2007年01月20日 23:00 [Edit]

裁判官は冤罪でも晒されない

この事件で、摩訶不思議なことがもう一つ存在する。

livedoor ニュース - [誤認逮捕]服役の男性は無実 無職男を再逮捕 富山県警
富山県警は19日、県内で02年1〜3月に発生した強姦(ごうかん)、同未遂の二つの事件で誤認逮捕していた、と発表した。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン:裁判所は冤罪でも叩かれない
 NHKニュースでもやっていたが、富山県警と富山地検の釈明会見はあっても、肝心の富山地裁の釈明会見がないというのは、冷静に考えると摩訶不思議だ。

本事件を担当した判事の名前が、記事のどこにもないのだ。


レジデント初期研修用資料: メディアの読みかた
報道された事件をみるときには、「報道された事実」を検証する作業とは別に、 「報道されていない事実」が何なのかを調べるのは大事。

この原則を知っていれば1秒とたたずわかることなのだが、それにしてもなぜなのだろう。

以下、毎日新聞の記事を元に、関係者の個人情報がどれだけ晒されているかを検証してみる。

事件の被害者
なし
冤罪の被害者
年齢および所在県名
新たな逮捕者
実名、年齢、および所在町名
冤罪被害者の弁護人
実名
警察
実名、所属および官名
検察
実名、所属および官名
裁判官
なし

判決の際には少なくとも裁判長の名前は報道されるのに(左右陪審まで報道されることはまずないが)、冤罪事件の際にそれがない。判決というのは出し捨てにしてしかるべきだと上野宏人、青山郁子(毎日新聞)ならびに報道関係者はお考えなのだろうか。

佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン:裁判所は冤罪でも叩かれない
本来なら、許容度から言えば、
誤認逮捕<誤認起訴<誤認判決
だ。そうでなければ、いっそ検察と裁判所はリストラでなくせばいい。

けだし同感だが、「誤認報道」および「報道の欠如」はこの不等式のどこに入るのだろう。私としては誤認判決 ≦ 「冤報」としたいところであるが。

とはいえ、なぜ報道がこうなったかといえば、我々にもその責任の一端はある。はてブを見ると、裁判官はとにかく被害者まで糾弾するコメントが見られるが、正直寒い。証人も警察も検察も裁判所も誤認はするのである。もちろん我々も。

裁判に限らずどうも日本ではフェイルセイフによって失敗を担保する思想に乏しいように感じる。医療事故に対する姿勢もそうだし、企業の不正に対する姿勢もそうだ。事故や事件に対して罰を負わせるのは、あくまで事故や事件を減らすのが目的のはずなのに、罰を与えることそのものが目的化しているように思われてならない。

セカンドチャンスだのセイフティーネットだのという言葉が飛び交う昨今だが、これらが外来語であることもまた失敗を許さぬ我々の特性を反映しているのだろうか。失敗を許さぬ思想は、子供番組にすら顕著である。任務に失敗した悪者はたいてい消されることになっている。これでどうやって失敗から学べるというのか。

「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がある。しかしすでに「憎む」が入っている時点でこれは「負け」なのではないか。

「人を赦して罪を赦さず」にするには、一体どうしたらよいのだろうか....

Dan the One of the People


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裁判所は冤罪でも叩かれないはあくまでマスメディアの報道姿勢からの観点で書いたが、公にも裁判官は事実上、どんな酷い判決を下しても弾劾されることはない。
裁判官はヘタレ判決でも弾劾されない【佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン】at 2007年01月21日 11:22
「404 Blog Not Found/裁判官は冤罪でも晒されない」にあった言葉
人を赦して罪を赦さず【Toshi??shi な日々】at 2007年01月21日 13:33
最近RPGツクールXPに興味がいって全然R2Beatしてないです。 バイトもさがさないかんし・・・。 大変。 今日イベントだなあ・・・コインはそんなにいらんしどうしよっかな。 クローバは絶対もらう! ところで、こりゃやべぇ 裁判官はヘタレ判決でも弾劾されない わず...
ある意味笑える【qwellgのブログ】at 2007年02月14日 07:42
404 Blog Not Found:裁判官は冤罪でも晒されない
404 Blog Not Found:裁判官は冤罪でも晒されない【】at 2012年01月21日 11:30
この記事へのコメント
結局,自白に過度に頼っている現在の捜査や裁判の運用方法に問題があるのだと思います.

アメリカの司法制度がいいところばかりとは思わないですが,自白以外の客観的な証拠を検証することを通じて有罪か無罪かを判断するということが貫かれている(気がする)のは良いことだと思います.
Posted by おさる at 2007年01月21日 00:29
米国でも、それほど精緻に「客観的な証拠」が検証されているワケではありません。また、あちらは「客観的な証拠」の“採取の合法性”を検証しているので、常識的にみればクロの某元フットボーラー兼男優も、無罪を勝ち取れたワケです。早いところ、50人近くの“立ちんぼ”をヌッ頃しても、挙証がマンドいので全てを“司法取引”で端折ったりするスバラシイ制度を、日本も導入しましょう(一件一件“is it a guilty?”“yes”で済ませて逝ってたのにはワラタ)
Posted by t_f at 2007年01月21日 10:03
マスコミがやってくれないんだったら、誰かが、判決書閲覧してネットにさらせばいいんじゃん。刑事訴訟法53条でできるんじゃない?
Posted by おぷー at 2007年01月21日 12:37
この件に関しては、冤罪の被害者が裁判で起訴事実を認めていた以上、裁判官には責任はないのではありませんか。争点になっていない以上、犯罪は行われたとして裁判を進めざるを得ないのでは。

司法に関して詳しくないので、認識が間違っていたらごめんなさい。
Posted by Gus at 2007年01月21日 12:47
数ヶ月前は誤認逮捕で警察が謝罪しただけで、逮捕状発行や拘留延長に関わった検察や判事は出てこなかったです。私は「今回も警察だけの謝罪かよ」と思ってたら検察も謝罪会見してたんですね。
検察も謝罪することはまれだと思いますよ。
Posted by はへ at 2007年01月21日 17:35
Gusさん、

被告人が起訴事実を認めていたら、事実上は、裁判官の誤判もやむないようにも思えます。

しかし、刑事では民事と違って弁論主義(当事者が認めていることがそのまま判決の起訴になるなどの裁判の勧め方の原則)の適用はありません。だから、被告人が起訴事実を認めていたとしても、裁判所は、証拠を根拠に間違いなく犯罪があったと判断したうえでなければ有罪判決を下せません。

要するに、今回の件で裁判所は、「被告人が真犯人ではないにもかかわらず真犯人だとウソをついているかいないか」の評価を誤ったことになります。裁判所の誤判の責任はゼロとはいえないでしょう。
Posted by おぷー at 2007年01月21日 23:14
ですね。それこそ、殺人事件の報道なんかがあると、
「俺がやりました」と言う(放送禁止語)が山ほど出てくるわけで。
それを「本人がやったって言ってるし」
で有罪にしていいのなら、検挙率・解決率なんか幾らでも上げられるわけです。
獄窓記なんかでも、どう見ても責任能力のない人間に有罪判決出す司法に対する、現場の不信が描かれてますね。
Posted by sw at 2007年01月22日 12:05
初コメです。
論旨から著しくずれていればスルー歓迎っと、断っといて。

「疑わしきは、被告人の利益に」と言う「刑事事件」の原則が、どうにも裁判に関わる、ひいては事件の事後処理に関わる人間の行動原則になっていないのが響いているのではないかと思います。
日本人は、「判官贔屓」をどうにもこうにも捨て去れないようで、「被害者」への関心が非常に強く、その関心のまま被告人に対時する。
そうなれば、上記の刑事事件の原則は吹きとんでしまう気がしてならないのです。
名古屋高裁が先日下した、毒葡萄酒事件の再審請求棄却でさえ、原則がねじ曲げられていると思いますし。
Posted by 通りすがりの大学生 at 2007年01月22日 13:45
刑事訴訟法53条には「何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。」とありますが、現実には、刑事確定訴訟記録法という法律があり、訴訟記録を見ることは非常に難しくなっています。
事件の終結から確定までの間は「資料を整理中」と言って断られるし、確定後は、「関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがある」(確定記録法4条2項5号)と言って断られます。
さらに、判決を晒すと、
「確定記録法6条 保管記録又は再審保存記録を閲覧した者は、閲覧により知り得た事項をみだりに用いて、公の秩序若しくは善良の風俗を害し、犯人の改善及び更生を妨げ、又は関係人の名誉若しくは生活の平穏を害する行為をしてはならない。」
と言って怒られます。

刑事の世界は、原則と実務(現実)が逆になっていることが多くて嫌です。
Posted by 刑事訴訟記録の閲覧 at 2007年01月23日 18:39
司法である裁判所は独立性を保っているはずですが、単なる捜査機関の警察や検察からのほぼ脅迫に近い組織的な圧力によって脅かされています。
(令状の乱発、代用監獄などが例としてあげられます。)
今回の事件では悪質さの順では、警察>検察>裁判所でしょう。
(富山県警が発表したのも島根県警が捕まえた真犯人の公判によって失態が発覚するのを恐れたためだという話です。)
また、本当に謝罪したのでしょうか?
(公にしないと脅迫したのかも?)
探しても見つからなかった男性が県警に現れたのは事実でしょうか?
(事態の終息を図る為?)
Posted by 警察不信 at 2007年01月26日 09:04
司法である裁判所は独立性を保っているはずですが、単なる捜査機関の警察や検察からのほぼ脅迫に近い組織的な圧力によって脅かされています。
(令状の乱発、代用監獄などが例としてあげられます。)
今回の事件では悪質さの順では、警察>検察>裁判所でしょう。
(富山県警が発表したのも島根県警が捕まえた真犯人の公判によって失態が発覚するのを恐れたためだという話です。)
また、本当に謝罪したのでしょうか?
(公にしないと脅迫したのかも?)
探しても見つからなかった男性が県警に現れたのは事実でしょうか?
(事態の終息を図る為?)
Posted by 警察不信 at 2007年01月26日 09:06