2006年12月04日 02:00 [Edit]

おまけより割引してほしい

本書のテーマは、ずばり「値ごろ感」。

おまけも割引もいらない、実に値ごろ感の高い一冊だった。


本署「おまけより割引してほしい」の副題は、「値ごろ感の経済心理学」。タイトルとしては、あまりに普通の文章である主題よりも、副題の方がよかったのではないか。「値ごろ感の経済心理学--おまけより割引してほしい理由」とか。いずれにせよ、見ての通り、本書は「値ごろ感」というものを丸ごと新書一冊分かけて考察したものである。

しかし、本書の中心となる考えは、実にシンプルだ。

値ごろ感↑ = 価値(value)↑
費用(cost)↓

本書は以上を骨格に、具体的に価値を上げる工夫や費用を下げる工夫が肉となっている。重要なのは骨だが、おいしいのは肉。というわけでこの部分の肉は是非本書で味わって頂きたい。とはいえ、「肌」ぐらい見せてもかまわないだろう。というわけで以下目次。

  1. 値ごろ感って何だろう?
    1. おまけより割引してほしい--値ごろ感の因数分解
    2. 棚ぼたの好ましさ--値ごろ感の分母を支配する負担感
    3. うまい、やすい、はやい--値ごろ感を生み出すもの
  2. 売れるものにはワケがある
    1. ベストセラーの秘密
    2. どうして衝動買いをするのか?
    3. ついでに買わせるコツ

上記の式は実に強力で、我々の経済行動、いや経済衝動を実に的確に説明するのだ。逆にこの式に一見当てはまらなそうなものも、隠れた価値や費用を仮定した上で、それを上記の式に代入してそれを説くことで、それらが「いくら」なのかを算定することが出来る。

もちろん、値ごろ感が単純な割り算で説明できるかどうかはまだ議論の余地があるところだと思うし、本書は定量的な話は多くなく、どちらかというと定性的に価値を上げるにはどうしたらよいか、費用を下げるにはどうしたらよいかという議論がほとんどである。しかし、上記の式の理論付けは経済学者にまかせて、残りの我々にはこの大雑把な式でも充分役に立つ。

なお、本書の考察の多くは、専修大学経済学部教授として、著者が学生たちを観察した結果得られている。そのまなざしが実によい。一例を上げる。

p.7 はじめに
制約の中で満足を求める若者たち
 大学という純粋な若者社会の内側で仕事をしていると、外側からは分からない若者たちの優れたバランス感覚に関心することが多い。
[中略]
 『学問のすすめ』で福沢諭吉は、鄙事(細かいあれこれ)をこなすには「多能(多くの能力)」が必要と論じたが、現代の学生たちは、さらに一歩進んで同時に細かいあれこれをこなし処理する「鄙事、同時、多能」を要求されていると言えるだろう。大学とは実にいい教育現場でもある。ついでにいろいろとこなす能力がなければ現代の大学生は勤まらない。

学生をバカ呼ばわりしか出来ないバカ教員が多い中で、なんと新鮮なのだろうか。徳田氏の学生諸君がちょっぴりうらやましいと同時に、学生ならぬ我々にも本の形で授業してくれたことに、素直に感謝したい。

値ごろ感が欲しい全ての人に。

Dan the Economic Animal


この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
夏川純 Jun Natsukawa 夏川純(なつかわ じゅん) 生年月日 S58年9月19日 出身地 東京都 血液型 A型 サイズ(cm) B85 W59 H85 T160 S24 趣味 映画鑑賞・音楽鑑賞 特技 アイロン掛け・ネイルアート 好きな食べ物 エビ キュートでセクシーなグラドル夏川...
夏川純の恋愛発覚!!SEXYショットでメロメロ【夏川純『探検隊』】at 2006年12月07日 20:01