2005年09月30日 17:37 [Edit]

この記事をクリップ! newsing it! Buzzurlにブックマーク b.hatena.ne.jp/entry 子供が減るのが悪い理由 - 書評 - 子供が減って何が悪いか!

大変気合いが入った本である。

なにしろ、

pp. 216
負けるとわかっていても戦わなければならない時もある。それが今の心境だ。

という気概で著者が書いた本である。


しかしその戦い方は、冷静かつ科学的である。本書は数多のトンデモ少子化言説を、客観的証拠を交えて論破して行く。その過程で、少子化問題とは何なのか、またどんな問題が指摘され、どんな解決法が提起されてきたのかを自然に学ぶ事ができる。こういう熱魂冷智な姿勢から生まれた本はたいていはずれがない。

著者のスタンスは、子供を生む自由も生まぬ自由も双方保証されるべきで、そしてどちらかの選択をした場合も選択に対するペナルティーを課すべきではない、というものだ。よって目指すべきは、少子化そのものを解決するのではなく、少子化が社会問題化するのを防ぐことをもってよしとする。出生率を上げるのではなく、出生率に依存しない社会体制を確立することが肝要なのだと著者は説いている。

このアプローチ、すなわち「出生率に依存しない社会体制の確立」に私は賛成なのだけど、しかしそれが少子化の根源的な問題を解決するともまた思わない。いみじくも、著者の最後の言葉がその重大なヒントを与えている。

pp.217
子供は、親や周囲の人から愛されるために生まれてくる。それ以外に、生まれる理由は必要ない。本書は、煎じ詰めればそのことを訴えたかっただけである。

さすれば、少子化とは、「社会全体として愛する力が衰えている」という結果が自然と導きだされる。これは、下手をすると年金が破綻するだの経済が弱体化するだのいった問題が些細に見えるほど重大な問題なのではないのか?

少子化「問題」に関して網羅的な本書も、この最も重大な問いには答えていないのだ。

あなたなら、どう答えるだろう。

Dan the Father of Two


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この記事へのコメント
産む自由、産まない自由ですが、産むのに向く人と向かない人(あるいは産みたい人とそうでない人)がいると思います。
産みたい人がどんどん産める世の中なら、今より少子化は緩和されそうに思います。

本を読んでいないので、何ともいえないのですが、少子化に左右されない社会ということで、やはり移民が視野に入るのでしょうか。
日本人はヒステリックなほどに移民の受け入れを嫌う場合があるので、なかなか難しそうな気がします。

介護要員の移民を、という人々がいて、現実化しそうな気がしますが、女性だけを受け入れたら、社会問題が起きそうです。カナダで似たような問題があった気がします。

取り留めなく書き込んでしまいましたが、少子化は解決の努力と少子化に耐えられる社会づくりを同時にやるのが正解でしょうね。
Posted by takeyan at 2005年09月30日 23:20