2007年03月03日 19:20 [Edit]

書評 - 超精密計測がひらく世界

この話題が好きな人は、こちら。

シム宇宙の内側にて あれ、アボガドロ定数っていくつでしたっけ?
とりあえず本文に入る前にひっかかりを覚えてしまいました。アボガドロ定数ってこんな値でしたっけ?

「すげえ」の連続。


本書「超精密計測がひらく世界」は、「原器の守り神」である計量研究所のスタッフが入れ替わり立ち代わり計量の最先端について語った本。「メタルカラーの時代3」もあわせて読むと、その超絶さをさらに味わえる。

目次
  • 第1部 人間の世界を計測する
  • 第2部 極小の世界を計測する
  • 第3部 超大な世界を計測する
  • 第4部 ゼロの世界を計測する
  • さらばキログラム原器
    原器という人工の物体に頼った「キログラム」の定義はもはや時代遅れだ。不変の自然定数に基づいて質量を高精度で定義し直す試みが進んでいる。

    当然この話題もきちんと扱っていて、同記事に出てくるキログラム原器に代わる質量標準の作り方も本書に詳しく述べられいる。

    私はこの測定が大の苦手で、だから本書に出てくる極限の測定世界とかを見ると、もう出るのはためいきばかり。原理は頭でわかっても、もう手が全然ついてこない。縁あって日本標準時の原子時計の現物も見学させてもらったことがあるのだけど、もうこの世界は出るのはためいきばかり、いやためいきも計測誤差の理由となるので禁物というもうそういう世界。

    計量というのは、文明の軸のようなものだと思う。これの精度が上がったおかげで、文明の輪の回転がどれだけスムーズになったことか。それでいて、何かの拍子でぶれなければ、その恩恵を感じることすら出来ない。ちょっとトウが立っているけど、そういった世界があるということを知るだけでも価値のある一冊。

    Dan the Inacurate Man


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    この記事へのコメント
    今更細かいですが
    inacurate → inaccurate
    Posted by Nos at 2007年11月01日 13:25
    Horihorioさん、
    あれ、ほんとだ。直しました。
    Dan the Erratic Linker
    Posted by at 2007年03月05日 01:52
    「メタルカラーの時代3」のリンク先が、「超精密計測がひらく世界」と一緒です。
    …私も Inacurate Man で、この手のミスなんか日常茶飯事ですが。
    Posted by Horihorio at 2007年03月05日 00:49