2006年11月22日 19:45 [Edit]
「どうせ」の経済学
これはいくら何でも結論を急ぎ過ぎではないのでしょうか。
山形浩生 の「経済のトリセツ」 Supported by WindowsLiveJournal - アフリカのエイズの新しい分析……それと経済学の何たるか。だが、彼女の研究結果でいちばんとんでもないのが、最後の部分だった。実はアフリカ人でも、所得が多くて余命が長い人々はちゃんとエイズの予防措置も積極的にやっている。余命が短いところは、そういうことに関心がない。ここから導かれる結論。アフリカの人たちは、エイズだから寿命が短いのではない。寿命が短いからエイズにかかることを気にしないのである!
エイズが発症して死ぬのは 10 年以上先だ。その頃に自分が確実に生きていると思えば、エイズ予防のために余計な手間もかけよう。でも、どうせその頃は死んでるだろうと思えば……リスクは知っていても手はうたない! バカだからエイズ予防をしないんじゃない。ちゃんと賢く合理的な計算に基づいて、そんなことをするだけ無駄だという陰惨な結論を、意識的か無意識のうちにか出してしまうだけの知恵があるからこそ予防しないわけだ。
もしこれが事実だとすれば、彼らはなぜわざわざ10年後に苦しむ代わりに、今自殺しないのでしょうか?自殺率の統計はどうやらないようなので安易に結論は出来ませんが、「勝ち逃げ」ならぬ「やり逃げ」をするのであれば、なぜ確実におとずれる苦痛を待っているのでしょうか?
もし確実に腹上死できる薬があってそれに安価にアクセスできるのであれば、かれらはそれをこぞって飲むのでしょうか?
それでももしサハラ以南のアフリカ人の寿命が、エイズの蔓延に関係なく短いのであれば、確かに「どうせ気をつけても気をつけなくても死ぬ」から「気をつけない」と結論することに合理性があることは理解できるのですが、これらの地域では、平均寿命は単に短いのではなく、より短くなっています。
The major exception to this general pattern of improvement has been in those countries worst hit by AIDS, principally in Sub-Saharan Africa, which have seen significant falls in life expectancy due to the disease in recent years. Another exception is Russia and some other former USSR republics after the collapse of the Soviet Union. Life expectancy of men dropped to 59.9 years (below the official retirement age), of women to 72.43 years (1999).
彼らは、本当に自分たちに未来がないと信じているのでしょうか?意識的であれ無意識的であれ。
とはいえ、より一般的に、「未来がないことが保証されている場合は現時点で最も利得が大きな行動を取るのが」「人生を通じた利得を最大化する手法」であることは、経済学を知らない人も無意識的に知っていますし、経済学の方でも同様の知見が散見できます。面白いところでは「パラサイト・イブ」の伏線につかわれてもいます。
ですから、アフリカの「人生やり捨て」問題と、日本の年金問題が根底のところでつながっているかも知れないという可能性は0ではないと思います。
しかしそれを「合理的」と呼ぶのは、社会の安定性確保というのが、個々人にとっては「非合理的」という結論をも導くように思えます。彼らは本当に無意識的合理的に「予防は無駄」だという結論に達しているのでしょうか?彼らはそこまで徹底的に Selfish に徹することが出来る人々なのでしょうか。少なくとも、彼らは苦しむのは自分だけではないことを知っているはずなのですから。
とはいえ、「個人の努力が反映されない社会に対し、社会の安定性確保を放棄するのは個人としては合理的」だというのは私も納得できます。サハラ以南で起こっていることはこれなのでしょう。エイズはコンドームだけで止められるかも知れませんが、戦乱はそうは行きませんから。
Dan the Economic(al)? Animal
この記事へのトラックバックURL
>はずなのですから
確かに。特に自分の子供達のことはどうするんだろう?
>彼らはそこまで徹底的に Selfish に徹することが出来
>る人々なのでしょうか
自分だけ気ぃつけても、周りがエイズだから焼け石に水だわw
くらいのことだったり…
「今後、これを検証する各種試みは出てくるだろうし、これが政策に反映されるまでにはまだもう少し時間がかかるだろうけれど」
って山形さん書いてますしー。
少しは頭を使ってくださいよ。生でセックスしたところで、
HIV に確実に感染するとは限らないんですよ。(それとも
一発やったら百発百中だとでも思ってたんですか?)
だから 10 年後に苦しむ確率は、もともとそんなに高くは
ないのです。
だからなぜいま自殺しないかといえば、いま自殺すれば確実に
死ぬのに対して、生で一回やったくらいでは10年後に AIDS
で死ぬ確率はきわめて低いからです。
たばこを吸ってる人は30年後に肺ガンで死にやすくなりますが、
かれらになぜいま自殺しないかきいてごらんなさいな。
それまでは「10年後には生きているかわからん」と考えていた人でも、実際には15年生きたりした人もいたわけです。それが、AIDSのおかげで12年しか生きられなかったり、8年で死んだりするのです。それが寿命の短縮としてあらわれているのです。
>AIDSで死ぬ確率はきわめて低いから
確率を減らす努力をしない、っていう
話だったんでしょ?
それから「一回だけ」なのかよ!
確率の考え間違ってませんかね。
ここで大事なのは『努力しない原因は
何か』という問いであって「これだけ
だと良くわかんないね」ってことね。
だけど、多分、これは、彼らにとって
コンドームから得られる効用が低いと
いうよりも、コンドームを得るための
『コストが高い』というもっと単純な
経済的な解だと思うよ。
早く死ぬだろうというのもあるだろうが、それ
よりも自分が享楽的なセックスで感染リスクを
回避したとしても子供を作るときの相手が感染
していれば、そもそも無意味だというところに
あるんじゃないのか。しっかり、してくれよ。
こっちは完全な素人なんだよ。まあ、あんたも
素人かもしれんが…
2. でもコンドーム持ってないよな
3. どうせ10年後なんて生きているかどうかわかんないし
4. ええいままよ
という心のながれはすごくわかる気がするのですが。
とてつもない飢餓と環境破壊が引き起こされる。
アフリカの人々は無意識的合理的に「人口を増やすべきでない」という結論に達しているのだw
結局、これじゃねの
>3.どうせ10年後なんて生きているかどうかわかんないし
これは俺らも同じじゃんw
3 の切迫度によって 4 に至る確率が左右されるってはなし。
次に「2→4」に至るにあたっては
3以外の要素が大きいだろうこと。
日本人は80まで生きるから、さすがに10代20代でエイズはかんべん。
>彼らはなぜわざわざ10年後に苦しむ代わりに、今自殺しないのでしょうか?
少なくとも寿命まで生きようよ(笑
35くらいまでは生きられるんだからさ・・。
「なぜ」、って・・・。
なぜあなたはこれだけ厚顔無恥を曝け出しておいて、今自殺しないんですか?
それはそうなんだが、それが主因ではないでしょうよw
だからゴム配ってもエイズへらん言うてるやろ(笑
>次に「2→4」に至るにあたっては
オマエが言うようにコンドームコンドームコンドーム!と思われていたところ、
>3以外の要素が大きいだろうこと。
どうやら3の要素が大きいんではないか、という研究なわけだが・・・(笑
404は見事にウンコな議論にまみれたブログのようですね。
ウンコなものはウンコだと言う山形さんのファンです。
これからもウンコにまみれてがんばってください。
>わけだが・・・(笑
で、その結論は眉唾物な訳だが。お前頭悪杉w
>しかし、旦那が種なしなら女性がゴムなしを許容するのも合理的と
>言えるかもしれないけど、浮気相手とゴムなしでして感染すること
>になんの合理性があるのだろうか。しかも多くの人の性器粘膜がふ
>つうの性病でただれているのに対して、女性はゴムを要求しないの
>だろうか?
>
>そこで私が先に挙げた識字率の低さが出てくる。アフリカでは女性
>の識字率はさらに低い。ラジオ放送などで性病についての知識を知
>ることもあるかもしれないが、残念ながらラジオを所有しているの
>は男性である。マスメディアに対する接触すら性差があるのだ。
http://d.hatena.ne.jp/nabeso/20061123#1164257755
>わけだが・・・(笑
男の合理性しか見ていなかったねw
女性の合理性を見落としてましたね
こんな基本問題も解けない山形さん
思いつきでものを言うな童貞
普通ならねー
でも、ここではそうでないってことだよな
>ラジオ放送などで性病についての知識を知ることもある
>かもしれないが、残念ながらラジオを所有しているのは
>男性である。
トンデモもあれば、それなりに検討
しても良さそうな疑問もある。
予防医療は医療の中でも、特にそういう色彩が濃いのです。
…日本では既に見えにくくなっていますが、実際には未だに変わりありません。
日本のような識字率90%以上の国では広報活動も難しくありませんが、効果的なものとなると途端に難しくなります。識字率のあまり高くない國では困難さの度合いは急増します。
自覚症状のある病気なら直して欲しいと医者を頼っても、自覚症状のない段階では、登録させること、治療を開始することは容易でありません。
だいたい、HIV-carrierが蔓延しているのは遠いアフリカのことではなく、既に日本でも pandemic 寸前の状況になっているといわれています。
>視点から逃れられていない。避妊にしろ性病予防にしろ性行為の
>参与者全ての問題のハズだ。なぜ女性側の問題には目が向けられ
>ないのだろう?
>経済学を利用して、合理性から考える事自体否定する気はないが、
>基本的に考慮すべき材料にかけていて、適当に統計を並べた杜撰な
>研究にしか見えない。
エイズ問題書き直し
http://d.hatena.ne.jp/nabeso/20061125#1164469303

