オーロラ
着々と現場は進んでいますが、今週はついにオーロラがお目見えしました。意図していた色やパタンが上手く出せたので、一目見てすごく安心しました (´▽`)。
いままで何回かオーロラの説明はしましたが、分からない方のために簡単に説明しますと、豊橋では舞台上部(フライタワー)や客席天井上部の「どうしても大きなヴォリュームとして見えて来てしまう部分」をフワフワとした造形で覆い、豊橋のシンボルとして意匠化しています。
たまに、実際にオーロラがあるの?というご質問を頂くのですが、このオーロラは緯度の高い地域で見られる「大気の発光現象」ではありません。材料はガルバリウム鋼板の折板(焼付塗装)で、造形的にオーロラっぽいので「オーロラ」という愛称で呼ばれています。
ただ、「オーロラ」という名がついている以上、本物のオーロラについても勉強しましたし、是非とも本物のオーロラにも負けない綺麗なオーロラが豊橋にある!と言われるようなモノにしたいと思っています。

オーロラの色はグラデーションを構成する5色の色でできています。要するに同じ色調、彩度のまま、明るさだけがだんだんと変わって行くような5色です。レンガの色に合わせて映えるように、少し赤みを入れました。
その色を仮に(明)1→2→3→4→5(暗)とすると、実際のオーロラの配列は1→2→3→2→1→2→1→2→3→4→5 のように、隣り合う色が必ず次の色になるように配列されています。なんというか、色が波打っているようなイメージですね。
ようするに、このオーロラは「形」と「色」という二つの波が重なり合って共存しているのです。「形」の波が波打つところでは「色」の波もそれに呼応し、「形」が平坦なところでは「色」の波はそれに離反するように動きます。
オーロラ_線路側

いくつかの方向から見た写真を載せますが、このオーロラ、見る時間帯や直接光の当たり方、あるいは天気によって、かなり色が変わって来ます。晴れの日の陽の当たる面は白っぽい印象ですが、日陰だったり、曇りや雨の日は濃く、色の違いもはっきりと見えます。
空が映り込むからでしょうね。夕焼けの時は特に赤い色が綺麗に出ていましたよ。

光の当たり方によって「形」と「色」という二つの波の優劣が入れ替わり、時間によって異なるハーモニーをかもしだす。そういうコンセプトとなっています。

このオーロラの色については最終的には自分が主導してスタディし、決定しました。
模型をつくり、CG上で散々シミュレーションをして、3度モックアップを吊り直してもらうなど、万策を尽くして出来上がりの姿をイメージして進めていますが、それでもやはり建築の出来上がりの姿というのはできてみないと分かりません。こう言うとある種無責任に聞こえてしまうかもしれませんけれど、ここにしかない意匠の建物をつくろうとするときには必ずこうしたチャレンジがあるものです。
そういう意味で、足場が取れた姿を見るまでは結構不安ではあったのですが、部分的に出来上がった姿を見てなんとか上手く行くだろうと一安心しました。

オーロラ_正面

色の違いは結構繊細なもので、隣接する2色など、小さなサンプル上では違いがほとんど分からないくらいしか違いません。ただ離れて見ると、確かに違うのが分かります。
こうすることで、全体としては一つのエレメントでも、よく見ると刺し子のようにテクスチャが織り込まれているような繊細さを出したかったのです。
はっきりと異なる色を何色か使うという建築ならありますが、これだけの近似色をこれだけの大面積で貼り分けて行くというのは、なかなか他に例がない試みだと思います。また、それをきちんと見分けて貼ってくださっている職人さんたちにも感謝ですね。
全て足場が取れたときどう見えるか、楽しみです。豊橋市民の方にも気に入ってもらえると良いのですが。