最近では、あまりロンドンAIMにという発行会社は聞かなくなったが、それでもシンガポールやベトナムなどの新興国市場やアメリカのピンクシートなどの市場に公開という話はあるようである。
これらの新興市場は日本の市場よりも公開基準が低く、ある意味では公開しやすいのは事実である。また、今まで「○○に公開します」と言って公開した発行会社が一つもないのでなんとも言えないが、今後「公開します」と言った発行会社が「公開しない」と言い切れないのも事実ではある。
また、筆者独自の考えではあるが、仮に発行会社が海外市場に公開したとしても対して値段が付かないと考えている。
理由はまず、日本の市場にも公開出来ないような会社がわざわざ海外に上場しても誰も買わないと思っているからだ。
ある程度世界的に有名な企業、もしくは公開国で有名な企業であれば、市場で買い手が付くかもしれないが、まったく無名でしかも何をやっているか分からないような企業には普通投資はしないはずである。筆者であれば間違いなく買わない。
ましてや、未後悔株として買っている場合、通常の株価(株価純資産などと照らし合わせて)よりも数倍高い値段で買ってしまっている事が多い。ただでさえ公開しても値段がつかなそうなところに、適正な価格よりも数倍も値段を付けられてしまえば、その株で利益を出そうとするのは、宝くじが当たるよりも難しい話になってくる。
公開しないよりはましとも思えるかもしれないが、公開してしまえばいわゆる損が確定してしまうという事実も出てくるのだ。
さて、それでは、なぜわざわざ海外の市場に公開するのか。こちらも筆者の個人的見解になってしまうが、2つ理由があると思う。
1つ目は、公開のための公開。
株価などはまったく関係なく、公開さえしてしまえばいいという考えである。
もっと進めて考えれば、公開はしなくとも「公開する気はありますよ」「公開する準備はしてますよ」と株主にアピールするのが目的という考え方だ。
仮に、公開できれば、発行会社側からすれば株主との約束はある意味果たしたわけである。その後の値段(株価)までは保証していないと言ってしまえば確かにそのとおりともなる。
また、公開出来ずとも、準備さえしていれば(言葉だけでなく書類などの証拠が必要)、「公開目指してがんばっているが、タイミングが合わない」「認可がおりない」となり、ある意味で約束は果たそうとがんばっているという行為にはなる。
そうなれば、よほどの株主でなければ、「少し待ってみよう」「もう少し信じてみよう」となるはずである。株主は上場するという期待のもとに買ってしまったわけである。公開の準備をしているという事実を付きつけられれば、「もう少し」となってもおかしくはない。
ただこの場合100%公開しないとは言い切れないので、信じるかどうかは株主次第になってしまう。
2つ目は、株券回収のための公開。
この場合「公開」と書いたが、公開する気はもともとなく、公開と言って株券を回収するのが目的である。
このパターンではよく「○○という会社と株式交換もしくは合併するので、いまの会社の株を新しい会社の株と交換します」という話になる。
仮に、新しい会社が公開すれば株価はともかく問題はないのだが、公開しなかった場合は、今まで持っていた株券を失い、新しい会社の株券だけが残ってしまう。
また仮に、その後新しい会社が消滅した場合、その株主は新しい会社の株券を失っただけではなく、発行会社の株券まで失うことになってしまう。
一番最悪なパターンではあるが、新しい会社が倒産しても発行会社自体は残っているわけである。しかし、新しい会社の株主は、すでに発行会社の株主ではないため、発行会社に損害を訴えることも出来なくなる可能性がある。
もちろんそう簡単に「新しい会社のことは知らない」とはいかないとは思うが、そういう既成事実を作ることは可能になってしまう。
現状、「公開します」と言っている発行会社がどちらの理由でそう言っているかは分からない。
しかし、いままでの経緯を考えれば、そう簡単に発行会社の言い分をそのまま信じるのもいかがなものかと思う。
対策というほどのものでもないが、まずは株券回収となった場合はしっかりその書面を隅々まで読むべきである。疑わしい文面があれば、簡単にサインをしない。また株券を発行会社に送る場合でも株券を持っていた証拠として、株券を送る前に株券の裏表の写真を撮っておくべきである。ちなみに、株券をコピーするのは有価証券偽造罪にあたる可能性があるので、お勧めしない。