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Honda FCという名門サッカークラブが、JFLにあります。

このクラブがJリーグファンから「門番」と呼ばれていることは、
ご存知の方も多いでしょう。

JFLは、Jリーグ的に見れば
「Jリーグに参入するための最終関門」のステージ。
ここで好成績を残すことが、Jリーグ(J3)入りの必要条件となります。

しかし、Honda FCは、めっちゃ強いのに、
めっちゃ強いのに、
Jリーグ入り(プロ化)を目指していないため、ずっとJFLに残ります。

そして、Jリーグ入りを目指すJFLクラブは、
このめっちゃ強いHonda FCをどうにか倒して(かわして)
上位進出を果たさなければならないのです。

これがまさしく「門番」と言われるゆえん。



僕は、Honda FCに対し、
そういった「門番」であるということ以外、何の情報も持っていませんでした。

しかし、半年ほど前に
「Honda FCには、Jリーグマスコットにも引けを取らない、素敵なマスコットがいる」
という情報を聞きつけ、
ずっと気になっていたのです。


というわけで、今回ついに行ってきました。
Honda FCの本拠地、静岡県浜松市 都田(みやこだ)サッカー場へ。



浜松駅からバスで40分程度(520円)。
都田口バス停で下り、人気のない道路を一直線に歩きます。
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↑こんな感じの道が延々続く


15分ほど歩くと、突然現れましたのは
Honda都田サッカー場。

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イメージで言えば、
「郊外の大企業敷地内にある社員用のスポーツ施設を、少し広げたような感じ」
というべきか。

いや、実際そのまんまなんですけどね。


ここ都田は、昼の試合だと1時間半前に開門します。

というわけで少し待ち、ちょうど1時間半前くらいになると…


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やってきました。
彼がHonda FCのマスコット、パッサーロです。

モチーフはツバメ。

サポーターからは「師匠」の名で呼ばれ、愛されている存在です。


さっそく僕もチケットを持って入場しますと、

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めちゃくちゃ親しげに触れ合ってきました。

Jリーグと違い、そこまで周囲のお客さんが多いわけではないので
(とはいえこの日は1000人以上入場していた。JFLなのに凄い)
触れ合おうと思えば、じっくり触れ合えるのがとても魅力。


僕は師匠に、
「あなたに会いに大阪から来ました」と話しかけてみました。



めちゃくちゃハグされました。


師匠…なんて気さくなんだ!!

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↑お土産渡したらいっぱいポーズしてくれた


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↑下から

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↑なんとなく連投

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どアップ。
パッサーロ師匠は、黒い部分の肌が異様に綺麗です。
美黒。


グッズを買ったので、サインもしてもらいました。
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隣りにいた常連さんっぽい人が、
「パッサーロ、サインあったんだ!?」と驚いていたのがちょっと面白かったです。

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パッサーロ師匠のサイン。思ったよりはるかに複雑だった…。


ということで、存分に入場口で触れ合うことができました。
正直、Jリーグマスコットではとても味わえない濃い交流で、だいぶおなかいっぱい。。


スタジアム内を進んでいきましょう。
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選手紹介。
「アマチュアの最高峰」クラブであるHonda FCは、一部の選手を除き、
Hondaで働いている正社員だということです。
ということで、勤務している部署が選手名の下に…。

師匠は普段どこの部署で働いているんだろう…

その横には、
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Honda FCからJリーグに巣立っていった選手たちの輝かしい系譜。

応援しているサポーターからすれば、あまり喜ばしい話でもないのでしょうが、
しかし、これもまた「アマチュア名門」であり続けた証には違いありません。



そんなHonda FCの凄みをチェックした後、
メインスタンドの左側(ホームサポーターが多く集まるエリア)に入っていきます。
このへんでパッサーロ師匠の活躍がよく拝めると聞いたもので…

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こんな感じの風景。
見やすいです。
「ゴール裏」席というものは存在しない構造なので、コアサポはバックスタンドに陣取ります。

そして試合開始時間が迫ってくると、
師匠も忙しく動き出します。


最前列の人と触れ合う師匠


そしていよいよ試合が始まります。

さあ、ここでパッサーロ師匠のショータイムが始まります!

師匠はですね…


喋る!!



喋る!!

というか、セリフに合わせて動いてる


一人称は「オイラ」なんですね。

で、そんな長い動画見てられないという人は、
最後の部分を切り取った、このVine動画だけでも見てください。


※音が鳴るので注意










「うぃぃーーーん」


と言いながら両手を広げ走り回る。

これぞパッサーロ師匠の十八番


これを見なければ都田に来た甲斐はありません(謎の断言)




ハーフタイムでもパフォーマンスがあります。

この日はリードして折り返したので、師匠もご機嫌です。
うぃぃーーーん。




で、試合のほうは。

Honda FCが相手のMIOびわこ滋賀を圧倒。
伊賀貴一選手(プーリー加工の部署所属)の4ゴールなどが飛び出し、
6-0の完勝です。

相変わらずサッカーを観る目のない僕ですが、
さすがに、相手に決定機を全く与えず、
自分たちの攻撃をほぼ全て、相手を脅かすシュートで終える、
その戦いぶりには「格の違い」を感じずにはいられませんでした。

これが最強の「門番」。
その力をまざまざと見せつけられた印象です。


しかし、同時に僕の胸には、それとは真反対の思いが去来しました。

「門番」とだけ言い切ってしまうことが、本当に正しいのだろうか?


Honda FCというクラブには、「Jリーグ志望のクラブに立ちふさがる大企業のクラブ」という
特に血の通う要素のないイメージしか持っていなかった僕です。

しかしこの日、スタジアムでは、
近隣から駆け付けたと思われる多くのサポーター、ファン
Hondaの選手たちを暖かく、熱く応援する光景が見られました。

そしてクラブ側も、スタジアム内の掲示物やイベントなどで
「浜松」
という街の名前を繰り返し強調していました。

浜松という地を土台にして、自分たちは戦っているのであると。


Honda FCは、単なる大企業のクラブというだけではなく、
地域を背負っている。

それは、他のJリーグクラブ、Jを目指すクラブと何ら変わらずに。

雑な言い方をしてしまうと、
その違いは「Jリーグを目指しているか否か」だけ


地域の人たちに愛され、
支えられ、
勇気づける存在である(ありたい)という点については、
違いがないのかもしれない、

そう思えたのです。



そして、そんな不思議な気付きを胸に、スタンドから退場すると、
そこには

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師匠。なんていい表情なんだ…

彼もまた、地域を背負っています。
彼がなぜツバメかというと、かつての浜松市の市鳥がツバメだったから。


全く無意味な仮定ですが、
きっと師匠なら、Jリーグマスコット界に飛び込んでいっても、
十分に人気マスコットとなれることでしょう。

でも彼は、アマチュアクラブのマスコットとして、
それでも地域の色んな人に支えられ、愛され、そして必要とされ生きていくのです。

そんなマスコット人生も、あるのです。


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僕は別れ際、嘘偽りのない気持ちを師匠にぶつけました。



「あなたのおかげで、浜松が好きになりました」




師匠は優しく、最後のハグをしてくれました。






JFLを見に行くなんて考えたことのないJマスコット好きの皆さん、
ぜひ都田に足を運んであげてください。

そこできっと、何かしらの新しい発見と、
暖かい気持ちを持ち帰ることができるはずです…。





【おまけ】

あと一つだけ、Honda FCについて言っておかなければならないことがあります。


グッズが超安い。


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パッサーロ師匠のグッズを片っ端から買ってみたのですが、
なんとこれで合計1900円

・ぬいぐるみ(1000円)
・マグカップ(300円)
・ハンドタオル(200円)
・ノート(200円)
・クリアファイル(100円)
・ナップ(100円)


安すぎる。特に上の2つ。

しかもこれら全部、Jリーググッズと同等以上に質が高い
ぬいぐるみなんて、ユニフォームの着脱が可能なんですよ?

これと同じクオリティを持ったぬいぐるみを、どれだけのJクラブが出せるか…。

しかし難点が一つあって、
通販では買えないという点。

スタジアムに足を運ぶしか、これらの素晴らしいグッズを手に入れることはできないのです。

まぁそういう、「グッズで儲ける」姿勢じゃないからこそ、
こんな原価スレスレ級の価格設定なんでしょうけど。

熱心なサポーターへの有償提供物、というくらいが正しいのかもしれません。




どうでしょうか。

またさらに、都田に足を運びたくなったでしょう…?






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