教育実習生にセクハラか 福教大付属中の教師 懲戒処分を検討
西日本新聞 2020/2/13(木) 9:27配信

 福岡教育大の付属中に勤める男性教師が昨夏、教育実習を受け持った女子大学生2人に対し、セクハラ行為を行った疑いがあるとして、同大が懲戒処分を検討していることが分かった。発覚後、教師は指導担当から外され、専門的指導が最後まで行われないまま実習は終わったという。2人は付属中や大学に問題を訴えたが、対応が遅いなどとして不信を募らせている。

 関係者によると、教育実習があったのは昨年9月。男性教師は1人の大学生に対し、無料通信アプリLINE(ライン)で「エサに食いついてしまった」「似た者同士」と好意を寄せたり、結婚を想定したりしたようなメッセージを送った。もう1人には「絶対に眠くならない」と不十分な説明で精力剤を飲ませたり、宿泊先のホテル近くの飲食店で深夜まで授業の指導を行ったりしたという。

 大学生2人は実習中、付属中に相談。男性教師とは接触しない環境に置かれることになったものの、新たな教科指導教師が配置されることはなく実習が終了した。

 その後、付属中から連絡がなかったことから、2人は昨年10月ごろ、大学側に相談。大学側は改めて2人から事情を聴くと確約したが、動きはなかった。2人が何度も状況を問い合わせた後の今年1月下旬、大学側の考えを聞く場が設けられた。

 そこで大学側は「男性教師の行き過ぎた行為があり、反省している。対応は非常に早く進めているつもり」などと説明したという。2人は「専門的な知識や助言を得る機会を台無しにされた。セクハラを口外しないようにという圧力も感じた。教育機関としての体質を疑う」と訴えている。

 西日本新聞の取材に対し、同大経営政策課は「調査中のため、何とも申し上げられない」としている。

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教育実習先のセクハラ、後を絶たず 相手は評価者「泣き寝入り」も…
西日本新聞 2020/2/13(木) 10:18配信


 「性的な関係を迫られた」「食事や飲みにしつこく誘われた」−。大学生が教育実習先でセクハラを受けたケースは、日本教育学会の最近の調査でも後を絶たない。相手はベテランの教師で評価者でもあるだけに、声を上げにくい構造があり、専門家は警鐘を鳴らしている。

 調査者の一人、川村学園女子大の内海崎貴子教授(人権教育)によると、学会は2015年、教育実習を終えた全国の学生、男女594人を対象に調査。21人(3・54%)がセクハラ被害に遭い、35人(5・89%)が見聞きしていた。内海崎教授らは01年から継続的に調査しており、各年の被害者は2〜4%台、見聞きした人は4〜7%台で推移している。

 主な被害内容は、性的なからかいや不必要な性的な話題、身だしなみや化粧への注意や批評など。以前は宴席などで絡まれるケースも目立ったが、15年調査では、被害の半数が1対1になりやすい指導教師との「回避が難しい状況」(内海崎教授)で発生していた。

 被害者の大半は我慢したり、受け流したりしており、学校や大学に相談した例はわずかだった。約6割は精神的苦痛を感じたほか、約4割は実習への意欲が落ち、約3割は実習をやめたいと思うなど深刻な影響が出ている。

 一方、大学側の対策は十分とは言いがたい。14年に一部の大学に調査した結果、実習先でのセクハラに気を付けるように学生に注意喚起していたのは、4割程度にとどまる。

 内海崎教授は「学校現場ではセクハラが指導と一体化する場合がある」と指摘。弱い立場の児童生徒に触れたり、怒号を浴びせたりする指導がいまだに残り、その延長で大学生にも似た指導を行う教師がいるといい、「無自覚にセクハラを容認する風土、文化がある。危うい環境で実習が行われていると全ての大学は知るべきだ」と話す。 (四宮淳平)