2006年02月18日 23:35 [Edit]

科学史から消しようの無い女性たち

前から書評しなきゃと思ってたのだけど、Refererをつらつらとチェックしていたら、partygirlさんの昔のページからアクセスがあったので。

Partygirl☆イラスト付きコラム:個人的には女尊男卑賛成ですが・・・
男性が発明・発見したもの
 例1:一般相対性理論(アインシュタイン)
 例2:ワクチンの発明(ジェンナー)
 例3:中間子論(湯川秀樹)

女が発明・発見したもの
 例1:洗濯機の糸くず取りネット
 例2:初恋ダイエットスリッパ
 例3: 嫉妬・妬み
これ書いたの男の子かな・・・彼女にふられた?

本書はタイトルとはうらはらに、消せぬほど大きな業績を残しながらもノーベル賞などの賞を逸した女性科学者達の物語。ロザリンド・フランクリン、エミー・ネーター、ハリエット・ブルックス、リーゼ・マイトナー、チェン・シュン・ウー(呉健推)、ジョスリン・ベル、ミレヴァ・マリッチ。あなたはこのうち何人の名前を知っているだろう?ちなみに私は全員知っていた。理系なら全員名前を挙げられてしかるべき知の巨人なのだが、文系で知っている人たちってどれくらいいるのだろう。

なにしろ、これらの女性達は下手なノーベル賞受賞者よりもよっぽど有名な、教科書には欠かせない級なのだ。特にリーゼ・マイトナーは元素の名前にまでなっている(元素番号109)。にも関わらず、著者の大江氏が「消された」と強調しなければならないのはなぜなのだろう。

ここではあえて結論を出さず、本書を一読することを薦めるに留める。一つ言えるのは、「科学者」、特に自然科学者という属性に対し男性か女性かを問うのは、肌の色、ましてや血液型を問うのと同じぐらい無意味かつ愚かなことだということ。

本書のいい点は、男女の能力差論に陥ることなく、淡々と彼女達の業績を紹介し、それを通して科学の扉は万人に開かれているのだということを示していることにある。彼女達は「女性だから」という理由だけで選ばれたのでは決してない。彼女達なしに今の科学がありえないのだ。だから彼女たちの業績紹介は、自ずと科学そのものの紹介にもなる。

教科書を通して彼女達を知っている--つもりの理系の人も、あらためて目を通すべきであろう。マイトナーやフランクリンの業績を知っている人でも、ラヴォアジエ夫人の業績までは知らないだろう。ダンナがフランス革命でクビチョンパされたのは有名でも、その後の夫人の活躍までは知らないだろうから。科学界のジャクリーン・ケネディと呼んだら、彼女はむしろ怒るだろうか。

本書の他にも、大江氏には科学史に関する良著が多い。安心してお薦めできるサイエンス・ジャーナリストだ。送料を節約するためにも、「早すぎた発見、忘られし論文」も一緒に注文するとよいだろう(笑)。

顔を晒して、堂々と、チクリや悪口を言える、雄々しい女。
匿名となれば、堂々と(?)チクリや悪口を言える女々しい男。

どっちがえらい?
・・・・って、どっちもバカ・・・・・

バカ同士、仲良くしよう

やはりpartygirlさんの方が一枚上である。やはり最後の最後のところで、男の方が毛が三本ほど足りないんだよなあ。

Dan the Male


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というわけでまずは速報。nagaさんご報告ありがとうございます。 404 Blog Not Found:The Fibonacci Code - naga さんのコメント 『ブルーバックス』つながりで、例の『科学史から消された女性たち』、絶版で話がついたみたいですね。 「ブルーバックス『科学史から消さ...
速報 - 「科学史から消された女性たち」絶版【404 Blog Not Found】at 2006年03月10日 17:51
この記事へのコメント
エミー・ネーターって、数学者のEmmy Noetherですよね。少なくとも彼女に関しては全然消されてないのでは?。ネーター環を知らない数学科の人間はほとんどいないでしょう。では一般人はと言えば、そもそも数学者自体が「消されている」状態かも。ノーベル賞に数学はないし。
Posted by sukarabe at 2006年02月19日 09:49
ジョスリン・ベルも、ノーベル賞を受賞した師のヒューイッシュの名を知っている人だったら、知らない人はないでしょう。ベルは、すぐには名声は得られなかったけれど現在では相当の名誉と地位を得ています。また、逆にヒューイッシュが一般に広く知られているとも思えません。私は理系ですが、名前を知っているノーベル賞受賞者はごく僅かです。文系の人に名前が知られているかどうかは業績が評価を受けているかどうかの指標としてあまり意味がないのでは?
 ロザリンド・フランクリンのように共同研究者によって不当に貢献を矮小化された例では、女だからというのは理由の一部に過ぎず、同じような扱いを受けた男のケースもおそらく多いのではないかと想像します。

該当図書未読で失礼
Posted by nq at 2006年02月19日 17:49
>著者の大江氏が「消された」と(中略)
>本書を一読することを薦めるに留める。
いえ、その前にこの文章をよむことをおすすめします。

工作舎のサイト
『土星的編集雑戲館』
http://www.kousakusha.co.jp/KEC/kechome.html
の、
『071 『エチカ』あるいは『科学史から消された女性たち』
http://www.kousakusha.co.jp/KEC/mp071.html

以下そこから引用。
>同書はロンダ・シービンガー著/小川眞里子他訳『科学史から消された女性たち』
>(工作舎、1992)の研究テーマ・内容を随所で借用し、タイトルまでその
>まま使いながらひとことも、原著者や訳者に礼をつくしておりません。
(以下略)
『2006年1月26日』時点での文章なので、
もう和解しているのかもしれませんが。

このサイトの情報を信用するとすれば、
ある意味この本そのものが、
『科学史から消された女性たち』の象徴みたいですねぇ…
Posted by naga at 2006年02月19日 22:32
nagaさん、
紹介ありがとうございます。とはいっても、同ページを論評できるだけの背景知識が圧倒的に不足しているので、同ページにある本のうちいくつかを注文しました。それらの読了後改めてentryを書くことにします(中間報告が随時上がる可能性大)
Dan the Man with too Many Books to Read
Posted by at 2006年02月19日 23:28
02/21時点でまだ終息していないようです
Posted by あまさき at 2006年02月24日 18:24
この本には女性科学者やラヴォアジェに関する他の日本語の複数の本からの丸写しも大量に含まれているという情報があります.

絶版・回収は時間の問題かも.

Posted by 通りがかり at 2006年02月26日 13:07
続報です:工作舎側発信の、転載可能なアナウンスを受け取りました。

盗作「科学史から消された女性たち」事件
http://ep.blog12.fc2.com/blog-entry-258.html
に追記してあります。
Posted by あまさき at 2006年03月01日 22:38
http://shop.kodansha.jp/bc/books/bluebacks/oshirase.html
読売にも記事あり
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060309i112.htm
Posted by sionoiri at 2006年03月09日 21:29