2005年10月22日 03:29 [Edit]

「俺様書籍」山本一郎の大口

うーむ、何でこんな本を私はいつの魔に買っていたんだ。タイトルにだまされて本屋でまとめ買いする時に混ざっちゃったのかな?風邪を引いていたせいかしらん。

404 Blog Not Found:切込めない隊長
少なくともおめかししなくてもいい分、彼の書き下ろし単行本は雑誌の寄稿にくらべればずっと面白い。それでもblogにくらべたらずっと退屈だ。

というのは、本書に限れば全面撤回。まだ雑誌の寄稿の方が、他の記事もある分ましである。

注意:Amazonでは「”俺様国家”中国経済とつきあう法」となっているが、こちらが正確なタイトルである。おそらく出版間際に変えたのだろう。


出版が文春であることからして、今まで「諸君!」などに寄稿した原稿を集めたのだろうか?

あまりの「俺様」ぶりに、Amazonでも書評しておいた。書評における星の数が最低一つというのが惜しまれる位の俺様ぶりである。これが文春新書に加えられた事に全米が涙したはずだ。

まず、その文体。

一方で、冷戦を通じて中国は政治的な大国であり続けてきた。その膨大な人口を考えたら当たり前である。半世紀前は人口四億でだったのに、今や一三億である。何だ、その増え方は。繁殖するのもいい加減にしろ。

こんな調子のものが延々と続く。

blogでは拍手喝采かも知れないが、金を払ってまで何らかの知見を得たい読者に対して、また本書の扱う対象である中国人に対してずいぶんと失礼な言い草である。増長するのもいい加減にしろ。

確かに、中国政府が出す数字というのは、「大本営発表」に優るとも劣らないほどいいかげんだと私も思う。本書のテーマは悪くない。というより本書のテーマを掘り下げて分析した本は必要でもある。だからこそ、このスタイルは非常にまずい。生で食べてもうまいものにうんこを付けて食べるようなまずさだ。

ああいう文体でないとこの人は書けないのかというと、それは違う。「おわりに」の文章はきわめて冷静で、薬もないが毒もない。テーマがいい場合は、下手にレトリックを駆使せず、事実に淡々と語らせた方が響くというのがわからないのだろうか?

まあ、この香ばしき文体に目をつぶる、もとい鼻をつまんで読み進めたとしよう。すぐにわかるのは、この人はせいぜい数冊の本とWebしか資料にしていないのだな、ということ。ましてや取材はしていない。

私は現場至上主義者ではないので、資料が少ないとか足で取材していないからという理由だけで「机上の空論」というつもりはない。紙と鉛筆と自分の脳だけでも、アインシュタインは相対性理論にたどりついたのだから。もっともこちらは他に実験してくれた人がいるのだけれども。

しかし、この本には見事なほど反証に対する考察がない。「そうでないという意見に対しては、こういう証拠がある」というところがないのだ。blogなら反証は必須ではない。TBやcommentや別のEntryで補完できるのだから。しかしこれは印刷された本なのだ。パッケージなのだ。論を展開するにあたって、反論を想定しそれに対する返答を用意するのが筋ではないのか?中国人の足し算が出来ない事を責める前に、まず自分が読者をなめていることを責めるべきではないのか?

「内憂を外患にすり替え世論を分断」している中国を、「作文力不足を資料不足にすりかえ読者を分断」しているこの人が糾弾するというのは、まさに天に唾するという奴であろう。その点では道路に唾する中国人の方が賢いやも知れぬ。「粉飾国家」中国を、「粉飾作家」が書いたのが本書である。

Dan the Disappointed


この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
「まなべ」で変換したら、最初の候補が「真鍋」だったというのはファンにはないしょ:)。でも彼女の琴線に触れそうな本でもある。「サイエンス・ゼロ」の「ゼロから学べ」の声でどうぞ。 ウンコに学べ! 有田正光 / 石村 多門 404 Blog Not Found:「俺様書籍」山....
ウンコで学べ!【404 Blog Not Found】at 2005年10月25日 03:40
皇室:紀宮さまの一時金 1億5250万円とのこと、イヤ??雲の上の人は違う、うらや
1億5千万円(紀宮さま)【時事を考える】at 2005年10月22日 12:32
この記事へのコメント
ハヤカワSF文庫版の小説版ガンダムなんて存在しない。粉飾。
Posted by     at 2007年08月17日 15:03
ガンダム小説版はソノラマ文庫だろ? ハヤカワSF文庫版なんてあるのか?
Posted by   at 2007年06月16日 07:07
特に文章の書き方自体は問題なかったと思いますが。こんな書き方、講談社のブルーバックスにはいくらでもあるし。
昔、永野のりこさんが、ブルーバックスで漫画でわかるパソコン通信の本を書いたときに、こんな本を書いてごめんなさい、と後書きで土下座していた理由もわかりますわ。文体だけで、まず否定されますもんね。「文体が酷い」とハヤカワSF文庫を追い出されたガンダム小説版(で、角川文庫入りし、ライトノベルの元となる。)を思い出します。

反証への考察がなさすぎるってのは同意ですが。後書きで、「関岡 英之さんなのの、正反対の立場の本も併せて読め」と一言書き加えたら問題なかったんだろうな。
Posted by ええっと at 2005年11月10日 21:29
人のことを言う前に自分の行動について弁解してくれ
批判的な意見だからて自作自演の工作はいい加減やめろ

まとめサイト「キャッチミーイフユーキャン」 切込隊長@山本一郎は嘘つきなのか?
http://blog.goo.ne.jp/catchme_2005/
私家版:切込隊長を客観的に検証するスレッド まとめサイト
http://g0aw66ngc6.seesaa.net
キーワード - 切込隊長経歴疑惑?(ソーシャルブックマークフロッグ!)
http://www.flog.jp/labelinfo.php/%90%D8%8D%9E%91%E0%92%B7%8Co%97%F0%8B%5E%98f%81H
デル株は1株2ドル40セントでは買えなかった。
http://www.geocities.jp/kirikomi1973/Dell/index.html
切込隊長@山本一郎と扶桑社
http://fusoshatokiri.seesaa.net/
切込隊長@山本一郎辞典
http://blog.livedoor.jp/kirik_0104/
Posted by 山本へ at 2005年10月23日 16:43
子飼さん、本当に読んだ?
引用の件とかおかしな論評をなさってるけど。
このままだとむしろ子飼さんのほうが粉飾に・・・
Posted by   at 2005年10月23日 16:01
エンターテイメントと一緒になってはいけないものがたくさんあります。
Posted by foursue at 2005年10月22日 13:07
>「粉飾国家」中国を、「粉飾作家」が書いたのが本書である。

するどすぎます。
ぜひ、アマゾンへレビュー投稿してください。
Posted by   at 2005年10月22日 11:43