昨日の新聞報道について、今日は細かく書いていこう。

 報道によると、A&G(販売部隊)の社長である高橋秀樹氏も逮捕された。これは、実行部隊だったので遅かれ早かれいずれはと思っていたが、TCGの社長であった松本英雄氏がイー社の株を売っていて逮捕されたというのは少々驚いた。
 もともとTCGとイーマーケティング社が繋がっているということは度々このブログでも書いてきた。しかしTCGは別件だと思っていた。

 そのTCGだが、イーマーケティング社の株をどれだけ売っていたかは不明であるが、TCGが主に扱っていた未後悔株は、現在いまだ金融庁から検査中の日本振興銀行の株券である。

株式会社ティーシージー
資本金:500万円
東京都中央区東日本橋2-13-5松丸ビル3階
代表取締役松本英雄
平成18年5月25日設立
平成20年2月15日解散

 この報道により、TCG=イー社グループが確定した。ということは、日本振興銀行の株券の代金も反社会的勢力に流れたことが確定となった。
 
 TCGが売っていた日本振興銀行の未後悔株は、役員のものや日本振興銀行が直接発行したものではなく大半はA井氏がTCGに流したものである。単純に言えばA井氏が株券を流出させたことにより、反社会的勢力に資金が渡っていまったわけである。(今回の事件はただの未後悔株詐欺事件ではここまで警察も動かなかっただろう。資金の流出先が一番の問題だったのだ。A井氏も今や気が気ではないだろう。)
 
 このA井氏は日本振興銀行が認めた株主である。また実は、日本振興銀行はお知らせやらインフォメーションで度々「当行の株券の譲渡には、事前承認が必要であり云々」と言っている。この文言は最近出た言葉ではなく、2007年度から使われていた。
 さて、今まであまり気にしていなかったが、よく考えてみれば日本振興銀行の株券を譲渡するには、日本振興銀行の事前承認が必要なのである。ということは、現在きちんと株主になられている方は、日本振興銀行から事前承認プラスその後取締役会の承認があったことになる。
 
 ここでTCGの話に戻してみよう。
 TCGから買った株主の大半は、名義変更が済んでいる。ということは、日本振興銀行の言葉を借りれば、この株主は、「日本振興銀行から事前に承認をもらい尚且つ株券取得後にも取締締役会の承認があった」ことになる。
 もう少し飛躍してみると、もとの株主であったA井氏は日本振興銀行にTCGもしくはその黒幕に株券を譲渡することを認めてもらったということになる。もしくは、A井氏は日本振興銀行にTCGを通して不特定多数に株券を譲渡することを認めてもらったということになる。
 日本振興銀行はTCGとは一切関係がないと言っている。そうだとすれば、A井氏が不特定多数に株券を譲渡することは認めたということになる。

 それ以外に考えられることもある。
 実際日本振興銀行は、株券の出回りには一切関与していない。しかし、譲渡制限が付いているため譲渡を認めないと、株券の買取もしくは買取先を探さなければならない。それを避けるために譲渡を許可したということである。(この場合、世間に公表していることと自ら行っている行為が矛盾してしまう。まさか日本振興銀行がこんな矛盾を犯しているはずはないと思うが)
 
 どちらが正解かは分からない。しかし、日本振興銀行が公表している言葉(「株券譲渡には事前に承認が必要」)を信じるのであれば結果、TCGとは直接絡んでいなくともTCG絡みの株券の流出には関与していることになる。
 確かにこれでは「当行が直接被害を受けたわけではない」と言っていたこと、株券を流出させた株主に注意喚起をしなかったこと、あっさりTCGから買った株主に対して名義変更を認めたこと、TCGに対して法的処置を起さなかったことに説明がついてしまう。

 奇しくも、昨日、日本振興銀行は四半期決算概要を出した。四半期だけで前年度の黒字を超えたようだ。まさに、不況知らずである。日本振興銀行の営業努力には頭が下がる。大手の都市銀も見習ったほうがよい。
 しかし、ここまで事件が大きくなってしまったのである。あの時、TCGから買った株主に対して名義変更を受け付けずそのまま買い取っていれば、汚点を残さず正々堂々と被害者側に立場に立てたはずである。おそらく被害総額は数億円だろう、不況知らずの日本振興銀行であれば買い取れた値段だろう。


 最後に何度も言っているが、「株式の譲渡には事前承認が必要」と書いているのは日本振興銀行である。筆者が勝手に言っていることではない。これは日本振興銀行のHPで確認出来る。
 日本振興銀行側が「事前承認が必要」と言っているからには、TCGから買った株主も事前承認があったということだ。
 くどいようだが、まさか矛盾を押し通して株券を買い取りたくないために名義変更を認めた何てことはあるまい。
 日本振興銀行はこのことをどう説明するのだろうか。