2007年03月05日 05:00 [Edit]
書評 - 数学入門
以前書評を予告しながらまだ書評していなかったのだけれど、「文化としての数学」(これまた光文社新書)も復刻されたので年貢をおさめておきたく。
404 Blog Not Found:急がば微積本書は、遠山啓の「数学入門」(上下)あたりと一緒に読むことをお薦めする。そう。この「数学入門」も書評の対象なのだけど、体調不如意につき今晩はこれまで。
本書「数学入門」は、タイトルどおりの本。岩波新書でこういう直球のタイトルがついたものはまず外れがないのだけど、その中でも傑作中の傑作がこれ。なにしろ私が生まれる10年前に出版されて、それが未だに元のまま、遠山啓が亡くなった今も版を重ね、Amazonでも「在庫あり」なのだ。
中学を登校拒否している間、本書が私にとっての数学教師だった。だから本書が21世紀となった今でも売れ続けているのがうれしくてたまらない。本書は間違いなく、遠山啓という虎が死して残した数多の皮の中で最上級なのだから。
目次
上巻
|
下巻
|
本書の特長は、数学の「面白さ」だけではなく、数学の「役立ちさ」も要所要所で強調していること。このあたりは遠山先生の数学教育者としての面目躍如。しかし本書はただの啓蒙書ではない。本書を読むだけではなく解いて行けば、ちゃんとそれが理解できるようになっている。立派に高校数学の教科書として使えるのだ。見て分かるとおり、本書は高校で学ぶ数学をほぼ全て網羅している。
読むタイミングとしては、「はじめまして数学」と「オイラーの贈物」の間あたりがいいだろう。なぜなら、ちょうどそのあたりが「数学って楽しい」が急激に「数学って難しい」に代わる潮目だからだ。
我が妻は、それまでは数学が得意だったのに、三角関数にぶつかって挫折したそうだ。私が当時彼女を知っていたら、間違いなく本書をプレゼントしていた。ケプラーの法則から万有引力の法則を導出する場面は本書の一番の見所で、この場面を楽しめれば三角関数は克服できたも同然なのだ。
数学が嫌いになりかけている中学生から高校生にも、数学が嫌いになってしまった大人にも、そして数学どころか学校がいやになってしまった不登校生徒にもお薦めの二冊。
Dan the Mathphilia
この記事へのトラックバックURL
あと
著者の経歴、東大 数学科退学 -> 東北大 数学科、というのが
なんか凄い&興味深い。