再任用拒否で元教諭4人が提訴
MBS NEWS 2014年08月29日(金) 07時35分

 卒業式の国歌斉唱で起立しなかった大阪府内の元教諭4人が定年後の再任用を取り消されるなどしたのは不当だとして府などを相手に裁判を起こしました。

 原告の一人、高槻市立南平台小学校の教諭だった山田肇さん。

 職場での評価は、上から2番目を示す「S」で、定年後の再任用が決まっていました。

 ところが、卒業式の君が代斉唱で起立せず、戒告処分を受けた後、「勤務実績が良好でない」という理由で一転、再任用が取り消されました。

 「(勤務実績が)良好であるから再任用に合格したはずだが、君が代の50秒間で勤務実績が決まったことを紙には書いていないが、大阪府教委は言っていると思う」(元教諭山田肇さん)

 その後、市の教育委員会が法律上、必要な手続きを踏まずに処分を下していたことがわかり、戒告処分は無効に。

 しかし、再任用の取消しは妥当とされました。

 37年間、教壇に立ってきた山田さん。

 「国歌斉唱の不起立だけで再任用しないのは制度の趣旨に反している」として大阪府などに対し教諭の地位の確認などとおよそ1100万円の損害賠償を求めています。

 「(戒告)処分がなくなったのだから、勤務実態が良好の評価に戻さなあかん、処分が取り消されたのに再任用合格取り消しが撤回されないのか」(元教諭 山田肇さん)

 大阪府教育委員会は「法令に基づき適切に対応しており、問題はないと考えています」とコメントしています。 (08/28 19:16)