2007年05月29日 18:15 [Edit]
書評 - 受験勉強は役に立つ
これを見て思い出したのが、意外なことに本書。
Life is beautiful: ネットの時代には「知識量・記憶力」よりは「適応力・応用力」の方がずっと大切学生諸君にぜひともお願いしたいのは、この手の課題にどんどんと取り組んで「新しい技術をすばやく習得して応用する」テクニックを見につけることである。知識や情報そのものはネットを探せば簡単に見つかるので、自分の脳みその中に知識を溜め込んでおく「記憶力」や「知識量」はあまり役に立たない。それよりは、必用に応じて新しい技術をすばやく検索・吸収し、実際のプログラムに応用する、という「適用力」・「応用力」のほうがずっと重要である。
本書「受験勉強は役に立つ」は、受験勉強というものが、誰のためにいったいどんな形で役に立つかを解説した本。タイトルだけ見ると、satoshiさんとはまるで正反対のことを言っているようだが、そう思った人は、適用力、応用力が足りない。
目次- 序章 受験学力とは何か
- 第1章 受験学力と基礎学力
- 第2章 受験学力とメタ認知能力
- 第3章 受験学力と対象分析能力
- 第4章 受験学力と方略志向
- 第5章 受験勉強と考える力
- 結びにかえて 新学歴社会とと考える力
本書を読むと、著者が定義する「受験学力」とは、まさに適用力、応用力のことを指していることがわかる。受験秀才がまずいのは、受験学力を大学受験で使い切ってしまうことが悪いのであり、そして受験が社会において優秀な人材の確保に役立たないように見えるのは、入試問題が悪いのであって受験そのものが悪いのではないと著者は説く。
pp.25-26日本人が英語を使えないことが問題だと考えるのならば、使えるようになる英語を入試問題に課せばよい....今の若者が敬語を使えないことが由々しき事態だと考えるのなら、入試に敬語の問題を出せばすぐに矯正されるはずだ....受験勉強を批判するより、入試問題の質の低下を改善するのが先だろう。
けだし正論である。が、だとしたら、今求められている入試問題とは一体なんだろうか。
私が思うに、それは問題を作らせるという問題、だと思う。そういう形式の入試問題を見た事がないが、それが私には実に不可解なのだ。あまりに採点側の負荷が高すぎるのだろうか。受験の一番の弊害、それは問題とは他人が自分に課すものだという誤解を、それを誤解と気づかせぬほど強烈に植え付けてしまうこのなのではないか。
Life is beautiful: ネットの時代には「知識量・記憶力」よりは「適応力・応用力」の方がずっと大切私のマイクロソフト時代の同僚に、インドから来た飛び切り優秀なエンジニアがいたのだが、彼に言わせると「どんな技術でも二週間でマスターしてみせる」。かなり自身過剰なセリフだが、本当にすごい奴で、そんな彼との仕事は楽しくてしかたがなかった。
それほど自身過剰には聞こえない。私自信、新しいプログラミング言語を3日でマスターできなかったら負けだと思っている。もちろん「マスター」にもピンからきりまであるが、ここでいう「マスター」は、もちろんライブラリーやクラスを端から端まで覚えるということではなく、その言語の特徴をつかんで、一目見てその言語で書かれた事がわかるようなコードを読み書きできることを指す。ちょっとした具体例を上げれば、
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
int main(int argc, char *argv[]){
int i;
int sum = 0;
for (i = 1; i < argc; i++){
sum += atoi(argv[i]);
}
printf("sum=%d\n", sum);
return 0;
}
しか知らない状態ではじめて、
puts "sum=" + ARGV.map{|s| s.to_i}.inject{|i,s| s += i}.to_s
その言語の枠内で上が自然だと思えるようになるまで、ということだ。
しかし、「どんな技術でも二週間以内でマスターさせてみせる」だとしたら、私も自信がない。当然そのためには自分はその新しい技術をマスターしていなければならないし、その上で教わる側が何をマスターしていないかを知らねばならない。そして社会において知的労働をするというのは、このレベルの仕事を日常茶飯事とすることなのである。
さすれば、問題を作る事そのものを受験問題にするぐらいのことは必要なのではないだろうか。社会に出てからでは遅いのだから。
Dan the Problematic
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当社で小論文の採点をする人は小論文など書いたこともなく、そのルールも知らない・・・・。
「問題を作成させる問題」の採点は・・・ホワイトカラーの人事管理くらい難しく・・・。
「問題を作成させる問題」の「模範問題例を暗記する」というスパイラルで結局一緒かもねという結論になるのでは?
一応書いておきます。
結構ガッツがついたような、、、
昔はひ弱でしたから。
問題を作成させる問題。確かに模範問題集なるものが出れば、皆が皆それを真似してしまって……結局意味をなさなくなってしまう予感がします。
更に、作成させた問題を是とするか否とするかの判断もかなりの労力と時間が必要とされるわけで……
大学入試や高校入試の不特定多数が受験する試験では、必要とされつつも不向きな問題とも言えそうですね。
