株式公開のルールの中に「公開前規制」というものがある。これは各証券取引所で決められており、共通のルールでもある。
この「公開前規制」というのは、株式公開前に株を取得した場合(第三者割当増資、株の譲渡、新株予約権行使など)、その株券を「一定期間所有をしなければいけない」というルールである。
このルールは言うなれば、例外を認めた事であり、基本的には制限期間(後で説明)での第三者割当増資などは制限されている。もし、制限期間内に株を発行したい場合には、取得者は発行会社に対して当該株を一定期間内は売りません」という内容の書類(以下確約書」を払込日までに提出しなければならない。
逆に言えば、この確約書があれば、第三者割当増資等を制限期間内でも行えるというわけだ。
では、「制限期間内」というのと「一定期間継続所有」の一定期間について書いていこう。
制限期間内というのは、公開日の直前期末から直前々期末までのことをいう。
例を上げると、期末が3月31日で今年(2009年)10月1日に株式公開したAという会社があるとする。
では、A社の制限期間というのは、2008年4月1日から2009年9月30日までが期間内(1年半)となる。
次に一定期間。一定期間とは公開日から半年間または取得日から1年間のことをいう。
前述のA社を例に上げて、A社の株を2008年5月1日に取得したa氏と、2009年6月1日に取得したb氏はどれくらい株を所有しなければならないか。お互い制限期間内に株を新たに取得したという条件は同じである。
a氏の場合、株を取得したのが、2008年5月1日なので、上場日(10月1日)から半年後の2010年4月1日に株を売ることが出来る。
b氏の場合、株を取得したのが、2009年6月1日なので、取得日から1年後の2010年6月1日に株を売ることが出来るわけだ。
ちなみに新株予約権行使で株を手に入れた場合は、株取得日が制限期間内であっても、公開日に売ることが可能である(新株予約権の取得は制限期間外)。
それでは上記の事を未後悔株に当てはめてみよう。
例えば、「来月上場します」と言っているBという会社があるとしよう。このB社が本当に来月上場するかどうかは今回措いておくとして。
その株を買ってしまったc氏という方がいる。仮にB社が来月本当に上場したとしても、c氏は取得してから丸1年はB社の株を売れないことになってしまう。
逆に、「来月上場」と言っているのであれば、B社はc氏に対して払込日までに確約書の提出を請求しなければならない。その確約書を請求してこないということは、ルール違反となり、どの市場でも上場出来ないことになる。もう少しひねって考えてみると、確約書を請求しないということは、その勧誘日から起算して最低でも1年と2日は上場する気がないということになる(勧誘日が決算日で公開日が決算日の翌日の場合。あくまでも理論上ということで、実際やろうとすればかなり厳しい日程)。
さて、上記の事を考えると、結局「数ヵ月後に上場します」という確約書の提出を請求してこない会社(未公開株)は絶対に数ヶ月後には上場しないということである。
また仮に確約書を提出したとしても、「取得日から1年間は売る事が出来ず、初値では絶対に売れない」ということになる。
現在勧誘のある未後悔株はいくら業者が「数ヵ月後に上場します」と言ったところで、確約書の提出を求めてこないようであれば、1年以上は絶対に上場出来ないのである。
今まで、何十種類と未後悔株を紹介し、だらだらと上場しない理由を書いてきたが、結局はすべての未後悔株は
「確約書の提出を求めてこない場合は、取得日から1年以上は絶対に上場しない」と結論出来るのである。
言うなれば、すべての未公開株は「確約書の提出を求めてこない場合は、取得日から1年以上は絶対に上場しない」の一言で片付いてしまうわけだ。
そういう訳で、最初に「元も子もない」と書いたわけである。
実は、今までも「取得日から1年間は売れない」「公開が決まっている株は公開数ヶ月前に出回らない」(正確には確約書の提出がないもの)というのは知っていた。
しかし、発行会社自身が「上場する」と言っているものを、たかが筆者のブログでただ「売れない、上場しない」と書いたところで信用してくれないと思っていた。それは今でも変わらない。
なので、今まで色々とグダグダの説明を付けて外堀を埋めていくような内容の文章を書いてきたわけだ。
今回読者の方からご指摘を頂き(ao様ありがとうございました)、改めて「公開前規制」というのを調べ直し、その調べた結果を紹介した訳である。平成13年に規制が変更され、現在では制限期間内でも第三者割当増資など条件付で可能となっている。
それでも、これからの銘柄紹介も今まで同じようには続けさせて頂く。
しかし、その内容の前提には「確約書の提出を求めてこない場合は、取得日から1年以上は絶対に上場しない」というのがあるのでご了承願いたい。
*「確約書の提出を請求」=「上場が決定」という訳ではないのでご注意を。
確約書の提出をもし未公開株発行会社に請求された場合、必ず未公開株発行会社に紙面2通を作ってもらい、一通はは必ず自身で保管したほうがよい(割印も必要)。なぜなら万が一の場合その書類が「上場します」と言った証拠になるからである。
