2007年10月02日 00:00 [Edit]

この記事をクリップ! newsing it! Buzzurlにブックマーク b.hatena.ne.jp/entry 書評 - シルクロード少年ユート

アスキーのT様、献本感謝&お待たせしました。

初出2007.04.29; 完結につき再掲載

いや、意外にいけます、これ。


本書「シルクロード少年ユート」は、NHK BSでやっていた同名のアニメをちょっぴり大人向けにノベライズしたもの。私はアニメの方を見ていないのだけど、本の方で楽しめた。一言でまとめると、「過去のお宝を手に入れるため、二組のパーティーがタイムマシンで争奪戦を繰り広げる」お話。

そう。本シリーズは21世紀の「タイムボカン」なのです。

とはいえ、「タイムボカン」シリーズと決定的に違う点が一つあって、二組が善と悪にわかれているのではないこと。ぶっちゃけどちらも「悪」。善悪単純に分けないというのは、21世紀的だと思う。でも実はその方が難しい。善悪を分けた方が、悪の面白さが際立つ。「♪わ〜るいこっとす〜るたびに人気がでっちゃっう〜」てものである。本書ではそれが三悪トリオの二乗になっているのでかえって難しいと思うのだけど、そのあたり、実に上手に料理されていると思う。どう料理されているかは、本書を読んでのお楽しみということで。

本書はあえて分類すると「ラノベ」に入るのだと思う。現在2巻まで、それぞれA4で450ページ以上というのはライトとは言い難いのだけど、全編ルビが振ってあって、活字も大きいので大きさはそれほど気にならない。1900円という値段も、単行本一冊で文庫本二冊分の分量があれば納得がいくところ。

最初に「ちょっと大人向け」と書いたけど、確かに本書にはNHKのアニメでは絶対放映できないような表現があちこちにちりばめられている。リンとランはタイムパラドックスも気にせず殺しまくるし、タイムマシンの「出発地」となる24世紀はほんとろくでもない世界だ。しかしそのことが、本書を大人の鑑賞にも耐える作品としている。

特に気に入ったのが、以下の下り。「三悪トリオ」の片方の雇い主であるバーバラが、タイムマシンの納品を部下の博士に迫るシーン。

第一巻 pp.231-232
私はただの強欲女だ。そのことをよぉくわかっている。ある意味、くだらない人間だ」
「会長......」
 拳銃が、火を噴いた。
 八発撃って、標的に二つ穴が開いた。 「だが、それでいい。お前のような、自分の事をかけがいのない上等な人間だと勘違いしているゲスの仲間などなりたくない。くだらない人間で結構だ。なにが世界にひとつだけの花だ。きさまの代わりなどいくらでもいる!
 さらに七発撃って弾が尽きた。
「いつまでそこに突っ立てるんだ! 的になりたいのか!」
 怒鳴られ、博士は逃げ出した。

いやあ、悪の親玉はこうでなくっちゃ。

現在二巻まで刊行されているが、この後も楽しみなシリーズ。分量的にゴールデンウィークに読むのにちょうどいいかも知れない。

「タイムボカン」シリーズが好きだった人も、全然知らない人も是非。

そういえば、「ヤッターマン」の実写化ってどうなってるんだっけ。

Dan the Reviewer


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この記事へのコメント
「ヤッターマン」の実写版、さ来年春公開予定だと思う。
「シルクロード少年ユート」の寺田克也がメカニックデザイン担当だよね。

ドロンジョ様役を、アンジェリーナ・ジョリーにオファーして断られたと報道されていたけど、どちらかといえば日本人女優で、あの口調を再現して欲しいけどなあ。
杉本彩なんてどうかな?
Posted by Meg at 2007年04月29日 14:58