2007年10月08日 18:00 [Edit]

親に関する最もありがちな2つの誤解

三連休は家族全員風邪でぐったり。そろそろ起きるか....

妻が臨月だ
  1. 名前が常識的に普通じゃない子供&親とは付き合わない。(当て字とか…)
  2. 子供と親の年齢が近い(あきらかに10代で産んでいる)人たちとは付き合わない。
  3. 子供を注意しない(しつけない)親とは付き合わない。

微苦笑。わたしゃこの時点で失格。

ところが親としても子としても、上の発言主よりもよろしくやっている。


なぜか。親というものに対する二つの誤解から、今は目が覚めているからだ。

別に私が賢いわけじゃない。覚ましてくれたのは、子供たち。この二つは、子供を得てはじめて気づくタイプの誤解でもあるのだから。しかし他の多くのコロンブスの卵と同様、いったん気がついてしまえば別に親にならなくともわかる。というわけで、いい機会なので書いておく事にする。

誤解その1:親は子の環境に対して100%の責任と権利を有する

まずはこれ。上の発言主もこの誤解の虜になっている。日本にはこの誤解の虜になっている人が実に多い。「親子心中」なる他国では滅多に見ない親族殺人が見られる理由もこれだろう。これほど子供を大切にしているようでいて、子供を愚弄している誤解もないのだが。

実際のところ、子供にとっての親が占める世界というのは、一日ごとに小さくなっていく。生まれたての状態では「世界=親」であっても、徐々に「世界>親」となっていく。すでに乳飲み子の段階でも、たいていの場合祖父母という名の「非親」が「世界」にいるものだし、保育園や幼稚園や塾ではすでに「子」ではなく「生徒」や「友」として振る舞うことを求められる。小学校ともなれば、すでに「世界/2>親」ぐらいになっているのではないか。

確かに親はどこに住むだとか、どの学校に行かせるだとかといった「非親」の世界に対してもある程度の影響力を行使しうるし行使するものだが、そこまで親が出しゃばらなければならないとしたら、親はつらいし子はうざい。親も子も、24時間親子をやっているほど暇じゃないのだ。「従業員」でもなければ「経営者」でもなければ「配偶者」でもない親など存在しない。

子はあくまで「第一優先」であって親を「占有」するほどえらくないし、それは子にとっても同様。そして、いつか「第一優先」もなくなって、親もまた「気の置けない他者のリストの一部」になっていく。

こういったことは、知識としては言われただけでもわかるけど、血肉とするには実際に親になってから、自分が子だった頃を思い起こすのが一番いいようだ。しかし知識だけでもあるのとないのとでは大違い。さもないと、「嫁」や「婿」まであなたの責任で用意させられる羽目になりかねない。かつてはそうだったみたいだけどね。

誤解その2:育つのは子である

こちらは上の誤解よりもさらに気がつきにくい誤解。

子育てで育つのは、子供だけではない。親もそうなのだ。

体感としては、1年の育児が6年の学校教育に相当するぐらい。同じ30歳でも、18歳で子供を作った人と24歳で子供を作った人とまだ子供がいない人では、「大人力」が前に行くに従って格段に上がる。

よく考えれば、それもまた当然。子を育てるというのは、実は子に未来を託すという「予習」だけではなく、「自分が子供だったときはどうだったか」という復習も兼ねている。しかも子育てが親子だけで完結せず、保育園や学校といった社会に多かれ少なかれ委託する必要があることを考えると、これにさらに「社会とのやりとり」という過程が加わる。そしてこれらの全てを、子育てにおいては体で覚えて行くのである。

そのことを考えると、大学というのは実に罪作りな仕組みでもある。人生において親として最も学べる時期に、おばさんおっさんでも学べる知識を与えているに過ぎないのだから。その上、卒業生はその後も「社会人」として「親になる自信」を得るだけ「自らを育てる」のに数年から十数年費やす。折角人生50年が80年になったのに、活かせる時間がこれではむしろ減ってしまうではないか。

むしろ16-20のうちに親になり、大学は0x20(=32)歳からぐらいでちょうどいいのではないか。その頃には子供もローティーン。親なしでもたいていの日常行動は取れるようになっている。そしてその子どもが親になる頃には、親はまだ30代後半から40代前半。「社会人2.0」として現役バリバリで、60代とは比較にならないほど柔軟な「ジジババ力」を発揮できる。「どこどこの学校に入れる」だの「その学費をどうするだの」というのは、親としてではなく祖親として、また子育て卒業生としてより大局的に発揮できるではないか。

「配偶者選びのやり直し」という点からも、早めに親になることはおすすめだと思う。仮に配偶者1.0が気に食わないとしても、上のモデルであれば子育て卒業=社会人2.0。まだ充分やりなおすだけの時間があり、そしてそれを活かすための経験がその時点で身に付いている。

我々夫婦の場合、第一子誕生が妻30、私29で、今時としては普通だが上のモデルと比べてあまりに奥手である。これは主に私が父親となることに対して臆病だったことが理由だが、もし可能なら過去の自分にこう言ってやりたい。「『案ずるより産むが易し』は本当だよ」、と。

絶対原則:子は別人

実は上の二つの誤解は、これを体でわかっていれば生じ得ない。しかし誰もが頭で理解しているこのことも、実体験がないとなかなか体で理解できない。さらに困った事に、実体験をもってなお、このことに気がつかない人は少なくない。

子どもは、絶対に自分が思い描くようには育たない。どれほど自分の想像と子どもの現実が乖離しているかは人によって違うけれど、その多寡がどうであれ、この事実は祝福なのだ。つまり、

花見川の日記 - 2007-10-08
”自分の理解の範疇に無い存在”から家族を守る自信が無いからだ。

の「自分の理解の範疇に無い存在」だということだ。子を自分の分身か何かと思えば、それは不気味で受け入れがたいことかも知れないけれど、子が別人であるということ念頭におけば、それはむしろ当然のことである。

「子は別人」という基本的かつ絶対的な原則を敷衍すれば、「社会が子育てに一役買う」ということもまた自然に理解できるようになる。実際社会に子育ての片棒を担がせるようになってから、子どもの能力というのはずっと開花しやすくなったのである。あなたが九九が出来るのも、ネットで意見をやりとりできるのも、あなたの親が社会に子育ての片棒を担がせた結果ではないか。

にも関わらず、親が子育ての重荷をすべて自分達で抱え込もうとしがちなのは、親にとっても子にとっても社会にとっても、実にもったいないことなのではないか。

Dan the Father of Two


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親が子供にできることなんて、とても限られている。まして俄かに父親になったボクなんかではなおさら。  ことさら自分を卑下するつもりでもなく、そういう素直な認識がある。あギ..
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404 Blog Not Found:親に関する最もありがちな2つの誤解 著名ブロガー,コガイダンさんの子育てに関する3つの鉄則は, 1,「親は子の環境に対して100%の責任と権利を有する」と思うな 2,「育つのは子」だけではなく,親も育つ 3,「子は別人」 というもの。...
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絶対に取っておかれそうなデザイン名刺のアイデアいろいろ|WEBマーケテ...
links for 2007-10-09【気になる記事の書き出し帳】at 2007年10月09日 18:27
いつも読ませていただいている,404 Blog Not Found で 『親に関する最もありがちな2つの誤解』という記事. 一か所納得できないところがあります. 弾さんは子供を作ると表現してらっしゃいますが,僕は子供は「作る」ものではなく,「授かる」存在であると思っています
親 と 子 について【お湯 わいとう?】at 2007年10月09日 16:36
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実に同感。だけど、   親に関する最もありがちな2つの誤解(404 Blog Not Found)
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★オンラインで携帯待受けを一発変換できるサイト - Byozine|^^| ★ショートカットキーで楽々操作! - All About ★空気を読む力を数値で判定するテストに一喜一憂 - Ameba News ★IPアドレスからどこまで僕ら????
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子は別人【蒼と碧の幻想】at 2007年10月08日 18:39
この記事へのコメント
悟り開くの早すぎですね。魔境ってよくありますよね。

大人力ってなによ。どなたかスカウターで計ってくれるのでしょうか?
Posted by ac at 2007年10月10日 23:21
『子の為に親である自分がいる』だなんて考えたくはありませんが、子は『完全な他人』だと言い切るには、親は多くの対価を払い過ぎています。 その対価を払ってでも子に望むもの、っていうのがあってもしょうがない気がするんです。

何にせよ『望まれない子』ほど、親子の関係性を欠如させる要因はありませんから。
望む以上は、子にとっての幸せでありたくないですか?


子に対する欲の正当化みたいですが、人間ですもん。こんなもんでしょう?  
Posted by ちさ at 2007年10月10日 21:24
早婚の是非はともかく、年齢に合わせて収入も上がるキャリアモデルが崩壊した今、晩婚のメリットはありませんね。体力のある20代のうちに、手のかかる幼児期を乗り切って、子供が親離れしていくのに合わせながら、脂が乗った30代を仕事にシフトしていくのが賢い選択かと思います。
Posted by nom at 2007年10月10日 16:09
確かに子持ちと子無しじゃ精神年齢が違うという話はわからなくもないですが。

16-20で子持ちになった場合、当然経済力が皆無だから祖父母に頼ることになると思うんですが、
その場合育児をすべて親に投げてしまう可能性は無いのでしょうか?

また32で大学に行くとして、それまでが無職でいるつもりですか?

そして、祖父母が子を経済的に豊かに育ててもらったのに、
孫に豊かな生活をさせられないことに重責を感じることはないのでしょうか?

子の数が増えれば増えるほど増える祖父母の負担はどう考えているんですか?
経済事情を把握しきれないのは一番危険だと思います。



これだけいい経験なんだからみんな早くに経験すべきだというにはいささか早計だと思います。
もう少しモデルケースのプランを組み立ててから発言したほうがいいと思います。

悟ったと思い上がるにはまだまだですね
Posted by   at 2007年10月10日 14:41
子どもを育てていく上で実感することを、うまくまとめられていると思います。
その上で過激な提案もなさっていますが

> むしろ16-20のうちに親になり、大学は

女性の体は16歳ではまだ未完成なため、この時期に妊娠出産をすると母体へのダメージが大きいですね。
また産後の心身のストレスも、未熟なこの年代には受け止め切れないと思います。
せめて18歳くらいに引き上げた方が良いかと。
また知識欲を育てる時期に子育てを充ててしまうと
子どもに対しても柔軟な対応をしづらくなるのではないかな?とも感じます。
Posted by みさりーぬ at 2007年10月10日 02:43
子供を生むこと自体は”善”か?
という疑問は、頭のいい人でも浮かばないのか…。

・子供は本質的に親の暇つぶしや成長の道具ではないか?
・全ての子供は、生まれてこない方が幸せではないか?

少なくとも私は、今生まれるより1000年後に生まれた方が幸せだと思う。
生まれた子供に「なぜ今生んだか」を納得させられる自信は無いし、そもそも自分が納得できそうにない。
Posted by handa at 2007年10月10日 01:31
えええ(3) はOKなんですか?
躾って親子の間だけのことじゃなくて、周囲との関係を考慮してのことでしょ。基本的には「他人に迷惑を掛けない」っていう……。

そりゃ子供は別人ですから親がどんだけ口すっぱくして注意しても叱ってもその通りには育たない。だからって最初からしつけ放棄はどうだかなあ。

プログラムはバグがつきものだけど、だからって最初から品質放棄したら後でえらい事になりますよね。それともえらい事になったまんま納品しますか? まさかね。
そりゃ子供とコードは別物です。共通点なんてせいぜい「自分がタネになった」てくらいでしょう。:-p
しつけというのはただ単に子供の行動をコントロールしようとしてるわけじゃ無くて、社会常識としてなにがNGかを「教える」ということでもあるはずです。だからってカミナリオヤジになる必要はないけど「注意する」ってのは親として普通のことだと思うけどなあ。
Posted by デバッグ不可能だしな at 2007年10月09日 20:01
>同じ30歳でも、18歳で子供を作った人と24歳で子供を作った人とまだ子供がいない人では、「大人力」が前に行くに従って格段に上がる。
誤解です
Posted by haha at 2007年10月09日 15:52
金はじいちゃんばあちゃんが出す仕組みとちゃんと書いてあるだろ。
人口増の社会では問題だが、人口漸減の社会では論理的にはあり。

でも、この手法は、双方のじいちゃんばあちゃんの経済的豊かさに顕著な差があると社会的摩擦が発生する。
「恋愛結婚」が正統だと見なされるのは、「結婚」=経済単位としての自立、となっている社会に限られる。そうでなければ、主要なステイクホルダーが、「結婚」の当否に口を出すのは当然。

よって
(1)株式会社で経営者が株主の意思に逆らえないのと同様、子供は親の意向にしたがい、お見合い結婚が主流になる
(2)育児の追加費用がほとんど発生しない、再分配率が非常に高い社会にする
のいずれかが、弾説の帰結になる。
Posted by 通りすがり at 2007年10月09日 12:54
世の中にはじぶんのこどが恥ずかしいからと外に出さずに家の中に換金する
親もいる。
さらに、子の将来や若さに嫉妬して足を引っ張る親もいる。
Posted by 3 at 2007年10月09日 12:30
たんにてめーが金持ちで頭良すぎるからそんなこと言えるんだよな。現実が見えてない。
Posted by nanasi at 2007年10月09日 10:08
…大学(やその近辺)に保育所をたくさん作るって手もありますね。高校だとちょっと気が引けますが。
Posted by rijin at 2007年10月09日 09:57
費用どうこうより、16-20の年代は一生懸命勉強して学問の基礎を身に付けるべき年代だと思います。
Posted by ケケケ at 2007年10月09日 08:38
教育は後からの方がいいかもってのが前提ではないかと
若年で結婚するのが反対と言ってる方へ
Posted by s at 2007年10月09日 00:27
ようするに、DQN親の育児方法が最適ということですか?
Posted by む at 2007年10月08日 22:56
>この年代の人間には経済力がありません
「世の中の仕組み」を語っている文脈なんだから、
年代ごとの経済力が是正された、
という仮定の下で考えればいいんでないかな。
Posted by   at 2007年10月08日 21:20
打ち間違えましたw

×この意見には反対しかねます。
○この意見には賛成しかねます。

です。
Posted by ひな at 2007年10月08日 19:54
 「むしろ16-20のうちに親になり―――」とありますが、この意見には反対しかねます。確かに、子供を持つことで親としての責任感や仕事・勉学に関する意識は変わってくるでしょうが、この年代の人間には経済力がありません。
 普通は学生をやっている年代ですよね。子供を育てるのにはお金がかかります。特に私立の学校や塾・習い事なんかに通わせた場合は。この子育て期間の経済面に関しては仕事に就くことを前提としているんですかね。そうした場合、中卒・高卒の学歴でしょうから、就職は比較的不利でしょうし、家族を10数年間養って、それでかつ大学にも通えるようなお金を稼ぐことが出来る職種に就ける可能性は極めて低いと思うのですが。 それに仮に自分の親に工面して貰うにしてもちょっと荷が重過ぎますよね。。。
 その人に経済的な力があることが前提となっているようで、あまり現実的な意見ではないように思うのですが…
Posted by ひな at 2007年10月08日 19:52
 これって、大企業が有名大学出身者しか面接しないのと同じ理由でしょ。件の3条件に当てはまる親の中にもちゃんとした人がいるとか、親が子どもに対して全ての責任を負ってるわけじゃないとかはblog主も先刻承知だとおもうけど。
 全ての人と深く付き合うなんてできないんだから、大体の基準でおおまかに選別するのは妥当だし、子供が親以外から影響をうけるからって、親が何にもしなくてもいいって事にはならない。最低限、親ができることをする、ていうのも極めて妥当だとおもいます。All or Nothing じゃないでしょう。
Posted by 寿命 at 2007年10月08日 19:48
こんにちは。大昔の学園紛争の頃に、どっかの空港で銃で人を殺した学生の親がインタビューかなにかで「子供はもう20歳を超えた大人だから私たちには関係ない。」って言った話を思い出しました。うーんと、とても極端な例ですが、それくらいの感覚でありたいなと思ってます。ではでは。
Posted by Dora at 2007年10月08日 18:20
この増田のエントリは単純に「緋色」とか名づける親が嫌いなのでそういう親とは付き合わない・・・「自分のスタンス」という示しているだけであって・・・親としてのスタンスというのとはちょっと異なるのではないでしょうか?原文は親になる気負いみたいのは感じました。
が単に・・・ヤンキー系の子持ちは嫌い・・・ということを指しているような・・・。
Posted by blog49 at 2007年10月08日 18:14