2006年08月04日 17:00 [Edit]

リキッド化って流動化?それとも液状化?

面白いインタビューではあるのだけど、恐縮ながらそこに一抹の負け犬の遠吠え感が混じるのは、それが高城氏だからだろうか。

honeyee.com |Web Magazine「ハニカム」
でも実際現在は、そうした“文化”とIT的なテクノロジーの世界はバラバラのままですよね。エレキギターがロックを生み、ビデオがMTVを作り、コンピュータはなにを生むのかと思いきや、株価アップの道具に成り下がってしまった。

以上の下りを見て、脊髄反射で出てきたのが以下の歌詞。

Only football gives us thrills
Rock 'n roll just pays the bills
--More of that Jazz

QueenにとってのRockは勘定の役に立っても、高城氏にとってのフランキーオンラインがそうでなかったからといって、「株価アップの道具に成り下がってしまった」はないんじゃないか、と。

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僕、びっくりしたんだけれど、web2.0について熱く語っている人たちと話したら、次のインターネット技術について何も知らないんですよ。例えば、IPv6に規格が変わるんだけれど、それを知らない。第四世代携帯電話の技術も知らない。目先の技術、すなわち『今、金に換金できる』技術しか知らないんですよ。

と言い張るなら、せめてblogの一つでもたてて、IPv6を知らない人や、4Gを知らない(こちらは私も知らない)人のblogに「門前破りTB」をかまして欲しいのだけれども。そうしない方が私にはびっくり。

アンカテ(Uncategorizable Blog) - 「リキッド化」の「面白さ、楽しさ」を共有する為の「闇」教育
高城剛氏自身の発言では、フリードマンの「フラット化」に対して「リキッド化」という言葉をぶつけている所が面白かった。両者の言っていることは高城氏が言うほどの違いは無いと私は思う。違いは、喩えて言えば、海をどう描写するかという問題で、ちょっと高い所から見れば海面はフラットだけど、海面に近づいて見れば、さまざまな表情の波がうごめいている。その視点の違いではないか。

この「リキッド化」、英語で書こうとすると、LiquidateとLiquifyの両方が思い浮かぶ。再訳すると前者は「流動化」、後者は「液状化」となるけれども、「リキッド化」には両方のニュアンスが含まれているように見える。

意地の悪い言い方をすると、Liquidateが不発だった高城氏は、自分の見識をLiquifyして今後の世を泳いでいくのだろうか、という意見にも聞こえる。

重要なのは文化だということには同感。

実は私はこの部分が全く同感でない。各々の人にとって大事なのは、各々の文化というのは同意だけど、そこに「日本」とかかぶせるのはおかしい。「日本」とか「国家」というのは、あくまで各々の文化の入れ物に徹するベキで、それ自身が「文化」を追求するというのは筋違いだと思う。

いい入れ物というのは、ものによっては衝突する「文化」を損ねることなく入れることができるものなのではないか。その観点から行くと、実は「リキッド化」というのは結構ヤヴァイ。クソとミソがより混じりやすくなるということなのだから。

文化を大事にしたかったら、より大事なのはスタイリングではなくパッケージングでないか?隣におかれてもむやみに混じり合ったりしないための。もちろん「文化どおし」がそれぞれの意志で「お互いのいいどころどり」をしてもいいし、その結果別の「文化」が発生、発展していくのは文化の醍醐味でもあるのだけれども、器にも入れない「リキッド」をただぶちまけたら、それはもう文化とはいえないのではないか。「意に入ってしまえば同じ」だからといって、胃の中身をそのまま配膳していいことにはならないのではないか。

「リキッド化」が「ゲロ化」のことだとしたら、私としては願い下げである。

でも、

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僕の新刊も660円で出してます。ハードカバーで、しかも上巻下巻のトフラーもフリードマンも、時代にあってないと僕は思うんです。

この下りには禿同。パッケージの小型化というのは、自分にあった文化を探すという点にかけてはプラス。大盛りより点心。

Dan the Liqui(dat|fy)ing Man


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加野瀬のリクエストにより書評。 ヤバいぜっ!デジタル日本 高城 剛 「インタビューの評論だけではなく、肝心の本の評はどうよ」ということで。
やばいぜっ!高城剛【404 Blog Not Found】at 2006年09月03日 13:39
ちょっと、まだ漠然としたイメージでしかないのですが、とりあえず書いてみます。 いつも関心させられるアンカテさんの、ちょっと前のエントリで、『ヤバいぜっ! デジタル日本』 の出版に伴った著者高城剛氏インタビ
リキッド化は、世界(の情報単位)がgranularize(粒状化)して引き起こされる...フラット化の奥に潜むもの【Life2.0】at 2006年08月14日 01:59
本日の株価情報は 「楽天」です。 プロ野球への進出もあって インターネットを利用しない人でも 広く認知されていますよね。 証券会社でおなじみの楽天証券も 楽天グループです。 楽天の株価情報にあたり 財務内容は 売上高 129,775百万円 ...
楽天株価情報【株式情報 by bif】at 2006年08月04日 18:50
この記事へのコメント
このレベルの文化は若者達が好き勝手して、面白いものを作り上げればいいのでは。

特に胡散臭い大人がしゃしゃり出て、論じる必要性はないでしょう。

アメリカの社会学者に対抗するのはその手の人達に任せればよくて、中途半端な文化人崩れが論破しようとするのは100年早い。

今どきのベンチャーの若者の方がよっぽどエッジがきいている。

Posted by 負け犬の遠吠えですが at 2006年08月08日 00:44
かといって仕切りがないと不安な
パズル脳が語ってみせる"文化"とやらも
一つのブサイクなデッサンにすぎないとすれば
庶民はいったい誰の話を聞けばよいのやら。

Posted by MACもAPPLE2もいっしょ at 2006年08月06日 16:05
あぎゃー。
フランキーオンラインだけだったら
「がんばった負け組」
ってことで尊敬されるのに…。

>IPv6に規格が変わるんだけれど、それを知らない。

規格が変わるんだと勘違いしてる人がいるほうが怖い。

>第四世代携帯電話の技術も知らない

知ってて乗っかればいいってもんじゃない。こういう人たちが3Gの当初の大失敗を招いたわけで。今はなし崩しに進化しただけで、別に「世代が変わった」わけじゃない。IMT-2000が描いたシナリオとはぜんぜん違う。コンシューマの30%はいまだに2G〜2.5Gだし、それで不満をもってない。そこに向けておもしろいことを考えることにこそ、むしろ知的興奮があるのに。

高城氏は「デジタル」を代弁しないでほしいと思う。
Posted by Bar at 2006年08月04日 21:56
この人はビジネスでもアートでもモノにならず、かといってグローバルなことも出来ず、思いっきりドメスティックな狭い業界で幅を利かせる大人になり下がってしまいましたね。

なんだかんだで、●●省●●みたいな肩書きが大好きだし、せいぜい有名人のお友達がいるってことでしか自分の存在証明を示せないのが悲しい。

いい年こいてDJやトラベラーぶりを顕示しているのが貧乏臭い。
Posted by とおりすがり at 2006年08月04日 19:21