<桜宮高体罰>自殺生徒の遺族 損賠訴訟で「事実解明を」
毎日新聞 2014年1月22日(水)19時33分配信

 大阪市立桜宮高校の体罰問題で、自殺したバスケットボール部主将を務めていた2年生の男子生徒(当時17歳)の遺族が市に慰謝料など約1億6500万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、東京地裁(始関=しせき=正光裁判長)であり、市は請求棄却を求めた。

 訴えたのは、関東地方に住む生徒の父親(44)と母親(45)ら。弁論で父親は「なぜ息子が死ななければならなかったのか、民事裁判を通じ事実解明がなされることを期待します」と意見陳述した。

 一方、市側は次回以降に詳細な主張をするとしている。

 訴状によると、生徒は2012年12月18日、学校の体育館での練習試合後、顧問だった元教諭(48)=懲戒免職=から顔や頭を、同22日にも顔などをたたかれ負傷。生徒はその後、自殺した。遺族は市が元顧問の長年の体罰を見逃すなど、監督責任を怠ったとしている。

 元顧問は昨年7月、生徒への傷害罪などで起訴され、大阪地裁は同9月、体罰が自殺の一因と認め、懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。元顧問は控訴せず判決は確定した。【川名壮志】