2007年04月23日 00:05 [Edit]
書評 - ソーシャル・ウェブ入門[BETA]
初掲載2007.04.20; イチオシにつき週明けまで更新掲載予定
先ほど到着。献本御礼。早速読了。ただし「使う」のはこれから。
これは、すごい。
本書はまさに「現代用語の基礎知識」ならぬ「現代Web2.0の基礎知識」だ。
「ウェブ進化論」や「グーグル Google - 既存のビジネスを破壊する」や「グーグル・アマゾン化する社会」をまだ読んでいない人たちがうらやましい。
本書からはじめられるのだから。
本書「ソーシャル・ウェブ入門」は、「面白い」という点でも「使える」という点でも、これまで書かれたWeb2.0本の中の最高峰である。速読できるのに後でまた読みたくなる。内容が濃いのにのどごしすっきり。後発だから当然というなかれ。このクォリティは、ほんとすごい。
まず目次からしてすごい。あまりにすごいので、通常本blogではこの位置におく目次を後ろにもっていかざるを得ないほどだ。そして、この目次を見たあとにびっくりする。本書が240ページしかないことに。本書の一ページ一ページはすごい濃い。活字が小さいわけではない。図版が少ないわけではない。にも関わらず、本書の1ページは他の本の4ページ分ぐらいに感じる。このページの濃さは尋常でない。
にも関わらず、本書は普通の本と同じ程度の速度で読める。これはもう構成力の勝利といっていいだろう。
私は本書が「面白くてためになる」と書いた。「ウェブ進化論」は面白いが、「使える」といえば疑問である。ウェブ進化論を読んでも、はてブを使えるようにはならない。逆に「グーグル明解検索術」は「使える」が「面白い」とはいえない。Googleがもたらす社会的影響に関して考察してるわけではないからだ。本書が絶妙なのは、論考と解説の分量が絶妙なことだ。本書はWeb0.0まで遡って話をしているにも関わらず、ブログの作り方まで解説しているのだ。
本書の判型も、また絶妙である。本書の濃いページを実現するには、新書では狭すぎる。かといってムックのようなB5やA4は手になじまない。A5という本書の判型は本書にドンピシャリである。逆にこれくらいしっかりとしたページ構成でないと、新書主義者の私は新書に収まる本をA5にするのは支持できない。
本書に一つ問題があるとしたら、本書そのものではなく本書に関連するWebページであろう。例えば著者のblog「social web rambling」は、トップページで本書を紹介しておきながら、専用Entryが不在。仕方がないので「social web rambling 「クチコミの技術」ブログイベントに参加」の方にTBしておくが、この紺屋の白袴ぶりには微苦笑してしまう。少しは「クチコミの技術」の爪の垢を飲んどいた方がよかったかも知れない。
とはいえ、本は中身で勝負である。そしてその中身において、本書は他のWeb2.0本の追随を許さない。滑川海彦に、脱帽。
Dan the Reviewer
目次 - ソーシャル・ウェブ入門 Google,mixi,ブログ…新しいWeb世界の歩き方より編集- 新しいWebワールドへようこそ
- Webは社会のライフラインになってきた
- Web/インターネットによる情報革命
- 電気、ガス、水道、携帯、そしてWeb
- ビジネス全体の構造も変わる
- 情報格差―デジタルデバイド問題
- Web2.0―すべてはオライリー論文から始まった
- 小さなきっかけから大変動が起きることがある
- 2.0ブーム沸騰のきっかけを作ったオライリー論文
- アプリケーションからサービスへ
- ユーザーの集合的英知を信頼する
- ビジネスモデルの180度転換
- Googleという巨大な現実
- Googleの株式時価総額はトヨタの6割、日産の2.5倍
- Google小史
- Google、ビジネスモデルを発見
- 大魔人、ランプから出る
- とりあえずの結論…
- Googleに弱点はあるか?
- Webは社会のライフラインになってきた
- 変化の核心には「人間」がある
- Webは「人と人との交流」のメディアに
- Webのソーシャル化の前提は検索サービスの成立
- 人間の本性はソーシャル・アニマル
- 手段としてのソーシャル化、目的としてのソーシャル化
- 英語解読には「英辞郎 on the web」を利用しよう
- ユーザー発信型コンテンツ(UGC)
- Amazonが切り開いたWeb通販戦略
- 圧倒的な質・量のAmazonカスタマーレビュー
- Wikipedia―誰でも書き込めるスーパー無料百科事典
- 集団の英知はWikipediaでどう働く?
- 誰もが編集できるWikiならではの問題もある
- 「みんなの意見」は案外正しい
- 「3人寄れば文珠の知恵」対「船頭多くして船、山に登る」
- 「群集の英知」が機能する条件
- 個人情報が漏洩してもたいした問題ではない?
- AOL、空前の暴挙―2000万件の個人別検索データを公開
- 検索文字列は圧縮された日記
- Web検索・閲覧履歴はマーケティングのための宝の山
- 法律だけでは解決できない問題が山積
- Google検索のABC
- 初心者は「検索オプション」を利用しよう
- AND、OR、NOT
- 「フレーズを含む」オプションは2重引用符" "で囲まれた文字列そのものを検索する
- ドメイン内検索で「朝日新聞」だけを検索
- 自由に利用できる記事の検索
- 検索表現のまとめ
- その他の検索キーワード
- トップページからそのまま使えるちょっと便利な機能紹介
- メールの未来形Gmailを使おう
- Gmailのおかげでメールボックスの容量がギガバイトに
- フォルダによるメール分類は使いづらい
- まずはGoogleにユーザー登録
- ラベル(タグ)でメールを分類整理
- 一連のメールのやりとりはスレッド化される
- フィルタ機能で処理を自動化する
- ただし、コンテキスト広告が入る
- 現在のアドレスをそのままにGmailを利用する
- Gmailのいちばんシンプルな使い方―送信メールのバックアップと検索
- Gmailの差出人アドレス・返信先アドレス指定機能でGmailをバックエンドに使う
- Gmailで外部アドレスを使う方法
- 今まで溜まったメールをどうしよう?
- アドレス帳の移行はどうしたらいい?
- あらゆるコンピューティングが次第にWebサービスに統合される
- Google Mapからマッシュアップが始まった
- Googleでブラウザの起動ページをマッシュアップする
- Googleウィジェットでブログがマッシュアップできる
- アプリケーションとしてのオンラインWebサービス
- Google Docsでオフィス系アプリがオンラインへ
- 誰とでもすぐにオンライン共同作業が可能に
- オンライン協力者を招待する
- ブロガーに見逃せない機能― GDocs内からブログ記事を発行できる
- Googleカレンダー
- 常時接続、常時起動で快適Webライフ
- いちいち電源を入れていては間に合わない
- 「電源設定」で省エネ対策
- パスワードを必ず設定する
- セキュリティを確保する
- Winnyその他P2Pソフトについて
- データの暗号化でプライバシーを確保
- 必要以上に個人情報をばら撒かない
- ユーザー投票で記事を選ぶソーシャルニュース
- Newsing対一般ニュース― どこが違うのか?
- ソーシャルブックマーク兼ソーシャルニュース「はてな」
- ソーシャルサービス入門ブックマーク篇
- ローカルな「お気に入り」はすぐにパンクする
- シンプルかつ強力なタグ検索機能で選ぶならdel.icio.us
- そしてソーシャルな使い方
- 自分に志向の近いユーザーを見つけるコツ
- ソーシャルブックマーク利用のまとめ
- YouTubeのソーシャル共有パワーの秘密
- 単一ビデオが日本から1日300万ダウンロードを記録
- YouTubeの機能
- 写真のソーシャル共有サービスflickr
- コンテンツソーシャル共有サービスの機能まとめ
- GoogleのYouTube買収でテレビ、映画のインターネット移行は急加速か
- 20代の2人のキング誕生
- HDDビデオでテレビ視聴者の脱「カウチポテト」化が進む
- iTunesを先頭にテレビ局、映画会社がインターネットビデオ配信に続々進出
- YouTubeが第二のNapsterにならない理由
- デジタルミレニアム著作権法による保護
- 危機意識希薄な日本の放送業界
- クリエティブ・コモンズ―Webでの流通を前提としたオープン著作権の試み
- 在来型著作権とデジタルコンテンツには大きなギャップがある
- 「オール・オア・ナッシング」の著作権は著作者にとっても不便
- クリエイティブ・コモンズ著作権はデジタル・コンテンツの流通に柔軟に対応できる
- クリエイティブ・コモンズでコンテンツを公開する
- クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのパターン
- ソーシャルネットワーク(SNS)小史
- SNSのパイオニアは2002年スタートのFriendster
- 規模ではmixi独走―わが国のソーシャルネットワーク
- スーパーSNS、MySpace現地ティーンを取材
- MySpaceの急成長を支えたのはティーンエイジャー
- MySpace漬けのティーンの日常「クラスメートのほぼ全員が使ってます」
- 出会いも恋も連絡も―でも学校ではアクセス制限
- 友だちの音楽聴けるのが楽しい
- MySpaceはソーシャルネットワークのMTV
- 米国のソーシャルネットワーク市場は今、中年パワー全開
- ニッチなSNS市場も元気だ
- アメリカSNSのメジャープレイヤー
- mixi入門―日本の大人のご近所づきあい
- なにはともあれ、招待制
- mixiの中心は「マイミクシィ」の交流
- 公開範囲を決定する
- 友だちの輪を広げる
- 情報漏洩事件をめぐってmixi周辺はプライバシー問題で大揺れ
- 2ちゃんねるとSNS 破壊的革新対居心地よい保守
- 数字で見る2ちゃんねる対mixi対決
- 2ちゃんねるは巨大なマス、mixiは小さなコミュニティの集合体
- 手荒い直接民主主義の実験場
- mixiは居心地のいい村空間を提供する
- Webはブログの登場でメディアとして完成した
- 2006年、わが国も本格的ブログ時代に入った
- ブログとウェブサイトはどう違う?
- ブログ発達史―まず政治ブログが注目を集めた
- 2004年、ブログの報道でCBS炎上
- ブログは企業PRのカギとなる―ビデオブログが「悪の帝国」マイクロソフトのイメージを変えた
- ブログ購読はRSSフィードリーダーの利用が必須
- フィードリーダーとは?
- マイクロソフトIE、7.0、ついにRSSフィードリーダーを標準装備
- Webフィーダーを比較する
- フィードリーダー使うならどれ?
- フィードを配信しないサイトは置いてけぼり―ビジネスデルも変化中
- ウェブフィードリーダーBloglinesを活用しよう
- 最初のブログ―種類と選び方のポイント
- ブログはWebサイトよりはるかに簡単に作成・運用できる
- ブログサービスの種類と選び方
- いちばん簡単なブログのサンプル
- スキンやロゴ画像を設定する
- ダイナミックなブログネットワークを作るツール
- Webサイトのメディアとしての限界
- ブログネットワーク3種の神器―トラックバック、ピン、パーマリンク
- ブログ作成―実戦篇
- テンプレートのデザインは1にも2にも可読性
- テンプレートをカスタマイズする
- タイトル文字のサイズ変更
- 記事の投稿テスト
- アフィリエイト広告
- WebのOS化でWindows Vistaは最後のWindowsとなる?
- 「MS帝国」がデスクトップを支配した20年
- 「第一次Web戦争」はマイクロソフトの圧勝
- マイクロソフトの「壁に書かれた文字」―Googleの登場
- 「Webのプラットフォーム化」はこうして起きた
- 「高度情報社会」は少しも高度でなかった
- ハードウェアインフラの整備とドットコムバブル
- 「実物大の世界地図」の登場
- Webは「仮想現実」から「現実そのもの」へ変貌した
- 「プラットフォーム」はデスクトップからWebへ移動した
- オールドメディアの本流、CBSの果敢な挑戦
- ラスベガスでビル・ゲイツより注目を集めた男
- ビデオクリップを簡単に作ってアップロードするClip and Slingシステム
- コンテンツ、オーディエンス、メディア
- 「ソーシャルWeb」は「Web社会」へ、さらにその向こうへと進化中
- Google帝国、猛烈な拡大を続ける
- 「Googleはインターネットそのものを支配下に収めようとしている」
- 「ネットテレビ」はメディア世界の秩序に激震をもたらす
- Web2.0の後に来るものは? ティム・オライリーの予測再び
- マクルーハンの「電子の世界村」は必ずしもバラ色の未来を意味しなかった
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支持ありがとうございます。今後ともよろしくご指示のほどを。
Dan the Typo Generator
紺屋の白袴とはまことに、そのとおりでして、TB先を作っとかなきゃなー、とか思っただけで、すっかり忘れてました。能書きにくらべて(汗汗
今後ともよろしくお願いします。
不躾にもいきなり見本をお送りしたにも関わらず、すぐにお読みいただき、このようなご高評をいあただきありがとうございます。
AMNのクチコミセミナーには私も参加させていただき、このタイミングで非常に勉強になりました。現在実践中のところですが、このエントリによって一気に空気が変わり、弾さんのブログの影響力の大きさに今更ながら驚いております。
WEB+DB、gihyo.jpでもお世話になっておりますが、今後とも何卒よろしくお願いします。
