2006年10月13日 13:00 [Edit]

お坊さんだって悩んでる

うーん、ツボをつかれた。

私はこういう「業界人どおしの問答集」に弱いのだ。


本書「お坊さんだって悩んでる」は、坊主にして芥川賞作家の玄侑 宗久(げんゆう そうきゅう)が、業界紙である「寺門興隆」に連載していた同業者からの悩み相談をまとめたものである。

ぐだぐだ解説するより、どんな質問ががあったかを見る方がわかりやすいだろうということで、質問だけ全部書き出してみた。

  1. 子供にお葬式の意味を教えるには何と言ったらよい?
  2. 最近の遺影は派手すぎるのでは?
  3. 逆縁だと親が火葬場に行かれない?
  4. 夫の遺骨を散骨にしたいという願いをどうする?
  5. 墓参や法事をしない檀家にはどう対応する?
  6. 愛犬の遺骨を先祖代々の墓に入れたい
  7. お布施はいただくのに、寄付をするのが嫌いなのは悪いこと?
  8. お賽銭箱のお金はどう使われるの?
  9. オウム真理教の麻原教祖の死刑を、どう考えたらよい?
  10. 戦争には反対ですが、イラクに派遣される自衛隊員になんと言ったらよい?
  11. 大震災のボランティアに行かれず後ろめたいのですが、どうすべきでしょうか?
  12. 鉄道が遅刻を避けるために大事故を起こしましたが、時間厳守はどこまで大事?
  13. 携帯電話を手放すと不安でたまらないのですが、病気でしょうか
  14. お寺はなぜ大きいのか?維持費も掃除の労力も、無駄にかかるのでは?
  15. 檀家さん以外の参詣や観光客に、どう対応したらよいか
  16. 仏教と、それ以外の信念を、同時にしていいものですか?
  17. 人前で話すのが苦手な和尚さん。読経だけで法話をしないのですが...
  18. お寺に定休日が合ってもよいか?
  19. お正月はなぜおめでたいか?何を祝うのか?
  20. 僧侶はなぜ特別の衣を着ているのか?
  21. 正座が苦手で、椅子席の方があり難いのですが、寺ではどうするべき?
  22. お盆の棚経は、檀家に取って負担なので、辞めてもいい
  23. 厄落としやお守りは、本当に効くのか?
  24. お寺の跡継ぎの副住職が、結婚を迷っているが、どうしたらよい?
  25. 娘が住職を継ぐと言っているが、女性住職など初めてでとまどっている
  26. 住職の跡取り息子が茶髪。どういさめるべきか?
  27. 十歳の一人息子を跡取りにするために、どう育てたらよいか

とても「聖職者」とは思えない俗な質問ばかりだが、それだけに現在における日本の仏教界の姿がよく見えてくる。坊主ばかりを責める訳にもいくまい。元々仏教には「プロの聖職者」なるものはいなかった。出家とはあくまで自分のためにするものだった。それが仏陀になりもしないうちに檀家の悩みを相談される。悩みもするし相談したくもなるだろう。

また、質問が俗っぽい分かえって坊さん以外にも価値のある問答が多いのもよい。同業者にしかわからない問答は、やはり専門書ということになるだろうし。

宗久の答えも、またいい。どの質問にも、師が弟子に説教という姿勢ではなく、同輩が同輩を励ますというスタイルを取っている。質問によっては逆に答える方が悩んでしまったり、我が身を振り返ってとても言えた義理でなくなってしまったりもするが、そういうことも包み隠さず語っている。

これ、他の「悩みを解決する職業」でもシリーズ化してほしいなあ。「お医者さんだって悩んでいる」とか「弁護士さんだって悩んでいる」とか。

Dan the Layman


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[[お坊さんだって悩んでる>http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50657514.html]] お坊さんにして作家の玄侑 宗久先生が同業のお坊さんの悩みに答えた本とか。 もっともで深刻な悩みもあれば、とても仏教の修行を修めたお坊さまとは 信じがたいような悩みまで....
誰でも悩んでる【clausemitzの日記】at 2006年10月14日 01:50
まるで、仏教界の白石さん? 404 Blog Not Foundさん:お坊さんだって悩んでるを昼過ぎに見て、出先の本屋さんで即購入、なかなか面白く読ませていただいています。 融通無碍に、(儒教や道教の影響等もふまえて)「否定して指導する」のではなく、「肯定して感化する」スタ...
お坊さんだって、オッさんだって悩みますw【黄色いブログ手帖】at 2006年10月13日 23:05
この記事へのコメント
誤>私はこういう「業界人どおしの問答集」に弱いのだ。

正>私はこういう「業界人同士(どうし)の問答集」に弱いのだ。

 では?
 昨日投稿したら弾かれました(汗
Posted by 有我悟 at 2006年10月14日 20:27
この雑誌について、以前記事でとりあげたことがあります。
古いんですが、ご参考まで。
http://www.h-yamaguchi.net/2004/11/post_4.html
Posted by 山口 浩 at 2006年10月14日 16:20
subutaさん、
ご指摘ありがとうございます。
というか、直そうとしたところに来客があったので。
Dan the Man to Err
Posted by at 2006年10月13日 13:39
アマゾンへのリンクが間違ってますぜ。
Posted by subuta at 2006年10月13日 13:17