2005年11月30日 05:59 [Edit]
空気読む暇があるなら患者読め
患者としての率直な気持ちである。
レジデント初期研修用資料: 体育会という議論手法体育会同士は、共有しているコミュニケーションスキーマが豊富だから、「以心伝心」が効く。 おたがい相手の気持ちがある程度読めるから、「空気が読める」。
空気を読むのが巧い者は、組織内において非常に有利である。上司の覚えもよく、同僚の聞こえもよく、部下からの信頼も厚い。かつての日本で出世街道を邁進するのはこのタイプだったように思える。
しかし、その空気自体が淀んだ時、このタイプはなすすべがない。外を見ないで空気を読んだ結果、白を黒と見立ててしまうのだ。いつぞやの内視鏡手術による死亡事故もまさに空気がヨんだ事故ではないのか?
このことは、別に医療の世界に限った事ではない。組織のことばかり考えていると、客や株主を忘れてしまうのだ。「空気嫁病」は、よって組織が大きくなればなるほど起りやすい。おそらく最もこの病気が蔓延しているのは政府だろう。それを感じ取ったからこそ、見た目には一番空気を読まない総理(しかし、実に空気を読むの長けた)を国民は選んだのだろう。
もちろん、空気をまるで読めないのでは組織に参画する事は出来ない。別に日本だけではなく欧米だってそうだ。互いに顔をつきあわせる機会が非常に少ないオープンソースの世界ですら、Mailing Listの「空気」(atmosphere)は厳然とある。むしろ言葉以外のやりとりがほとんどない以上、そこで醸し出された空気の呪縛は通常の組織より強いかもしれない。
とはいえ、問題の大部分は、「外」と「内」の境界で起るのだ。表皮細胞で起る「ガン」とそうでない「肉腫」の発生率を見たってわかるではないか。外の空気に対峙する事に比べたら、それこそ内の空気を読むなどということは取るに足りないのではないか?
Dan the Man on the Edge
追伸:ここで取り上げた本書は、空気を読(ま|め)ない外科医原作の、空気を読(ま|め)ない外科医の物語。大鐘先生が「もっとも空気を読まない」タイプの一派であるエホバの証人の無輸血手術を多く手がけたのもわかるような気がする。
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入院から退院までの全ての意志決定プロセスのうちで、
重要な決定の8割は、費やした時間の2割で作れます。
一方で、もっとも重要で な い 議論2割が、患者さんに
関する全議論時間の8割を占めていたりします現状もあって、
こうした体育界的な手法も含め、議論の時間短縮を目指して
いるわけです。
空気読む暇があったら…というのはまさにおっしゃるとおり
なのですが、「空気」の手を借りてでも患者さんを読む時間を
作ろうよ、というのが最近考えていることです。
くだんの「メスよ輝け」にしても、単行本8冊もの時間を費やして、
実際に主人公が治療に参加した患者数は1桁ちょっと。
時間の使いかたという部分では、スーパードクターKのほうが
上手でしょうか…。
