MINAKO

〜 風のうた 〜

聞いたのね 大地にそよぐ 風の声
遠い記憶 呼びさます

覚えてる? 青いすみれの 最初の香り
あなたの命 あたためた

雲の流れる先に 何があるというの
森の向こうの未来を 知ってしまったのね

行きなさい さぁ 約束の家 ふりむかないで
信じなさい さぁ あふれる想い 強さに変えて

駆けまわる あなたの足音
わたしはひとり 風にさがすわ

月あかり 波の彼方に 光る影
強い絆 呼んでいる

夕凪の 海に映った あなたの瞳
遥かな空を 見つめてる

荒れる海を知らない 川の流れのように
変えることのできない 運命があるのね

行きなさい さぁ こころで聞いた声のほうへ
信じなさい さぁ あなたが選ぶすべてのものを

あの風が 抱きしめてくれる
星の祈りが 眠れるように

赤血球がほとんどなくなると脳に酸素がいかなくなり、意識を失う。
病院に急ぐ途中、いくら携帯に叫んでも、無菌室の父の携帯からはもう返事はなかった。父は意識を失ってから数時間で他界した。
病名を知らせてから、2年半経っていた。

几帳面な父は、すべての治療内容と自分の状態をノートに詳細に記録した。自分自身の「考察」と「作戦」も書き加えられている。最後まで希望を捨てず、自分の身体を論理的に理解しようとしていた。その姿勢が、何も出来ない家族に逆に勇気を与えてくれた。

自分に出来ることはほとんどないが、出来ることがあるのなら、それをやろうと思う。おかげで迷いが消えたような気がする。