2007年01月28日 13:30 [Edit]
言うのは払ってから
結局なぜホワイトカラーエクゼンプションが「残業代ゼロ法案」と受け取られてしまったかと言えば、文脈ではなく段取りが逆だからだ。
切込隊長BLOG(ブログ) - 「若い奴は残業代ナシでも土日に仕事したい」@丹羽宇一郎・伊藤忠会長は失言か?本当にそんなことを放言したのか、経団連会長の光学メーカー屋よりタチが悪いなと思いながら議事録を見物に逝ったら、話の文脈がまったく逆で、驚いた。
[中略]
ところが、痛いニュースを見たら批判一色。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/906423.html
これが、給与が高騰するトレンドにある時期であれば、もっとすんなり通っただろう。ところが、21世紀に入ってから労働分配率は下がりつつけてきたのである。
景気を語るこの指標:Biz-Plus企業はこれまで大幅に人件費を圧縮しており、企業が生み出した付加価値をどれだけ従業員に報酬として回したかを示す「労働分配率」は低下が続いてきた。素直に考えれば、今後は生産性の伸びに見合って賃上げが行われ、労働分配率は下げ止まりとなるのだが、資本サイドで予想される構造的な変化を考えると、労働分配率はむしろ低下が続く可能性の方が高そうだ。
日米の労働分配率が語る 「従業員主権」の死角だが、90年代の日本企業はその限度を超えて、従業員主権のオーバーランをしてしまったと思える。バブル崩壊直後には、それほど短期的に労働分配率を80年代のまま維持するのは無理がある。しかし、崩壊後3年もたった94年から97年まで、すでに労働分配率が高くなっているのに、さらに1〜2%の実質賃上げをしてしまったのである。しかもこの時期、じつは雇用量全体も微増を続けた。そのために、労働分配率が高止まりのままで、97年の金融危機後を迎える。その是正が始まるが、ふたたび01年のITバブル崩壊で労働分配率はピークになる。やっとのことというべきか、その後、日本企業は本格的な是正に出た。
もし90年代初頭に導入を決めていれば、こうはならなかったのではないか。
それでもまだ今まで企業が労働基準法を遵守してきたなら、労働側ももう少し聞く耳を持つだろう。ところが、この点において現状は寒い。
平成17年に実施した定期監督等の実施結果 - 東京労働局1 定期監督等における実施件数・違反率 ( 表1 )
ア 平成17年に管下労働基準監督署の労働基準監督官が実施した定期監督等
- 実施件数 9,105件(前年比188件増)
- 違反率 70.7%(前年比1.2%増)
何と7割の企業が現行法に抵触しているのだ(表1の官公庁の違反率には笑ってしまった)。「法を守ってきた結果立ち行かなくなったので何とかしてくれ」というのであればまだしも、そもそも守ってないところに法改正を持ち出すのはそれは「盗人猛々しい」とのそしりを免れないだろう。
切込隊長BLOG(ブログ) - 「若い奴は残業代ナシでも土日に仕事したい」@丹羽宇一郎・伊藤忠会長は失言か?そこだけ抜き出して読んだら丹羽宇一郎ってのはどういう馬鹿だ死ねクズ野郎、てか伊藤忠のエレベーター遅いんだよさっさと改修しろタコと思うかもしれないが、誤読もいいところなんじゃないかと。
しかし企業側もここまで法を誤読しているという事実の前には、今回の「誤読」も印象が薄くなってしまう。本気でホワイトカラーエクゼンプションを導入したかったら、まずは企業側が「みそぎ」をすませておくべきではなかったのか。
ところで、この労働基準法の事例は、非合法黙認の典型的な例である。法改正うんぬんの前に、まず非合法黙認の問題を何とかすべきなのではなかろうか。
Dan the Self-Employed
Posted by dankogai at 13:30│Comments(6)│TrackBack(5)
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この記事へのコメント
黙認ではなく、法の運用弾力化っていう便利な概念じゃないでしょうかw
Posted by 非合法黙認は at 2007年01月28日 14:38
「法の運用の弾力化」で今までやってたわけですが、
それで普通だと思って調子に乗っているのかねぇ。
偽装請負摘発あたりを見るにそろそろ正常化の時期だと思うけど。
それで普通だと思って調子に乗っているのかねぇ。
偽装請負摘発あたりを見るにそろそろ正常化の時期だと思うけど。
Posted by nand at 2007年01月28日 15:19
労働分配率だが、株主分配率も考慮に入れるとどうなるのかな
Posted by うps at 2007年01月28日 15:32
労働に配分されない分はどこへ行ったのか書いていないから、
このエントリーは、眉唾だな。(もしかして、誰かの懐に入ったのかな?)
このエントリーは、眉唾だな。(もしかして、誰かの懐に入ったのかな?)
Posted by あの at 2007年01月28日 18:18
労働分配率については、ブルーカラー部門とホワイトカラー部門、大企業とそれ以外の企業とを分けた統計を使ったほうが より問題が鮮明になると思います。
確か 私の記憶が正しければ、大企業のホワイトカラー部門での労働分配率は 1980年代には100%を越えた時期がありました。そういったところが立ち行かなくなる(1997年の金融危機)と 国家が資本注入したのです。
日本総研とか高倉氏以外の違う統計資料も見たほうがよいです。
確か 私の記憶が正しければ、大企業のホワイトカラー部門での労働分配率は 1980年代には100%を越えた時期がありました。そういったところが立ち行かなくなる(1997年の金融危機)と 国家が資本注入したのです。
日本総研とか高倉氏以外の違う統計資料も見たほうがよいです。
Posted by 貞子ちゃん at 2007年01月28日 20:05
やはり目的は「残業代0法案」だと思いますよ。その本音を隠すために、綺麗なウソで塗り固めているだけで。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615499#2615499
まず彼自身がこれについてどう思うか聞いてみたところ…
「クレイジーだよ」
やっぱりそうだよなぁ(笑)
(中略)
ここで重要なのは、前者の場合、業務の切り分けが明確にされ、かなりの権限も最初から持たされている“個人プレイヤー”であること。いわば己の腕を頼りに浮世を渡っていく職人のようなもので、どちらかというとプロ野球選手に近い(まあ年俸制だし)。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615499#2615499
まず彼自身がこれについてどう思うか聞いてみたところ…
「クレイジーだよ」
やっぱりそうだよなぁ(笑)
(中略)
ここで重要なのは、前者の場合、業務の切り分けが明確にされ、かなりの権限も最初から持たされている“個人プレイヤー”であること。いわば己の腕を頼りに浮世を渡っていく職人のようなもので、どちらかというとプロ野球選手に近い(まあ年俸制だし)。
Posted by あのにます at 2007年01月28日 23:00