2006年10月05日 14:00 [Edit]

日本(ヒノモト)さんちの家計の事情

国家を家庭に例えるなら、政府「だけ」を家計の対象にするのは間違ってます。

分裂勘違い君劇場 - もし政府が月収40万円の家庭だったら
もし、日本政府の財政が、月の手取り40万円の家庭だとしたら、
そのうち、ローンの返済(国債費)が、15万円あります。
なので、可処分所得は、25万円です。

私がこの家の肖像を描くのであれば、こう書きます。


日本(ヒノモト)さんちは、合計127人の大家族。大きな家族ですが、一つ屋根の下で暮らしています。

日本家の家訓では、家全体に関わる問題は、家族一人一人が勝手に解決するのではなく、家族会議を開いた上で、その結論を元に解決することになっています。そのため、それに関する費用負担も、家族一人一人から一旦「日本家族会議」名義の通帳に移し替えてから、そこから支払うことにしています。

日本さんちの家族全員の年収を合計すると、だいたい5億円。かなりの金額ですが、家族一人あたりにすると394万円弱。実はニッポン国においては平均的といえます。ただし、そのうち働きに出ている家族は64人。半分ほどです。

ここから「日本家族会議」に振り返られる金額が、5,000万円ほど。ただしこれは「日本家族会議」名義分だけで、実際はおばあさんおじいいちゃんの介護費用など、名義は別でも実際は家族会議が振り分けを決めている分がそれとは別にありますがそちらは別entryで扱う予定です。

ところが、「日本家族会議」は一年に8,000万円ほど使っています。足りない3,000万円を借金でまかなっていて、その借金の総額は5億3800万円ほどになっています。一家の年収を超えています。

やばそう?しかし面白いことに、家族会議には、家族も貸し付けているのです。実は家族会議の借金はほとんど家族が「個人貸し」しているもので、家の外からの借金は4%弱しかないのです。というわけで、日本さんち全体として見ると、家計はむしろ健全に見えます。

しかし、家庭の中は仲良くやっているとはとても言えません。特に若い家族の不満と閉塞感は深刻です。家計全般はとにかく、「日本家族会議」が破綻しているのはわかっています。それなのに、年寄りの家族は「もっと家族会議に協力しろ。会議費ももっと出せ」と言っています。家族会議は合議制ですが、忙しい若い家族は出席率もよくなく、仮に出席しても数で年寄り家族に負けているので、会議は年寄り家族に牛耳られています。

さらに若い家族が不満なのは、「日本家族会議」に貸し付けているのはほとんどが年寄り連中なのに、その返済を会議費でやろうとしていることです。おかげで若い家族は借金の重みで喘ぐ羽目になっています。彼らにしてみれば、ものごころついた時に身に覚えがない借金を親や祖父母からしていることになっているのですからたまりません。

とはいえ、年寄り家族にだって寿命があります。彼らが亡くなれば、彼らの貸金は若い家族が相続するのですから、若い家族が「借りていた」分と相殺できるはずです。なにしろ、日本家の財産の合計は15億円もあります。まだまだ家族会議の借金より多いのです。絶望した家族の中には、「私を生んでくれって言った覚えはない」というものまでいます。

ところが、今のところ年寄り家族たちは、遺言書にこう書いているのです。「財産は勝哉にだけ譲る」。確かに家族会議の家訓では、財産の一部は家族会議名義になることになっていますが、それらは会議費の1%しかありません。残りは家族全員ではなく、勝哉君を含めた特定の家族にだけ配分されます。家族会議への貸し付けも含めて。

これでは家庭は円満になりようはありません。


上のシナリオは、日本(ニッポン)に関わる数字をそれぞれ100万で割ってはじき出しました。これなら少しはわかり易いのではないでしょうか。127人だと多すぎる気もしますが、これよりさらに1/10だと、今度は世代あたりの人の数が少なすぎて、最後の部分がわかりにくくなるのでこうしてみました。

分裂勘違い君劇場 - もし政府が月収40万円の家庭だったら
GDPを家計にしてみた方が話としては面白かったかな。

ということです。

Dan the Family Member by Accident


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404 Blog Not Found:日本(ヒノモト)さんちの家計の事情
404 Blog Not Found:日本(ヒノモト)さんちの家計の事情【】at 2012年01月19日 01:13
http://www9.plala.or.jp/rescue/08.html 現在までの国の借金は、そのほとんどがアメリカ国債購入と、国際連合国への不等に高額な献上金、そして癒着構造で私腹を肥やす為の身勝手な血税流用の3本立てである。日本が持っているアメリカ国債は、民間と合わせると430〜500兆円
[政治]アメリカの国債を買い続ける日本の政府【ほねsたほぃcのめろんうま日記】at 2006年11月07日 07:41
財政再建に関する議論が巻き起こっている。 http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061005/1160017329 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50649779.html http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061005/1160041844 http://d.hatena.ne.jp/arn/20061005#p1 htt
[経済][経済学]貸し手のことを忘れた政府の借金議論【酔狂人の異説】at 2006年10月11日 05:44
[ネタ元]もし政府が月収40万円の家庭だったら(分裂勘違い君劇場)http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061005/1160017329 [とそれに続くエントリー]日本(ヒノモト)さんちの家計の事情(404 Blog Not Found)http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50649779.htm
[マクロ経済学] 分裂勘違いさんとDanさんの議論で少し疑問に思ったこと【ハリ・セルダンになりたくて】at 2006年10月09日 15:40
美しい国、というのが最近のキーワードらしい。 もともと日本人の価値基準は「善悪」...
2006/10/6 美しい国【提督の野望 海軍広報】at 2006年10月06日 16:34
日本の財政維持可能性について、次のエントリがはてなブックマークで注目を集めています。 「もし政府が月収40万円の家庭だったら」(@分裂勘違い君劇場10/5付) 「日本(ヒノモト)さんちの家計の事情」(@404 Blog Not Found10/5付) 前者は、財務省がよくやる財政を家計...
[government][economy]日本の財政の維持可能性試算‐バランスシートアプローチ【bewaad institute@kasumigaseki】at 2006年10月06日 04:11
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50649779.html これを読んでやっとわかりました。 借金だというから、国債を外資に買わせているのだとばかり思ってました。 それなら、借金を踏み倒されて困るのはよその国の人だけなので、世界が日本を救ってくれるはず、と見て
誰から金を借りているのか【Waferの日記】at 2006年10月05日 23:27
分裂勘違い君劇場:借金を「返済するべき」人と「実際に返済することになる」人 404 Blog Not Found:日本(ヒノモト)さんちの家計の事情 言っちゃなんだが、元ネタの財務省「我が国の財政を家計にたとえたら・・・」が出鱈目過ぎないか。
財務省の出鱈目たとえ話を元ネタする愚について【佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン】at 2006年10月05日 22:53
リンク1: もし政府が月収40万円の家庭だったら. リンク2: 日本(ヒノモト)
日本の財政事情【悪徳商法?マニアックス ココログ支店】at 2006年10月05日 19:44
この記事へのコメント
家族一人当たりの年収が393万円、働いているのが家族の半分
とすると、働いている人の年収は786万円になってしまいます。
GDP=家族全員の年収としているのがおかしいのでは?
財産15億円も国民の個人資産のことであれば、年収にGDPを使い
資産には国民のものを使うのはおかしいのでは?

5年とか10年以内とか早く(年寄りが死んでしまわないうちに)
借金を返すことさえきっちり決めれば、若い者はお金がないわけですから
必然的に、年寄りと勝哉君に大きく負担してもらうことになります。

このたとえには大きな欠陥があります。
家族の中の1人の責任に全然触れられていないことです。
過大な借金にならないように、運営する責任と権限をもっている公僕が
失敗したわけであり、今後も責任も取らずに引き続き運営していくことです。彼らも家族の一員ですが、それこそ他の家族から先ず責任をとれと
いわれるでしょうね。
Posted by 期待人 at 2006年10月12日 20:32
漢字や用語が多く、比喩の持つ利点を殺している感じがします
Posted by . at 2006年10月08日 03:57
肩たたき権というのは上手い例えですね
Goldによる裏づけが無くなって以降、紙幣は確かに
肩たたき権といっても差し支えないのかもしれません。
通貨の交換レートの変動なんて、キツネとタヌキの
化かし合いみたいな部分もあるでしょうか。

http://cruel.org/krugman/babysitj.html
この文は全ての小学校の教科書に載せてみて欲しいなぁ、、、
Posted by hama at 2006年10月07日 01:56
>日本さんちの家族全員の年収を合計すると、だいたい5億円。
>そのうち働きに出ている家族は64人。半分ほどです。

「働きに出ている」とは何処へ?

以前もコメント欄で紹介させていただきましたが、
http://www.pkarchive.org/trade/company.html
にあるように、一国経済は大まかに言って閉鎖系システムなのです。

5億円というのは、実は、落語の「花見酒」と同様、大部分が家族
同士でお金とサービスをやり取りした結果に過ぎません。

また、この「円」という単位も、普通の家族での「肩叩き権」が
肩叩き何回に相当するのかというのと同様、日本さんちの家族同士
で流通している家族紙幣の単位に過ぎません。
(http://cruel.org/krugman/babysitj.htmlもご参照ください)

そう考えると、その「円」で計った額の帳尻を絶対視するのが、それ
ほど本質的ではないことがお分かりいただけるでしょう。
Posted by 暇人 at 2006年10月06日 23:47
勝ち組。
資産家やら何やら、まあ庶民でない人々でしょ
発展なにやら国にえらそうにいる、まあその手の香具師ら
Posted by     at 2006年10月06日 10:36
空気嫁っていわれるかもですが、勝哉君って誰ですか?
Posted by ff at 2006年10月06日 05:09
"絶望した家族の中には、「私を生んでくれって言った覚えはない」というものまでいます。"の部分は前か後ろの段落につくのでは?
Posted by yasu at 2006年10月05日 20:45