ働く人であれば当然のように加入している保険です。そういえば、私が新卒で入社した外資系企業でも会社が加入してくれていたように記憶している。

しかし、日本ではまだまだ、普及はこれから。普及率は1%に満たない。ちなみに、名前が似た商品で「収入保障保険」というものがありますが、こちらは死亡した際の保険金を年金払いにして分割に支払う保険で、別物です。

戦後長らく、わが国における生命保険の主力商品は死亡保障でした。すなわち「自分に万が一のことがあったときに、残された家族にお金を残す保険」です。

しかし、医療技術が高度化し、あるいは社会の晩婚化などのトレンドが進むならば、これからは自分が生きていくための保険が大切になってくるのではないか。業界のオピニオンリーダーであった、元ニッセイ基礎研究所の明田裕氏は、早くも2004年に「ディサビリティこそ生保・共済事業のフロンティア」という論文を書かれていた。

日本では公的保障も比較的手厚く、民間医療保険に入っている人も多いので、収入さえ入ってくれば、医療費は何とか支払える。本当に困るのは病気やケガに伴う医療費そのものよりも、働けなくなって、収入が途絶えてしまうこと。そういった趣旨の話を、複数の医療関係者から聞いた。

そこで、ライフネット生命は2010年2月に「働く人への保険」の発売を開始した。当時、商品開発部長も兼務していたので、自分も約款を書き、金融庁との認可折衝も行った。2008年5月の開業後、初めての新商品だったこともあり、特に想い入れがある商品でもある。このときに準備した資料をベースに、担当した同僚が書いた論文が「わが国におけるディサビリティ市場の発展と課題」である(生命保険経営のサイトで読めます)。

「働く人への保険」はすべての働く人に入って欲しい自信作であるが、いままで日本でも前例がほとんどなかったこともあり、ネット経由での販売はまだ大きく伸びてはいない。人は自分が見慣れたものはネットで買えるが、まだ知らないものはなかなかネットでは買えない。

この商品はむしろ、対面での説明の方が馴染むのではないか。そう考え、2014年夏ごろ、数社の乗合代理店に、この商品の取扱いに興味がないか、聞きに行った。当社から代理店側にお支払いする手数料は必ずしも高くないが、これから伸びる新しい分野に戦略的に着目し、協業を快諾してくれたのが、ほけんの窓口グループだった。それから急ピッチで準備を進め、同年12月からほけんの窓口での販売がはじまった。

あれから1年半。販売開始してから約6年の支払い実績などもベースに、何度も募集人の皆さん向けの説明会を実施した。多くのお客様に販売して頂いた。同時に、「もっとこうしたらお客様のニーズに応えられるのに」というフィードバックも、たくさん頂いた。

発売から6年。これまでのお客様からのフィードバックを活かして、初めて就業不能保険のリニューアルを実施し、2016年6月1日より「働く人への保険2」を発売開始します。詳しい商品スペックなどはリリースをご参照頂きたいが、改定の特徴としては、①多様なお客様のニーズに対応できるよう免責期間、保険期間などの選択肢を増やしたことと、②最大1年6ヶ月は給与が補填される「傷病手当金制度」があることを前提に、この期間は給付金を半額にして保険料を節約することができる「ハーフタイプ」を導入したこと、③さらには「就業不能状態」の定義をより明確にし、「入院または医師の指示による在宅療養」をこの状態と一義的に定義したことがあります。

ライフネット生命が自信をもって、すべての働く人へお薦めします。
特設サイトも用意しましたので、皆さまもぜひご覧ください。



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