2005年03月06日 13:22 [Edit]

小さすぎる「公の器」

TV朝日の「サンデースクランブル」のVTR収録のrequestが来た。微妙な時期でもあり、最初はお断りしようかとも考えたが、逆に質問しておきたいこともあり、また主張したいこともあったのでrequestに応じることにした。


収録は土曜日に行なわれ、日曜日に放映された。収録は当初予定の30分から15分ほどオーバーした。放映されたのは60秒弱だろうか。

収録は終止和やかな雰囲気の中行なわれ、対応も大変に丁寧であり、悪意のある質問などはなかった。にも拘らず、最終的に放映された部分を見ると、やはり番組制作側にとって都合のよい部分のみを抜き出して使っていた。明らかに「もしニッポン放送がライブドアによって買収された場合、人事は過酷になるのでは」という番組の「隠れた主張」を補強するのに都合がいい部分が放映されていた。

私はそのことを責めるつもりは全くない。45分のinterviewを30分の番組で流すのは不可能である。物理法則による制約を人のせいにするのは間違っている。

そしてその物理法則こそが、放送が「公の器」としては小さすぎることの最大の証明なのである。チャンネルは1局に1つしかなく、一日は86400秒しかない。これだけ小さな器に公として必要なものを全て詰め込むのは不可能だ。そしてそれを人間が編集する以上、そこに主観が入る余地は避けられない。放送による報道とは、実は編集者という作者が「ノンフィクション」という素材を「コラージュ」して作った「フィクション」であるといったら言い過ぎであろうか?

だからといってInternetの方が客観的だというつもりはない。事実blogや掲示板はむき出しの主観の集まりである。しかし人間の営みに完全な客観はありえない。結局主観と主観がぶつかりあるのであれば、編集という名の検閲が入らないInternetの方が「まだまし」なのではないだろうか?

マスメディアは保護して,「おれメディア」は保護しないなどというのは詭弁にすぎない。いや、むしろ「おれメディア」の集合としてのInternetこそが真の"mass media"であり、物理的制約により一方通行とならざるを得ない旧 mass media は unilateral media、略して unimedia と読んだ方が良いかも知れない。

そう定義し直せば、「ユニコミ」の業界のみなさんの使命も自ずと見えてくるのではないだろうか?

それが分かっただけでも、今回のinterviewは有意義であった。この場を借りてTV朝日のスタッフに感謝する次第である。


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この容量制限がないという事実だけでも、blogosphereの方がマシだと私は思うのだが。 電波利権 池田 信夫 佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン:推定無罪はマスコミ批判の最後の逃げ場 ついでに過剰報道批判で他の問題が隠されているというのもあるけれど....
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トヨタは、フジが提示している買い付け価格の5,950円は市場価格(4日の終値は6,500円)を下回っており、トヨタ株主への説明が難しいと判断しTOBで株式をフジに売却するのをやめた。フジに5,950円で、TOBに応じた電通には株主に説明できるだけの圧力がかかったということか。
フジとトヨタ、電通【1喝たぬき】at 2005年06月04日 14:33
トヨタは、フジが提示している買い付け価格の5,950円は市場価格(4日の終値は6,500円)を下回っており、トヨタ株主への説明が難しいと判断しTOBで株式をフジに売却するのをやめた。フジに5,950円で、TOBに応じた電通には株主に説明できるだけの圧力がかかったということか。
フジとトヨタ、電通【1喝たぬき】at 2005年06月04日 14:32
自分で散々取り上げておきながら、超有名どころで出ていたのを見逃すとは。迂闊であったぞ。 放送による報道とは、実は編集者という作者が「ノンフィクション」という素材を「コラージュ」して作った「フィクション」であるといったら言い過ぎであろうか? 404 Blog Not Fo
報道は「フィクション」であるという話【Dazed Days Bootleg】at 2005年04月25日 21:20
恐ろしく古いネタでスマヌが、オレはツービートの漫才が大好きであった。 世間的にはほとんどビートたけししか注目されていなかったが、ピン状態のたけしがそれほどおもしろくないことに気づいたオレは、以降、密かにビートきよしに注目するようになった。 きよしの役割って.
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404 Blog Not Found - 小さすぎる「公の器」放送による報道とは、実は編集者という作者が「ノンフィクション」という素材を「コラージュ」して作った「フィクション」であるといったら言い過ぎであろうか? ということを知りつつもなお、本日の イブニング・ファイブはあん
Evening 5 orz...【404 Blog Not Found】at 2005年04月07日 18:10
昨日のブログは以下のように結んだ。 ------------------------------------------------------- もっとも、ニッポン放送を傘下に収める可能性は浮上したが、では、それが実現したらどうなるか。この点については、次回のブログで、ずばり予言することにしよう。 ------
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今日のゲストは後藤田正晴さんと塩川正十郎さん。 オープニングで、 「どうですか、この堀江さん」と岩見さんからふられて、後藤田さんの開口一番のコメントは、「なかなかやるな、っちゅうことやな」と。 続いて、塩川さんの「(800億円もの融資に対する)リーマンの決断
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