野球部員の特待生制度の根絶を宣言したのは、先月の20日のことであった。今回の件について日本高校野球連盟は、部長の退任や対外試合の禁止など、非常に厳しい処分が下されるはずであった。
 ところが、この方針が早くも方向転換されることになった。高野連は、特待生制度の打ち切りにより就学継続が困難になる野球部員たちを救済するため、学校側の裁量による奨学金給付を認めことにしたのである。
 突然のこのような決定がなされたのは、特待生制度が想像していたよりもはるかに日常化していたことにある。調査の結果、全国376校7971人もの特待生がいるという実体が明らかになったからだ。そのため、被害を最小限にとどめることが最優先であると考えたと思われる。だが、今回の決定では奨学金給付の基準があいまいであるため、今後もしばらくは混乱が続くと見られる。
 このような混乱を招いたのは、全面的に高野連の責任であると思う。今回、裏金の問題の発覚の発端となったのは、西武球団の問題が明らかになったことからであった。しかし、高野連は以前から特待生制度の実体をある程度は把握しており、実際にそれに関する通達を出すなどしていたが、結局それには何の意味も無かった。これまで、何の対策を講じてこなかった高野連の責任は非常に重大である。
 また、高野連は依然として特待生制度の禁止の姿勢をかえていないことにも疑問が残る。私は、特待生制度そのものが悪いものであるとは考えていない。スポーツや芸術などさまざまな分野で秀でた能力を持っている子たちには、認められていいものである。また、学校側としても、それぞれの独自色を出せるし積極的に導入しても良いと考える。確かに、野球留学が問題になっているという現実はある。しかし、なぜ野球だけが特待生制度が禁止されているのか、という疑問に高野連は強い説得力を持つ説明を私たちにできるであろうか。現在の高野連の態度には、どうしても首を傾げたくなる。
 高野連は、いまこそ抜本的な改革に乗り出すべきである。一連の混乱を招いた責任をちゃんと果たすべきだ。上に立つものしっかりとしていないと、せっかくがんばっている方たちにとっては迷惑極まりない話である。しっかりとした統率能力が無いならば、高野連の存在そのものが意味の無いものになってしまうのではないであろうか。