2037年12月31日
2005年06月30日
「日本サッカーらしさ」とは何か〜コンフェデ総括
この手の議論が起こるのは日本だけのような気がしてならない。
■隊長blog「親善試合は希望、予選は結果、本番は印象」
」
http://blog.fckbu.jp/archives/2005/06/epaia.html
結果を残せば「内容がダメだった」、内容が良くても結果を残せなければ「解任だ」、
内容が良くて結果を残した試合があれば「相手のコンディションが悪かった」………どこかヘンだ。
これは、評価する側に定見がない、だけではない。
それ以前に、評価する側が参照する「準拠枠」がないのではないか。 続きを読む
■隊長blog「親善試合は希望、予選は結果、本番は印象」
」
http://blog.fckbu.jp/archives/2005/06/epaia.html
結果を残せば「内容がダメだった」、内容が良くても結果を残せなければ「解任だ」、
内容が良くて結果を残した試合があれば「相手のコンディションが悪かった」………どこかヘンだ。
これは、評価する側に定見がない、だけではない。
それ以前に、評価する側が参照する「準拠枠」がないのではないか。 続きを読む
2005年06月21日
フィニッシュとは技術の問題である
ところで、ギリシャ戦で再三のチャンスを逃したFW陣について、ジーコ監督は試合後「これはシュートの技術ではないと思う。いい形でシュートチャンスになると、どうしても焦ってしまう。力んでしまう」と語っていました。それは半分同感ですが半分は違うと思います。というのは、僕は「フィニッシュの際に余計なことを考える」のは、明らかに技術の問題だと思うからです。 続きを読む
ギリシャ戦雑感
またもやお久しぶりです。さっさと更新せい〜とのお叱りを各方面から頂き復活です。
■ギリシャ戦雑感
いい試合でしたね。相手の1トップ及びその下のMFに対するマークをしっかりする上で4バックを採用した日本。ですが、これまで4バックで行った試合はあまり機能したとは言い難かった。それが、これだけアクティブな試合になり、相手の狙いをほぼ完璧に封じ、こちらのやりたいサッカーをほぼ最大限発揮することができた。相手の陣形と噛み合ったこと、選手のモチベーションが高かったこと、ギリシャのパフォーマンスが低かったことなどの要素が相まった結果といえるでしょう。 続きを読む
■ギリシャ戦雑感
いい試合でしたね。相手の1トップ及びその下のMFに対するマークをしっかりする上で4バックを採用した日本。ですが、これまで4バックで行った試合はあまり機能したとは言い難かった。それが、これだけアクティブな試合になり、相手の狙いをほぼ完璧に封じ、こちらのやりたいサッカーをほぼ最大限発揮することができた。相手の陣形と噛み合ったこと、選手のモチベーションが高かったこと、ギリシャのパフォーマンスが低かったことなどの要素が相まった結果といえるでしょう。 続きを読む
2005年06月11日
ワールドユース2005 グループリーグ初戦VSオランダ
ワールドユース第1戦 オランダ2−1日本
評価の難しい試合だ。終盤の内容を観れば「開催国に惜敗」「善戦」という解釈も成立する。いっぽうで、前半のやられっぷりにフォーカスを当てれば、1点差で終えたことは「相手のガス欠に助けられた」ともいえる。どちらを取るのかは、この大会に何を求めるのかで変わってくるだろう。僕個人としては、試合を終えたときの感想は後者に近い。 続きを読む
評価の難しい試合だ。終盤の内容を観れば「開催国に惜敗」「善戦」という解釈も成立する。いっぽうで、前半のやられっぷりにフォーカスを当てれば、1点差で終えたことは「相手のガス欠に助けられた」ともいえる。どちらを取るのかは、この大会に何を求めるのかで変わってくるだろう。僕個人としては、試合を終えたときの感想は後者に近い。 続きを読む
2005年06月08日
ヴィオラ対決、正式決定
http://www.chugoku-np.co.jp/Sanfre/Sw200506080040.html
ひとつ気になるのだが……
・中田英を出場させる
・主力選手の7割をスタメン起用する
等の契約をきちんと結んでいるんだろうか?
>試合には中田英が出場する。
とは書いているけど、「契約が存在する」
とかの文言がないのでちょっぴり不安だったり。
ミッコリとかマレスカとかオボドとかリガノとか
パッツィーニとかヨルゲンセンとかボジノフとか、
このうちホントにくるのは何割なんだろう。
まあ、多分ヨルゲンセンぐらいしか代表には絡まないだろうし、
夏季キャンプの前の時期だし、大丈夫だろうけど……。
ちなみにキエッリーニはユーベに出戻るから来ない。
ひとつ気になるのだが……
・中田英を出場させる
・主力選手の7割をスタメン起用する
等の契約をきちんと結んでいるんだろうか?
>試合には中田英が出場する。
とは書いているけど、「契約が存在する」
とかの文言がないのでちょっぴり不安だったり。
ミッコリとかマレスカとかオボドとかリガノとか
パッツィーニとかヨルゲンセンとかボジノフとか、
このうちホントにくるのは何割なんだろう。
まあ、多分ヨルゲンセンぐらいしか代表には絡まないだろうし、
夏季キャンプの前の時期だし、大丈夫だろうけど……。
ちなみにキエッリーニはユーベに出戻るから来ない。
2005年06月07日
きょうのskysports
いつも読んでいる「skysports.com」からいくつか記事を抜粋します。まずはプレミアリーグから。
ファン・デル・サールがユナイテッド移籍へ。
これ系のネタはテソポイントの「飼い犬とボク」あらため「ノラ犬とボク」でも取り上げられている。アーセナルにしてもマンUにしても、GKでウケ狙いをしすぎ。特にアーセナルは、スタジアム建設にお金を投じたせいもあり、今シーズンも「浮いた噂」に乏しい。強いて言えば「ベッカムを取るかも」という話だけ。エムレを取りに行こうとしているけど、エムレにしても決して実績あるビッグネームとは言いがたいからなあ。
で、そんなムードなもんだからレーマンが「コールはアーセナルでとっても幸せに見えるよ。彼がチームを離れたいなんて聞いたら、僕はとっても驚いてしまう!」と発言してしまうわけで。そりゃーリュングベリも
「誠意って何かね誠意って?ん?CL勝つのにフラミニやらセスクやらって補強は補強とは言わんだろ?来シーズンのキャンプには当然オレがおどろくよーなビッグネームが並んでるんだろ?もう、しらん!イヤ!契約延長せえへん!」
とブチ切れるのもよー分かります。
他には、ロッベンが「トッテナムがビッグクラブとは思わない」なんてセンセーショナルな見出しつけられていることか。けど、内容を読めばチェルスキーがフランク・アルネセンGMを一本釣りしようとしたことについて「トップクラブに来るのは悪くないんじゃない?」て発言しただけ。見出しで誘導するのはどこの世界でもありうることなので注意が必要ってことですね。
ファン・デル・サールがユナイテッド移籍へ。
これ系のネタはテソポイントの「飼い犬とボク」あらため「ノラ犬とボク」でも取り上げられている。アーセナルにしてもマンUにしても、GKでウケ狙いをしすぎ。特にアーセナルは、スタジアム建設にお金を投じたせいもあり、今シーズンも「浮いた噂」に乏しい。強いて言えば「ベッカムを取るかも」という話だけ。エムレを取りに行こうとしているけど、エムレにしても決して実績あるビッグネームとは言いがたいからなあ。
で、そんなムードなもんだからレーマンが「コールはアーセナルでとっても幸せに見えるよ。彼がチームを離れたいなんて聞いたら、僕はとっても驚いてしまう!」と発言してしまうわけで。そりゃーリュングベリも
「誠意って何かね誠意って?ん?CL勝つのにフラミニやらセスクやらって補強は補強とは言わんだろ?来シーズンのキャンプには当然オレがおどろくよーなビッグネームが並んでるんだろ?もう、しらん!イヤ!契約延長せえへん!」
とブチ切れるのもよー分かります。
他には、ロッベンが「トッテナムがビッグクラブとは思わない」なんてセンセーショナルな見出しつけられていることか。けど、内容を読めばチェルスキーがフランク・アルネセンGMを一本釣りしようとしたことについて「トップクラブに来るのは悪くないんじゃない?」て発言しただけ。見出しで誘導するのはどこの世界でもありうることなので注意が必要ってことですね。
サッカーは「線」で見よう
http://www.fujix.co.jp/varietyfootball/bbs.html
現在、ライター仲間でもあるvariety_footballさんのところにお邪魔させて頂いて、いくつか意見を述べさせて頂いてます。
議論内容は、CLにおけるミランの評価の是非。その根拠としての得点シーンの分析。ちゃんとした得点シーン分析を書いてここにストックしておけば良かったんですが(笑)。
ネットの議論を見ていて思うのは、内的要因である「蓄積疲労」、外的要因である「過密日程」などが、軽視されているなということです。サッカーとは人間のやるスポーツであって、ホワイトボードにマグネットを配置して動かすものではない。殊に5月下旬というシーズン終了間際において、疲労を考慮しない論を組み立てるのは無理があるでしょう。
CL決勝での敗戦をもってアンチェロッティの評価を下げることは無理があると思います。大前提として、彼はCLファイナリストであること。それ自体がすでにコーチとしての成功です。またミランは4月30日時点のセリエAでユベントスと同率首位でした。国内リーグで3位以下を圧倒し、CLでも決勝に進出した。この事実を無視したアンチェロッティ批判は説得力がないと思います。
試合を「その試合1点において」評価することは危険です。なぜならチームとは生き物だから。トップレベルのチーム同士でも、例えばユベントス対ミランで6−1という大差がついたことがあります。戦力では互角でも、チームの勢いや疲労、精神的なもの、諸々の要因が絡み合うとそういう結果は起こりうる。だからこそサッカーは面白いのだし、だからこそ僕は「そこまでの流れ」を重視すべきだと思う。つまり「点」でなく「線」での分析が必要なのだと。
むろん、海外チーム含め全チームを「線」で見ることなど不可能。殊に特定のチームをサポートしている場合(ぼくの場合サンフレッチェ広島)、海外含めた他チームの試合は別にどうでもよくなったりするし、そうなるとどうしても「線」でなく「点」で見てしまう。なので、そもそも全チームを「線」で見ることは不可能なのです。
それを念頭に置きつつ、僕はなお「線で見るべき」論を主張したい。それは、「流れで見ることができていない」という観点を頭に入れておきたいから。自分の論が間違っている可能性を常に視野に入れておかないと、無理クリで結論を出して「これが原因でござい」という、ある種の魔女裁判を行ってしまうことになりかねない。そういう風に考えています。
現在、ライター仲間でもあるvariety_footballさんのところにお邪魔させて頂いて、いくつか意見を述べさせて頂いてます。
議論内容は、CLにおけるミランの評価の是非。その根拠としての得点シーンの分析。ちゃんとした得点シーン分析を書いてここにストックしておけば良かったんですが(笑)。
ネットの議論を見ていて思うのは、内的要因である「蓄積疲労」、外的要因である「過密日程」などが、軽視されているなということです。サッカーとは人間のやるスポーツであって、ホワイトボードにマグネットを配置して動かすものではない。殊に5月下旬というシーズン終了間際において、疲労を考慮しない論を組み立てるのは無理があるでしょう。
CL決勝での敗戦をもってアンチェロッティの評価を下げることは無理があると思います。大前提として、彼はCLファイナリストであること。それ自体がすでにコーチとしての成功です。またミランは4月30日時点のセリエAでユベントスと同率首位でした。国内リーグで3位以下を圧倒し、CLでも決勝に進出した。この事実を無視したアンチェロッティ批判は説得力がないと思います。
試合を「その試合1点において」評価することは危険です。なぜならチームとは生き物だから。トップレベルのチーム同士でも、例えばユベントス対ミランで6−1という大差がついたことがあります。戦力では互角でも、チームの勢いや疲労、精神的なもの、諸々の要因が絡み合うとそういう結果は起こりうる。だからこそサッカーは面白いのだし、だからこそ僕は「そこまでの流れ」を重視すべきだと思う。つまり「点」でなく「線」での分析が必要なのだと。
むろん、海外チーム含め全チームを「線」で見ることなど不可能。殊に特定のチームをサポートしている場合(ぼくの場合サンフレッチェ広島)、海外含めた他チームの試合は別にどうでもよくなったりするし、そうなるとどうしても「線」でなく「点」で見てしまう。なので、そもそも全チームを「線」で見ることは不可能なのです。
それを念頭に置きつつ、僕はなお「線で見るべき」論を主張したい。それは、「流れで見ることができていない」という観点を頭に入れておきたいから。自分の論が間違っている可能性を常に視野に入れておかないと、無理クリで結論を出して「これが原因でござい」という、ある種の魔女裁判を行ってしまうことになりかねない。そういう風に考えています。
「鹿島枠」っていけないの?
http://www.zakzak.co.jp/spo/2005_06/s2005060611.html
ジーコは基本的に「甘い父親」なのだと思う。なので、いわゆるモチベーティングは考えていない。国内組の選手が不満タラタラなのは今に始まったことじゃないし、また彼らを積極的に擁護するつもりもない。使われた試合で結果残した選手少ないしね、なんだかんだ言って。
で、それを前提にしてこの記事を読むと、大前提として「鹿島ジャパンで悪いのか?」という疑問がある。勿論これは「北朝鮮戦を臨むに当たって」ということ。
前節のスタメンから一挙に3人が欠ける(約1名は激しく糾弾されるべき)わけで、そうなると連携面での不安は当然浮上する。そうなるとトップ下に小笠原、トップに柳沢と来れば、タイプ的にも鈴木を入れることは妥当。また左サイドに関しても三浦淳が負傷しているという情報もあり、安易に中田浩を「鹿島枠」と捉えることは危険。
しかし仮にこれが「鹿島枠選出」というものであったとしても、それはそれで良いのではないだろうか。この1試合限定、という話で考えれば。ぼくはこれまでの手法を肯定していないが、この試合限定でいえば連携面で合わせやすく、タイプ的にかみ合う選択をするべき。
ジーコは取り立てて間違ったことをしていないと思う。
ジーコは基本的に「甘い父親」なのだと思う。なので、いわゆるモチベーティングは考えていない。国内組の選手が不満タラタラなのは今に始まったことじゃないし、また彼らを積極的に擁護するつもりもない。使われた試合で結果残した選手少ないしね、なんだかんだ言って。
で、それを前提にしてこの記事を読むと、大前提として「鹿島ジャパンで悪いのか?」という疑問がある。勿論これは「北朝鮮戦を臨むに当たって」ということ。
前節のスタメンから一挙に3人が欠ける(約1名は激しく糾弾されるべき)わけで、そうなると連携面での不安は当然浮上する。そうなるとトップ下に小笠原、トップに柳沢と来れば、タイプ的にも鈴木を入れることは妥当。また左サイドに関しても三浦淳が負傷しているという情報もあり、安易に中田浩を「鹿島枠」と捉えることは危険。
しかし仮にこれが「鹿島枠選出」というものであったとしても、それはそれで良いのではないだろうか。この1試合限定、という話で考えれば。ぼくはこれまでの手法を肯定していないが、この試合限定でいえば連携面で合わせやすく、タイプ的にかみ合う選択をするべき。
ジーコは取り立てて間違ったことをしていないと思う。
2005年05月28日
2005年05月26日
04-05CL決勝分析(1)前半、ミランの戦術
すみません。原稿書きに追われており、なかなかこっちの更新に手が回らない状況です(笑)。開設早々大丈夫かおい。
昨日のCL決勝について前半終了時点での感想を書きます。後半のある程度までは観戦していますし、勿論結果も知っています。その上で書くと、両チームの個人の資質・チームの練熟度という点ではやはりミランに軍配が上がると思います。では、そのポイントがどのあたりにあるのか?これについて、自分なりに気づいたところをメモ書きします。
■ミランの戦略について
前半に関しては、3−0というスコアが示すとおり完全にミランペース。チームとしてやりたいことを完璧に表現し、マークのズレを個人の資質で致命傷に変えたといえる。結果的に大差に繋がったポイントはこのあたりに絞られると思う。
★緻密なロングフィード戦術
★中盤からの高精度なパス
★FW陣の質の高い動き
ミランの戦術について。ミランのこの日のシステムはいつもどおり4−4−2のダイヤモンド型。しかしトップ下に位置するカカーはどちらかというとFWよりのポジショニングを取り、ピルロ・ガットゥーゾ・セードルフは横並びの3ボランチに近い位置取りをし、前線の3人とやや距離をとっていた。
このポジショニングの狙いは、リバプールのDFラインをおびき寄せ、裏のスペースを使うこと。中盤にあえてスペースを与え、相手の中盤のラインを引っ張り出す。そしてジェラード、シャビ・アロンソらとほぼ同じ高さにカカを、そして少し離れた位置にクレスポ、シェフチェンコらを置いた。この「浮いた」ポジショニングによって、リバプールDFラインはマーカーの確認をやりづらくなる。そして中盤がボールを持った瞬間に2トップやカカがサイドのスペースに「斜めに」駆け出すことで、リバプールDFラインはオフサイドトラップを仕掛けるタイミングを失った。
また、それを可能にしたのがFW同士のクロスの動き、わざと時間をずらして動き出すなどのコンビネーションプレイである。
クレスポ・シェフチェンコの2トップの特長は、コースどりが抜群に上手いこと。クレスポは主にキャラガーとフィナンの間のゾーンにポジションを取りながら、中盤の選手が前を向くとシェフチェンコとのコンビネーションで中央からサイドへグイっと抜け出していく。その際、DF同士の間をうまくすり抜けたり、外側をウェーブの動きで回り込んだり、中でもらうフリをして外に走ったりと色々な工夫をこらすため、ゾーンで見ているリバプールDFラインは誰が誰を捕まえにいくのかで混乱が生じた。
堅守を誇ったリバプールDFラインがああもやすやすと破られたのは、ミランの緻密なロングフィード戦術が奏功したこと。それを可能にしたのはミランのFW陣、MF陣、サイドバックといった個々の力量差であると考える。
それでは、なぜミランは後半に崩れてしまったのか?この点については後日ビデオをチェックしながら詳しく検証したい。
昨日のCL決勝について前半終了時点での感想を書きます。後半のある程度までは観戦していますし、勿論結果も知っています。その上で書くと、両チームの個人の資質・チームの練熟度という点ではやはりミランに軍配が上がると思います。では、そのポイントがどのあたりにあるのか?これについて、自分なりに気づいたところをメモ書きします。
■ミランの戦略について
前半に関しては、3−0というスコアが示すとおり完全にミランペース。チームとしてやりたいことを完璧に表現し、マークのズレを個人の資質で致命傷に変えたといえる。結果的に大差に繋がったポイントはこのあたりに絞られると思う。
★緻密なロングフィード戦術
★中盤からの高精度なパス
★FW陣の質の高い動き
ミランの戦術について。ミランのこの日のシステムはいつもどおり4−4−2のダイヤモンド型。しかしトップ下に位置するカカーはどちらかというとFWよりのポジショニングを取り、ピルロ・ガットゥーゾ・セードルフは横並びの3ボランチに近い位置取りをし、前線の3人とやや距離をとっていた。
このポジショニングの狙いは、リバプールのDFラインをおびき寄せ、裏のスペースを使うこと。中盤にあえてスペースを与え、相手の中盤のラインを引っ張り出す。そしてジェラード、シャビ・アロンソらとほぼ同じ高さにカカを、そして少し離れた位置にクレスポ、シェフチェンコらを置いた。この「浮いた」ポジショニングによって、リバプールDFラインはマーカーの確認をやりづらくなる。そして中盤がボールを持った瞬間に2トップやカカがサイドのスペースに「斜めに」駆け出すことで、リバプールDFラインはオフサイドトラップを仕掛けるタイミングを失った。
また、それを可能にしたのがFW同士のクロスの動き、わざと時間をずらして動き出すなどのコンビネーションプレイである。
クレスポ・シェフチェンコの2トップの特長は、コースどりが抜群に上手いこと。クレスポは主にキャラガーとフィナンの間のゾーンにポジションを取りながら、中盤の選手が前を向くとシェフチェンコとのコンビネーションで中央からサイドへグイっと抜け出していく。その際、DF同士の間をうまくすり抜けたり、外側をウェーブの動きで回り込んだり、中でもらうフリをして外に走ったりと色々な工夫をこらすため、ゾーンで見ているリバプールDFラインは誰が誰を捕まえにいくのかで混乱が生じた。
堅守を誇ったリバプールDFラインがああもやすやすと破られたのは、ミランの緻密なロングフィード戦術が奏功したこと。それを可能にしたのはミランのFW陣、MF陣、サイドバックといった個々の力量差であると考える。
それでは、なぜミランは後半に崩れてしまったのか?この点については後日ビデオをチェックしながら詳しく検証したい。
2005年05月25日
ひさびさにblog復活

これまではmixiというある程度クローズドな場所で色々書いてきた。これはこれで楽しいのだが、ある意味mixiには「部屋着」「普段着」でよい場所。完全に公開した場、ある程度フォーマルな場所で書くために必要な緊張感とは無縁だ。
この居心地のよさになれてしまったせいで、最近自分の文章に対する緊張感がやや薄れているように思う。「ネット上で肩肘張った投稿をしても仕方がない」とお笑いの向きもあるだろうが、書くことを職業にしている以上そうも言ってられない。
このblogは、次の機能を備える。
■日記として
そのまま。ただ、人に読みやすいよう背景等をなるべくしっかりと書く。
■トレーニングとして
戦術系・試合分析系の書き物をなるべく分かりやすく。知識はあるというか当たり前に備えていなきゃダメなので、そこらへんをベースにしつつ。
■アーカイブ/自己PRとして
商用に耐えうるものとなるかどうかは分からない。ただ自分のHNは割と有名らしく、「KINDといえばアイツ」と思う人もけっこういる。なので、何を書いても自己PRになる。そういう状況を積極的に利用したい。
ということでヨロピクです。