2006年06月17日 20:00 [Edit]
友人三色
その「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」が昨日届いたので早速読了。
404 Blog Not Found:エ勝手リーナの遺稿-GEROPPAさんのコメント米原万里は、エッセイも素晴らしいですが、私の一番のオススメは、単行本「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」です。
ちなみに私が買ったのは珍しく文庫ではなくハードカヴァーの方。文庫版はマーケットプレイスのみの扱いだったので、入手を確実にしておきたかったのだ。
それだけの価値があった本だった。
本作品は、以下の三作品をまとめたもの。
- リッツァの夢見た青空
- 嘘つきアーニャの真っ赤な真実
- 白い都のヤスミンカ
米原さんは1960-1965の5年間、当時チェコスロバキアの首都プラハのソビエト学校(小中学校くらいだろうか)に通う。米原さんのお父さんは、日本共産党員として、その代表として、ここプラハにある国際的な共産主義運動理論誌の編集員として勤めている。
いづれもこの時代の彼女の友人たちの当時と(執筆現在の)現代を描いた作品だが、なぜ彼女はこの順序で作品を並べたかがきになる。青、赤、白。憶測するにこれは国旗に配慮したのではないか。
当初私は「あ、ロシアの国旗か?」と思ったのだが、ロシア国旗は上から白、青、赤。この三色(といっても微妙に違うのだけど)で有名なフランスは左から青、白、赤。この三色は、国旗に使う色としてはおそらく一番人気の三色なのだけど、赤が真ん中に来ている国旗はどうも見当たらない。この三色の組み合わせに関わらず、赤を真ん中に配置した国旗というのはどうも外務省:世界の国旗あたりを見ても見当たらない。赤地というのは結構あるのだけれども。なぜか赤がどまんなかにある国旗というのはあまりない。
そう、日本の国旗を除いて。
そして本書のタイトルも、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。これは何かの暗喩だろうか?今となっては(彼女が書き残していない限り)知る由もないのだけど。
それにしても、少なからずうらやましいのは、彼女がこの「子供でも大人でもない」時代に同年代の友人を持っていたこと。その時代、私には友人はいなかった--というと極論になってしまうが、今でも交流を保っている者は皆無で、顔も名前も思い出せない。ほとんど学校に行っていなかったことも大きいが、私も努めて同級生と仲良くしようとは当時あまり思っていなかったことは確かだ。
私が急速に交友関係を広げるのは、大学に入ったあたり。それも火事で中断したまま今に至るので、私の友人は同時代人がかなり少ない。自分の上と下にはもう何人もいるのだが。
だから私は「同窓会」とか言われてもピンと来ないのだ。そう。私には「同窓」の経験が欠如している。
そのことそのものを後悔したということはあまりない。「同窓」を捨てたことで、私は実に豊かな少年時代を送ることが出来たと思うし、今があるのもその時積んだ経験のおかげだ。もし「同窓」を優先するばかり自分を抑え込んでいたら、その後友人を得ることが難しくなっていただろう。
ただ、こういう「同窓」の経験もまんざらじゃないのよ、と改めて米原さんに諭された気がする。もっともこれだけ波瀾万丈の同窓会というのもまた彼女ならではなのだけど。
同窓会に何らかの感慨を抱くすべての人に。
Dan the Classless
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基準が微妙なんですが。「オブジェクトを」「ど真ん中に」が基準で
単純な塗り分けの話では無いのでしょうか?
塗り分けでアリなら、カナダとバングラディッシュ、ドイツ、
オマーン、コスタリカ(紋無)なんかも検討しないといけない。
北朝鮮、アフガニスタン、アゼルバイジャンは微妙にアウトかな。
参考:http://www.sarago.co.jp/nfcatalog.html
品不足かつバリエーションに乏しい故に体に合うサイズの下着を見つけるのが難しい。だから手縫いというのが、社会主義の失敗を底辺部から予感させている。
私の記事を引用してくださってありがとうございます。
薫日記でよくお見かけしているので、お友達のような気になっていました。
私も同窓会、あんまり興味ないです。
まあ、時間が合えば行かないこともないですが。
米原さんの場合は特別ですよね。
異邦人たちが、異国で共に子供時代を過ごした、
もうそれだけでもうらやましいですが。
本書を読んで何か懐かしいものを感じてしまうのは、
dankogaiさんがおっしゃるように「同窓会」だからでしょうか。
今後もこちらにおじゃまさせていただきます。
確かに。バングラディッシュに至っては日本と同じ日の丸ですね(緑地)。
カナダのメープルリールも赤だ。
ドイツ、は上から黒、赤、金(黄色じゃないと聞いたことがあります)。
オマーン、あれはオレンジなのか赤なのか。
コスタリカ、紋様が入っているせいか見落としてました。
ただ、赤、青、白の組み合わせで赤が真ん中、というのはなぜかないように見受けられます。
Dan the Unflagged
あれこれ天才と呼ばれる人たちの伝記的事実を検討、とくに目立った共通点は
ないものの、唯一共通しているのが、幼年期、同年代の友人を持たずに過ごし
ていることだ、と結論していました。
もう著者も書名も覚えていないのですが、うーん、小飼さんってば、やっぱり
天才さんなのかもしれませんですねぇぃ。
『嘘つきアーニャ』を読んで面白かったという方には、『オリガ・モリゾヴナの反語法』もお勧めですよ。やはりソヴィエト学校が舞台ですが、一冊丸ごとの長編になっています。
http://bookmark.tea-nifty.com/books/2005/11/___bea7.html
ちなみに母の恩師が米原さんと知り合いだったのですが、その方いわく「あれはノンフィクションではないよ」。それを聞いて米原さんの才能を一層すばらしいと(それだけに惜しく)思いましたが。
