あわや失効 教員免許更新でキャンセル待ち続出 
産経新聞 2011年6月25日(土)19時21分配信

 教員免許の更新に必要な講習に教員の応募が殺到し、全国の講習会場でキャンセル待ち状態が続出していることが25日、分かった。民主党が教員免許更新制度の廃止を打ち出したものの、その後の参院選で惨敗し制度廃止の法案が提出できない状況のため、廃止を見越して講習を受けていなかった教員が“駆け込み応募”したためとみられる。今年度中に講習を受けないと免許を失効する可能性もあり、文部科学省は全国の実態調査に乗り出す検討に入った。

 教委免許更新制度は、自公政権下で平成21年度に始まり、教員免許に10年の有効期間が設けられた。文科省認定の大学などで必要な講習を受け、認定試験に合格しなければ教員免許は失効する。今年度の受講対象者は22、23年度中と23、24年度中に講習を修了しなければならない教員だ。 

 筑波大では6月と8月に114講座を実施。延べ約6500人分を受け入れるが、ほぼすべての講座で定員が埋まり、キャンセル待ちの状態。定員125人に対し約60人がキャンセル待ちの講座もあり、10月に予定する講座もすでに定員は埋まった。

 東京学芸大も夏季期間に142講座を用意したが、「7割ほどの講座がキャンセル待ちの状態」(同大)。両大学とも昨年度より受け入れ人数を大幅増員したが、申し込みの多さに対応できなくなっている。

 大阪教育大でも7、8月に開く69講座はすべて埋まった。延べ約4700人の受け入れに1000人以上のキャンセル待ち状態で、専用サイトで予約を受け付けた6月6日には応募が殺到し、翌日未明までサイトへのアクセスが困難になったほどだ。

 地方も状況は同じだ。キャンセル待ちを受け付けない大分大でも、夏季の約50講座は定員の9割以上が埋まった。大学には近県からも「追加募集はないか」と問い合わせが寄せられている。鳥取大でも夏季休暇中の講座でキャンセル待ちが出たほか、宮城教育大では関西や関東地方からの申し込みもあり、8月までの講座はほぼ定員が埋まった。

 文科省はこうした事態を受け、昨年は8月に実施した受講状況に関する調査を前倒しして7月に実施することを検討。秋以降の講習もキャンセル待ちが予想される場合、各都道府県教委と大学側に定員数の増加や新規講座の開設を求める方針だ。文科省は「大学での講習以外に通信講習もあり、計画的に講習を受けてほしい」と訴える。