豊橋_交流スクエア6/15(土)に「くるみの会」メンバーにて、穂の国とよはし芸術劇場の見学会を行いました。僕を除いて4名の方が遠路はるばる参加してくれました。ありがとうございました。

この日は平田満さんの『父よ』と平山素子さんのバレエ『Trip Triptych』という公演が大小2つのホールで2本続けてあるという、劇場にとっても初の試みでした。せっかく劇場に来ているのですから建物を見るだけでなく公演を楽しんでいただければ、ということでこの日を狙って見学会を企画したのです。
劇場を見学しながらその2つの公演を見て、ちくわを食べて帰るという、まさしく豊橋の劇場を満喫する一日でした。お疲れ様でした。
僕としては4/30のオープン記念式典以来の来館で、もちろん見学会の説明をしにきたわけですけれども、人の動き方を見たり、スタッフの方に話を聞いたりしていくと、この劇場が実際にどう使われているのかが良く見えてきて、個人的にも得るものが多かったですね。例によって細かすぎるので、詳細は書きませんけれど(笑)。

しかし、演劇の『父よ』とフランス印象派ダンス『Trip Triptych』は本当に全く異なる方向性の演目で驚きました。
父よ
アートスペースという200名の小劇場で上演された『父よ』は、定年も間近に控えた4兄弟が実家に集まって、85歳になる父親の面倒の見方を話し合う、というような現実的で身近な話題でした。その議題を中心に話し合う中で、見栄と保身が見え隠れするような、ディープな四兄弟の身の上話がそれぞれ展開された挙句、結局肝心の議題の方は微笑ましいオチで終わるというもの。
稽古自体も本番と同じく、アートスペースに実際に舞台を作ってやっていたようですが、そのせいか舞台セットが劇場にだいぶよく馴染んでいましたね。初めてこの劇場を見た方などは果たしてどこからが舞台セットなのか、見分けがつきにくいような状態だったかもしれません。
それは言い換えると、まさしくこの200名という劇場のサイズを意識して作られた演劇だということで、座席のどの場所から見ても舞台との一体感を感じるような迫力がありました。小道具なども凝っていて見どころの多いお芝居だったと思います。ヨーロッパの劇場のように、このように演劇をつくる場と演じる場が近くなっていけば、演劇自体のクオリティも上がっていくのでしょうね。


trip-triptych一方、フランス印象派ダンス『Trip Triptych』の方は東京ですらめったにお目にはかかれないだろう、相当に特殊な演出のバレエでした。なるほど確かに印象派なのだろうな、と思ったのですが、テーマとしては風や水といった自然物を扱っていて、音楽にのせてその表現のトライアルを繰り返しているという感じで、古典のように一貫したストーリーがあるわけではありません。しかし本当に綺麗で絵になるバレエになっていて、見たことのない不思議な世界観が繰り広げられていました。これが豊橋で見られるのですから、豊橋市民にとってはすごいことだと思います。
このバレエの舞台の使い方などでちょっと気づいたところなどを備忘録的に挙げておきますね。

豊橋_art_galleriaこの演目は新国立劇場で3日間公演したあと、豊橋が唯一の地方公演でした。
そのためもあってか個人的に見ていて気になったのですが、舞台の一番後ろの背景を構成する幕である大黒幕+ホリゾント幕まで上げてしまうようなときがあり、黒いペンキを塗っただけのコンクリートの壁とグリッドパイプがそのまま見えていて、残るは東西幕のみという状態のときがたまにありました。この部分はあまり積極的に見せるものとして作っているわけではないので、これは割と設計者的には異常事態なのです。 Σ(゚д゚;)
それは後舞台までしっかりある劇場『新国立劇場』を想定して製作しているものを、豊橋の、そこまでは奥行きのない舞台で上演する、ということで、奥行きをとった上で壁やパイプなどはそのまま見せちゃおうという判断になったのでしょうか。舞台照明も東西幕の横に立てた櫓のようなものから、という不思議なあて方をしていましたし。全体的に苦心して使っていただいているのがよく伝わって来ました。
客席数を減らしても前舞台を組むという判断が出来たなら、果たして問題は解決したのでしょうか。。。むぅ。
こんな感じで、特殊なものを見るととても勉強になります。

ちなみに、主ホール内の写真は撮影禁止ですので、主ホールの内装はおろか、演劇の写真などは当然撮れず。小ホールの横のアートガレリアというところの写真を載せています。
僕は主ホール内撮影禁止のサインを作った本人ですが、カメラを首から下げて入ろうとしたらスタッフの方に注意されました。(笑) なにぶん管理しにくい人間なものでご迷惑をお掛けしました。

また面白い公演などあったら豊橋にもちょくちょく顔を出そうと思いますので、よろしくお願いします。