2006年12月20日 00:05 [Edit]

書評 - ネットvs.リアルの衝突

[2006.12.09掲載;発売開始12.20まで更新]

献本キター


ネットvs.リアルの衝突

誰がウェブ2.0を制するか
佐々木俊尚

ちなみに本entry現在、Amazonのページはまだ存在せずというのは前回のグーグル Google - 既存のビジネスを破壊すると同じ。とりあえず文春新書のページもリンクしておきますが、もう少しネットの方も見て欲しい>文春新書編集部

2006.12.13:本日Amazonへの掲載を確認
2006.12.15:早くも在庫切れ。またでつか
2006.12.16:在庫復活した模様

本書、「ネットvs.リアルの衝突-誰がウェブ2.0を制するか」は、今やネットとリアルの境界面における取材では第一人者の感すらある佐々木俊尚の、文春新書二作目。しかし本書は断じて前作の二番煎じでも二匹目のドジョウでもない。本書のスコープは、前作より一回り大きい。乱暴なたとえで言うと、前書が「アプケーション」について書かれたものだとしたら、本書は「OS」について書かれたものとでも言おうか。

目次
  • 第一章 Winny - 「私の革命は成功した」
  • 第二章 P2P - エンド・ツー・エンドの理想型
  • 第三章 著作権破壊 - ヒロイックなテロイズム
  • 第四章 サイバースペース - コンピュータが人々にパワーを
  • 第五章 逮捕 - 「ガリレオの地動説だ」
  • 第六章 アンティニーウィルス - パンドラの箱が開いた
  • 第七章 標準化戦争 - 三度の敗戦
  • 第六章 オープンソース - 衝突する国家
  • 第八章 ガバナンス - インターネットは誰のものか
  • 第十章 デジタル家電 - iPodの衝撃
  • 第十一章 ウェブ2.0 - インターネットの「王政復古」

以上の目次を見ての通り、本書が扱う話題は多岐に渡り、そしてその一つ一つが難問だ。しかし本書は難読の書ではない。それどころか、今年読んだ本の中ではもっともすんなりと読めた本である。

おそらくそれは、私が佐々木氏と問題意識を共有しているからだろう。その問題とは、本書の主題、「ネットvsリアルの衝突」の落としどころはいずこにあるか、ということである。

それらの答えはまだ見えないし、安易に出すべき答ではない。Winnyの金子氏を逮捕した京都府警も、別にこの問題に対する最終回答として氏を逮捕したわけではない。彼らもまた、ネットとリアルの狭間で苦労する一「プレイヤー」に過ぎないことは、本書を一読すればわかる。少なくとも、彼らは「『あちら側』のことが分からない、頭の固い『こちら側』のロートル」ではない。

そのWinnyの辿った軌跡を縦糸に、そして目次の話題を横糸にして紡いだのが、本書である。

実は本書では、私もインタビューを受けている。どころか本書の締めが私の言葉になっている。いささか気恥ずかしくもあり、JobsのStay Hungry, Stay Foolisyやbarlowの(本書で佐々木さん自身の訳が読めます)に混じって取り上げられたことに、ちょびっとだけ誇らしくもある。それがどんな言葉なのかは、是非本書で確認いただくとして、ここでは本書が呈示した問題のうち、最も重要な問題を引用させていただく。

p.271
司祭の座を、一体だれが最終的に射止めるのか--それはグーグルなのか、それとも別の企業なのか、あるいはネットの世界のパワーを囲い込み、覇権を取り戻そうとしている国家なのか。

前述のとおり、これに対する答を本書は提示しているわけではない。しかし、私としては、本書がまだ呈示していない可能性を指摘させていただく。

それは、あなた、であり、わたし、である。

あるいは、司祭が不要の世界、という答えもありうる。

私としては、「ネットかリアルか」という二者択一ではなく、「ネットもリアルも」はありえないのだろうかとずっと考えている。

虚と実のはざまに悩む全ての人々に。

Dan the Complex Being

ネット社会【日本の、これから】を見ながら

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ネトゲをすると人間が変わる?【理想と現実】at 2010年04月28日 19:31
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 佐々木俊尚氏の『ネットvs.リアルの衝突』に関して、『404 Blog Not Found』様と、『FIFTH EDITION』様がエントリーをUPされている。  個人的に「あちゃ??」と思ったのは、お二方ともAmazonに掲載されていない旨を冒頭に記していらっしゃったこと。  ちなみに本e...
それ、せっかちさんだと思います。【Parsleyの「添え物は添え物らしく」】at 2006年12月11日 14:03
この記事へのコメント
 「アプケーション」
⇒「アプリケーション」
 
Posted by ふみひと at 2006年12月20日 13:20
http://d.hatena.ne.jp/raki321/
内容を以前よりソフトにしてみました。
繋がりませんか?私と
Posted by モーリス・G・茶茶 at 2006年12月17日 11:22
前作から本作へのgoogleでスコープの拡大具合をざっと計算してみたところ、
一回りどころか90万倍ほどになりました。
たとえが乱暴すぎるのではないでしょうか。
Posted by 泥鰌さん at 2006年12月17日 10:44
九龍さん、
いつもありがとうございます。
私の脳は誤変換の土壌:)
Dan the Typo Generator
Posted by at 2006年12月13日 04:43
二匹目の土壌
二匹目のドジョウ(泥鰌/鰌)
Posted by 九龍 (校正人) at 2006年12月13日 01:48
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Posted by あんな at 2006年12月11日 14:13
>うんざりさせられた。

トニオ乙
Posted by at 2006年12月11日 14:02
↑誰か翻訳して
Posted by    at 2006年12月11日 03:03
本はネットなのかを問いたい。
本は誰が読むのかを問いたい。
本を読んだものは誰と愛し合うのかを問いたい。

世の中には問いたくても問えないものたちがいる。
その人たちのことを愛せずに、
リアルもクソもないものだ。

となると、
ネットは電話の発明にはおよばない。

うんざりさせられた。
問うべき人に問わずプロバガンダするキミにね。
Posted by えっと at 2006年12月10日 19:06
ねこさん、
失礼しました。発行日は12月20日とあるので、
実質18日には手に入るようにはじめるのではないでしょうか。
その旨を追記しました。
Dan the Reviewer
Posted by at 2006年12月09日 23:25
何度も失礼しました。
どうやら、題名が変わったようですね。
18日発売ですから、来週末には早売りを買えるかな?
Posted by ねこ at 2006年12月09日 23:13
インターネット 文明の衝突
著者/訳者名 佐々木俊尚/著
出版社名 文藝春秋 (ISBN:4-16-660546-1)
発売予定日 2006年12月18日
予定価格 798円(税込)

7&Yやe-honだと、これが出るけど、
題名が変わったのかな?
Posted by ねこ at 2006年12月09日 22:55
献本で事前に読める弾さんはいいけど、
一般人の俺らは、いつから買えるのですか?
Posted by ねこ at 2006年12月09日 22:44