2006年11月14日 13:45 [Edit]

経済成長は手段か目的か? - 書評 - 貧困の克服

いいえ、違います。

404 Blog Not Found:There's gotta be more than one theory to run the bazaar-山形さんのコメント
あなたの最初の主張は、経済成長を求めるのがまちがっているということでした。

今の日本においては、経済成長よりも先に考えるべきことがあるのではないか、と言ったのです。


また、経済成長一般が悪だと言った訳でもありません。発展途上国においてはまだ経済成長は必要です。まずパイそのものを大きくしなければ、配り切らないのですから。

しかしパイそのものが充分大きくなった世界においては、パイを大きくするよりも、どうパイを切り分けたかを考える方が重要なのではないですか、ということなのです。

経営の場合、答えは簡単です。「なるべく次に作るパイが大きくなるようにパイを切り分ける」。この場合、経済全体をパイに例えるよりも芋に例えた方がいいでしょう。一番上手に種芋を播くものに一番多く芋を分ける。資本主義の基本です。芋を増やすには、このやり方が一番現在のところ一番よさそうだということが、現代のラフコンセンサスです。

しかし、我々はそもそも何のために芋を育てているのでしょうか?

食うためではないのですか?

全員が食い残すほどの芋がありながら、まだ芋が足りないというのはどこかおかしいのではないですか、というのが私が主張したかったところです。

もちろん、芋が本当に足りているかどうかは、検証の必要があります。また、仮に芋が現在足りていても種芋まで食いつぶしてしまっては元の木阿弥です。まだ芋が足りていないのに建前上全員に配って全員が飢えてしまったのが共産主義で、これは20世紀の貴重な教訓として有効活用すべきです。

しかし、それはまだ「資本主義が未熟なうちに共産主義に移行してしまったからだ」という意見もありえます。その意味ではまだ我々はケインズどころかマルクスも反証しきったとは言えないのかもしれません。

匿名さんのコメント
厚生経済学の第一定理を知ってますか?知らないでしょ。

こちらのことでしょうか。

厚生経済学の基本定理 - Wikipedia
厚生経済学の基本定理とよばれる。 厚生経済学の第一基本定理は、消費者の選好が局所非飽和性を満たせば、競争均衡によって達成される配分はパレート効率的である、というものである。

しかし、これに対してはこういう反論もあるのです。

Pareto efficiency - Wikipedia, the free encyclopedia
Amartya Sen has elaborated the mathematical reasons for this criticism, pointing out that under relatively plausible starting conditions, systems of social choice will converge on Pareto efficient, but inequitable, distributions. A simple example is dividing a pie into pieces to distribute among three people. The most equitable distribution is each person getting one third. However the solution of two people getting half a pie and the third person getting none is also Pareto optimal despite not being equitable, because the only way for the person with no piece to get a piece is for one or both of the other two to get less, which is not a Pareto improvement. A Pareto inefficient distribution of the pie might be each person getting one-quarter of the pie with the remainder discarded.

山形さんが見ている前でなんですが、非常にわかりやすい文章なので翻訳してみましょう。

アマルティア・センはこの批判を数学的に洗練した。比較的もっともらしい初期条件のもとで、社会選択のシステムがパレート効率的であるにも関わらず不平等な配分に収束しうるというのだ。単純な例として、パイを三人で分けることを考える。単純な答はパイを三等分するというものであるが、パイを二等分した上で二人に渡し、一人には何もわたさないという不平等な配分も、残りの一人にパイを配るには二人のパイの配分を減らすしかない故にパレート最適である。パレート最適でない配分法は、例えば四等分したパイを配った上で残ったスライスを捨ててしまうというものである。

私はなにもパイを小さくしろとも配分しきれないパイを捨てろとも言っていないのです。そもそもパイがなければ配りようがないのですから、パイを絶やさぬようにする努力は依然続ける必要があるでしょう。

しかし、そろそろ考えてもいいのではないでしょうか。

パイをどこまで大きくすれば充分なのかを。

Dan the Well-off (for the Time Being)


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404 Blog Not Found:経済成長は手段か目的か?芋が本当に足りているかどうかは、検証の必要があります。また、仮に芋が現在足りていても種芋まで食いつぶしてしまっては元の木阿弥です。まだ芋が足りていないのに建前上全員に配って全員が飢えてしまったのが共産主義で、こ...
問題は感情であり、分配ではなく、モラルでもない【worldNote】at 2006年11月15日 16:16
私は経済学の学位も持っていなければ、ましてや、開発関係の勉強は始めたばかりです...
パイを誰と分けるのか?【ふぉーりん・あとにーの憂鬱】at 2006年11月14日 15:48
この記事へのコメント
osakaecoさん、
恐縮です。「最近TBがうまく行かない」という報告がいくつかあるのですが、
なぜでしょうねえ?確かにTBはunreliableなことが結構あるのですが。
逆に他のblogに大してTBがかかったりかからなかったりということもあります。
そのblog hostがbusyの場合が多いようです。
今後ともよろしくお願いします。
Dan the Reckless Student of Yours
Posted by at 2006年11月18日 15:33
トラックバックがうまくいかないのでコメントで失礼します。

厚生経済学の基本定理
http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20061117/p3

先日は生徒扱いして申し訳ありません。「良」ということで
お許しを。
Posted by osakaeco at 2006年11月18日 11:08
パイが余るとしても怠け者に分けるくらいなら捨ててしまった方がいい。そうしないと怠け者は何時までたっても怠け者だ。と考える人は多いのでは?
Posted by イルカ at 2006年11月15日 23:31
ここで紹介された本、アマゾンじゃ絶対買わないもんw

Posted by ほほほ at 2006年11月15日 23:03
結局、人集めてアフィリたいだけじゃないの?

Dan the wannabe richer
Posted by あ at 2006年11月15日 15:14
>>tnkさん
折角わかりやすかったのに・・・
Posted by めん at 2006年11月15日 11:05
いつもはエントリ本文のTypoを指摘してので,
たまにはコメントのほうを指摘してみる。

>子飼さんの
  →小飼さんの

MS IMEの辞書だと登録しないと変換できないので,
面倒な人は「弾さん」と書くのが吉。
Posted by tnk at 2006年11月15日 10:42
2ちゃんねらのような人だ・・・
Posted by 初学者K at 2006年11月15日 10:31
本人だよ〜ん。www

http://osaka.eco.toyama-u.ac.jp/~osaka/
Posted by リフレ派 at 2006年11月15日 09:35
弾さんの上記の引用はあんまり意図が明確じゃない気がしますね。

最初の厚生経済学の話は競争均衡下ではパレート効率性が達成されている、っていう話で、まあ要するに競争というのは効率的な結果を生みだすよ、っていう話です。

後半のセンの話はsocial choiceの話で、みんなで話し合ってパイの分配を決めるとパレート効率的にはなるんだけど、ものすごい不平等になったりするよ、っていう話のようです。

というわけで、結局のところこの引用から何が言いたいのかがあまり見えてきません。大雑把に言えば、前半は経済の話で後半は政治の話でしょう。それがどう繋がって、

>しかし、そろそろ考えてもいいのではないでしょうか。
>パイをどこまで大きくすれば充分なのかを。

という結語になるんでしょうか。
Posted by けら at 2006年11月15日 02:09
>山形さんへ

今度も、申し開きの一つも入れないつもりか?
つーか、入れられないだけか…

> サムエルソンのはじめのころの国民所得の説明って、いまの教科書と
> あんまりかわってないでしょ。最近のマンキューあたりのほうがいい
> かげんになってるくらいで。理論的になら、経済厚生と国民所得が逆
> に動くようなモデルなんてすぐつくれるでしょう。結局、最高ってい
> うより、惰性で使ってる側面すらあるでしょ。特に生産がからむと、
> さっきいった資本の集計問題もあるし。最高のものの一つというなら、
> それちゃんと書いてる論文おしえてください。
地方(≠痴呆)にいるけど賢くなりたい経済学教員
http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20061114/p2
Posted by ダメだし at 2006年11月15日 00:50
ウザイついでに張っとくね♪

http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20061014
http://academy4.2ch.net/test/read.cgi/sociology/1147863235/
Posted by マフ at 2006年11月15日 00:22
山形がしゃべればしゃべるほど経済成長は遠のくわけだ。こいつ某国のry
Posted by 高山 at 2006年11月15日 00:19
勘違いしてるみたいだけど、私は内藤先生ではないですよ。

>似非専門家さんへ
Posted by マフ at 2006年11月15日 00:09
ところで。
弾の威を借るフマ・・・一番ウザイタイプですね(笑
小学生だったらイジメてしまったかも・・。

さ、ここからなぜイジメが起こるのか、イジメられる側に非は無いのか、という話でもしましょうか(笑

まぁ弾シンパの方々も、もう少し勉強しないとね。
Posted by 弾劾 at 2006年11月14日 23:13
こんなレベルで問題をすり替えてうまい事いったつもりになってるなら弾さんも終わってる。小学校にいた「自分のプライドを守るために嘘をつき続ける子」と同じレベルだ。

それで、と。

>「いや、今までの経済学でそれは充分説明が付く」というのであれば、そのポインターを示して欲しい。

ポインターは十分でしょう。山形さんが懇切丁寧にアホに付ける薬を塗ってあげてるのですから、もう少し感謝するのが大人ですよ。
Posted by 弾劾 at 2006年11月14日 23:08
パイを大きくするかどうかなんか議論する必要がある事なんですかね。人間の知識とか技術は掘っておけばドンドン進歩していくわけだから、無理やりそういうものを封じ込めないと0成長なんか無理でしょう。先進国がもう十分なパイがあるとしても後進国がそうでないなら、援助するためには先進国のパイが大きいに越したことはないはず。わざわざもう先進国は豊かだから成長しなくていいというのは援助もこれ以上しなくていいというようなものです。
Posted by ◎ at 2006年11月14日 23:05
>資本主義がおかしな方向にいっているのは確かな気がする

確かに今の資本主義は最悪のシステムです。ただし、今までに試された他のすべての経済システムを除いて。

(・・・それが、「20世紀の貴重な教訓」ではないですか?)

>しかし、そろそろ考えてもいいのではないでしょうか。
>パイをどこまで大きくすれば充分なのかを。

その通りだと思います。ただし、その答えが出ることがあったとしても、それまでには我々は皆死んでいるでしょう。
Posted by cliche集 at 2006年11月14日 23:01
日本の経済学マニアをダメにしてる。というか、
経済学界隈から一般世間への経路をダメにしてる。
Posted by なるほど at 2006年11月14日 22:06
つまり山形が日本の経済学界隈をダメにしてるでFA?
Posted by 片山 at 2006年11月14日 21:45
> なぜ経済成長が問題視されなければならないのでしょうか?
バッカだなあ。問題視してるのは山形マクロケーザイ教だよ。

だからダメだししてるの。分かりましたか?
Posted by fuma at 2006年11月14日 21:40
>> バッキー・フラー信者 さん
遅くなりました。
私のたとえ話には、ご賛同いただけなかったようですね。
逆に私も、シナジー幾何(シナジェティクス)が普及すればテンセグリティ建築が
実用化されるというあなたのご意見に対しては、あまり賛成できないのです。

ただ、この対話をこれ以上進めると、本来の経済の話から大きく逸れてしまいますし、
ここはDanさんのコメント欄ですので、このあたりで締めくくらせてください。

最後に、シナジー幾何を(あまり)必要としないドームと言えば、こんなものが
あります。ご参考までに。
http://www.stardome.jp/
http://www.apa-apa.net/kok/news/kok231.htm
Posted by no-name at 2006年11月14日 21:32
> パイをどこまで大きくすれば充分なのかを。

要するに再分配のことを言っているのですか?
そうだとすると、インセンティブの問題になりそうですけど。
再分配でないとすれば、心のもち方を改めようという精神論でしょうか?

というか、ダンさんは大切なのは経済ではなく人間の幸せだと言っておられるように思えるのですが、だとしてなぜ経済成長が問題視されなければならないのでしょうか?
労働人口の増加が起こり、人々が自分の能力の向上を図っていれば、経済成長は自然と起こるものであって(まあ、細かいことを言えばその他の要因もありますから、うまく行かないときもあるでしょうが)、経済成長そのものが糾弾されなければならない理由は何もないと思いますが?
Posted by Stock&Flow at 2006年11月14日 20:58
>経済について論理的に考えるためには、絶対に経済学を学ぶ必要が
>あります。・・・・・しかし、それと同時に、ひとつの経済学だけを
>信じて、それを経済政策などに強引に適用しようとすることも間違って
>います。経済学の「限界」を意識しながら、現実の経済との関係を
>考えて経済学を学ぶこと、それが・・・・・この本で、読者の
>みなさんに学んでほしいことなのです。
http://www.takamasu.net/damasare.html
Posted by 宣伝 at 2006年11月14日 19:56
よくわかりませんが、

コンビニの弁当がすてられたり
遠い国からわざわざ大量のエネルギーを使って輸入したり
(しかもその方がやすかったり。。)
粗悪品を景品としてばらまいて「結局捨てられ」たり
温暖化防止を「経済成長」のために無視したり

資本主義がおかしな方向にいっているのは確かな気がする
Posted by Perl独学中 at 2006年11月14日 19:48
>Danさんは集計があやしいという、山形さんが得意にしているシンプルな一部門モデルでクリアに分析することの一番不得意な部分をついているように思います。
>ちゃんというには産業連関くらい必要なんじゃないでしょうか。あ、でも、そうすると、Danさんに投資が増えて、消費がへるような数値例をみつけてこられっからあかんか
Posted by もおいっちょいっとくう at 2006年11月14日 18:12
同じとこからコピペ

>資本論争を発展させて、経済分析を深めたわけではない。新古典派に
>勝ったという過去を思い出すオナニーのおかずにしかなってない。
>(暴論モード)理論が正しいから、現状分析がよくできるという
>わけではないのだ。よくも悪くもGDPではかった経済成長というものは、>理論的にただしい方法なのではなく、いままで用が足りてるから
>使われているだけである。
http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20061114/p2
Posted by fuma at 2006年11月14日 17:43
そりゃ、一般均衡理論(もっと大きく言って新古典派)では
中心的課題でありますわなあ。という訳で、

GDP至上主義の山形マクロケーザイ教では、必要なものを、
必要な時、必要なだけ手配するということをあまり評価しない

と言い換えておきましょう。ご指摘、どうもありがとうwww
Posted by fuma at 2006年11月14日 17:39
Also, your statement above "現在の経済学では..." is contradictionary to the implication of general equilibrium theory.
That's why I asked about general equilibrium or welfare theorem.
Of course, there are a lot of criticism, but they make the subject richer.

Your criticism to economics, overall, seems to be based on your lack of knowledge or misunderstanding.

Otherwise, how did you reach the statement above? You used very big words, which surprise economists.
Posted by The Anonymous at 2006年11月14日 17:14
I am sorry for using English. It is because Japanese is not available.

After reading your entry, I still agree with Yamagata-san's comments.

When you say:"現在の経済学では、必要なものを、必要な時、必要なだけ手配するということをあまり評価しない。", clearly you are talking about economic efficiency or distribution of resources.
However, as the quotation from Sen indicates, economists are very concerned about efficiency.
Posted by The anonymous at 2006年11月14日 17:11
> あれは完成した形ではかなり安定していますが、建築の途中では極めて
> 不安定なのです。無駄がなさ過ぎて、極めて建てづらいのです。
建てずらい事は認めます。全てが直線と直角を基準にしている市場の中で、ドームは材料から手配しなければなりませんから。
でも、建築中が不安定なのは現代建築のほうがひどいのです。
足場やら、型枠やら、とにかく完成するまでに無駄になる資材の量は、テンセグリティの比ではありません。
では、なぜ普及しないかというと、大航海時代はメルカトル図法に従って航海していたが、飛行機はそうではない、ということにつきます。
要は人間がバッキー・フラーについていけていないだけなんです。
信者のわたしでも、ついていけてないのです。
Posted by バッキー・フラー信者 at 2006年11月14日 16:50
地方(≠痴呆)にいるけど賢くなりたい経済学教員
http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20061114/p2

>山形さんのいっている想像力の問題というのは、たんなる測定の問題ではなく、先進国がGDPをふやすことが後進国のGDPを増やすことにつながるかどうかの問題であって、
>これは想像力の問題ではなく、実証とか理論の問題でしょう。この点については絶対山形さんのほうがくわしいんで、なんもいえませんが、ひことこあえて山形さんに馬鹿にされそうなことを言えば、
>私はこの点に関しては経済学にかかわりはじめてからずっと、豊かな先進国と食糧問題を抱えた後進国が併存している状況の不合理を感じている。
Posted by 通報 at 2006年11月14日 16:42
>> バッキー・フラー信者 さん

私もバッキーは好きなので、例えに使ってみましょう。
バッキーのテンセグリティ建築がほとんど普及していないのは、なぜでしょうか?
あれは完成した形ではかなり安定していますが、建築の途中では極めて
不安定なのです。無駄がなさ過ぎて、極めて建てづらいのです。
バッキーが批判した現代建築の無駄は、実は必要なものだったということです。

資源の分配に対する経済成長も、これに似ていると思います。
Posted by no-name at 2006年11月14日 15:58
すでに十分なパイがあることは、証明されているのに、相変わらず奪い合うことに夢中になり、足元でパイが踏みにじられておる。
人類というのは「見込みない種子」なのかのお。
Posted by バッキー・フラー信者 at 2006年11月14日 15:19
何で成長は是か非かって言う二元論になってるんだろう?
子飼さんのブログをよく読んで、一度冷静になる必要があるのでは。
Posted by みう at 2006年11月14日 14:49
ググれば情報は手に入る(正解とは限らないが)Web全盛の時代に「知ってますか?知らないでしょ?」という知識と知恵の区別のつかない人ってハッキリ言って幼稚園児並みの知性としか判断できないのですが。。。本当に相手する意味あるんですか?
Posted by ちょう at 2006年11月14日 14:06