後発品
反省点� Ю菷�品に逆戻り！？
折角後発品を導入したのに、泣く泣く先発品に戻さなくてはならなくなった薬品がいくつかあった。
主な原因は下記の通り。
１）想定外のオーダ方法
・4/1以降は（該当の）先発品の新規オーダは不可
・ただし（3/31までに）既入力のオーダは有効
…というのが当初の思惑だったのだが、ある医師からのクレームで想定外の抜け道があることが判明した。
つまり、先日付でとりあえずオーダしておき、入院日が決まったら日付を変更している（何ヶ月も先の分まで！）医師がいることがわかったのだ。
ところが、システムは「日付の変更」＝「新規オーダ」と見なすため、オーダが確定できなくなってしまったのだ。
この医師は、先日付で非常に大量のオーダをしており、今さら後発品への変更は困難だったため、該当する先発品は当面の間採用品に戻さざるを得なくなった。
このように、想定外のオーダ方法とシステムの融通のなさが、思わぬブレーキをかけてしまったのである。
２）適応の違い
5-HT3拮抗薬・アザセトロン注射液は後発品がないので、グラニセトロン注射液の後発品（シリンジ製剤・バッグ製剤）に切り替えられた。
しかし、後になってグラニセトロンは小児に対するワンショット静注が認められていないことが判明。
また、抗トロンビン薬・アルガトロバン注射液も後発品に切り替えられたが、その後予想以上にHIT（ヘパリン起因性血小板減少症）の症例が多いことが判明（※HITは先発品にしか適応がない）。
ともに（後発品は残したままで）先発品も採用品に戻すこととなった。
３）在庫管理上の問題
今回後発品に切り替えられた注射剤は購入金額上位のものばかり。
だから在庫もすぐにハケるだろうと思いきや、緊急用・ＯＰ用を中心に一向に在庫が減らない薬品が続出。
期限切れにさせては本末転倒なので、これらも採用品に戻すことに。
主な原因は下記の通り。
１）想定外のオーダ方法
・4/1以降は（該当の）先発品の新規オーダは不可
・ただし（3/31までに）既入力のオーダは有効
…というのが当初の思惑だったのだが、ある医師からのクレームで想定外の抜け道があることが判明した。
つまり、先日付でとりあえずオーダしておき、入院日が決まったら日付を変更している（何ヶ月も先の分まで！）医師がいることがわかったのだ。
ところが、システムは「日付の変更」＝「新規オーダ」と見なすため、オーダが確定できなくなってしまったのだ。
この医師は、先日付で非常に大量のオーダをしており、今さら後発品への変更は困難だったため、該当する先発品は当面の間採用品に戻さざるを得なくなった。
このように、想定外のオーダ方法とシステムの融通のなさが、思わぬブレーキをかけてしまったのである。
２）適応の違い
5-HT3拮抗薬・アザセトロン注射液は後発品がないので、グラニセトロン注射液の後発品（シリンジ製剤・バッグ製剤）に切り替えられた。
しかし、後になってグラニセトロンは小児に対するワンショット静注が認められていないことが判明。
また、抗トロンビン薬・アルガトロバン注射液も後発品に切り替えられたが、その後予想以上にHIT（ヘパリン起因性血小板減少症）の症例が多いことが判明（※HITは先発品にしか適応がない）。
ともに（後発品は残したままで）先発品も採用品に戻すこととなった。
３）在庫管理上の問題
今回後発品に切り替えられた注射剤は購入金額上位のものばかり。
だから在庫もすぐにハケるだろうと思いきや、緊急用・ＯＰ用を中心に一向に在庫が減らない薬品が続出。
期限切れにさせては本末転倒なので、これらも採用品に戻すことに。
反省点�◆У�格が増えた薬・減った薬
当初の思惑とは裏腹に、採用規格を増やしたり減らしたりしなければならなくなった薬品もあった。
１）規格が増えた薬品：造影剤
造影剤に関しては、先発品と後発品とを共存させ、出来高制の外来と包括制の入院とで使い分けることとしている。
ところが、当初採用していた後発品は使用量の多い100mL製剤のみで、20mLや50mLといった少量規格は採用していなかったのだ。
しかし、これでは先発品と後発品を混合して使うケースが生じてしまうため、現場から異議が出て、結局、後発品に関しても少量規格を採用することとなった。
２）規格が減った薬品：抗生物質
抗生物質に関しては、0.5ｇや0.25ｇといった低用量規格はあえて後発品に変更しなかった（そもそも後発品が発売されていないものもあった）。
同一成分で異なった名称の薬品を採用することで取り違えを減らすことができるし、（いささか悪徳だが）低用量規格を残すことで先発品メーカーとの関係を維持することもできる訳だ。
しかし、コスト意識の高い医師は次の事実に気付いてしまった。
例）ＣＴＭ
先発品0.5ｇ製剤の薬価（￥659）＞後発品1ｇ製剤の薬価（￥422）
かくして当初の思惑は大外れとなり、先発品0.5ｇ製剤の使用量は激減、削除への道をたどることとなった。
１）規格が増えた薬品：造影剤
造影剤に関しては、先発品と後発品とを共存させ、出来高制の外来と包括制の入院とで使い分けることとしている。
ところが、当初採用していた後発品は使用量の多い100mL製剤のみで、20mLや50mLといった少量規格は採用していなかったのだ。
しかし、これでは先発品と後発品を混合して使うケースが生じてしまうため、現場から異議が出て、結局、後発品に関しても少量規格を採用することとなった。
２）規格が減った薬品：抗生物質
抗生物質に関しては、0.5ｇや0.25ｇといった低用量規格はあえて後発品に変更しなかった（そもそも後発品が発売されていないものもあった）。
同一成分で異なった名称の薬品を採用することで取り違えを減らすことができるし、（いささか悪徳だが）低用量規格を残すことで先発品メーカーとの関係を維持することもできる訳だ。
しかし、コスト意識の高い医師は次の事実に気付いてしまった。
例）ＣＴＭ
先発品0.5ｇ製剤の薬価（￥659）＞後発品1ｇ製剤の薬価（￥422）
かくして当初の思惑は大外れとなり、先発品0.5ｇ製剤の使用量は激減、削除への道をたどることとなった。
反省点��：末端まで伝わらない情報
ちまたでも論議されているように、後発品にはまだまだ賛否両論がある。
しかし、現実には後発品を導入する施設は増え続けており、ましてＤＰＣを導入するともなれば避けては通れない課題であることも確かだ。
しかし、品目毎にイチから情報を収集しその可否を突き詰めていたら、一体どれだけの労力と日数を要しただろう。
その点、今回のボスの決断は非常に合理的で、「最短距離」で後発品の導入を成し遂げることができた所以だと思う。
ただ、後になって情報の伝達不足が各所で露呈した。
「本当にこの後発品で大丈夫なのか？」
「どんな基準で選んだのだ？」
「なぜこの品目は入れなかったのか？」
･･･などの質問が、医師から各フロアの病棟薬剤師に向けて矢のように投げかけられたのだ。
詳しい経緯を知らず何一つ質問に答えられない病棟薬剤師からは当然不満の声が出た。
もちろん、これらの情報はトップ間では伝達されていたのだが、（それで安心した訳ではないのだが）末端までは十分に伝わっていなかったことは反省すべき点と言えるだろう。
しかし、現実には後発品を導入する施設は増え続けており、ましてＤＰＣを導入するともなれば避けては通れない課題であることも確かだ。
しかし、品目毎にイチから情報を収集しその可否を突き詰めていたら、一体どれだけの労力と日数を要しただろう。
その点、今回のボスの決断は非常に合理的で、「最短距離」で後発品の導入を成し遂げることができた所以だと思う。
ただ、後になって情報の伝達不足が各所で露呈した。
「本当にこの後発品で大丈夫なのか？」
「どんな基準で選んだのだ？」
「なぜこの品目は入れなかったのか？」
･･･などの質問が、医師から各フロアの病棟薬剤師に向けて矢のように投げかけられたのだ。
詳しい経緯を知らず何一つ質問に答えられない病棟薬剤師からは当然不満の声が出た。
もちろん、これらの情報はトップ間では伝達されていたのだが、（それで安心した訳ではないのだが）末端までは十分に伝わっていなかったことは反省すべき点と言えるだろう。
2009年02月06日
後発医薬品─ボスはこう選んだ─
薬剤師のための情報サイト『DIオンライン』で開始された新シリーズ「後発医薬品─私はこう選ぶ」になぞらえて、当院における後発品選定のポイントを紹介していこうと思う。
後発品の選定基準は既に出尽くしている感があるが、施設毎にその優先順位は異なっていて当然だ。
当院の場合、後発品導入の前提として下記の条件があった。
さて、これに対しボスの下した決断は･･･？
後発品の選定基準は既に出尽くしている感があるが、施設毎にその優先順位は異なっていて当然だ。
当院の場合、後発品導入の前提として下記の条件があった。
１）ＤＰＣ導入に間に合うこと
２）現場への影響は最小限に、経済効果は最大限に
３）安定供給と緊急時の対応が可能であること
さて、これに対しボスの下した決断は･･･？
決断��：大学病院・公的病院の納入実績を最重視
とにかく残された時間は少ない。
詳細な比較（こんな感じ）もするに越したことはないが、膨大な時間がかかってしまうだろう。
そこでボスはある仮説を立てた。
「大学病院や公的病院で多数導入されている後発品ならば、既にそのような基準をクリアしている筈である」
後発品導入は後手に回った当院だが、それを逆手に取った訳だ。
詳細な比較（こんな感じ）もするに越したことはないが、膨大な時間がかかってしまうだろう。
そこでボスはある仮説を立てた。
「大学病院や公的病院で多数導入されている後発品ならば、既にそのような基準をクリアしている筈である」
後発品導入は後手に回った当院だが、それを逆手に取った訳だ。
決断�ァЭ芭轍福Ε瓠璽�ーへの根回し
国循では、薬剤部が後発品導入に際し「憎まれ役」となった話を聞いたが、なるべくそのような状況は避けたいものだ。
診療科が限定される品目については事前に打診を、メーカーに関しても先発・後発を問わずヒアリング（説得？）の機会を持った。
今回、先発品メーカーまで呼んだのは、下記のような理由がある。
ただ、�，�情報量の豊富さだとか添加物の違いだとかでは話にならない（それが理由になるのなら、後発品は一切導入できなくなってしまう）。
これまで、後発品から先発品に戻った事例もなくはないだろうが、大半はヒステリックな反応の結果であり、エビデンスと呼べるようなデータを提示したメーカーは皆無だった。
�△蓮∪菷�品メーカーに「とどめ」を刺さないためだ（むしろ生殺し？）。
そもそも経済的な理由で後発品を検討している訳だから、仮に後発品より価格が安くならなかったとしても、ある程度価格差が縮まれば経済効果は小さくなり、後発品を入れる理由は失われてしまう。
あと一つ。下記のような最悪のシナリオを避けるためでもある。
メーカーに釘を刺し、診療科にも根回しすることをボスは怠らなかった。
診療科が限定される品目については事前に打診を、メーカーに関しても先発・後発を問わずヒアリング（説得？）の機会を持った。
今回、先発品メーカーまで呼んだのは、下記のような理由がある。
�＼菷�品の優位性・後発品によるトラブル事例を聴くため
��値引きをうながすため
ただ、�，�情報量の豊富さだとか添加物の違いだとかでは話にならない（それが理由になるのなら、後発品は一切導入できなくなってしまう）。
これまで、後発品から先発品に戻った事例もなくはないだろうが、大半はヒステリックな反応の結果であり、エビデンスと呼べるようなデータを提示したメーカーは皆無だった。
�△蓮∪菷�品メーカーに「とどめ」を刺さないためだ（むしろ生殺し？）。
そもそも経済的な理由で後発品を検討している訳だから、仮に後発品より価格が安くならなかったとしても、ある程度価格差が縮まれば経済効果は小さくなり、後発品を入れる理由は失われてしまう。
あと一つ。下記のような最悪のシナリオを避けるためでもある。
先発メーカーが情報量を盾に診療科に圧力をかける
↓
医師が後発品導入に反対する
メーカーに釘を刺し、診療科にも根回しすることをボスは怠らなかった。
2008年11月26日
視察旅行の思い出（吹田編）
今日はH部次長と日帰りで視察旅行に出かける。
向かう先は大阪府吹田市にある国立循環器病センターだ。
視察のポイントは大きく分けて２つ。
伊丹空港から大阪モノレールで千里中央へ、そこからはタクシーで10分位のところだ。
向かう先は大阪府吹田市にある国立循環器病センターだ。
視察のポイントは大きく分けて２つ。
１）後発品導入の手法について
２）薬剤師の病棟常駐について
伊丹空港から大阪モノレールで千里中央へ、そこからはタクシーで10分位のところだ。
賢明な後発品導入術とは？
会議室に案内され、薬剤部長のM下先生・副薬剤部長のO田先生・薬歴管理主任のS本先生と顔合わせした。
薬剤部のトップ３名の先生が、何とこの後３時間余りも時間を割いてくれたのだ。
病院長が国循の総長と顔なじみで事前に手紙を送ってくれていたとはいえ、師走も間近いこの忙しい時期、手厚い対応に感謝するばかりだ。
まず、M下先生より後発品の導入に関するお話を聞いた。
あまり詳しい内容をここに記す訳にはいかないが、個人的に抱いていた疑問点を元に要点をまとめると･･･続きを読む
薬剤部のトップ３名の先生が、何とこの後３時間余りも時間を割いてくれたのだ。
病院長が国循の総長と顔なじみで事前に手紙を送ってくれていたとはいえ、師走も間近いこの忙しい時期、手厚い対応に感謝するばかりだ。
まず、M下先生より後発品の導入に関するお話を聞いた。
あまり詳しい内容をここに記す訳にはいかないが、個人的に抱いていた疑問点を元に要点をまとめると･･･続きを読む
