June 10, 2009
いったいどうしたと言うんだろう。
このゲームに勝てば5割、という重要な遠征初戦なはずだが。なぜこんなにプレーヤーのテンションが低いのか。エラーとダブルプレーだらけの弱いシアトルに戻りたいのだろうか。
もちろん、勝って5割に復帰してもらいたかった。それは当然だが、負けてもいいから、こういうダラダラしたゲームでなく、きちんと戦う姿勢をみせてほしい。どんなゲームでも粘り強く戦うLAAはこんな消極的なゲーム運びでは追い越せない。
Seattle vs. Baltimore - June 9, 2009 | MLB.com: Gameday
正直、すごく退屈なゲームだった。
負けたから?それもなくはないが、むしろ「単調すぎる」からだ。
攻撃も単調。バッテリーも単調。
なぜこのチームのプレーヤーたちはこんなに簡単にテンションが落ちてしまうのだろう。一昨日のようにホームラン攻勢で勝ったりすると、ついつい元の偏差値の低すぎる野球に戻ってしまうのだろうか。バントしなくてもいいとわかると、とたんに気が緩んでしまうのか。とてもとてもクロスゲームの戦い方じゃない。
ロブ・ジョンソンのゲームにみられる独特のテンションの高さ、小気味いいテンポ、打者と戦う姿勢が、今日のバッテリーには感じられなかった。バークは2007年に応援していただけに残念だ。
こうは言っても、失点3だからもちろん、7点や8点平気で失う城島マスクのゲームよりは全然マシで、投手陣はよくやっているとは思う。だが、それでも6回までの「さんざん逃げ回って、結局、打たれる」内容がけしてよくないことは指摘せざるを得ない。
6回バルガスが変えられてしまう直前のスコットに対する攻めが象徴している。外の球ばかり使っているが、これでなんとかなるものではない。
それでも3失点で踏ん張った投手陣に比べたら、打線は酷いの一言。イチローはさすがの2安打だが、中軸打者はいつものようにポップフライ、ダブルプレー、三振の山、山、山。結局ほとんど仕事ができていない。DHグリフィーの打撃の酷さはもうたいがいにしてくれ、と、言いたくなる。もちろん実現はしないだろうが、こんな打線の現状だからこそクレメントにDHのチャンスを与えてやればいいのに、と思う。せめてグリフィーの打順を、不調のオルティスのように5番(できれば6番)にしないとゲームにならない。
今日のバッテリーはバルガス+バーク。失点は3だから結果はそこそこなわけだが、中身がひどく単調だった。ピッチングがいわゆる「アウトコースへの球の出し入れ」のみに終始してしまっている。この内容では、どうしても打者は目が慣れてしまう。球種には多少変化をつけるにしても、コースは打者にバレているわけだから、長くはもたない。バルガスは5回2/3自責点3で、QSできなかった。
4シーム、チェンジアップ、スライダー。バルガスの球種は限られている。この投球内容ならボルチモアのバッターはある程度、打席で来る球種とコースの両方が予想がついていたはず。
あとは、いつ芯でとらえるか、勝負はそれだけでしかなかったと思う。
何か4月26日にウオッシュバーンの登板ゲームに先発したときのバークのリプレイを見ているかのようだ。バークはおとといのベダードとのバッテリーも、2007シーズンほどしっくりいっている感じではなかった。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。
このバルガス、5月29日、ロブ・ジョンソンをキャッチャーに、あのLAAを相手に6回1/3を投げQSして勝っている。あのときは、10日たって投げた今日とは別人のように、冴えもキレもあった。
比べてみてもらおう。
まずは5月29日のバルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーの「インコース攻めから生まれた2つのダブルプレー」だ。
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。
3回裏LAAフィギンズの
ダブルプレー
初球インハイのストレート
2球目インローのチェンジアップ
インコース上下に攻めた後、
3球目外のストレートをひっかけさせた
6回裏 LAAアブレイユの
ダブルプレー
初球、2球目と
インコースをえぐっておいて
3球目の外のストレートで
ダブルプレー
7回裏1、3塁でナポリをうちとった攻めとよく似ている。
そしてこちらが、今日のバルガス。
なにか一見、ボルチモアの打者に「ボール球ばかりを巧打されているのであって、バッテリーのせいではない」ように見えるかもしれないが、そうではなく、配球の大半がアウトコース中心の出し入れなため、打者が常に外寄りの球を待ち構えていたから、ストライクからボールになる変化球でも打たれてしまっているのである。
1回ロバーツ ダブル
外低め、ボール気味のスライダー
5回ウイータース シングル
ワンバウンドになりそうなチェンジアップ
5回アンディーノ シングル
外のチェンジアップ
6回ハフ シングル
外のボールになるスライダー
ゾーンからは外れているのだが、外の球を待ち受けていた感じ
6回スコット シングル
外のボール気味の4シーム
打たれたボール1球だけをとりだして見るなら、アウトローいっぱいをついた「いい球」に見えるが、打者への攻め全体がこれだけアウトコースに偏っていると、たとえどんなにいい球でも待ち構えられて、こうしてヒットされてしまう。
それがプロというものだ。
このゲームに勝てば5割、という重要な遠征初戦なはずだが。なぜこんなにプレーヤーのテンションが低いのか。エラーとダブルプレーだらけの弱いシアトルに戻りたいのだろうか。
もちろん、勝って5割に復帰してもらいたかった。それは当然だが、負けてもいいから、こういうダラダラしたゲームでなく、きちんと戦う姿勢をみせてほしい。どんなゲームでも粘り強く戦うLAAはこんな消極的なゲーム運びでは追い越せない。
Seattle vs. Baltimore - June 9, 2009 | MLB.com: Gameday
正直、すごく退屈なゲームだった。
負けたから?それもなくはないが、むしろ「単調すぎる」からだ。
攻撃も単調。バッテリーも単調。
なぜこのチームのプレーヤーたちはこんなに簡単にテンションが落ちてしまうのだろう。一昨日のようにホームラン攻勢で勝ったりすると、ついつい元の偏差値の低すぎる野球に戻ってしまうのだろうか。バントしなくてもいいとわかると、とたんに気が緩んでしまうのか。とてもとてもクロスゲームの戦い方じゃない。
ロブ・ジョンソンのゲームにみられる独特のテンションの高さ、小気味いいテンポ、打者と戦う姿勢が、今日のバッテリーには感じられなかった。バークは2007年に応援していただけに残念だ。
こうは言っても、失点3だからもちろん、7点や8点平気で失う城島マスクのゲームよりは全然マシで、投手陣はよくやっているとは思う。だが、それでも6回までの「さんざん逃げ回って、結局、打たれる」内容がけしてよくないことは指摘せざるを得ない。
6回バルガスが変えられてしまう直前のスコットに対する攻めが象徴している。外の球ばかり使っているが、これでなんとかなるものではない。
それでも3失点で踏ん張った投手陣に比べたら、打線は酷いの一言。イチローはさすがの2安打だが、中軸打者はいつものようにポップフライ、ダブルプレー、三振の山、山、山。結局ほとんど仕事ができていない。DHグリフィーの打撃の酷さはもうたいがいにしてくれ、と、言いたくなる。もちろん実現はしないだろうが、こんな打線の現状だからこそクレメントにDHのチャンスを与えてやればいいのに、と思う。せめてグリフィーの打順を、不調のオルティスのように5番(できれば6番)にしないとゲームにならない。
今日のバッテリーはバルガス+バーク。失点は3だから結果はそこそこなわけだが、中身がひどく単調だった。ピッチングがいわゆる「アウトコースへの球の出し入れ」のみに終始してしまっている。この内容では、どうしても打者は目が慣れてしまう。球種には多少変化をつけるにしても、コースは打者にバレているわけだから、長くはもたない。バルガスは5回2/3自責点3で、QSできなかった。
4シーム、チェンジアップ、スライダー。バルガスの球種は限られている。この投球内容ならボルチモアのバッターはある程度、打席で来る球種とコースの両方が予想がついていたはず。
あとは、いつ芯でとらえるか、勝負はそれだけでしかなかったと思う。
何か4月26日にウオッシュバーンの登板ゲームに先発したときのバークのリプレイを見ているかのようだ。バークはおとといのベダードとのバッテリーも、2007シーズンほどしっくりいっている感じではなかった。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。
このバルガス、5月29日、ロブ・ジョンソンをキャッチャーに、あのLAAを相手に6回1/3を投げQSして勝っている。あのときは、10日たって投げた今日とは別人のように、冴えもキレもあった。
比べてみてもらおう。
まずは5月29日のバルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーの「インコース攻めから生まれた2つのダブルプレー」だ。
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。
3回裏LAAフィギンズの
ダブルプレー
初球インハイのストレート
2球目インローのチェンジアップ
インコース上下に攻めた後、
3球目外のストレートをひっかけさせた
6回裏 LAAアブレイユの
ダブルプレー
初球、2球目と
インコースをえぐっておいて
3球目の外のストレートで
ダブルプレー
7回裏1、3塁でナポリをうちとった攻めとよく似ている。
そしてこちらが、今日のバルガス。
なにか一見、ボルチモアの打者に「ボール球ばかりを巧打されているのであって、バッテリーのせいではない」ように見えるかもしれないが、そうではなく、配球の大半がアウトコース中心の出し入れなため、打者が常に外寄りの球を待ち構えていたから、ストライクからボールになる変化球でも打たれてしまっているのである。
1回ロバーツ ダブル
外低め、ボール気味のスライダー
5回ウイータース シングル
ワンバウンドになりそうなチェンジアップ
5回アンディーノ シングル
外のチェンジアップ
6回ハフ シングル
外のボールになるスライダー
ゾーンからは外れているのだが、外の球を待ち受けていた感じ
6回スコット シングル
外のボール気味の4シーム
打たれたボール1球だけをとりだして見るなら、アウトローいっぱいをついた「いい球」に見えるが、打者への攻め全体がこれだけアウトコースに偏っていると、たとえどんなにいい球でも待ち構えられて、こうしてヒットされてしまう。
それがプロというものだ。