2007年02月19日 01:30 [Edit]

プロ^2グラマーは社交が8割

趣味でプログラムをするシュミグラマーや、本職は別にあって、たまにプログラムするタマグラマーはとにかく、プログラミングそのものを職にしているプロプログラマー(以下プロ^2グラマー)の業務の8割は、実はプログラムを書く事ではない。


実感としては、顧客(社内顧客含む)との折衝が4割、学習が4割といったところ。残った2割が実際にコードを書いている時間。計算上は、週5日のうちコードを書いているのは1日しかないことになる。そして本当はそのコードを書いている時間も、コードを書く時間よりコードを読み返したり他のコードを読んでいたり、実のところぼけぇっとしていたりという時間が8割。

このプロ^2グラマーは、さぼっているわけでも無能な訳でもない。むしろ有能だとされるプログラマーほど、「オフタイム」が長い。そしてそのオフタイムの間に何をやっているかというと、「社交」なのである。もちろんプロ^2グラマーのプロ^2グラマーたる所以は、コードを書く事にあるのだが、コードを書くよりも有用な能力は、実は社交力だと年を追うごとに思うようになってきている。特にblogがブームから日常になってからは、その感を強くしている。

そもそも、プログラマーの能力というのは定数ではない。絶対値は経験を詰むごとに上がって行く。社交力というのはこの経験を積んで行く能力に他ならない。はじめからエレガントなコードを書けるものなどいない。そもそもはじめは何がエレガントなのかさえわからない。それを教えてくれるのは、客であり同僚であり先輩であり後輩であり、そして社会なのだ。

今の私は、自信をもって断言できる。プログラマーにとって最も重要な能力は、社交力だと。その他の能力は委細に過ぎない。というより、社交力さえあれば、その他に必要な能力はあっという魔に追いつく。コードはトークについてくるのである。今アルファギークと呼ばれている人々を見ればわかる。彼らだってだっさいコードを書いていた時期があるのだ(もちろん私もだ)。しかし彼らはそのだっさいコードもとりあえず呈示する。当然「だっさい」という返事が返ってくる。彼らはそれを良しとしないのですぐに直す。わからなければ臆面もなく聞いてくる。そうこうしていくうちに、彼らの能力はどんどん上がってくる。ださかったコードがあっという魔にかっこよくなっていく。こうして彼らをかつてバカにしていた社交力不足のプログラマーたちに彼らはあっという魔に追いつき、そして追い越して行く。

こうした彼らの成長を見ていると、プログラマーの「現在価値」を問うのがいかに空しいかを痛感する。今日のnobodyは、明日のsomebodyかも知れないのだ。だから、今の自分が有能なプログラマの特徴にあまり当てはまらなくても、悲観することはない。しかし顧客が呈示した仕様に何の疑問も抱けなかったり、疑問を抱いてもそれを問いただせなかったりしたら問題は深刻だ。プロ^2グラマーにまだなっていない人は別のcareerを探すか、なっている人は転職を考えたりした方がいいだろう。

一つ勘違いして欲しくないのは、社交力というのは相手におべんちゃらを言ったり、中身のないあいづちを打つことではないということ。MOF担ならそういうことを社交力と定義するかも知れないが、少なくともプログラマーの世界では違う。社交力とは、言うべき事を言い、聞くべきことを聞く力の事だ。だからすでに言われていることを繰り返すのは時間の無駄だし、すでに聞いた事を聞き直すのも労力の無駄だ。もちろんきちんと伝わっていることを確認するために復唱するのは、その限りではないが。

実は有能なプログラマーを切実に欲している会社は、すでにこのことに気がついている。次のWEB+DB PRESSの私のインタビューでも少しふれられているが、今やプロ^2グラマーをリクルートする側は、ちゃんと応募者のblogを見ている。blogか、少なくとも作品としてのWebサイトがないと、相手にすらしてもらえない。極論してしまえば、履歴書でまともに目を通すのはblogのURIだけだったりする。

そんな時代に、すでになっているのである。

Dan the Communicating Coder


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以下のように書いたけれども、私はシュミグラマーやタマグラマーを「下に見て」いるわけではない。 404 Blog Not Found:プロ^2グラマーは社交が8割趣味でプログラムをするシュミグラマーや、本職は別にあって、たまにプログラムするタマグラマーはとにかく、プログラミング....
アマグラマーの時代【404 Blog Not Found】at 2007年02月24日 00:21
社交力とは、言うべき事を言い、聞くべきことを聞く力の事だ。 404 Blog Not Found:プロ^2グラマーは社交が8割 この定義はどこにいっても変わらないし、そしてその力はいつまでたっても価値を失くすことは無さそうです。
社交力ってなに?【西岡Blog】at 2007年02月20日 15:12
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50767723.html 有能なプログラマについて。顧客(社内顧客含む)との折衝が4割、学習が4割といったところ。残った2割が実際にコードを書いている時間。計算上は、週5日のうちコードを書いているのは1日しかないことになる。そして本...
プロ^2グラマーは社交が8割【じっぷろぐ】at 2007年02月19日 15:27
404 Blog Not Found プロ^2グラマーは社交が8割より 社交力とは、言うべき事を言い、聞くべきことを聞く力の事だ。弾さんの意見にほぼ同意だけど、社交力というより"交渉力"もっと過激にいえば"折衝力"といったほうがいいのかも。
社交力?【enchanting an air of joyous bliss】at 2007年02月19日 12:32
プロ^2グラマーは社交が8割引用:一つ勘違いして欲しくないのは、社交力というのは相手におべんちゃらを言ったり、中身のないあいづちを打つことではないということ。MOF担ならそういうことを社交力と定義するかも知れないが、少なくともプログラマーの世界では違う。社交力...
(プロ)^2グラマーは社交が8割【blog-mnagaku's BLOG-IGDA Japan chapter】at 2007年02月19日 10:52
この記事へのコメント
社交力には賛成だけど、有能は人はblogを書いてるているはどうかと、書くか書かないかは人個人だし、
blogだけ見て履歴書に目を通さないのは如何なものかと思いますけど、経験はblogより履歴書にかかれていると思うし
Posted by 名無し at 2008年02月25日 08:14
>>研究よりもプレゼンが大事。。。
そうですね。
上の人たちは知識や能力でなく、単純に特許や論文、学会発表の数や評価でしか研究者を見ないことが多い。
Posted by 名無し at 2007年05月27日 22:37
研究者と同じですね

研究者にとっても
研究よりもプレゼンが大事。。。
Posted by 名無し at 2007年02月20日 14:18
いくら優秀でもブログ書く時間が持てない人もいるから。
ワークスタイルよりけり。
Posted by いやいや at 2007年02月20日 08:54
私の周りにいる優秀なプログラマーはみんなブログを書いていますが、何か?
Posted by TRIPLE at 2007年02月19日 21:46
有能なプログラマであるかどうかとblog書いてるかどうかに相関関係は無さそうですが。bloggerを雇いたい会社というのは存在するだろう、とは思います。
Posted by うーむ at 2007年02月19日 20:10
僕の周りは有能なプログラマほど、blog書いてないけど。。blog書く人は、単に自分の会社で才能が認められていないからって感じがします。
Posted by え?? at 2007年02月19日 17:54
絶対値は経験を詰む<積む
Posted by imiari at 2007年02月19日 15:15
プログラマなら
http://ja.wikipedia.org/wiki/Meta-Object_Facility
のほうを思い浮かべるのが普通だと思う。
Posted by MOF at 2007年02月19日 15:12
…多臓器不全担当者…。
Posted by rijin at 2007年02月19日 09:08
>MOF
病院だと、これは Multiple organ failure:多臓器不全の
略称になっちゃいますね…。
Posted by medtoolz at 2007年02月19日 08:05
「あっという魔」・・・・今こそ言える!これはTypoではない。弾さん的に何か意味があるのだ!!
Posted by ak2i at 2007年02月19日 07:53
MOF担とは懐かしい
Posted by d at 2007年02月19日 06:51
s/あっという魔/あっという間/
Posted by e at 2007年02月19日 02:53